ホックを外すと、枷から解き放たれたように、たわわな果実が揺れる。
白磁のような肌と黒い下着のコントラストが艶めかしい。
「そんなに見られると恥ずかしいよ」
胸を隠しながら、あかねが困ったように微笑む。
その表情に嫌悪感が無いことに、内心安堵していた。
散々利用した挙げ句、あんなにも手酷い振り方をしたのに。
そのくせ、復讐に巻き込んだというのに、それでもあかねの表情には少なくとも俺を疎ましく思っている感情は伺えない。
あかねが優しいからというのもあるだろうが、それでも浅ましくもホッとしている自分に気付く。
どの面を下げて、今更こうしてあかねといるのか。
閉じこめられたから、仕方がない、これ以外に手段が無い、そう言い聞かせると同時に、本当にそうなのか?と言い訳を疑う声が聞こえる。
自問自答は尽きない。
「アクアくん…」
「あかね」
そっと、あかねが目を閉じる。
ゆっくりと重ねた唇の柔らかさに、懐かしさと愛しさがこみ上げる。
愛しい、そんなこと思う資格なんて俺には無いというのに、それでも、あかねの唇の柔らかさに、よく知っている感触に胸が痛くなる。
「んん…」
微かに切なげに息を漏らすあかねに、ぞわりと背筋が震える。
傷つけたくなくて、傷つけてしまった子なのに、自分にはふれる資格など無いというのに、それなのに、もっと聞きたい、もっと甘い声を聞かせて欲しいと思ってしまう。
これはこの部屋から抜け出すための手段でしかないのに。
できるだけ簡潔に、出来るだけあかねが痛みも不安も感じないようにすることだけを考えないといけないのに。
理性ではそう思いながら、抱き寄せた細い腰から、背中にかけて焦らすように指を這わせていく。
「んっ…ふっ」
舌で唇を軽くノックしてやると、ゆっくりと開かれたあかねの口内に舌を差し込む。
俺の懸念とは裏腹に、戸惑いはほんの一瞬で、すぐにあかねから積極的に舌を絡めてきた。
抵抗も無くつるりと滑らかな背筋を指でなぞると、くすぐったそうにあかねが身を捩る。
あかねが身体を艶めかしく捩る度に、押しつけられたあかねの柔らかな果実が、固く尖った乳首が俺の胸板で細かく擦れる。
大切に扱いたい気持ちと、無茶苦茶に貪りたい気持ちが胸の内で攻め合う。
感情のぶつけどころを求めるように、あかねの尻を下着越しに強く掴む。
「んんっ!」
びくんとあかねの身体が揺れる。
けれど逃がさない。どうせこれっきりだ。嫌われることは覚悟している。
仕方がないとはいえ、散々な扱いをして捨てた男に抱かれるのだ、俺があかねの立場なら二度と顔も見たくないと思うだろう。
けれど、あかねは逃げるどころか、おそるおそるだが、その手をすっかり固くなった俺のものに触れだした。
こちらの高ぶりなどとっくに見通しているように、俺をより煽るようにあかねのほっそりとした指先が根本から先端に向けて這い上がっていく。
かりかりと、下着越しにあかねの指先がカリを軽くひっかく。
うっすらと見開かれたあかねの瞳が、愉しげに弧を描く。
短く息継ぎを挟みながら、どれほど口付けを重ねていただろうか。
「…ぷはっ」
湿り気のある音を立てて、互いの唇が離れる。
ぽーっと頬を上気させたあかねの小さく開かれた唇から覗く赤々とした舌に吸い寄せられるように目が行く。
つぅっと繋がった糸が音も立てずに切れた。
微かにそれが名残惜しく思えた。
「アクアくん」
「ん」
それが合図のように、あかねをそっとベッドに横たえた。
烏の濡れ羽色の長い髪がシーツにさらさらと広がる。
仰向けになって広がった胸は、それでも柔らかく豊かな双丘を形作っていた。甘く柔らかい砂糖菓子のようだったMEMの身体も綺麗だったが、あかねの身体は瑞々しい果実のような美しさを発していた。
桜色で慎ましいMEMのとは違う、あかねのパフィーニップルは、まるで大きな山の上に出来た小山のようにいやらしい存在感を放っていた。
瑞々しい薄紅色の乳輪とつんと尖った乳首が清楚なあかねには不釣り合いなほどに蠱惑的で、下半身に血が集まっていくのを感じる。
身体に心が引きずられる、そんな言い訳が空しく感じるほどに、ただひたすら雄として浅ましく欲望をかき立てられる。
「あんっ!」
むしゃぶりつきたくなる欲望を辛うじて抑えながら、膨らんだ大きめの乳輪を口に含む。
もう片方の乳房を軽く手のひらで弄ぶと、マシュマロのように柔らかな果実は指の隙間から零れ出す。
「ん…ふっ…ふぅ、ん、んん…んぅ」
舌先で乳輪を執拗になぞり、乳首をしごいてやる度に甘い吐息が耳朶をくすぐる。
自分から手放しておいて、なお、この身体を味わえることに優越感を覚える。
「ん、ん、やん…アクア…く」
あかねが自分の胸に押しつけるように、俺の髪をかき混ぜるように撫で回す。
止めてくれ、そんな求めるようなことをされると勘違いしてしまう。
俺のことを好きでいてくれるのではないか、そんな期待をしてしまう。
あかねの甘い声が、まるで弱火で炙るように俺の理性をとろかし、欲望をむき出しにしていく。
優しく、丁寧にという俺の意志など知らぬとばかりに、気づけば音を立ててあかねの果実を貪っていた。
手のひら全体でこね回し、我がモノとするように少し強く握ると、あかねの声が一際高くなる。
触れるかどうかという程に焦らすように舌でチロチロと乳輪をなぞり、乳首を舌の上で転がし、軽く歯を立ててやる。
「ひぅっ!?」
電流を流されたように、あかねの身体が弓なりに仰け反った。
つんと、微かに据えた匂いが鼻孔を刺激した。
「あかね、イった?」
「はぁはぁ…そんなこと、聞かないで」
軽くこつんと頭を殴られた。
既に、あかねの下着は用を成さない程にしっとりと濡れていた。
下着の端に指をかけると、あかねと見つめ合う。
こくりとあかねが頷くと、あかねは恥じらうように瞳を伏せた。
長い睫毛が頬に影を落とす。
上気した頬と相まって醸し出される年不相応の色気に、くらりとくる。
濡れて張り付いた下着をゆっくりと下ろしていく。
かすかに盛り上がった恥丘が露わになっていく。
烏の濡れ羽色の茂みは、既に愛液でしとどに濡れていて、むわりとした生々しい女の匂いが香った。
「……そんなにじっと見ないで」
「いや、見るだろ。こんなに綺麗な身体」
「だって…恥ずかしいもん…ちょっと濃い…でしょ?」
ほの暗い寝室の明かりに照らされたあかねの茂みは、あかねの言うとおり綺麗に整えられているがMEMの薄い茂みとは異なり、濃密であり、艶めかしい光沢が欲情を煽る。
「アクアくん、メムちゃんと比べてたでしょ?」
エスパーかよ。こわ。
「いや、正直凄くそそられる」
「うわぁ…エッチだ」
「こういうのも、嫌いじゃない」
「…ばか。でも、誤魔化されてあげる。んふふ」
MEMと比べたことは誤魔化したが、あかねの身体に興奮していることは事実だった。
余裕ぶった物言いが、少しイラっとしたから、断りも入れずにあかねの太股に手をあてると一気に開いた。
茂みから鮮やかなピンク色が目に飛び込んだ。
「きゃっ」
短い悲鳴を無視して、茂みに顔を埋める。
鼻先に触れる陰毛のくすぐったさと、ふわりと甘い香りがした。浴室に備えつけられていたボディーソープの香りとあかね自身の香りが混ざり合って、甘くて淫靡な香りを吸い込む。
舌を捻り込むと、熱した蜜のようにとろとろとした粘膜と微かな酸味に脳の奥が溶けていくようだ。
「あ、あん、ひぁっ…く、んんんアクアくぅん…んん、吸っちゃ…」
あかねの羞恥心を煽るように、音を立てて、蜜を吸い、舌で陰唇をなぞり、固く充血した陰核転がし ーー 一気に吸い立てる。
「ひぁっんっ!」
小さな絶頂を繰り返していたあかねが、一際高い悲鳴じみた啼き声を上げた。
吹き出した蜜に濡れた口元を拭いながら、あかねの股座から顔を離す。
荒い息を吐いて、とろんとした顔であかねが俺を見上げる。
半ば夢のなかに浸っているようなあかねの瞳の焦点が定まっていくのを抑えきれない達成感と共に見下ろす。
賢くて真面目で、努力家で、演技に真摯で、何処までも優しいあかねが、こんなにも男の欲望をかき立てる身体をしているのは、えげつないギャップだ。反則だ。こんなの
「独り占めしたくなるだろ…」
「え?」
「…っ」
思わず口にしていた独占欲に気づく。
「いや、なんでもない。聞かなかったことに」
「しないよ」
ぎゅっと逃がすまいと手を握られた。
「聞かなかったことになんて絶対しない。アクアくんの本当の気持ちを絶対に聞き逃さないから」
引き寄せられる力は強くないのに、不思議と抗うことが出来なかった。
あかねの身体に覆い被さると、豊満な胸に顔を抱き抱えられた。
「アクアくんのことだから、きっと散々傷つけた自分なんて嫌われて、拒絶されるべきだって思ってるでしょ?」
相変わらずの洞察力に言葉を失う。
「大好き」
「っ」
「ずっと大好き。ううん、ずっとじゃない、もっと好き。弱くて情けないところを見せてくれるアクアくんが、助けてくれた時よりもずっと好き。好き」
髪を撫でながら、刻みつけるようにあかねが何度も繰り返す。
「やっとわかったの。あの時、恋だって自信を持って断言できなかった理由」
つむじにかすかな感触。
あかねにキスをされたのだとわかる。
それは、恋人というよりも、母親が子供にするような優しさに満ちていた ーー 殆ど母親の愛を知らないのに、何故かそう感じた。
「愛してる。とっくにね、恋には落ちてたの。あの時、アクアくんに助けてもらった時には。それからすぐに恋が愛に変わってたって思うんだ」
「……よくそんな恥ずかしい台詞言えるな…」
「んふふふ、耳が赤いよ?アクアくん」
「お前なんて真っ赤じゃないか」
「だって、恥ずかしいんだもん」
「じゃあ言うなよ」
「言うよ」
ぴしゃりとした言い切りに、あかねの胸元から顔を上げた。
さっきまでのとろけた顔とは違う、強い意志の灯った眼差しに思わず息を呑んだ。
「だって、言葉にして何度も言わないと、アクアくんはどっかに行っちゃうもの。だから、言うの。もう、二度とアクアくんの手を離さないから」
ぎゅっと、あかねが抱きついてきた。
「ね、しよ?アクアくんならキスでも何でもしたい。Hなことも。アクアくんじゃないきゃ嫌だ」
ぷつりと、堪えていた糸が切れた音が聞こえた気がした。
熱と痛みと痺れが押し寄せてくる。
身体は裂かれるように痛い。
処女喪失の痛みは、ネットや本で体験談を読み漁って想定もしていた。
アクアくんと付き合ってから何度も。
でも、経験したことの無い痛みを想像するのには限界があることを実感する。
抜き差しされる度に、お腹の中をかき回されるようにとんでもない異物感がして、敏感な部分を擦られる痛みに涙がこぼれる。
それなのに不思議と止めて欲しいとは思わなかった。
自分でも不思議だけど、身体が痛みで悲鳴を上げているのに、悦んでるのがわかる。
目の前がチカチカとする。
アクアくんに奥を突かれるたびに火花が散るように頭が痺れる。
痛いのに気持ちいい。
気持ちいいのに痛い。
痛みを快感に変換するように脳が働きかけると聞いたことがある。
身体の防衛本能だ。
だとしたら、痛みから逃れるための本能に心から感謝したい。
痛くて、泣き出したらアクアくんは絶対に中断しただろうから。
彼を逃さないように私の身体が私の身体に快感を注ぎ込んでいるのかもしれない。
自分の痛みには鈍感なのに、他人の痛みには人一倍敏感なこの人は、すぐに止めて、私を優しく慰めるのがわかってるから。
私を見下ろす瞳がとても優しいことからもわかる。
月明かりの下に広がる冬の湖のように、光の加減で輝きを変える静謐な瞳は、理性が飛んで欲に濡れているようでも、私への気遣いが色濃く宿っている。
それがアクアくんらしくて嬉しくなる反面、彼の女性経験によって培われたもののようで悔しい。
獣のようにもっと夢中になって欲しい。
凶暴に貪って欲しい。
痛みと快感に振り回されながら、頭のどこかでそんなことを思う。
「あかね…っ」
「ーーーーッッッ」
熱した鉄の棒が脈打つのをお腹の奥で感じる。
同時に、ビリッとした電流が背筋を、お尻から脳まで駆けめぐる。
自分がどんな声をあげたのかももうわからない。
恥ずかしくなるくらいはしたない声なんだろうと、喉の震えでわかる。
アクア君の背中に思わず爪を立てる。
何度目の射精だろうか、もう数も覚えていない。
きっとアクアくんの背中は引っかき傷だらけだろう。
ゴメンね。
謝る代わりにアクアくんにキスをする。
言い訳だ。
謝罪なんて関係ない。
アクアくんが欲しいから、彼の唇を貪っただけだ。
とろりとした蜜を滴らせながら、アクアくんが避妊具の口を縛る。
絶頂の余韻が痺れとなって残る指先に、辛うじて力を込めると、のろのろと私は新しい避妊具に手を伸ばす。
吐き出された精液で膨らんだそれをベッドの脇に避ける彼に、新しい避妊具を渡す。
本当は私の手で着けてあげたいけれど、初めて尽くしの体験に、押し寄せる初めての感覚に翻弄されている真っ直中の私には、そんな余裕は無い。
もっと経験を積んだら、私が着けてあげよう、と心の中で決意する。
アクアくんがメムちゃんを最初に選ぶことはわかっていた。
欲望に任せて好きな子を抱くのではなく、確信を掴むために、迂闊に私達を傷つけないように、理性を働かせるだろうと。
性的な経験が多少なりともあって、適度に割り切った大人として彼女を頼ると、アクアくんなら感情よりも理屈を優先することは容易に想像が出来た。
私もかなちゃんも、そしてルビーちゃんも男性経験が無いことをきっとアクアくんは察していただろう。
勿論、メムちゃんだって処女の可能性はあった。
25〜29歳の性交経験が無い女性の割合は約35%らしい。決して低い割合じゃない。
それにメムちゃんのアイドルへの憧れはビックリするほどピュアで根深い。軽やかに振る舞いながらも、メムちゃんの貞操観念がガチガチなのは薄々察しがついていた。
けれど経験している可能性は高い。少なくとも「1度」は経験していると確信していた。
距離感が変わった。
初めての主演映画の公開が終わった頃、「あの白骨死体」を見つけてから半年くらいが経ったあたりだろうか、久しぶりに会ったメムちゃんとアクアくんの距離感の変化に私は気づいた。
同じ事務所の仲間として親交が深まったから。
そう思っていた。
アクアくんは今ガチの頃からメムちゃんには一歩踏み込むことを許しているようなところがあったから。
決して踏み込み過ぎない一線を理解し合っているからこその気安さがあの二人にはあったから。
だから、より気の置けない友人となったのだろうと思った。
そう思いこもうとしていた。
あの頃は、私とアクアくんはまだ付き合っていたから。
けれど、今ならわかる。
既に、アクアくんが私を遠ざけようと決意していた時期だから。
彼がどれだけ不安定だった時期かを知っていれば、何かがあったのだろうと想像はついた。
隠れて付き合っていたとは思わない。
メムちゃんはともかく、あの頃のアクアくんにそんな器用なことが出来る余裕は無い。
私を復讐に巻き込まないように別れを切り出す決意を半ば固めつつ、メムちゃんと内緒で交際するようなことが出来るはずがない。
彼の不器用さは私が一番わかってる。
でも、彼の弱さも私が一番わかってる。
無意識に縋る先を求めて、飢えた温もりへの欲求に逆らえずに身体を重ねた可能性は高いと思っている。
それを、今更責めるつもりはない。
元カノなんて立場に甘んじてしまっている私にはその立場にはいない。
でも、悔しいな。
敵対しないで、あの時もっと強く彼の手を掴んでいたら、彼を離さなければ、彼の寄る辺になっていたのかもしれないと思う。
「あかね、大丈夫か?」
髪を梳きながら、アクアくんが優しく囁く。
アクアくん胸元に乗せていた顔を僅かにあげると、気遣うような、慈しむような眼差しとぶつかる。
熱に浮かされてたさっきまでと違って、よく知る静かで理知的な瞳に、時間の経過を知る。少し微睡んでいたらしい。
身体は痛くて気だるい。
痛みと快感の残滓が疲労と一緒に甘い余韻となって身体中に満ちている。
「…うん」
「悪い、起こしたか」
「ふふふ、大丈夫だよ」
自分のものとは思えない掠れた声が、自分がどれだけ彼に鳴かされたのかを思い起こさせて、顔が熱くなる。
えぐられて、かき回されて、満たされたお腹の奥がきゅうっと疼く。
そっとベッドの脇のゴミ箱に視線を向ける。
こんもりと積まれたティッシュの山が、そのまま求め合った欲望の証のようで気恥ずかしい。
アクアくんはこの部屋に避妊具があることをいぶかしんでいた。
そして、避妊させることで、性行為へのハードルを下げることが、この部屋に私達を閉じ込めた人達の狙いだろうと予測した。
確かに、寝室以外にも用意された避妊具は、どこでも気兼ねなく行為に及んでくれても構わないという意図だと考えるんだろう。
事実、アクアくんは箍が外れたように私に溺れて、いくつも消費した。
穴が開いてるなんて露ほども疑わずに。
ごめんね。
アクアくんがシャワーを浴びている時に、開けておいたの。
だって、こうすればアクアくんは何処かに行っちゃわないでしょ?
深い関係を持ってしまえば彼はもう一方的に手放したりしない。
子供が出来れば尚更…
ずるいよね。
卑怯だよね。
わかってるよ。
でもね、元々悪いのはアクアくんだからね?
アクアくんはきっと怒るだろうね。
自分なんかが父親になる資格なんて無い、なんて言うんだろうね。
私の女優としてのキャリアを台無しにしてしまった、なんて自分を責めるだろうね。
でもね、後悔なんてしてないの。
ファンの批判?
馬鹿馬鹿しい。
顔も知れない、匿名の「誰か」がどれだけ残酷で薄情なのか、嫌というほど思い知っている。
そんな人達にどう思われるかを気にして、アクアくんの手を離してしまうことの方が私には遙かに怖い。
女優のキャリア?
大したことじゃない。
アクアくんのために人殺しを決意したことに比べれば、それくらいのリスクとっくに覚悟している。
「アクアくん…」
「ん?」
「大好き」
「……ありがとう」
照れ隠しをするように、アクアくんに髪をわしゃわしゃと撫でられる。
メムちゃんを散々抱いたことは悔しくて仕方がないけど。
かなちゃん達だって抱くことになるのも凄く腹が立つけど。
消えそうなアクア君をつなぎ止めるためなら、少しも躊躇なんてしないよ?
黒川あかねは濃い