生き物苦手女子◯生がブンブジナのお嫁さんになるお話 作:雨嵐
タイトル通りです
お手柔らかにどうぞ
今回はエッチなシーンはないです
マズい・・・。
凄まじい恐怖感と、現実味の無さが、アヤネの精神を交互に支配していた。
恐怖感の理由は明白だ。アヤネはモンスターによる麻痺毒のせいで動けない状態で、
それに覆いかぶさるようにして、グロテスクな肉棒をいきり立たせているモンスター──タヌキのような小型モンスター、ブンブジナ──がいるのだから。
(なんでこんなことになっちゃったんだろ・・・)
許容量を超えた恐怖、体の感覚がないことによる現実味の無さ、そして絶望の中、アヤネは逃避のように、あるいは後悔のように、こんなことになってしまった理由を振り返る。
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アヤネがこの世界――モンスターが闊歩し、その素材を以て武具を作り、モンスターを狩る、原始的な世界だ――に来たのは数週間前のことだった。
理由については判然としていない。或いは交通事故か、神様の手違いか、宇宙人やらなんやらのアブダクションか、ともかく気がついたらこの世界の一軒家のベッドで目が覚めたのだった。
まるでそれがごく当たり前のことのように、アヤネの名も顔も村の住民には知られていた。彼らいわくアヤネはハンターという職に就いているらしい。
アヤネは都会育ちのごく普通の学生だ。見たことのある生き物といえば人間に飼われているものと、野良猫、ハト、カラス・・・ぐらいで、ましてや殺したことなど一度もない。
だが、あまりにも当たり前みたいな顔して「今日は狩りに行かないのかい?具合でも悪い?」などと言われると、断るという判断が大間違いであるように感じてしまう。
(そういえば小学生のころ、押されると弱いタイプだよねって言われたっけ・・・)
当時はイマイチ腑に落ちなかったが、まさか今ここで納得する羽目になるとは。
そんなこんなで、アヤネは仕方無しにハンターとしての義務を果たすことにした。
(ちゃんと働かなくて、村を追い出されでもしたらどうしようもないし・・・)
仕事は思いのほかうまく行った。
使う武器は弓にした。獲物に近づくなんて怖いし、武器を持ったまま素早く動けて安心な気がしたからだ。
体が武器の扱いを熟知しているようで、矢は狙っている場所を外すことは一度もなかった。
防具については色々あったが、防具屋さんに相談した結果、クルル装備というもので一式揃えてみた。クルル装備はスタミナが減りにくくなるんだよ、と防具屋が教えてくれたからだ。防具の話をしているときにやけにニヤニヤしていたのは防具について話すのが好きだからだろうか・・・?
クルルヤックを5回も狩る事になったが、5回目の狩りでは敵の攻撃をほとんど避けて狩ることができ、アヤネの自信になった。クルル装備も、おへそが大胆に見えてしまっているのは恥ずかしいが、色合いも綺麗で防御力も申し分はなかった。
「おはよう、アヤネ。今日はアヤネにお願いがあって・・・」
ある朝、ギルド──アヤネが仕事を受けている場所だ──の受付嬢が、開口一番に言った。
彼女はいつも話が早いが、今日はそれに加えて、少しだけ焦っている様子だった。
「お願い?」
「うん。いつも通り、モンスターの狩猟なんだけど・・・」
そういうと、受付嬢は一枚の依頼書を見せた。
「ビシュテンゴ?」
「そう、牙獣種の大型モンスター。飛膜を使って空中でも素早く動けるの。普段から採取の邪魔になることが多くて危険なんだけど、繁殖期に入ったせいでさらに凶暴で・・・早く倒さないとかなりの被害が出てしまうの。お願いできる?」
聞くだけで強敵そうだった。だが、素早く動くモンスターならクルルヤックで慣れたし、さらに防具まで揃えた。苦戦はするかもしれないが、勝てるだろう──アヤネはそう考え、その狩猟を引き受けた。
アヤネの予想は当たってはいた。ただし、「凶暴」という言葉に気を取られて、ある意味でそれ以上に危険な単語を聞き逃してしまっていた。即ち、ビシュテンゴは今、繁殖期である、ということを──。
つづく
つぎはエッチなシーンになる予定。まだ書いてませんが・・・