TENZIマジカル珍宝劇 ~ゴーストハーレム~ 作:ポチ&タマ
これが最後のストックです。
無事に弥生ちゃんをハーレムに加え、当初の目的だった“気に入った女の霊をハーレムに入れよう!”ミッションはこれで完遂。後は【黄泉の門】をどうにかして、土地諸々の後始末をすれば、【零~ZERO~】は晴れて完結となる。
もちろん、この世界はゲームの中ではないため、その後も日常は続くのだが、次回作である【零~眞紅の蝶~】の開始時期までは少し余裕があるはずだ。
出口がすぐそこまで見えて来て、少しだけテンションが上がる俺。あれだ、仕事中はだるくて早く終わんないかなって思うけど、就業一時間を切るとやる気が出るアレに似ている。
弥生を札に封じた俺は深紅ちゃんの手を引きながら来た道を引き返し、今度こそ【黄泉の門】の元へ向かった。
「あ、そうだ。深紅ちゃん、これ身につけておいて」
「これは?」
「俺の霊力を込めた御守り。ここから先はさらに瘴気が強くなるだろうから」
その辺に落ちていた小石に霊力をこれでもかと注ぎ込み、それを呪符でクルクル巻いて効能を高めた代物。言うなれば護身石ってところか。
俺がいるから万に一つはあり得ないが、億に一つ、兆に一つの可能性は否定できない。
なので保険として護身石を持たせた。
掌に収まる程度の護身石を手に取った深紅ちゃんは、表情を引き締めて大事そうにポケットの中に仕舞う。
「よし、行こう」
「うん……!」
【黄泉の門】がある場所に到着する。中央には注連縄が飾られた大きな石が鎮座しており、その奥には岩で出来た巨大な門の姿があった。
人一人ほど通れる程度の隙間を作り中途半端に開門してある【黄泉の門】。
とはいえ、この状態でもそこそこの瘴気を垂れ流しており、完全に開ききったらどうなるかは正直俺にも分からん。
日本中に瘴気が広がり死の国になるか。最悪の場合、他の【黄泉】に繋がる場所が共鳴し合い連鎖的に封印が失敗する可能性も考えられる。
そう考えると中途半端な方法は許されない。
やるなら確実に、そして徹底的にだ。
「これが、黄泉の門……」
「深紅ちゃん、少し離れてて」
深紅ちゃんに離れるように指示し、【黄泉の門】へと近づく。
吹き出た瘴気が風となって襲い掛かって来た──。
「お兄ちゃん……っ!」
「破ァッ!!」
それを霊力を込めた正拳突きで相殺する!
パァンっ、と音の壁を突破した衝撃で袖が弾けてしまったが、霊力が込められた拳圧は瘴気の風を正面から打ち破った!
っと、なんか深紅ちゃんの悲鳴が聞こえたな……!
「どうした深紅ちゃん!?」
「……あ、ううん。なんでもないの」
何故か少し引いた目で見られた。
釈然としないものを感じつつも門の元に到着した俺は、腕に力を入れて無理矢理門を閉ざす。
そして、輪廻写輪眼を開眼させると、外に居る分体と視界を共有。ただちに目的地に全分体を集結させた。
共有した視界で各々がポジションについたのを確認した俺は、肩越しに振り返る。
「ごめん深紅ちゃん、ちょっとだけ待ってて! すぐ戻るから!」
「お兄ちゃん!」
悲痛な声で呼ぶ深紅ちゃんに申し訳なく思いつつ、【神術・空間支配】で門ごと岩盤をくり抜いた俺は飛雷神の術で分体の元へ跳んだのだった。
「来たか」
跳んだ先は本土の南側にある小さな無人島。
門と一緒に現れた俺を分体の一人が出迎える。
既に時刻は夜の一時を過ぎ、周囲を暗闇が支配する中、総勢五十人の分体たちが俺を──門を中心に円陣を組んでいた。
輪廻写輪眼を開眼させた分体たちは一糸乱れぬ動きで両手を門の上空に翳す。
そして──。
『六道・地縛天星!』
各々の両手から黒いチャクラの球体を生み出すとそれらを一か所に射出。一つ一つは拳大程度の球体だが、五十個が一つに合わさると、バスケットボールを上回る大きさまで拡大した。
ナルトの世界でもたった一つの地縛天星で封印が解けかかった九尾を抑え込んだのだ。それが五十個である。言ってしまえば超・地縛天星だ。
もうどうなるかは、お気づきだろう。
「パネェなこりゃ……」
超・地縛天星により発生する引力は一瞬で門を空中に吊り上げ、島の大地に亀裂を生み、瞬く間に無人島を丸々一つ瓦解させた。
抑えがなくなったため門が開きかけるが、それも束の間。
瓦礫となった無人島の残骸の山が次々と【黄泉の門】越しに球体に引き付けられ、あっという間に門は瓦礫に埋もれて見えなくなった。
地縛天星がある程度落ち着いたのを確認したら、次の段階だ。
「総員、第二フェイズ!」
『応ッ! 六道が一・修羅道!!』
五十人の分体が六道の一つである“修羅道”を発動。
自身の体を人型決戦兵器へと魔改造させた分体たちは、足底と肩甲骨から噴射口を展開させ、一気にバーナーに火を入れた。
五十人の分体たちが一斉に飛び立ち、門を封じている地縛天星を下から支え、持ち上げていく。
「気合入れて行くぞぉ!」
『応ッ!』
分体の一人の呼びかけに応じて全員がアフターバーナーを点火。
チャクラをエネルギーに変えて一気に出力を上げた分体たちは、あっという間にロケットと同等の速度──マッハ三十を上回るスピードで地縛天星を宇宙に向けて運んで行く。
それを地上から眺めている本体の俺は「修羅道で体をメカにしてなかったら流石に耐えられないな」と小さく呟いた。
やがて、大気圏を突破し宇宙へ進出した我ら分体群。もう少しだけ地球と距離を取ってから掌の噴射口を吹かせて一時停止。
慣性に従い大地の球体だけが進み続けていくのを確認すると、口からビーム砲を展開し、一斉に人口の星に向けて発射した。
極太のビームは地縛天星の表面を削りながらも、大地の球体を奥へと進めていく。
知っての通り宇宙には重力が存在しないため、一度でも力が加わると感性に従いその方向へ一定の速度を保ちながら移動する。
地球から放り投げた勢いとビーム砲の後押しにより、人口の星はそこそこの速度を出しながら地球から遠ざかっていくのだった。
「よし! これでもう大丈夫だろ」
共有した視界で最後まで地上から見届けた俺は、見えるようにイイネをすると、宇宙に居る全員がサムズアップで返してきた。
そして、自爆装置を起動させて全員宇宙の塵へと還るのである。
「これでミッションクリアだな」
分体をすべて消費してしまったため、新たに二人ほど生み出し、それぞれを深雪さんと怜の護衛に就かせた。
散会するのを見届けてようやく俺も深紅ちゃんの元へ帰還だ!
1
お兄ちゃんが【黄泉の門】を封じに行ってしまい、一人になっちゃった。
その瞬間、それまで抱いていた安心感が消え、途端に怖くなってきた……。
これまでお兄ちゃんという頼もしい人が居てくれたから私は恐怖感を感じないでいられたんだと、身をもって思い知る。
(でも、それじゃあ駄目よ深紅! お兄ちゃんの相棒なんだから、お兄ちゃんが居ない時でもしっかりしないと……!)
幸い私にはお母さんから渡された射影機と、万一にとお兄ちゃんからもらった御守りがある。
お兄ちゃんは不思議な人。
物心がつく前からずっと一緒にいるけど、未だにお兄ちゃんは不思議で一杯。
前世の記憶があるだけでも驚くことなのに、すごい力を持っている。正直、超能力なんか目じゃないくらい。
なんですか神術って! 空間を自由自在に操ったり時間を止めたりと、まるで漫画の世界じゃない!
なんですかマジカルチ○ポって! どんな女性でもよがり狂うほどの快楽を与えて、さらには大きさや長さも自在なんてもはやギャグだよ!
超能力者の存在は信じているし神様もいるとは思ってるけど、お兄ちゃんという規格外の人が側にいるからすべて霞んで見えるよ……。
だけど、私はそんなお兄ちゃんが大好きなの。
雲のように摑み所のない性格も好き。
すこくエッチでドスケベな変態さんで、私やお母さんがいるのに怜さんという彼女まで作って平然とハーレムを公言するような人だけど、好き。
一緒にいると心がポカポカして、毎日が楽しくて。お兄ちゃんと一緒に過ごす時間が好き。
お母さんが死んじゃいそうになった時は颯爽と助けてくれて、幽霊に怯えていたのを解決してくれて。いざという時すごく頼りになるところも好き。
良いところも悪いところも全部合わせて、お兄ちゃんという存在が大好き。
だから──。
「足手まといになんて、ならないんだから……っ!」
『オォォォオオオオオン……』
蛇のように飛び掛かってくる縄を避けながら、素早く射影機を構えてシャッターを押す。
除霊効果のあるフィルムが怨霊の姿を捉えると、その体から光の球のようなものが漏れ出し、射影機に吸い込まれていった。
「……っ!」
お兄ちゃんが【黄泉の門】と共に消えた後、入れ替わるように神官の怨霊が四人も現れた。
血塗れた姿の彼らは揃って縄を持っており、この神官たちが裂き縄の儀式を行ってきた人なのだと分かる。残留思念に何度か登場した人たち。
一斉に現れた彼らは点滅するかのように時折姿を消しながら、何度も私の体をその縄で縛ろうとしてくる。
「きゃっ……!」
理性がないためか、挟み打ちをしてきたりコンビネーションで攻撃してきたりなど、数の有利を活かしてこないだけまだマシだけど。それでも狭い洞窟内で四人の攻撃を避けながら戦うのは非常に厳しくて。
いつの間にか壁を背に、囲まれてしまった。
『オォオオオオオォォォォ……!』
逃げ場がないのは神官たちも分かっているのか、おどろおどろしい声を上げながら一斉に縄を伸ばしてくる。
(避けられない……っ)
思わず目を閉じてしまいたくなるけど、ぐっと我慢して射影機を構えた。
お兄ちゃんがいるから、多少攻撃されてもなんとかなる! そう強く自分に言い聞かせて震えそうになる手に力を込める……!
そして、四本の縄が私の体に触れると同時にシャッターを切る、その時だった──。
『ォォォオォオオオオオ……ッ!?』
「えっ?」
キィンッ、という甲高い音と共に縄が弾かれた。
次いで、私を覆うような形で魔法陣のようなものが展開される。
眼前には、お兄ちゃんからもらったお守りが浮かんでいた。
『オオオオォォォオォォォォォ──』
お守りから黄金の光が放たれる。
まるで波紋のように黄金のリングが隅々まで広がっていく。
黄金の輪に触れた神官の霊たちは一瞬にして消え去り、心無しか洞窟に入ってから感じていた息苦しさも和らいだ気がした。
役目は終えたと言わんばかりにお守りが地面に落ち、入れ替わるようにお兄ちゃんが何処からともなく現れる。
「お待たせ、黄泉の門の始末が終わったよ。独りにして悪かったな」
朗らかな微笑みを浮かべるお兄ちゃんを見ると、胸が大きく高鳴った。
お兄ちゃんはいつも私を守ってくれる。
相棒として不甲斐なさを感じると同時に、やっぱり一人の女の子として嬉しく思ってしまう。
「……お兄ちゃん」
「ん?」
周囲を見回して何かを確認しているお兄ちゃん。
どうしようもないくらい好きで好きでたまらないこの気持ちをぶつけるように、お兄ちゃんの背中に抱きついて呟いた。
「大好き」
2
その後の話をしよう。
距離的な問題があったのか、門を宇宙へ投棄したことにより氷室家の呪縛が解かれ、氷室邸にいたすべての霊たちが成仏した。
霧絵を始めたとしたハーレム組も呪縛から解放されたが、彼女たちは俺に対する執着という未練がマシマシなため、今も現世に留まり俺個人に憑いている。怨霊ではなくなったため、分類としては守護霊に近いだろう。
門が消えたことにより断続的に発生していた地震も止まり、地下洞の崩落は免れた。明日にでも氷室邸を大々的にリフォームするため、地下もいい感じなスポットにしたいと思っている。
なお、最初に登場して以来姿を消した、ふくよかなおかっぱ髪の少女だが、何故か最後の最後まで姿を見せることはなかった。未来の俺には数々のヒントをくれたというのに、何故俺の前には現れないのだろう。そこだけ後ろ髪を引かれる思いだ。
氷室邸には体感的に三時間くらい滞在していたと思っていたが、実際のところは六時間以上経過していたようで。雛咲家に帰宅した頃には時刻が午前二時を回っていたのだが、こんな遅い時間にも関わらず、美雪さんは寝ずに俺たちの帰りを待ってくれて。
無事に帰ってきた深紅ちゃんと俺を見て、思わずといった様子で抱きついてきて、彼女の深い愛情を再確認させられた。
翌日、諸々の事情で大学を休む旨を怜に伝えたところ、学校をサボって俺の元にやって来た。丁度、真冬に高峰氏ら一行のことを伝えていた時に訪れてきたため、彼女にも今回の依頼の話を説明。
怜も人並み以上に霊感が強く、俺たちと同様に幽霊の姿を見ることができるため、やや消沈した様子で真冬が帰った後に今回の戦果である霧絵たちを紹介した。
怨霊にトラウマを持っている美雪さんだが、霧絵たちが話しの通じる霊であり、同じ男に惚れた同士であると知るとすぐに警戒を解いてウェルカム。
しかもこれまで逢ったことのない祖母の八重さんには驚きを隠せない様子で、感涙する彼女とは対照的に驚愕の一文字だったが、八重さんのエピソードを聞くと貰い泣きをしていた。
怜も俺のハーレム化計画については知っているため「本当に幽霊を堕としたのね……」と呆れられたくらいで、彼女たちのことは同じハーレムメンバーとして受け入れた模様。
そんな感じで諸々の報告と自己紹介を済ませた後、俺だけすぐに飛雷神の術で氷室邸へUターン。土地一体を汚染していた怨念の残穢を浄化した上で人避けの結界を張り、三十人ほど分体を生み出してから人海戦術で大リフォームに着手した。
プロには劣るものの、その手の建築技術はFGOの世界で鍛えた──正確に言えば鍛えざるを得なかった──ためお手の物。神術や使えそうな術なども駆使し、僅か半日で八割程の修繕を終えた。後は地下洞と、各々の部屋に家具を配置するだけである。
今回、半日も掛けて廃屋をリフォームしたのは何故か。それはもちろん、氷室邸に移り住むためだ。
いつまでも雛咲家にお世話になるわけにはいかないし、何より今後も増えていくハーレムメンバーの数を考えると流石に小さい。
なので、そこそこの面積があり部屋数もまあまあな氷室邸へ引っ越したというわけだ。最終的には【月蝕の仮面】の舞台である臘月島へ移住する予定です。
ちなみに土地の所有権などは他の人が持っていたため、その人を写輪眼で暗示を掛けて所有権等を譲り受けたため、公的にも俺の家だと主張できる。
すると、当然のことと言わんばかりに雛咲母娘もうちに移り住むと言い出し、更には「いい機会だから、そろそろ同棲しましょうか」と怜まで引っ越してくることに。
まあ、断る理由がないため俺も快諾したというわけだ。
それと、これまで雛咲家が住んでいた武家屋敷だが、売却するにも時間が掛かるし手放すのもなんだか勿体ないということで、竹林を開拓して土地を均し、屋敷ごと転移させた。
全体的に見ると井戸がある後庭の隣に武家屋敷があるような形だ。
なお、この屋敷も氷室邸の一角なのだと違和感を待たせないために、後庭を上手く拡張させるのがかなり難しかったと言っておこう。
3
時刻は夜の八時。大体のリフォームを終えた俺は、旧氷室邸に皆を招いて案内をする。
我が渾身のリフォームを前に各々『おぉ』と驚いたようなリアクションを見せてくれた。
鬼龍院邸と呼ぶべきそこは、なんということでしょう。匠な技と言っていいと思う腕前により、過去と現代が調和した見事な空間を彩っていたのだ。
前庭や中庭、後庭といった外は景観を活かすため、最小限の削りで形を整えた。
中庭にあった注連で囲まれた石も特に意味はないので取っ払い、桜の木も邪気で完全に枯れていたため新たな桜の木を植え直し、水車と灯籠がある場所に繋がるエリアは入り口が狭いため扉を外し、壁も少し壊して入り口を広げた。
後庭は竹林を遮る板をすべて取っ払ってエリアを拡張し、雛咲邸を移転。壁を作らない代わりに人および獣避けの結界を張っているため、外から人や動物が迷い込むことはないだろう。
そして、何気に地下洞へと続く井戸は塞ぎ、その上には噴水を設置。その先の神社に繋がる道も渡りやすいように手を加え、溪内にある砂利は血を吸ったものもあったためすべて総入れ替え。仏殿にある巨大な仏像は撤去し、祭壇も新しいものに変え、ついでに木彫りの転生神像を中に入れておいた。
次に建物の中だが、ほぼすべてを取り替えたと言っていいだろう。壁や柱、床の木板に至るまですべてだ。これらを新品に変えるだけで、見間違えるほど清らかになり、上品な日本家屋へと変貌した。
後は不要な部屋である座敷牢や隠し廊、目隠しの間などを潰し新たな部屋に。そのため壁も一部取っ払って動線を引いたため、さらに広く感じるようになった。
ちなみに地下洞へと入口である【鬼の口】は普通に転落の危険性があるため、バリアフリーを意識して昇降機を設置。徒歩では移動できないようにしてある。
まだ手を付けていないが地下洞も使い道があるため、改築こそするも潰すつもりはない。この辺はまた後日、取り扱うつもりだ。
恐らく、氷室邸を知らない深雪さんと怜は、「広くて素敵なお家」と言う意味で驚き、改築前の姿を知っている深紅ちゃんや幽霊組は「あのお化け屋敷がここまで綺麗になるなんて……」という意味で驚愕しているのだと思う。多分。
地下洞以外の場所を案内する度に、ため息をついていたのが印象的だった。
そして、この屋敷にいい思い出がないであろう幽霊組だが、悪印象を取っ払えるだけのリフォームという意味では成功したようで、各々苦い記憶がある部屋を見て回る度に『あの場所がこんな風になるなんて……』と驚いていた。
トラウマを刺激しないかヒヤヒヤしたが、今のところ気に入ってもらえているみたいで何よりだ。
そんなこんなで一通り案内をし終え、大広間にやってきた俺たち。真新しい畳の上には一面布団が敷かれており、ここだけ布団の間といった感じになっている。
これから何が行われるのか、薄っすらと察しているのだろう。全員が期待を孕んだ目で見つめてくる中、まずは深雪さんと怜にとあるアイテムを渡す。
「これは、勾玉?」
「あ、それ私が貰ったのと一緒だ」
首を傾げて紐に吊るされた勾玉を見つめる深雪さん。深紅ちゃんも以前渡したものを取り出して「ほら!」と見せてきた。
「霊体に触れても生命力が削れない護身具だ。今後、霧絵たちと一緒に暮らすとなると必須になるだろうからな。それと、それがあればリスクなしで八重さんたちと触れ合うことも出来る。身内との奇跡的再会なんだ、触れ合うこともできないのは悲しいだろ?」
顔合わせをした時に改めて自分の孫たちと邂逅を果たした八重さんだが、方や幽霊。
涙を流して喜ぶ八重さんと、祖母の存在に驚きつつも純粋に喜ぶ深雪さんだが、触れ合うことが出来ないため、どこか溝のようなものを感じさせた。
しかし、この勾玉があればリスクなしで触れ合うことが出来るのだ。思う存分、喜びを分かち合い絆を深めてほしい。
「天慈くん……」
「お兄ちゃん……!」
『天慈様……っ!』
俺の粋な心意気に感動した様子の深雪さんたち。
八重さんが涙を流しながら孫たちを抱きしめると、「私のお婆様、なのですね……」と深雪さんも静かに頬を濡らし、深紅ちゃんは無言で曾祖母に顔を埋めた。
感動的な家族の再会に貰い泣きをする女性たちもしばしば見られる中、ようやく落ち着きを取り戻したところで、ようやく本題に入る。
「これより、破瓜の儀を行います! はい拍手!」
俺の宣言に一同首を傾げるも吊られて手を鳴らす中、「霧絵、朱乃ちゃん、真奈美ちゃんは前に」と告げるとおずおずと三人が前に出てきた。
「今日は、皆が家族になる日です。霧絵たち三人にとっては今夜が記念すべき初夜! こんな目出度い日は、皆でお祝いしながら破瓜を迎えましょう!」
今回の趣旨がようやく伝わったのか、女性陣はキャーキャーと黄色い悲鳴を上げながら一斉に拍手を上げる。
祝われている霧絵と真奈美ちゃんは恥ずかしそうに、けれども嬉しさが隠しきれない様子で頬を赤らめながらモジモジし、朱乃ちゃんは純粋に喜んでいた。
ちなみに朱乃ちゃんの体は治療済みで、今では問題なく走ることもできる。
「俺たちが愛し合っている間、ただ見ているだけなのは辛いだろうから、こんなのも用意してみました! はいドン!」
布団の上にディルドーやピンクローターなどのオナニーグッズを召喚する。ざっと二十個ほどあるそれらはすべてマジカルチ〇ポを模して作ったものだ。ディルドーはもちろん、亀頭の形をしたローターにもバイブ機能を組み込んである。
服をすべて脱いで仁王立ちする俺のマジカルチ〇ポとオナニーグッズの間を視線が行ったり来たりする女性陣。
「今宵は宴だ! 皆、存分に乱れまくれ!」
そう声を張り上げた俺が一番手前にいた霧絵を押し倒すと、女性たちは我先にとオナニーグッズに手を伸ばすのだった。
ZERO編はこれで終わりです。
あとは後日談だけですが、少々難航しております。
投稿までもうしばらくお待ちください。
エロシーンが苦手なのに自分で〆切日を決めるんじゃなかった……。