※この作品はR-18です。

スライムと仲間達   作:どこにでもいるG

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少女のとある1日

ある朝

目を覚ました少女は体を起こして伸ばす

ベッドから降りて鏡に向かい髪を整える

パジャマから格好の制服に着替え食堂へ向かう

 

「おはよ!」

「おはよう、今日も元気がいいねぇ」

「いつもと変わらないよ?今日の朝御飯はなんだろうね?」

 

ここはとある学園の寮内

そこに暮らすのは学園に通う生徒達

 

それは島に立つ学園であり戦争時は孤児院であった

今でこそ学園として機能しているが戦争中は簡易的な避難所になっていた

 

学生達が一度に集う食堂は賑やかで明るい

少女は食事を受け取り席へ座る

 

「ねえ?あれってなに??」

「あれは…またなのね…」

 

外に見えるのは実験生物の飛行姿

朝日を浴びながら飛ぶのは心地よいという理由で学園の食事中のみ外に出ている

 

「飛行してるのはわかるんだけど…なんで人が捕まってるの?」

「あれは…侵入者ね心配しなくてもいいわ」

 

食事を終えるとそれぞれの教室へと入り授業を受ける

 

昼食からは自由時間となりそれぞれのやりたいことをしている

 

少女は身支度をして研究所へ入る

 

「おねいさんこんにちは~」

「いらっしゃいませ、見学ですか?」

「うん!今日は蛇の人見に来たの!!」

「えーと…スタンさーん、案内お願いねー」

 

奥から現れた男性は少女に声をかける

 

「君を案内すればいいんだね?」

「うん!お願いします!」

「君も物好きだねーわざわざ彼に会いたいなんて」

 

ここでいう彼とは、蛇の鱗を持つ人間の事である

その鱗は通常種よりも薄く柔らかいが、周囲と同化し自身の発する音すらも軽減する

そしてスタンと呼ばれた男は彼の主任研究員である

 

「あの人はね~かくれんぼしてると楽しいの」

「あー見つけにくいし見つかりやすいし…たのしいね~」

「うん!それにね?私でも見つけれるように完全に隠れないから優しいの!!」

「それは何より…で?いつまで隠れているんだい??」

「バレてたか…よっ!久しぶりだな」

「あっ!いたの!?う~恥ずかしい…」

「ああいう話はちゃんと聞かれてないか確認することだな」

「言われていた君の鼓動はやや速くなっていたのは気のせいかな?」

「うっウルセエ!いうんじゃねぇ!!」

「あはは!照れてる!!」

 

会話をしていると彼の隔離区画へと着く

ここはジャングルのような形になっており

木々が茂り草花に彩られ、小川も流れている

一辺が10M程あり高さも7Mほどある

 

「よし…かくれんぼするか?」

「じゃあ私が鬼ね!い~ち、に~い…」

 

彼は能力を使いながら木の一番上に立つ

周囲と同化しているがよく見るとやや歪んでいる

 

「きゅーう、じゅう!いくよ~!」

「(やれやれ…元気なこって)」

「うーん?いないなぁ…地面かな?」

「(おいおい…棒で地面をつつくんじゃないよ)」

「どこかな~どこかな~?」

「(こうやってみてると可愛いんだが…よくここまでくるよな~)」

「あっ!みーつけた!木の上でのんびりしてる!!」

「正解!っとちょっと離れてなー」

 

彼は木の上から飛び降り音をほとんど立てずに着地する

 

「蛇さんはかっこいいなぁ~」

「誉めても何もでねぇぞ?」

「じゃあ今度は私が隠れるね!」

 

少女はどこかへ走り去る

 

「そろそろいくぞー!」

「(わくわくするなぁ~ムグッ!?)」

「(しゃべるんじゃねえぞ?死にたくなければ…)痛っ!?」

 

少女は侵入者に拘束されるも手に噛みつき逃れると同時に

 

「よぉ?俺の娘に何してるんだ??」

 

と怒気をはらんだ声が聞こえる

その姿は誰にも見えず

その音は誰にも聞こえず

光照らされるも透過し

発する熱も見えず

 

ただ声だけが聞こえる

 

「くるなぁ…来るなぁ!?」

「おしまい…」

 

侵入者の体は瞬時に消え去り

残ったのは赤いしみだけだった

 

 

「蛇さん!?大丈夫!?!?」

「それよりも怪我はないか!?痛いところは!?!?」

 

二人は互いを心配する

それが互いに可笑しくて

 

「ハハハ!蛇さんは直接倒したときに怪我しないか心配したのに私の心配なんだね!」

「ああそうだよ!お前は俺の娘見たいなもんだからな!」

「娘?私にはお父さんもお母さんもいるよ??」

 

ほどなくして少女の両親が来る

 

「大丈夫だった!?だからここには来ない方がいいってなんd…」

「やめなさい!僕たちの子供だよ?どうせ一矢報いてるはずだ」

 

父親は母親の言葉をさえぎった挙げ句娘の行動を予想した

 

「…ご名答!侵入者に拘束されかけたときに手を噛みやがった!」

「まあ!…夫の言うとおりね…それに侵入者に気づけないというのもおかしいわね…」

 

答えを聞いた母親は少し冷静になり考える

 

 

「どうもここに次元航行してきたらしい」

「おっスタン!はやいな」

「どうも、そして航行先がたまたまここだったようです…我々の技術を持ってしても阻止できるかどうかの技術で侵入されているので…心配なら来ない方がいいです」

「いえ、娘が来たいと言えば止める理由もないですよ」

「いいのか?俺はあんたたちの家族を危険に…」

「その私たちの娘を『家族』として世話やいてるのは誰かな?」

「そう言うわけだ…よかったな」

「ありがとう…これからも…よろしく」

 

スタンはこうなるだろうと予想して二人を招き入れた

研究所は危険であると同時にあらゆる主義主張が混同している

それゆえに彼らも護られている

 

「今日ははやいけど帰るねー」

「お~また落ち着いたら遊びにこいよー」

「これからもよろしくお願いします」

「私からも頼む」

「…送ってやれ、書類は出しとく」

「あいよ…いつもありがとな」

 

四人は研究所を出て町へと向かう

その姿は両親とその子供たちのようである

 

「お兄ちゃんはあそこから出たくないの?」

「出ようとは思ったさ…昔は外の方が楽しかったからな」

「戦時中かい?あの頃は悲惨だったと聞くが」

「ああ…俺はそんな中を楽しんでいたんだ」

「あなた!?命を何だと!!」

「わかるか!?あいつらはこちらを殺すべき獣と思っているんだぞ!!そんな中で敵にも心がある何て思えるわけねぇだろ!!」

「それでも!」

「なら君は自分が死んだらどうやってこの子を護るんだい?どうやって目の前の敵から護るんだい??」

「それは…誰かが…」

「戦争では誰か何ていねぇんだよ…家族を…親友を…護るには…敵を消すしかない…」

「…それでも話ばきっと」

「それなら猛獣にも話し合いをすることだな、広い草原の中書類を持って一人で行けばいい」

「出きるわけないじゃない!何をいってるのよ!!」

「出きるんだろ?言葉の通じないこちらを肉としか見ていない者達との話し合いが」

 

母親の理想論は一瞬にして崩れ去る

父親は戦時中、通信主として参加していた

そして蛇は戦地に

彼らは知っているのである

狂った人間ほど殺すしかないということを

だが母親は知らない

狂った言葉の通じぬ人形を

ただひたすらに命令に従う人形を

 

「でも今はどうなの?」

「今はあの中がいいさ、友人もいる、仲間もいる、家族と思える人がいる…それに…」

「それに?」

「自分が命をかけても護りたいと思う物が護れる、それだけで今は満足だな」

「蛇さん…やっぱり好き!!」

「ちょっ!?抱きつくなって!!」

「ハハ!ところで気づいているよね?」

「ああ…こちらを襲う人物だろ?」

「あなた達?どうしたの??」

「私は蛇さんから離れないよ?」

「その方がいいな…なあ?母親よぉ…『お前は誰だ?』」

「どうしたのよ!何で私なのよ!!」

「お前の体から血の匂いがずっとしてるんだ…衰えたと思うなよ」

「ふむ…やはり無駄か…やれ!」

 

草むらから一斉に放たれる矢の雨は

 

「おせぇ…」

 

空中を蹴り動く蛇には当たらない

 

「ばかな!?そんな動きをすれば子供が!?!?」

 

と言おうとするもその姿はとうになかった

 

 

二人は研究所へ戻る

 

「おーいスタン~」

「おかえ…やっぱりかぁ…」

「…知ってたな?」

「ん~予感?」

「この子スライムに送らせて~」

「おう!迎撃しとくわ」

 

少女は言葉の意味をなんとなく理解し

 

「むーならここに住む~」

「…え?聞き間違いか??」

「ここで貴方の世話がかりになる!!」

「…お嬢さん?それがどう言うことかわかる?」

「えーと…ここから出れないし何かあっても自己責任だっけ?」

「うん…誰も護ってくれないし…」

「そんなの普通でしょ?自分のことは自分でやらないと」

「いや…うん…そうなんだけどぉ…」

「おい…一つだけ聞こう」

「なーに?聴きたいことって」

 

蛇は小瓶を取り出しそのなかを自身の血液で満たす

 

「これを飲めば俺と同じような体質に近づくが死ぬかも知れない」

「死ぬのはいやだなぁ~でも両親もいないからなぁ~」

「これをどうするか決めるのはお前自身だ」

「えーと…スタンさん?は注射ってできる?」

「じゃあはい書類」

 

少女は迷うことなくサインし

 

「よろしく!」

「任された!」

 

血液を注射によって体内に取り込み

 

「うーん?かわらないね~」

「…体表の異常なし…聴覚…」

「表面何もないのね」

「あーこれあれだわ、身体能力向上してるわ」

「ほんと!?やったぁ!!」

「元気だなぁ…一回町に戻るぞ」

 

二人は町へと戻る途中、高速で木々の隙間を這うスライムを見つけ進路を変更する

 

 

町に着くと家族が誘拐されている情報を教えられたが、その対処をしていることと、少女も自身と同じようになったことを伝え研究所預かりになると話した

 

「そうですか…この子は貴方の事が好きだといつも話していましたから」

「私は研究所にいなきゃダメなの?」

「うーん…特に変化は見られないから一応通えるけどむずかしいなぁ」

「そっか…しょうがないよね…」

「まあ…こっちに遊びに来る分には誰も何も言わないけどな」

 

少女の顔が明るくなり周囲もそれに頷く

 

こうして少女は研究所で住むことになったが、それは悲しいことではなく

新たな生活の始まりとなり

暖かくて迎えられた

 

 

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