フリーレンとフェルンが精液をしぼり取ろうとするので、俺みたいな陰キャ大学生じゃ身がもたない件について 作:a-su
イエス・キリストの生誕から二千と二十年後。
日本、近畿地方の田舎町、
秋の午前、ジョウとフリーレン達が暮らしてきたボロ屋の茶の間。涼しい空気が、開け放たれた
「不愉快です」
フェルンが、これで十度目の悪態をついた。フリーレンお手製の饅頭を食べてはつかみ、食べてはつかみする。
あっという間に皿を空にすると、ちゃぶ台から冷たい緑茶のグラスを取り、一気飲みした。
そして、苦みに顔をしかめる。
「こんなに苦いお茶は初めてです」
いつもと同じだけどなと思いつつ、ジョウはお代わりを注いでやった───冷茶ポットを持つ自分の手が、興奮に震えているのを抑えきれないまま。
ついさっき、フリーレンが「世界を渡る魔法」の正体について衝撃的な告白をしたからだ。
「あのさ」
「なんですか」
「き、機嫌直してくれない?」
「は?」
(怖っ)
まさかの、は? である。今まで見た中で、一番冷ややかな表情と声をした
「んぐ、んぐ、んぐ…………ぷはっ。うんめい? こども? 私にも隠して、バカにして」
これで十一度目の悪態をつくフェルン。ジョウが手に触れようとすると、「触らないで」と手をはたいてきた。
「良かったですね、フリーレン様の運命の人で」
「機嫌直せって、頼むよ」
「ふん」
ジョウが住む地球にフリーレンを呼び寄せた魔法は、真の名を「
魔法を発動させたエルフの体を解析し、あまねく世界から最も生殖に適した「つがい」を選び出す。そして種族を問わずオス側の肉体に作用し、魔力を奪ってメスを呼び寄せる。そして精液を改質し、受精しやすい魔法の精液に作り替えてしまうのだそうだ。
(なんて下らない魔法だよ)
もっとも代償に、オス側の魔力を消費する───そしてジョウのような、もともと魔力を持たない人間の場合であれば、代わりに生命力を奪われるのだという。エルフとの生殖をしようがしまいが、オスとしての機能を失わない限りは、ずっと。
「……………………」
「旦那様」
「なに」
「どうして、笑ってらっしゃるのです?」
ジョウは、はっと手で口元を押さえる。しまったと顔をしかめても遅かった。
「貴方はいいですよね」
「……」
フェルンの視線が凍えるようで、思わず視線をそらしてしまう。
「顔に書いてあります。フリーレン様に精液を注いで、妊娠させて、子供を作って……それさえできれば早死にしてもいいって」
ジョウは口をつぐんだ。フェルンの指摘通りだからだ。
お前は恋い焦がれた女の「運命の人」だ。彼女はお前と子供を作るために、世界の壁を越えてやってきたのだ。そうまで言われて、命を惜しむ男がどこにいよう?
「私は?」
「本当にすまない」
「身勝手」
「ごめん」
「最低」
「悪かったって」
「ええと……お、おたんこなす」
「へいへい」
「むむむ」
悪口のバリエーションにいまいち欠けるフェルンが、ならばと自分の下腹部に手を当てた。
数日前にジョウが精液を注ぎ込んだ、ひょっとしたら受精卵が着床しているかもしれない、女の子の大切な部分だ。
「私は、突きつけられて……邪魔者だって……このお腹も、この気持ちも、貴方とフリーレン様のお邪魔虫なんだって……」
ジョウは、ちぇっ、という気分になった。
フェルンの動作やしゃべり方には、少なからず芝居がかった部分があるからだ。不機嫌で
「ほら、小芝居してないで行くぞ」
立ち上がってちゃぶ台を回り、紫の髪を軽く撫でて促す。甘えてくる女をあやすのも悪くはないが、時には主導権を握ってコントロールしてやることも必要だろう。
魔法など関係なく、フェルンはジョウの女なのだから。
「偉そうに指図しないで」
「つべこべ言うな」
軽く髪を
「私は……」
「ほら、手」
「もう」
茶の間を出て、廊下を進む。その途中で左手の薬指にキスしてやると、フェルンが「ん」と声を漏らした。
向かう先はトイレだ。フリーレンが立てこもった、この家で玄関以外に唯一、鍵をかけられる場所である。
「フリーレン? 俺だ」
『……』
トイレのドアを叩くが、返事はない。だが、すすり泣きとしゃくりあげる声が、ドア越しに聞こえてくる。
フェルンに顔を近づけ、小声でささやき合う。
「あれからずっと泣いてたのかな」
「はい、間違いないと思います」
「一時間くらい経ってるんだけど」
「言いましたよね、ガマンの限界を超えたフリーレン様は、三日くらいなら泣き続けます」
ジョウはため息をついた。
「エルフもエルフでめんどくさいな」
「も、とか、で、は止めて下さい」
「はいはい」
「ほら、フリーレン様を『介護』しないと」
「介護はひどくない?」
「あなたは私の旦那様なんですよ」
「そうだけど」
「フリーレン様の介護は家族としての義務です」
「そんな話だったっけ???」
うーん、とジョウは
それがジョウとフェルン二人の企みなのだが、かと言って言うは易し、行うは難しである。あれだけ泣いてわめいて暴れて、それでもなお自分の世界へ帰ると言い切ったフリーレンを説得するのは、至難の業だろう。
トイレのドアが、まるで
(神話だと、神さまたちがストリップショーして、アマテラスに出てきてもらったんだよな───ん?)
「旦那様?」
フェルンが、ドアに耳を近づけるジョウに寄り添った。二人でドアに耳をくっつける。
『……ひっく、うぅう……ジョウ……好き……好き……あァ、い、いく、いっちゃう……』
「!?」
フリーレンは、トイレの中で自慰をしているらしかった。
二人して、ぎくりと背筋をこわばらせる。フェルンが目を
『すき、ジョウが、好き! ああ、だめ、あっ! ああ! あッ! ああぁ!』
フリーレンのあえぎ声が高くなって、ドアががたがた揺れた。どうやら彼女はドアに体重を預け、立ったまま自分の性器に指を突き入れているようだ。
『あっ、あぁ……また、しちゃった……ダメなのに、諦めないと……いけないのに……』
フリーレンは、おとといの夕方からつい一時間前まで、ひたすらジョウと交尾し続けていた。その激しい性交の余韻で、今も潤いを失うことができないらしい。しきりに指を動かし、膣をこねくり回し、快楽の虜になっているようだ。
『あ……ん、また……いっちゃう……あっ、好き……ジョウがすき、すき……ぁ───』
ジョウは、ムカムカした気分だった。フリーレンから好きという言葉が聞けて、嬉しいのは間違いない。オナネタにされていることも、まあ光栄だ。だがトイレにこもって鬱々と泣くくらいなら、なんで面と向かって言ってくれないのか。
『あぁ……好きなのに……』
(俺だって)
思わず、ドアに向かってそう呟きそうになった。だがそれは言葉にならず、ため息になって消えていく。
『はぁ……ああっ……』
ドアの向こうから、またフリーレンのあえぎ声と水音が響き始める。絶頂の痺れが去って、またオナり始めたのだろう。
切ない吐息や悩ましげな声に、だんだんジョウも昂ぶっていく。むくむくと膨らむ股間がズボンに突っ張って痛い。
「……旦那様」
フェルンも同じ気分らしい。
『ジョウ、すき……』
「フェルン」
「はい」
「キスするぞ」
「い、今……?」
「えっちなキスして、羨ましがらせよう」
「……はぃ」
神話にならって、戸の向こうにいるエルフを引きずり出す作戦だ。
トイレの前で、二人は唇を近づけた。見つめ合いながら唇をピトッと合わせて、まずは軽く舌を伸ばす。それから唇全体を押し付け合い、お互いの唇を
「ぇへ……ちゅ……んぷ」
フェルンの舌が伸びて、ジョウの口をこじあける。侵入してきた舌を歯で噛んでやると、フェルンは苦痛と快感に顔をゆがめた。そのまま吸い付いて舌クンニを施せば、ひときわ大きなよがり声を上げて腰砕けになる。
「んふぁ~……ら、らんなふぁまぁ~……ひん、ひぃん……!」
『………………!』
トイレの中で息をのむ音が聞こえ、ジョウはにんまりした。
フェルンが唇を離すと、唾液が糸を引く。ぜはぜはと息を継ぐフェルンの、上気した頰に軽くキスしてやってから、ジョウは言った。
「フリーレン、聞こえるか」
『……!?』
トイレの中から、激しい動揺が伝わってきた。ドアに体を押し付けたのか、ドン! という大きな音がする。
『だ……だめ!』
「何がダメなんだ?」
『い、今の声……聞いちゃやだ……』
「もう遅いよ」
『っ~~~~~』
かちゃりと音がして、トイレのドアがかすかに開く。ドアの隙間から、フリーレンの顔がのぞいた。
「フ、フリーレン様……?」
フェルンが、ぎょっとしたような声を漏らす。それも無理はないくらい、フリーレンはひどい有り様だった。全裸で、ほどけた白い髪は汗まみれの顔に貼り付いている。口元は緩み、よだれをこぼしながらはぁはぁと息を荒げているのだ。
何よりも、目があぶない。瞬きが極端に少なく、瞳孔の動きもほとんどなかった。乾燥して色あせたエメラルドの瞳は、情欲にぎらついて異様な光を帯びている。
要するに、気狂いの目だ。
「ジョウ……っ、うぁ、あっ」
そして両脚の間に手を差し込んで、ぐちょぐちょと音を立てていた。トイレにこもって泣きわめき、
「フリーレン様……」
フェルンが呼びかけても、フリーレンは何も言わない。ただ全身をがくがく震わせて、よだれを垂らしながらジョウを見つめている。いや、ジョウの股間に浮き上がったテントを見つめていると言った方が正確かもしれない。
「フリーレン」
「あ、あ、あ」
「ほら、おいで」
ジョウは両腕を広げた。
フリーレンが、ふらふらとトイレから出てくる。その足取りはおぼつかなく、今にも転びそうだ。ジョウは両腕を
「ぁ……あっ」
抱擁はセックスの始まりであり、オーガズムへの導きであり、甘美なエクスタシーの守り手である。
フリーレンは甘い声を上げて、ぶるっと全身を震わせた。う、うあ、あ、と
「こ、こんなの……うぁ」
フェルンが顔を背けた。苦しげに眉をひそめながら口元を押さえている。「見てられないです」というつぶやきが聞こえたが、ジョウとしては「もっと見てみたい」「もっと狂わせてみたい」という気持ちの方が強い。
「んぐ、ふーっ、ふーっ!」
「落ち着いたか?」
「ふーっ、ふーっ……!」
「まだダメか」
「ふーっ! んぐっ、ふーっ!」
フリーレンの乱れた髪の毛をそっとなでてやると、彼女は首を振った。下半身を別の生き物のようにくねらせ、腰をカクつかせる。ジョウのズボンに自分の股間をこすりつけるようにして、ひたすら快楽に溺れていく。
「ほら、布団に戻ろう」
「ふーっ、ふーっ! んん!」
「まだ足りないのか」
「んっ!!」
ジョウはフリーレンを抱き上げると、お姫様抱っこの体勢で歩き出した。途中でフェルンが何も言わずに二人の前を歩き、寝室へと誘導する。
そのまままっすぐジョウの寝室に入り、敷いてあった布団にフリーレンを横たえさせた。
「ん……あぅ……」
フリーレンが甘い声を上げて、もぞもぞと体を動かす。
ジョウはその傍らに寄り添い、優しく愛撫を加え始めた。愛欲に狂った小さな肉体を、古ぼけた布団の上で撫でる。敏感を極めた粘膜は直接さわらず、皮膚の厚いところから圧迫していく。
「あぁ……あぅ……」
「なあフリーレン」
「ふーっ! あふっ!」
「俺は、フリーレンの、運命の人なんだよな?」
「や───い、言わないでぇ、ぇ、ぁ゛、ぁ゛」
ジョウが囁くと、フリーレンはかぶりを振って身悶えた。何か言おうとしているようだが、言葉にならないようだ。荒い呼吸を乱しに乱してシーツをかきむしり、腰をくねらせる。
「どうしてほしい? 教えてくれよ」
「んぐ、うぁ……あっ」
「なんでもする。フリーレンのためなら」
「……うぅ、ぅっ、ぐすっ、うぁ、あ……っ」
フリーレンはジョウにすがりついて泣き始めたが、それは快楽の余韻をねぶっているような
「あぅ、うあぁ……っ、うぁ、あっ!」
「ほら」
「あぅ……っ、んぁっ! あぁ……」
絡みつくフリーレンの動きに合わせて、ジョウは下着越しに自分の性器をこすりつける。のたうつ下半身を自分の脚でからめとりながら、「お前のオス」であることをアピールする。
「ぅあ……、うぁ……」
「すごく勃起してるだろ」
「あぅ、あっ」
「フリーレンを抱きたいんだ」
「ひ、ひぃ……っ、うぁ」
「フリーレンの中に入って、お腹の中に魔法の精液を注ぎ込んで、フリーレンを孕ませたい」
フリーレンの両目から、涙が
「うぐっ、うぐっ、あっ」
のけぞる小さな体を、抱きしめて束縛する。それからフェルンに目配せして、かけ布団を持ってこさせた。
シングルではない。フリーレンとフェルンと、一緒にくるまろうと買ったクイーンサイズの大きな布団だ。
「旦那様、フリーレン様」
フェルンの助けを借りて、大きなかけ布団で自分とフリーレンをくるんでしまう。頭まですっぽりかぶると視界が真っ暗になって、ちょっとした密室のできあがりだ。
フリーレンは、ひくっと喉を鳴らしてあえぐ。
「ひぃ……くらい、こわい……んぁぁ」
暗闇の中、人間とエルフのあらゆる体臭が混ざり合った。汗に、唾液、鼻水、小水、それから膣分泌液に、子宮頸管粘液のなまぐささ。
そして熱。男からも女からも放たれる熱が、羽毛で包まれた断熱空間の中で、どろりとかき混ぜられる。
フリーレンは、両手でジョウにすがりついてくる。「やだぁ」と声を上げながら、しっかりと男の体をまさぐっているのだ。
「やだ、やだぁ……っ!」
「怖くない、俺がいる。それに二人だけだ」
「あぅ……っ! あ゛っ!」
「どんなにおかしくなったっていいんだぞ」
布団にくるまったまま、フリーレンの股ぐらに手を滑り込ませる。
ぐちょぐちょの花弁に潜んでいた膣口が、物欲しげにジョウの指をしゃぶってきた。
「ぅあ、あっ! ふぁぁあぁ、あぁぁっ!」
指を動かすたびに、フリーレンは身をくねらせた。
その震えを全身で味わいながら、ジョウはなおも優しく問いかける。
「何が怖い? 俺がいるから何も怖くない」
「あっ! あ゛っ!! ふーっ!!」
膣口をぐちゅくちゅいわせてやると、フリーレンは激しくのたうった。布団の隙間から入り込んでくる僅かな酸素を必死で取り込み、布団内の空気をひたすらにかき混ぜる。
ジョウは、くぱくぱ開閉する入り口の筋肉を指先でいじって、さらに愛液をあふれさせた。
「あ! あ! ジョウ! それっ!」
「これか?」
「あっ! ふぁっ! あぅ───ッ!!」
フリーレンが声を裏返らせて悶える。秘裂の浅い所を指一本でこすっているだけなのだが、今の彼女にしてみたら限界を超えた刺激なのだろう。
「ここか」
「ッ!」
フリーレンが喉を詰まらせてのけぞった。ジョウはニヤリと笑って、指先をさらに奥に差し込む。第二関節まで入れたところで、膣の腹側にあるざらついた部分をこする。
「あっ! あぅ、うぁ! あぁ───っ!!」
フリーレンが全身をこわばらせ、がくんっと腰を跳ね上げる。愛液がどっとあふれ、ジョウの指先が濡れていく。
「はっ、はっ、はっ」
明らかに酸欠の反応を示し始めたところで布団をはぎ、新鮮な空気を吸わせてやる。
「はぁ───ッ、はぁー! あ……ぁ」
布団を跳ねのけられたフリーレンが、新鮮な空気を取り込んで激しく呼吸する。
荒い呼吸に合わせて上下する胸は、汗に濡れてぬらぬらと光った。
「はぁ、あ……ぁ」
「ふぅー」
ジョウも深呼吸する。外界の空気は秋の涼しさと、フリーレンの発情臭が合わさって芳醇な味わいだ。
「は───あ、いや、待って、こわいっ」
「待たない。怖くない」
ジョウはフリーレンに覆いかぶさると、再び布団の密室に連れ込んだ。暗闇の中で、愛撫し、喘がせ、酸欠に追い込んで、酸素を与える。また暗闇に落とし、肌をまさぐって、快に狂わせ、酸欠に落とし、生と死を握られたと錯覚させる。
「あぅ、あぁ……」
暗闇の中でフリーレンは何度も絶頂し、その度に愛液をあふれさせた。暗闇の中で、彼女の体だけが白く光り輝いているようだ。布団の内部は淫靡な熱と体液の匂いが入り交じって、ジョウも気が遠くなりそうだった。
「ふぁ、ぁ……ぁっ」
そのまま一時間、二時間とひたすらにフリーレンをよがらせ、狂わせ、イかせ続けた。暗闇と酸欠で心身に最大限の負荷をかけつつ、ジョウだけが快楽と生存の支配者となって、フリーレンを翻弄し続けた。
「ぁ……ぁっ、はぁ……」
二時間ほどして、フリーレンはぐったりと布団の上に倒れ伏した。もう指先一つも動かせない様子で、肩で息をしながらジョウを見つめてくる。
ジョウは生唾を飲み込んだ。弱り切った様子にすら興奮を覚える自分がいる。
『───』
ふと視線を感じて顔を上げると、フェルンと目が合った。彼女は頰を赤らめて目を伏せる。だが口元は奇妙な形に歪み、今にもよだれが垂れそうなほどに興奮しているのが分かった。フリーレンの痴態にあてられているようだ。
「あぅ……あっ……」
フリーレンは、まだ絶頂の余韻にひたっているようだった。両手をだらりと布団の上に投げ出し、股間から
「ほらフリーレン様……こっちを向いてください……」
フェルンが、フリーレンの顔をのぞき込む。そして舌をのばし、師の頰に流れた涙と汗を舐めとった。
「んぅっ! あぅ~ッ!」
敏感なところに触れられたのか、フリーレンは悲鳴を上げた。小さな顔さえ性感帯になったようで、舌でなぶられる度に甲高い声で悶える。
フェルンはフリーレンのうなじや耳たぶにも舌を這わせて、育ての母とも言える師匠の涙やよだれを舐め取った。
その間に、ジョウは服を脱ぐ。男の生殖器は、木のように硬く張り詰めていた。
「うぁ……あ」
「どうしてほしい? フリーレン」
「……して」
「ん? なんだ?」
「はな、して……」
それでも、だ。壊れた人形みたいに体をびくつかせながら。フリーレンは、両手でジョウとフェルンを突き放そうとした。もっとも、その両手は淫らな快楽の余韻にぴくぴく痙攣していて、とても抵抗しているようには見えない。
「もう、や……やめて」
「どうして?」
「ジョウを、傷つけたくない、から」
フリーレンが、両手で顔を押さえる。
「嫌い。こんな魔法、大っ嫌い」
わなわなと全身を震わせて、フリーレンが叫んだ。
「こんな魔法のせいで……わたし……わたしはっ!」
「落ち着けって」
「そうです、落ち着いてくださいフリーレン様」
ジョウとフェルンがなだめるが、その声も上ずっている。もうこの場に、冷静なものは誰もいないのだ。
フリーレンの両手の下から、透明な液体があふれ出してきた。
「わたしは薄情で、浅ましくて、自分勝手な生き物だ。出会った日から、ずっと、ずっと、ジョウを自分のために
フリーレンはしゃくり上げながら、自らの罪を告白する。
「知ったとき、嬉しいと思った。ジョウがわたしの運命だって。でもジョウには大切な人がいるのに。わたしには分からないけど、きっとたくさんいるはずなのに……なのにわたしは自分のためだけに、ジョウの短い命を
もがく。地獄の底で苦しむ亡者のように、フリーレンは身もだえしながら悲鳴を上げる。
「おぞましい、こんなのいらない! ジョウの命を踏みにじって、わたしだけ幸せになる魔法なんて大嫌いだ!」
なのに、美しい。激情に燃え上がったフリーレンの想いが、ジョウには天を焼く炎よりも美しく見えた。
「わたしは、運命の人なんかじゃない! 女のかたちをしているだけの怪物……!」
「ふざけんな!」
「!」
だからジョウは叫んだ。頭かちこちエルフの両手をつかんで、顔から引きはがす。卑下に卑下を重ねられ、大好きな女を悪く言われて、頭にきていたのだ。
フリーレンも、涙で濡れた顔をジョウに突きつけ、負けじと叫ぶ。
「ジョウにわたしの何がわかるの!?」
「お前がきれいだって事は!」
「百年も生きてないくせに!」
「それがどうした! 俺には愛がある!」
フェルンが、後ろで息を吞む音が聞こえる。
「愛!?」
「愛だ!」
「何が愛!? わたしより先に死ぬくせに!」
「バカにするな! 俺は!」
「……っ」
ジョウは、そのままの勢いでフリーレンにキスをした。小さい唇を自分の口で覆い尽くして、言葉を封じる。フリーレンは抵抗せず、なされるままになっていた。
キスしている時間はとても長く感じられた。実際には短かったのかもしれない。頭が煮えていて分からない。
ただ間違いなく言えることは、このキスで何かが確実に変わったということ。
「はぁ───……」
フリーレンが唇を離すと、名残惜しそうなため息がもれた。彼女の瞳は熱に浮かされて潤んでいる。
ジョウはフリーレンの目をまっすぐに見つめた。
「俺は……お前が好きだ」
「……っ、やめてっ」
「お前が好きだ!」
「やめて!」
「お前が好きだ!!」
ジョウは、フリーレンにのし掛かった。小さな体を力いっぱい抱きしめると、フリーレンが苦しげにあえぐ。
だがそれでも、ジョウは腕を緩めない。絶対に放さないつもりで体重をかけ、力をこめて、自分の全てをぶつける。
「お前が俺を食べてるんじゃない! 俺がお前を食べてるんだ! 見れば分かるだろうが!」
「っ……!」
フリーレンが腕の中でもがく。だが、本気ではないのだ。もし本気なら、ジョウは魔法の力で粉々だろう。
魔法に翻弄され、性に毒され、運命に弄ばれて、自分の望みも分からなくなってしまったフリーレンを、ジョウはまっすぐな視線で見つめた。
「俺が、お前に恋した! それだけじゃ不満なのかよ!」
「……あっ」
「俺の子供を産んでくれ!!」
「……っ……!」
フリーレンは息を詰まらせて固まると、両目からぽろぽろと涙をこぼし始めた。フェルンがその涙を舐め取る。
ジョウはその隙をついて、再び唇を重ねた。今度はフリーレンも積極的に応えてくれる。甘い吐息を漏らしながら、彼女はジョウを受け入れた。
「ん……ふぁ、ぁ」
「フリーレン……」
唇を離すと、今度はフリーレンの方からキスしてきた。ジョウが驚いて固まると、彼女は目を閉じて舌を差し入れてくる。薄い皮膚の下に神経が這うくちびるをコスりあわせ、まさぐりあって好きな人のわななきを味わう。
「……ふっ」
フリーレンはジョウの体をまさぐり、自らの肉体をこすりつけてきた。スキンシップの範疇におさまったのは僅かな時間だけで、すぐに「もっと欲しい」という欲望が再燃する。
いつまでも続く、長々とした触りあい。ジョウの肉欲をそそる細っこい肉体のかたちや、脂肪の弾力。脇腹のなめらかさやヘソの感触。薄い皮膚の下で息づく命の脈動を手のひらで味わいながら、ジョウはフリーレンの体を撫で回した。
「はぁっ……ふあぁ」
小ぶりな生のお尻をたわませ、肉を絞るように揉みしだく。キメ細やかさにうっとりしつつ、ぷにぷにした感触を楽しむ。
フリーレンはジョウの手におとがいをすり寄せ、背筋をわななかせる。
もどかしそうな仕草が愛おしくて、ジョウは首筋に顔を埋めると舌でなめ上げた。
「あん、あっ」
フリーレンの髪に沈んでいたジョウの指は、エルフの長耳を根元から先端まで、ゆっくりと指でたどった。エルフ耳は実に繊細で、わずかな刺激にも快楽電流を流してしまう一級品の性感帯だ。
フリーレンもそれを知っており、指の愛撫に敏感な反応を返した。「あっ」と小さな悲鳴を上げて、ぶるりと全身を震わせる。
「も、もっと強く……」
「舌?」
「舌も、ぺろぺろも」
恥ずかしそうに、だがしっかりとおねだりしてくる。
「あ」
フリーレンが喘いだ。ジョウの舌が耳たぶに触れたのだ。そっと歯を立てないようにして食むと、エルフ耳が快楽電流でビリビリ震えるのが分かった。
その反応が嬉しくて、ジョウは何度も甘噛みを繰り返す。
「あぁ、あっ……あぅ」
「フリーレン様……可愛いです」
フェルンがうっとりしながら、フリーレンの耳たぶにキスする。フリーレンは「ひゃうぅ」と身をすくめながら、小さな手でフェルンの頭をなで回した。
「あ~……」
フリーレンの体から力が抜けた。同時に、彼女の股間から熱い液体があふれてくる。両方のエルフ耳を愛されて、軽い絶頂を迎えたのだ。
全身から色香が立ちのぼり、むせるような性臭が漂ってくる。発情しきったメスのフェロモンがジョウを包み込み、思考を酔わせる。
「んふ……」
「はっ、はぁ」
キスをやめ、二人は至近距離で見つめ合ったまま動かなくなった。フェルンのため息と、悩ましげなうめき声が聞こえる以外は静かだ。本能強めの美少女が見守る中で、本能むき出しのオスとメスがアイコンタクトを交わす。
「ん……」
きれいだった。フリーレンの瞳がキラついていく様は、エメラルドの原石が研がれ磨かれ、輝きを増していくようだ。
ジョウはフリーレンの瞳に見惚れ、フリーレンはそんなジョウの顔をじっくりと観察する。
「好き」
「俺もだ」
確かめ合ってから、もう一度キスをした。今度はフリーレンが積極的に舌を絡めてきたので、応えるように舌で口中をなぶる。
すでに知り尽くした体温と、吐息の香り。ねばっ気のある水音が頭の中に響いて、理性を麻痺させていく。
「ぷはっ……」
長い接吻を終えて唇を離すと、フリーレンが瞳を潤ませたままこちらを見つめてきた。今までかたくなに避妊を続けてきた、千年生きてて処女だったエルフ。あまねく世界の中で、ジョウと最高に生殖の相性がいいらしい女が、唇を動かす。
「ジョウ」
「うん」
「交尾して」
あとはもう、真っ逆さまに転がり落ちていくだけだ。人間でもエルフでもなくなって、ただのオスとメスになる。二人で体をうごめかし、ナマの性器と性器をぴったりくっつける。二足歩行生物に最もふさわしい交尾のかたち、正常位で。
「ん……」
フリーレンが、恥ずかしそうに全身をこわばらせた。その緊張をほぐすように、ジョウは優しい口付けを繰り返す。
そしてフリーレンの体から力がすっかり抜けたときを見計らって、腰を押し進めた。ぐちゅっと音がして、亀頭が膣口を抜ける感触がする。
「……ッ!」
フリーレンは、ひしっとしがみついてきた。ジョウは、それだけで呆けて動けなくなる。
千年生きてても小さいままで、女らしい丸みの少ない身体。だけど
運命の人と子供を作る魔法。それは確かに、フリーレンの小さなお腹に新たな命を宿すのだろう。
ジョウの脳裏で、ぱちんと何かが弾けた。睾丸がぐぐっと持ち上がり、腰のあたりの筋肉がビクビク痙攣する。
「あっ……ぁ……」
フリーレンは目をつむって、ジョウの射精準備を待ってくれていた。びくん、びくんと竿が身震いするたびに、フリーレンの眉根が悩ましげに寄り、小さなあえぎ声がもれる。
「ふぁっ……」
短く息を吐くと、まぶたを開いてジョウを見上げた。
「出る?」
「出る」
「ガマン汁? 精液?」
「精液」
「……魔法の?」
「多分」
「わたしを、妊娠させる」
「うん。フリーレンを妊娠させる」
「好き」
「好きだ。フリーレンが好き」
フリーレンの腰がぷるっと震える。
ジョウは、腰を前後させた。もうあと数秒で、種付け射精に至るだろう。
しかし、彼女は逃げなかった。むしろ自分から腰を動かして、ジョウのモノに自分の性器をこすりつけてきた。
「あっ! あぅっ!」
小さな体をくねらせて悶えるフリーレン。彼女の膣からあふれ出した蜜と先走り汁が混ざり合い、ぐちゅっ、ぬちゅっと卑猥な水音が鳴り響く。
「好きだフリーレンっ!」
「ジョウっ!」
腰を押しつけながら、二人は同時に絶頂を迎えた。
イエス・キリストの生誕から二千と二十年後。くだらない魔法は、こうして完成した。
「あ……ぁ……」
フリーレンの体から力が抜ける。ジョウは彼女の上に倒れ込んで、その小さな身体を抱きしめた。自分の物だと証明するために、きつく抱きしめる。
フリーレンも負けじと腕を回してきた。二人は熱烈に抱き合い、ダイレクトな肌の吸着で互いの体温を確かめ合う。
「今、すごく幸せ……このまま時間が止まればいいのに……」
フリーレンが耳元でささやく。天にも昇るような幸福感に包まれて、ジョウも「俺もだ」とささやいた。
フリーレンがうっすらと目を開けて、頰をこすりつけてきた。
「死にたい」
「そっか」
「ジョウと一緒に死にたい」
「別れたくない?」
「うん」
フリーレンはジョウに抱きついたまま、猫のように体を丸めた。まるで自分の匂いをこすりつけるかのように、ぐいぐいと体を押し付けてくる。
「でも……やっぱり死にたくないかも」
「どっちだよ」
「だって、死んだら赤ちゃんが育てられない」
ジョウはフリーレンの頭を撫でた。汗まみれの髪をそっとすく。
「そうだな。じゃあまだ死なないよ」
「うん……でも」
「でも?」
「もっと交尾したい……」
もちろんジョウに異論はなかったから、二人はさらに三日三晩、セックス漬けの生活を送った。
そしてキレたフェルンが参戦し、欲望のままに過ごす日々がさらに三日間つづいた。
避妊具を使おうなどと、誰も言い出すことはなく───その結果は、たちまち明らかとなる。
◆◇◆◇◆
一週間後。ジョウは街の病院を訪れていた。白い清楚な衣装で身ぎれいにさせたフリーレンとフェルンも一緒だ。
リハビリルームでは、多数の入院患者が手足を曲げ伸ばししている。違和感や疼痛をこらえながら、いつか元の体に戻れることを夢見てリハビリに勤しむ人々。
「みんな、頑張っているね」
フリーレンが患者たちを見やりながら言う。
「あと百年も生きられないのに」
「フリーレン様っ」
「そんなもんだろ」
そんなものだ。エルフから見て吹けば飛ぶような寿命でも、人間から見たらかけがえのない人生なのだから。
ジョウはフリーレンの手を取り、ゆっくりとリハビリルームを歩いていく。
「やっほ、おばあちゃん」
「あらぁ、ジョウちゃん……まあ、フリーレンさんにフェルンさんも!」
奥に、ジャージ姿の祖母がいた。車椅子のペダルをこぎ、足の機能を維持するリハビリをしているところだ。
白い髪にはきっちりと櫛を通し、うっすらと化粧もしている。もう二度と歩けない高齢者には思えないほど、若々しく活力に満ちた姿。
「ひさしぶり」
「お久しぶりです」
フリーレンとフェルンがためらいがちに声をかけ、ぺこりと頭を下げた。祖母はしわだらけの顔でにっこり笑う。
「いらっしゃい。ふたりとも、ずいぶんきれいになったわねぇ」
フェルンが祖母に歩み寄り、ぎゅっと抱きしめる。
「おばあ様もおきれいです」
「うふふ、ありがとね」
「本当ですよ。白いマーガレットみたいに、とってもおきれいです」
ジョウから学んだ花の名前を使って、フェルンは祖母を褒め称えた。
「フェルン、ほめ過ぎ」
フリーレンがぼそりと指摘する。だが、その顔はまんざらでもない様子だった。弟子の成長は嬉しいのだろう。
祖母は照れたように「やだわぁ」と身をよじる。
「なんて素敵なお嬢さんたちなのかしら。二人ともジョウちゃんのお嫁さんにしたいくら───」
「───ありがとうございます」
「これで言質が取れたね」
はい? と首をかしげる祖母。
「おばあちゃん」
二人の魔法使いを押しのけて、ジョウは祖母の前に進み出た。段取りが台無しだろと思いつつ、咳払いをひとつ。
「今日は、すごく大事な話があって来たんだ」
「ふぅん?」
祖母は目を細め、ジョウの瞳をじっとのぞき込んできた。
「俺、……」
「はい」
「俺……結婚することにしたんだ」
「あらあら。まあまあ。それはまぁ!」
祖母が両手を合わせ、目を輝かせた。フェルンとフリーレンを交互に見やり、口元の動きだけで「どっちと?」と問いかけてくる。
「もちろん、二人ともと」
「わたしのお饅頭と、ジョウのお茶が一つに」
「フリーレン様! あ、いえ、あの、よ、よろしくお願いいたします!」
三人でタイミングを合わせて、頭を下げる。ジョウはまっすぐに、フリーレンははにかんで、フェルンは深々と頭を下げた。
「あらあら、まあまぁ」
祖母が車椅子を操って、リハビリルームの中を移動していく。
「いつ? どっちへ先にプロポーズしたの? いつ? どこで? どんな言葉で?」
祖母は好奇心むき出しで、ジョウの顔を食い入るように見つめてくる。その圧力に押されて後ずさると、フェルンが体を支えてくれた。
祖母ははしゃぎ、涙して、何度も、何度も、結婚式はいつなの? と繰り返した。
◆◆◆
街の宝石店。
「好きなの選んでいいぞ」
「お金持ちだね」
「どら息子って言われませんか」
「それがもらう方のいう台詞か??」
せっかく婚約指輪を選びにきたというのに、フリーレンとフェルンはジト目でジョウをにらんできた。
確かに金持ちのボンボンがしそうな言動だとは自分でも思うが───だが、大事な事だ。
指輪は資産になる。地球に戸籍を持っていない彼女たちと結ばれる以上、法による資産相続など望めない。婚約指輪は彼女たちの財産になるのだから、吟味しなくてはならないだろう。
「で? どれにする?」
「じゃあ、このダイヤ」
「フリーレン様、少しは悩んでください」
あきれ顔のフェルンを尻目に、フリーレンはちょいちょいとジョウの袖を引っ張った。
「ね」
「選んだ?」
「そうじゃなくて」
耳元に唇を近づけてきて、フリーレンがささやく。
「お店を出たら、車でおちんちん舐めたい」
「なにひそひそ話してるんですか!?」
フェルンがバンとテーブルを叩いたので、二人は顔を見合わせると声をそろえて言った。
「なんでもない♪」
◆◆◆
三ヶ月後。
あまりにも早いと両親は難色を示したが、意気軒昂な祖母に押し切られる形となる。
なぜなら、花嫁であるフリーレンとフェルンのお腹が膨らみ始めていたからだ。
(続く)
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次回は、にん!しん!した魔法使い師弟との温泉あまあま新婚旅行ハーレムエッチです。お楽しみに。