わけのわからない部屋に閉じこめられて今夜で4日目。
正直訳が分からなさすぎて、怖いって気持ちすらあんまりない。
性質の悪いドッキリ?そんな可能性は無い。
だって止めるべきタイミングはとっくに過ぎている。
『ーーーッ!!』
私は耳を塞ぎたくなる。
芸能界にいれば耳を塞ぎたくなることなんて山ほど耳にする。
エゴサをしていれば目を覆いたくなる罵詈雑言を死ぬほど目にする。
でも、それらの悪意よりも、この数日私の心をゴリゴリ削ってくる声がある。
『ああん!!…ーーーアクたんーーーイっちゃーーー』
隣の部屋からMEMの声が聞こえる。
特別薄い壁じゃない、それでも、MEMの高くよく通る声は壁を超えてこっちまで届いてくる。
悲鳴だけど、それは痛みや恐怖から来るものなんかじゃない。
いつものひまわりみたいに明るくて、快活で、ちょっとおバカなMEMちょの声とは似ても似付かない。
ファンが耳にしたら血涙を流して憤死してしまうんじゃないかっていうくらいに女であることを隠さない声。
悦びと快楽にドロドロに蕩けきった声。
メスの啼き声。
『あーーーあっーーおほっーーお゛、お゛ーーーーーイクッ』
私がもっと素直に自分の気持ちに向き合って、勇気を出して踏み込んでいたら、今頃あの声を出していたのは私だったんだろうか。
あかねとルビーは起きているのだろうか。
隣の部屋から届くMEMの声とベッドの軋む音以外は微かな吐息しか聞こえない。
耳を塞いで無理矢理にでも眠ろうとしているのかしら。
それとも、私のように聞きたくないと思いつつも耳をそばだてているのだろうか。
そっと下着に指を当てると、下着越しにも秘裂の感触がわかるくらいに濡れている。
「ん…っ」
何て惨めなんだろう。
他の女が自分の好きな人に抱かれている物音を聞いて自分を慰めるなんて。
『3日検証してみたけど、どうやら腹を括らないといけないらしい』
あーくんは、凄く申し訳なさと罪悪感でいっぱいの表情をしていた。
それは演技なんかじゃなくて、本当に心の底からの気持ちなんだろう。
仕方がないとはいえ、指示されるがままに、望まぬ女の子を抱く自分が嫌で嫌で仕方がないに違いない。
アレは私たちに軽蔑されることを受け入れている表情だった。
私やあかね、それにルビーが向ける強い視線の意味もきっと軽蔑と嫌悪の眼差しだとでも思っているのだろう。
馬鹿な奴。
そんな訳ないじゃない。
私達が向けている視線の意味なんて一つしかないのに。
選択問題ですらないのに、その回答が何でわからないのだろう。
『済まないMEM…』
『いいよぉアクたん。こうなったら、とことん付き合っちゃう』
コロコロと笑うMEMはいつもと変わらない明るいものだ。
けれど、私は、いや私だけじゃない、アクア以外は気付いてる。
MEMの満ち足りた表情に。
カラッと明るい笑みからかいまみえるとろけた女の顔に。
アクアを見つめる目には、今までには無かった粘度を帯びた熱が灯っていることに。
それはよく知ってる熱だから。
彼を見る私達の目にもきっと宿っているものだから。
【3】
明け方までMEMの嬌声が響いていたその日、数字が初めて動いた。
けれど、私達の表情に喜びは無かった。
あかねはアクアの隣で満足気な疲労感を顔に滲ませたMEMを射殺しかねない目で見ている。
いや、私も同じかもしれない。
ルビーはあまりわかっていなさそうだけど。
けど、妬ましい思いと同時に、否定出来ない期待もあった。
次は私の番か、と。
MEMちょを擦りまくりました。
キャラをという意味であって、お尻のことではないです。