※この作品はR-18です。

呪術師×呪術師   作:かりん2022

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子供の浅知恵

「子供ができたぁ? 入学相応、エイプリルフール? 傑男じゃん。後早く言えよ」

 

 そう言いつつも、タバコを慌てて消すあたり、信じてくれているのだとわかる。

 

「後一ヶ月で心音確認できると思う。どうしよう」

「ひとまず破談になればいいと思う」

 

 話はまずそこからだ。

 

「無理。多分、うちにバレたら子供ごと向こうに引き取られると思う……」

「は? 俺の子だぞ、五条家で引き取る一択だわ」

「そうだよね。それに、自分の子は諦めてたけど、悟の子供を贄にするのは嫌かな」

「贄ってなんだよ。いい加減、傑は事情を話せよ」

「信じてくれないよ」

「冗談で尻の中に謎の器官は存在しねーし、検査薬が陽性になったり、つわり始まったりしねーんだわ。というかこの時期流れやすいんだから任務やめろ」

「マジそうな話やめろ。やめろ」

 

 硝子は嫌そうな顔をするが、全力で巻き込ませてもらう。

 

「一応、無理はしないようにしているよ。呪霊の取り込みも控えてるし」

 

 俺はため息を一つ吐いて、覚悟を決めた。

 

「傑。嫁に来い。多分。愛人は別に作らされると思うけど」

「や、向こうに行くのは私は納得してるんだよ。仕方のない事だから」

「俺が納得してねぇんだよ。もう1人の体じゃないんだから分かれ。責任取るしかねーだろ」

「早まっちゃったなぁ……。でも八割呪霊の嫁にされると思ってたら、まあまあ人に見えるあんな美人だった上に卒業まで待ってもらえるとか思わないじゃないか」

「お前から出てくる新情報、絶望しかないの、何なの?」

「はぁ。こっちが真剣に聞いてるのに、振り回してふざけてんの? 夏油、腹括りなよ。こっちはとっくに巻き込まれてるんだ」

「……実は、信じてくれないかもってのもあるけど……引き止められるのも困るし、引き止められないのも嫌だなって」

「だから、話せよ」

 

 そして、傑は話し出した。

 

 

 

 それは、異世界の呪術師の話だった。

 いきなり異世界が出てきてびっくりしたが、そういや両性具有にしてもかなり特殊だったし、異世界の人がそうなんだって言われた方が納得いくかも。

 

 その世界でも、呪霊はいる。

 だが、その倒し方が変わっていた。

 呪霊に肉の体を与えて、見える、触れる状態にしてから殺していたのだという。

 

「放っておいても魔力と結合して物質化したりするんだけどね。儀式でした方が確実かな」

 

 言いながら、傑が蠅頭を出す。傑が触れると、呪力がどっと減った。

 

「はい。写真で撮って」

「お、おう。って映る!?」

「物質化ってやつ?」

 

 俺と硝子は恐る恐る触る。すげー。ツルツルしてる。本当に生き物になった。

 傑は蠅頭の首をへし折った。遺体は消えない。

 ナイフと手袋を出した傑は、ザクザク刺して中から石を出した。

 

「あげる。硝子。結構綺麗な石だから」

「お、おう」

 

 あとのものはゴミ袋へ。

 

「それもちょうだい」

「いいけど」

 

 恐る恐る硝子は受け取る。マジか。マジでマジなのか。傑を疑ってたわけじゃねーけどさ。

 

「祭りの時に儀式で術師が穢れを集めて、魔物にして、騎士が倒す、まあコロセウムみたいなのと祭司が一緒になったものと考えていいのかなぁ? そういう世界だったんだけど。穢れが溜まりすぎると、すごく強い魔物が出ちゃったりして、肉の体を持った以上子作りも出来るし、こっちとは別の意味で大変だったんだよね。で、すごーく強い魔物を顕現させたり、させちゃったりする事を、魔王降臨とかスタンピードって呼ぶんだけど。穢れが溜まりすぎて、神様の命令で魔王軍を作って、その魔王の核になる事で出来るだけ魔王の行動を阻害して倒しやすくして、一緒に倒されたり。普段は見せ物、有事は世紀の大犯罪者。まあ、迫害されるのもしょうがないかなって」

 

「で、この世界に逃げてきたけど、どうしようもなくなって求められたって?」

「そう。穢れが溜まりまくって自発的に魔物と結合して魔物が生まれまくって魔物と混血の人も現れたりして、絶対地獄絵図になってると思ったんだよ。魔王級の魔物もバカスカ出るんだろうな、その中の一体のストッパーやらされるんだろうなって。知らない世界だし、異世界だし、中世世界ぐらいの文明で着る物も食べるものもお察しなんだろうなって。実際、覚悟しろって言われたし。私の相手になる人達、魔物混じり……魔人って言われるんだけど……だって言われてたし、もうだめだ呪霊みたいのに輪姦されるんだって。硝子達とももう会えないんだって思うと、怖くてさ。臆病だよね、私」

「それが怖くない奴は人間やめてんだよ。待って達って言った?」

「異世界行ってきたんだろ? 実際どうだった?」

「巫女姫が全滅してたわけじゃなかったんだよ。呪霊も何とか倒せそうだし、呪霊操術も使えるし、相手バケモノどころか美人って言っていい人達だったし、食べ物もお腹壊さないで済んだし、着るものも大丈夫だったし、全体的になんとかなりそうだったんだ。大事にしてくれるって言ってくれてるし」

「それって今とどっちがマシ?」

「そりゃ今の方がずっといいけどさ。向こうでも、友達とかは出来るだろうし……呪術は弱い人を救う為にあるからね。仕方ないよ」

「ここでお前の心情は聞きたくなかったなぁ……」

「っていうか婚約者いるのに五条と子作りして良かったのかよ」

「良くない。だから困ったなぁって」

「傑の洗脳は後で解除するとして。直近どうするかだな」

「とりあえず隠れて産んで、悟の子供を預かったって戻ってくるしかないんじゃねーの。仕方ねーから一緒に逃げてやるよ、夏油」

「傑と硝子が駆け落ちして、なぜか俺の子を抱えて戻ってくるのか……それもうミステリーじゃん。揉めそう」

「でもそうするしかないだろ」

 

 

 そうして、傑と硝子は失踪し、俺は呪霊退治を頑張った。

 子育て資金と権力を一刻も早く得ないといけなくなったからだ。




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