※この作品はR-18です。

湊友希那と変態シリーズ。   作:美肉。

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ライブ前の友希那さんが顔面を舐められる話。唾液たっぷりのままライブに向かう。


湊友希那顔面。

 ライブ本番直前の控室は沈黙で満たされていたが、慌ただしい扉の開閉で簡単に乱された。

 無表情のまま出入り口を視た湊友希那は瞼をぐわりと開いた。背筋が伸びて一瞬頭が混乱した。

「あ、あなた……!」

 目と目が合い、その瞬間友希那は全身が蒸れるのを意識した。

 眼前で立っているのは彼氏である男だった。

「どうしたの?」

 友希那は椅子から立ち上がって訊ねた。混乱はすぐに消え、いつものしっかりとした調子が戻っていた。対する彼は落ち着きが無い調子だった。開かれた出入り口の付近で突っ立ったままだった。

「ひとまず来て――」

 友希那は衣装姿のまま彼に歩み寄り、手を握り、ひとまず控室から出た。数多のスタッフが行き来する廊下をカツカツと歩き、人けがほぼ無い地点で改めて対面した。

「流石に本番前の今の時間に来られると、迷惑なのだけれど」

 フンと腕を組んだ友希那は彼の目を視て 責した。すると彼の目が潤んだ。相変わらず行動力はあるのに精神面が貧弱な男だった。

「……それで、何かあったの?」

 友希那は彼の瞳を覗いた。下から突き上げて凝視する目ぢからだった。今の友希那は精神的に至極真剣だった。彼の内部にぐっと迫って、彼の意識を見定めるような情緒だった。

「わざわざここまで来るだなんて、よっぽど緊急事態なのよね?」

 優しい声だったが強い気概だった。時間さえ許せばゆっくりと対話したが、今はそれどころではなかった。

 彼は数秒ためらった後にぎこちない口で真意を吐いた。友希那はそれを黙って訊いた。

「……つまり」十数秒後、友希那は一度だけ虚を視てから彼に顔を戻した。「寂しいということかしら」

 友希那はきっぱりと彼に訊ねた。彼は無言で何度も頷いた。幼い素直さを感じた。頬が高揚しており核心をむき出しにした顔だった。

「そう。なら私と直接話せて、もう落ち着いたでしょう? 見ての通り、私はどこにも行かないわ。今日も、いつものようにステージでパフォーマンスを披露する。あなただって、客席から観れるでしょう?」

 友希那が訊ねると彼は首肯した。深く一度だけ首を落とした。予想通りの反応だった。故に友希那は口元を緩ませた。ふふ、という息が漏れていた。

「終わったらすぐにあなたのもとに帰るわ。だから安心して」

 友希那が冷静に諭すと、彼は一応安心したようだったが別の提案をしてきた。

「えっ……」情熱的に話す彼に、友希那は明確な呆れを意識した。「こっ、ここでやるの?」

 頬がポッと高揚していた。その場に留まることすら困難になるほどの羞恥だった。

 彼はそんな友希那を見つめて肯定した。楽しそうな声だった。

「ほ、本気で言っているの?」

 震えた声の友希那を彼の肯定の声が包んだ。

「そう……」友希那は虚を見つめて思考した。この状況でそんなことをしてもいいのだろうかと思っていた。するとどこからともなく声がした。それはライブ関係のスタッフの声だった。本番が迫ってきているため、できればもう備えてほしいとい内容のだった。それは至極真っ当だった。はやく行かなくてはいけなかった。友希那は眼前の彼を見つめた。素早く瞳を覗いた。彼は熱にまみれていた。相応の意思というか、信念に相当する感情が浮いていた。本気なのだと思った。彼もまた確固たる強さで友希那に要求しているのだと思った。

 友希那がじっと視ていると、彼は友希那の両肩を握った。友希那の名前を連呼していた。そのままずずいと顔面を接近させていた。

「なっ、ちょっと待って――」友希那は彼から逃れようとした。しかし彼の両手は強烈だった。離れなかった。彼の顔が迫っていた。彼の呼吸が頬に触れていた。腹を空かせた獣の吐息のようだった。

「それはっ、今じゃないといけないのかしら」

 極まった火照りが在った。激しくまくしたてながら、友希那はスッと目を逸らしてしまった。しかし彼は迫ってきた。視界の大半を彼が埋め、彼だけを意識させられていた。

「だってここは、たくさんの人がっ」

 慎重な友希那に対して、彼ははっきりと進言してきた。

「でも――」それは有無を言わせない意思だった。やはり彼にも譲れないものがあるようだった。ふざけた性欲かもしれなかったが、彼と真剣に交際している身としては、無視したり蔑ろにするのは嫌だった。

「わかった。……わかったわ」

 友希那は極小の声を出した。そして彼を見上げた。彼は素直に静止したが肩をぎゅっと握るのは続けていた。

「それがあなたのやりたいことなら」友希那は彼を見据えた。落ち着いた質感で彼氏を意識した。「協力は惜しまないわ。それが恋人である私たちの、あるべき姿のはずだもの」

 友希那は彼に顔を突き出した。「ほら、舐めていいわ。けれど時間が無いのは事実だから、なるべくはやく済ませ」

 彼の舌が右の頬に触れた。

「んっ」

 べっとりとしていた。友希那は顔を反らした。嫌などではなかったが違和感が襲って動いていた。舌によって顔そのものが押されていた。彼の強い蠢きが頬肉の神経そのものを跳ねさせていた。友希那の真白い頬はひしゃげていた。舌はその中でぐりりと動いた。動き続けて友希那を侵食していた。柔らかい肉が潰れながら撫でられていた。友希那は彼の少しざらついた質感がはっきりとわかった。

「なんだか、執拗ね……」友希那は彼を視ていた。野生的な必死さに可笑しくなって破顔していた。至近距離の顔はうっとりとした目だった。そのまま鼻息をハフハフと荒くしながら、友希那の唯一の小さな顔面に引っ付くように舐めていた。べちゃべちゃと激しく舌を回転させ、唾液でしとどにまみれさせてから、さらに全体を撫でるようにした。顔面という敏感な箇所であるせいか、彼の舌が今どこでどのように蠢いているのかがはっきりとわかった。ぬちぬちと舌が蠕動し、その全てが友希那の顔面、あるいは頬だけで完結していた。多大な唾液は顔面に付着しているというよりは顔面の上に乗っているような具合だった。それらが舌の動きによって混ぜられ、泡立っており、白っぽい濁りとなって首筋を下っていた。

 友希那は腕組みを続けていた。どっしりと構えて彼の愛撫を受けていた。舌は頬を這いながら口周りに向かった。友希那は舌を出すようなことはしなかった。今の彼の要求は顔面を舐めるであり接吻ではなかった。故にただ彼を見つめ、じっと不動で居た。

 彼は友希那の唇を撫でるようにすると顎をしゃぶった。じゅるり、ぢゅぱっ、という音が連続で鳴り、光景も相まって通り過ぎるスタッフ全員がぎょっとした血相で目撃していた。友希那は恥ずかしかった。普段自宅内でのみ許しているこの行為を、まさかライブ前に容認する日がやってくるとは思っていなかった。故に強烈な羞恥が襲っておりすでに耳まで真っ赤だったが、夢中になって鼻の下の位置を舐めている彼を止めることはしたくなかった。

 口周りを舐めた後、彼は必ず鼻の下の空間を舐めてくる。いつものことだった。口呼吸に自分を介入させ、次に鼻呼吸にも自分を介入させるのが彼という男の常だった。友希那は自分から顔を少し上向きにして突き出した。そうすることで鼻の下という彼にとって絶好の位置がよくわかり、舐めやすくなると思った。彼は友希那のに抱き着いて鼻を舐めはじめた。友希那の動きに誘導されるような、見事に釣られるような情緒だった。

 その連撃は凄まじかった。立体の鼻そのものを口に含み、内部でれろれろと舐っていた。鼻に浮く脂を舐め取られているような激しさだった。また、この間の友希那は口での呼吸しかしていなかったが、やがて彼の口から鼻が解放されるとすぐに鼻で空気を吸引した。待ちわびたような具合だった。取り憑かれるように彼を吸うと、やはり彼の臭いが入ってきた。彼の唾液の濃い臭いが香った。

(いつ嗅いでも、酷いニオイ……)

 彼は臭かった。悪臭と称せるほどだった。崇めることができるほどだった。友希那は何度も何度も鼻呼吸を続けた。気化された彼は友希那の鼻孔に絡みついて重い質感を脳に与えていた。途端に友希那の口から「あう」と声が漏れた。

 友希那が彼を堪能している間、彼は閉じられている友希那の唇を舐めていた。弾くような動きだった。いつまでもしつこく唇だけに引っ付くような情緒だった。何度も舐られ、唾液そのものを押し付けられた。彼の泡立つ白っぽい唾液が、太いいくつもの線として首筋をだらりと垂れていた。

 彼はやがて左の頬に流れた。舌で舐めるだけではなく頬肉に吸い付くような行動にも及んでいた。キスマークが付着してしまうかもしれなかった。友希那は少しだけ危惧したが、今の彼を止める気分にはなれなかった。彼はとことん丁寧且つ、徹底した執着で友希那の顔面を舐め続けていた。そんなに顔面が気に入っているのかと不思議だったが、友希那は彼を受けていた。

 彼の情緒は次第に弱くなった。徐々に舌の動きが遅くなり、鼻息も穏やかになった。友希那をがっしりと包んでいた両腕の力も無くなった。明らかに意識がどこか別の場所に向いていた。

「あなた、せめて集中してくれるかしら」

 友希那はぴしゃりと放った。至近距離で彼を睨んだ。無表情だったが頬に彼の舌がぶつかっており、ぷに、とへこんでいた。

「あなたが舐めたいと言い出したのよ? それなら、他なんでどうでもいいでしょう?」

 友希那は冷静に硬く放った。真っ直ぐな目で彼を見上げ、激励した。

 彼が集中できていない理由はすぐにわかった。

 通り過ぎていくスタッフだった。

 ここは廊下であり、故に何も知らないスタッフが歩いていた。彼ら彼女らが友希那と彼を驚きの目で観ており、彼はそれが気になっているようだった。

「今は、私の顔面を舐めることだけに意識を使うべきだと思うわ。今のあなたは舌を休めてはいけないの。許可なら出したでしょう? 私の顔面はあなたのものよ。だから性欲むき出しで、べろべろ、べろべろ、好きなだけ舐めてちょうだい」

 友希那は硬く放ってから口を歪ませた。

「……それとも、もう満足したのかしら。なら私は行くわ」

 友希那は本気で去ろうとした。しかし一歩も動けなかった。足を動かす前に彼の両手が強くなった。

「そうよ。あなたはそれでいいの」友希那は拘束されていた。彼からの明確な束縛を意識した。「ここまでやってきたのだから、私だって、最後までしっかり役割を果たすわ」

 無意識に口元が緩んでいた。続けて聞かせようとした瞬間に彼の舌が再び頬に触れた。

「んあっ……」

 ぐっちょりとしたぬるい質感だった。

 彼の中の肉欲を意識せざるを得なかった。

 彼の舌は友希那の中でのたうち回った。あちこちを這い、あちこちを味わってどろどろに濡らしていた。身勝手且つ大胆に友希那を散らしていった。鼻息はより荒く、籠った熱を噴射しながら友希那の真白い顔面を舐めていた。

 なんとも心地良かった。

「赤ちゃんというより、もはやただの犬ね」

 友希那は破顔して独り言ちた。彼は友希那に対して上からのしかかるような体勢だった。やがて友希那は組んでいた腕を解いた。彼に自分から接触し、その背に腕を回してぐっと掴んだ。大きく開いて手のひらで彼を包むような情緒だった。舌を動かし続ける彼も素手を友希那に回した。友希那は細い背筋で彼の硬さを感じた。彼の素手はごつごつとしており、大きさも友希那のそれより大きかった。二人は繋がっていた。友希那は彼を包むつもりだったが、しかし彼のほうが大きな体躯であるため、結局彼に包まれているような意識になっていた。友希那が腕をぎゅっと強めると、彼もそれに応えた。二人は互いの素手の肌の質感を与えるように絡み合って蠢いていた。互いに押し合うような感覚だった。その中で友希那は彼に顔を差し出し、彼はそれを享受していた。

 彼は友希那を圧していた。そのため友希那の頬は奇妙な形で変形していた。舌は陸に上げられた魚のように暴れ、唾液がさらに顔面に乗った。しかし舌の大胆な動きによってそれらは散り、ぴちゃぴちゃと鳴っていた。

 すると二人の女性スタッフが通りかかった。しかし彼はもう止まらなかった。むしろ過激に舌を動かした。細やかに舌先が這い、自己中心的に中腹の肉が乗っかって蠢いていた。スタッフは目を丸くして友希那たちを視ていた。それでも彼は友希那を舐めた。見せつけるような具合だった。独占欲を誇示するような勢いだった。時おり頬に吸い付いてブボボという音を放った。彼の舌は友希那を離さなかった。この女性は自分のものだ、というとても強い束縛の感情を示す独善的な行動力だった。

 やがて彼の舌は鼻に戻った。次は眉間に近い位置を舌先で撫でた。輪郭をなぞるようにして目頭も突かれた。そのままさらに上に舌が伸びると友希那は目を閉じた。するとまず左側の瞼に舌が触れた。べっとりとして蒸れている柔肉が、瞼という薄い肉の膜の上に乗っていた。小さな蠕動と唾液のぬめりがはっきりとわかった。舌は眼窩の中の眼球の質感を確かめているような具合だった。友希那は瞼を閉じたまま目元を動かしてみた。するとそれに反応するように彼の舌が大胆になった。瞳の位置を追随していた。視界は全て彼であるような気がした。

 彼は、友希那を舐めるというよりは唾液を友希那の瞼に押し付けるような情緒だった。保湿そのものだった。舌は流れるように右の目に向かった。今度はひたすら舐っていた。押し付ける情緒や這っている蠢きといった要素は無く、ひたすら瞼や目元の味を嗜んでいるようだった。

 目を離れた彼は左右の眉毛をなぞった。栄える毛たちに水分を与えてより成長させるような動きだった。それからの舌は再び頬に向かった。地続きでツーと撫でながら頬に到達し、そこを何度もぺろりと撫でると、ついに離れた。

「……もういいの?」友希那は目を開いて彼に訊ねた。硬い質感で彼を誘ったが、彼は満足である旨を口から出すだけだった。「そう。満足したのなら、よかったわ」

 冷静に応えた友希那は自分の舌を出して口元を舐めた。舌には当然彼の唾液と触れた。友希那はそれを回収して舌を引っ込めた。つまみ食いをする少女の手のような舌遣いだった。口の中に彼を引き込んで飲み込むと身体がカッと震えた。

 友希那はすぐに鼻呼吸を開始した。

「顔からあなたのニオイがする……」友希那はスンスンと鼻をひくつかせて嗅いでいた。途端に脳と股間が湿った。身体の芯にまで伝播していく強烈な雄の臭いだった。いかにも獣らしい彼だった。「んふっ。んっ。あなたが頭の中に居るみたいだわ。ひどいニオイね、ふふ……」

 友希那は冷静に呟いたが、それでも鼻の動きは止まらなかった。臭いを嗅げば嗅ぐほど、より強い彼を取得したい欲に駆られていた。友希那はその雌らしい本能に従って鼻を動かした。びくびくと動いていた。

「顔じゅう、あなたの唾液でどろどろよ……。せっかくのメイクも、これじゃあ全部台無しだわ」友希那は彼の顔を見上げた。途端に口元が緩み、顔そのものが喜悦で破裂すると高い声が漏れた。「駄目ね。またやってもらわないと……」

 思考していると彼が口を開いた。出てきた文言を聞いた友希那は少しだけ驚いて目を丸くした。

「このまま、ライブに……?」友希那が慎重に訊ねると、彼はより強調した語気を出した。「あなた、本気で言っているの?」

 それは、友希那に今の顔のままステージに上がってほしいという提案というよりは、先ほどの『メイク』という一言に過激に反応しているように思えた。せっかく塗り付けた唾液を拭き取られ、さらに新しい化粧を施されるのがよっぽど嫌だと思っているらしいことが、強張っている表情から察知できた。

「本気なのね……、そう」友希那は硬い気概を顔でみせた。しかし内心ではどきりとしていた。「わかったわ。メイクはなおさない。あなたの唾液まみれのこの顔で、今日は歌うわ」

 友希那は穏やかな顔で強く放った。

 それは宣言だった。途端に彼の顔がパァっと明るくなったのを視て嬉しくなった。眼前の彼からの独占欲というか、愛を誇示したい欲のようなものを強く感じた。

「だから、絶対に目を離さないで。今日も私の音楽を、余すことなく感じて。いいわね?」

 友希那は引き締めた顔だった。美しい尊顔がより勇ましい様相となり、瞳に強烈な意思と誇りが宿っていた。

 彼が激しく首肯し、さらに口づけをしてきた。友希那はそれに対応した。唇と唇をぶつけ合う接吻の後、ゆったりと離れて至近距離で見つめ合った。

「ええ、もちろん私も――」

 友希那はにったりと笑った。

「愛しているわ」

 這い上がれない沼に、彼と共に沈んでゆくような感覚だった。喜悦が在った。友希那はさらに笑みを咲かせて彼をぎゅっと引き付けた。

 その真白い素肌は、彼の唾液でむわりと濡れていた。

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