色々エロ掌編 作:放浪するモキュ侍X
カンテラの薄明かりで色づいた部屋、二人の女が睦まじく絡み合っている。
「んひっ…ああっ」
ほのかな闇の中に混ざらない夕日のような赤毛の娘と、浅い夜明け前の空のような紫の娘。
鼻先までしか見えない闇の中に愛し合う音が響く。口を交わし、指を絡め合い、互いの全てを愛おしむしぐさ。
「好きです、勇者さま、もっと、もっと触ってください」
「いいよマシュ、朝までずっとこうしてようね」
指が乳房を撫でる、うっすらと残った傷跡を舌で癒やす。真正面からぐっと抱きしめあって性器と性器をくちゅりと艶めく音の粘液で滑らせる。震えが舌を揺らすが怯えはない、より体を近づけ肌を肌で覆っていく。
「気持ち、良いです。リッカさん、そこ、そこをもっと」
「んふふふ、分かってるよ。マシュ、クリトリスの上が好きだもんね」
「はい…ああんっ、ああっ」」
指で一点に力を込めて性感帯を圧す。帰ってきた嬌声に歓びながら、リッカは夢中で腰と指を動かした。
爪がまるごと愛液に包まれながら、ゆっくりと最愛の相棒を絶頂へと導いていく。
「あ、ああ、あああ! ……勇者様」
「うん、じゃあ口開けて?」
やがて、びくりと数度ふるえて何度も息をはくマシュへと、水を口移した。
口中で温く温められた水が喉を潤していく。そのまま強い、吸い合うキス。なんどもついばみ、そのまま次の絶頂をもとめて慰撫しあっていく。
勇者リッカの、この世界での最後の夜を惜しむように、二人は夜明けまでとろけて愛しあった。
『初めまして勇者様、私は重盾士のマシュといいます。魔王討伐の旅の同行者に選んでいただいたこと、光栄に存じます。これですか? 伝統的なレオタードアーマーです。不思議なことをお聞きになるんですね』
『勇者様の国には先ほどのようなスライムはいなかったのですね。ではどうしてスライムのようなやわらか素材を……え、使わない? クッションで再現? そんなことができるのですか?』
『いい加減一人で起きてください、殴りますよ』
『まさかあの数の海賊に切り込むなんて……勇者にしても無貌すぎます』
『ではこの国の女王陛下に会いに行きましょう。正装、ですか? その鎧(ビキニアーマー)が勇者の正装です』
『これが砂漠……こんなところに来たのは初めてです。本当に水がない土地があったんですね』
『見てください、本当に辺り一面雪だらけです! ……いえ、寒くないのは鎧の力からして当然では…』
『え……まあ、一度くらいなら……せんぱい……あの、この呼び方はいったい』
『いよいよ魔王との決戦ですね。準備は全て終えました。大丈夫ですリッカ、希望的観測ですが、私達ならきっとやれます』
『聖器、限定展開……これは、私達の旅路の重さ、私達の道を照らす星の輝き、ロードオブ……カリバーン!』
マシュの盾から出現した輝ける光が剣に宿り、一気に放たれた魔を焚く光が部屋を埋め尽くす。
『メエエエエエエ!!!』
股間から脳天にかけて、一刀両断された大山羊のような怪物の断末魔が打ち砕かれた屋根の隙間をぬって天に登ってゆく。
『やった……やりましたリッカ! 私たち、魔王を倒せたんですよ!』
――かくして勇者に魔王は討たれ、世界の平和は取り戻された。めでたし、めでたし。
誰かが、物語っている声を聞いた――
自分は役割を終えた
家族が、帰りを待っている
勇者の出番は終わり、かくして少女は剣を置く
「では、お別れですね」
「うん、今日までありがとうね。マシュ」
見送りに来たのはこの世界で出会った星々、
「片手で数えるくらいのお茶会しか出来なかったのは残念だけど、引き止めちゃいけないわよね。さようならリッカ」
勇者を呼び寄せた、ガラスの王冠が似合う幼き女王、
「うむ、さらばだ勇者よ。おぬしと戦えぬことは心残りだが、まあソレを望まんのであれば仕方ない」
二槍を振るう戦士の国の女王は素人剣術を磨き上げ一端の戦士へと仕立ててくれた、
「また物騒なことを……リツカ、そなたの働きは大儀でした。この世界に平穏をもたらした事、心からお礼を言い渡しましょう」
様々な呪いで旅路を助けてくれた砂漠の国の女王、
「つまんないわねえ、どうせなら残ってくれてもいいのに」
いたずら好きな雪の女王とその精霊は旅の楽しさを名残惜しそうに噛み締めている、
彼女らだけではない、剣道ではない倭の剣術を教えてくれた侍、若き女王とより若き祖母の統治する皇国の武将、戦士の国の女王の親戚の魔法女王。
この世界で生きる星々、出会った大勢の思い出に見送られ、少女は自分のあるべき場所に帰る。
「じゃあ、さようならみんな……マシュ、好きだよ」
「私もです。さようなら……せんぱい」
そして最後に口づけを……光となって去りゆく少女の名残を指でなぞり、一人残された盾の英雄の手が鍵を回す。
「……出来ましたよ、トゥルーエンド」
「あれまあ、本当に完成させたのですか」
その世界が漂う乳海に、水着の女たちを乗せた一隻の貝船がちゃぷちゃぷと浮かんでいる。
彼女らこそ世界の創造主……にはからずもなってしまった邪神たちであった。
「どうせ忘れたら消える程度の世界なんですから、適当に遊んで滅ぼせばいいのに、獣の創世なんて笑い話にもならないわ」
「もったいないでしょ。あなたこそ、自分で産んだものに愛着向けてもいいでしょうが」
「向けましたとも?」
桃色の爪を水面に落とし、くるり、くるりと白い指が世界を黒く濁す。
『あああああああ!! やだ、やだよお! もう産みたくないいいい!!!』
スライムの苗床にされた少女たちがいた、
『おぼおおお! ざーめん! もっとざあめんくだしゃあい♥』
海賊の慰み者にされ、海に捨てられた雌の残骸が浮かんでいる、
『んひぃぃぃぃっぃぃい!! いいのぉっ! 魔王様のおちんちんいいのお!♡』
魔王に破れ新たな悪魔の子を宿し淫魔にされた勇者が居た、
「いいわあ、あんなに気持ちよさそうに……わが娘ながらなんて淫乱なんでしょう」
カルデアに体と人格だけを似せた世界で翻弄される、マスターそっくりにデザインした全く異なる娘の痴態。うっとりと浸る暗黒の毘盧遮那仏は満足気に頬を赤らめる。
こんな風にひたすらフジムラ的バッドエンドスタンプを乱造し続けていたキアラにうんざりして、見ていられなくなったカーマは自主的にハッピーエンドを作ることにした。
「ああもう……ゲーム機回収するついでに休みたかったのに結局働いたじゃないですか。しかも肝心のゲーム機は中身ごと融けたから拾えないし、どうしてくれるんです」
「え……♡」
「……二度と、あなたに、腰はふりませんから、ね?」
一々宇宙を滅ぼすのではなく、好みの宇宙を出産する歓びを味わいたいのだろう、たぶんもう一回孕ませて欲しいのだろう。だが寝床にて待ち構えるキアラに近づくのは絶対に嫌だった。
「んもう、つれませんねえ。暇なんですから私の膣と時間を埋めてくれても構わないでしょう」
ぷくうと珍しい膨れ方をしたキアラを警戒しつつシカトし、大あくびしたカーマは貝の船の心地よい揺れに身を任せ新たに仕入れたいゲームや小説を検討する。
正直、結果として中々いいネタに恵まれたことには感謝している。今度はこの国をモデルに二人でファンタジーごっこしてもいいだろう。
もし、もしその時絆が15を超えて20くらいまで上がっていたなら……
「おやまあ、カーマさんもきっちり“愛して”たじゃありませんか」
「あ、このドロボウ!」
五停心観に万色悠滞、そもそも世界有数の霊子ハッカーでもあるキアラを前にして心理防壁は意味をなさない。心の奥底に隠したアップデートパッチを盗まれたカーマは慌てて手を伸ばすが、それより早く圧縮ファイルから解凍された『出来心』が海を揺らす。
「なにやってくれてるんです! プライバシーの侵害ですよ!」
「いいじゃありませんか、私の趣味を見せたんですから、カーマのも見せてくださいな」
水着の紐を緩めて悠々とベッドに寝転がったキアラに近づく気も起きず、カーマは再生されていく恥ずかしげな映像を見て途方に暮れた。
「カーマ…じゃあ、挿れるよ」
「はい……リッカ、私の初めて、大切に奪ってください」
旅の途中の勇者と女盗賊、とうとう二人は思いを告げて結ばれた。
口づけは甘く、胸の高鳴りを抑えられない。
甘い衝動に駆られ、産まれたままの姿になった男と女は、ゆっくりと準備を重ねていく。
「ちゅ……んむっ、ん、大きい…れろ」
勇者の聖剣を、夢中になって舌で転がし濡らして、ふくらませる。手に収まるほどの肉が膨れ上がり、口中で整えられる。はらりはらりと、美しい新雪のような白髪がたくましい足に落ち、その真中で少女は最愛の少年に奉仕する。
「気持ちいいよカーマ」
カーマの髪が少年の手櫛でほぐされていく。指の先から伝わる熱に促され、カーマは肉の棒を濡らし、袋を優しく労ってマッサージを続けている。
「あっ…!」
「フフ、ダメですよリツカ。まずは、一緒に……」
「う、うん」
へその芯から伝わった射精感を咎められぴくんと跳ねた体に、花の芳香を纏った肢体がのしかかる。天井へと堅く屹立した肉棒にまたがると、垂れた蜜が月光でてかり、棒と秘裂のカタチを闇の中に浮かび上がらせる。
「あ、ふぁ、あ、あ、あ……は、入ってきます」
「うあ、あああ!」
二人してこくんと息を吸いあった後、ジワジワと挿入が始まった。
刺すような痛みと、潰される軋みを口づけで伝えあい、ゆっくりと愛と思い出で誤魔化して最後まで、膣奥と亀頭の触れ合うところまで、ぐっと体を抱き寄せあって奥までを重ね合う。
「カーマ、カーマ……好きだよ」
「リツカ、私も好きです、大好きです」
緩やかに、まるで馬車が石畳を打つようなリズムで上下を繰り返し、先走った愛と精を混ぜ合わせてシーツを濡らす。
やがてくる、膨れ上がる男性器の脈動を感じ、絶え間なく愛に流されるまま断続的な絶頂を繰り返したカーマの膣がきゅうきゅうと精を求めて蠢く。
「リツカ、リツカ、りつかあ!」
「で、出る!」
「はい! 出して! 出してエエエ!!!」
ふっとした一瞬の脱力、ぴんと伸ばされた2本の足の中央目掛けて白濁が昇っていく。
くぐもった声を重ね合い、射精の快感に溺れあった二人は緩やかに口を吸うと、まだ挿れたまま柔らかさを取り戻した肉棒に力を与えあって二度目を開始した……
「はあ、こんなのが好きなんですか」
貝の寝台に寝転び、真珠の明かりに照らされた半裸の快楽天君がおやまと口を開く。
「甘々と言いますか、毒がなさすぎてつまらないと申しますか……いいえ初心者向け、ロマン系? 性愛なんだから近年の流行りに乗っかって♡散らしたりアヘったりおほったりケツ振りダンスすればいいでしょうに」
「私を怒らせようたってそうはいきませんからね」
「素直な感想ですが」
「余計腹立ちますね」
相方の愛神は言われるがまま赤面して歯ぎしりした。むかっ腹が収まらない。
あーだこーだ言う癖して、人魚系のエロ種族だけは絶対に作らないし、作ってやろうとしたとたんプロンプトに遊びのない強固なロックをかけたエコヒイキのだらけたAVレビュアーの横面を睨めつけ、カーマは舌を鳴らした。
「はー、そこまで言うならあなたが“流行り物”の手本を見せてください」
「もちろん。はあ、良い休憩になりました」
すらりと立ち上がったキアラの体が湖面に浮かぶ。貝と花で彩ったアルカロイド、見るもの抱くものを狂わせる強烈な雌が足の指を垂らし、世界をまたもかき乱す。
「では、先に失礼」
「はいはい、後で」
乳海に毒が融け落ちる。誰も存ぜぬ宇宙の片隅、誰も損せぬ妄想の揺籃で、太陽の代わりにただ時間だけが流れていく……
主人公は誰? 魔王は誰? 勇者は誰?
犯すのは誰? 犯されるのはだあれ?
終わった物語が巻き戻され、濁ったページに顔が浮かぶ。
勇者の少年と少女の顔、山羊の角は魔王の証
遥か東の国の美少年、たくさん奥さん覇道を歩く
西の国の邪竜君、聖女を攫って巣作りだ
能天騎士は自由に世界を西へ東へ
創造神のいたずら任せ。精の迸るままの、飽きるまでの暇つぶし。