※この作品はR-18です。

呪術師×呪術師   作:かりん2022

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当然のようにバレた

たった1人しか生徒のいない教室で、夜蛾はため息を吐く。

 

「傑を指名した護衛依頼があるのだが……」

「傑は硝子と駆け落ちしていねーんだからしょうがねーじゃん」

「遊んでないでさっさと戻るように言え、毎日話してるだろう」

「……ばれてた?」

 

 悟の言葉にハァァ、と夜蛾はため息をついた。

 

「傑になんらかの事情があるのは予想がつく。悟が言えないなら、相当の事なんだろう。だが、今回の護衛依頼は大事な物なんだ。今回だけは戻ってもらえ」

「でも傑、今が一番辛い時期なんだよ。戦闘なんて無理無理。俺が1人で頑張る」

 

 何せつわり真っ只中である。

 硝子によると、もはやろくに歩けない状況で呪霊による鉄壁の防御を敷いているらしい。傑も頑張っているのだ。お父さんである自分も頑張らねばなるまいと五条は気合を入れる。

 

 そうして、任務を受けた。

 

 出会った2人。 

 天内は天元様の贄になる決意を固めているようである。それは、悟にとってはちょうど良かった。

 学校に行くという案は、傑がいないのでそばで護衛する事となったが。

 襲撃を撃退し、無事学校から出て、高専に向かう途中、2人は会話する。

 

「なー。天内。お前、どうしたら贄なんてやめるっていうの」

「何じゃ、心配しておるのか?」

「いや。傑も同じような立場らしくってさ。やめさせてーの。贄」

「な、なんじゃそれ?」

「家庭の事情なんだけどさ。卒業したら呪術師やめて贄になるんだとさ」

「何故?」

「外国の儀式みたいな? 傑のじーちゃんが外国人なんだよ。なんか、力の強い奴は弱い奴を救う為にある、とか言ってさ。ちげーだろ。それは」

「うむぅ……妾は、黒井のいる世界を、友達のいる世界を守りたいのじゃ」

「外国だからそういうのいねーの。全く見知らぬ他人の為にさ、マゾかよ」

「気になるの。もうちょっと詳しく聞かせてみよ」

 

 どうせ死んでしまう人である。そう思うと、悟の口も軽くなる。

 天内は言った。

 

「それは絶対に騙されておるから、説得してやるぞ! 学校に行かせてくれたお礼じゃ! というか、赤ちゃんが出来たなら赤ちゃんを優先するのじゃ!」

「だよな! さんきゅ、天内!」

 

 ということで、夏油が潜伏している場所まで突撃である。

 

「傑ー!」

 

 奥だけよく整えられた廃墟に殴り込みを掛けると、硝子から怒られた。

 悪阻と悪夢でなかなか休めず、ようやく眠れたところだったらしい。

 

「さ、悟……。私、お腹を突き破って出てくる赤ちゃんの夢を見てさ、食べても食べても満たされないし、今からでもなかったことにできないかな」

「できねーよ。そんなことねーしそんなことになっても硝子が治すから安心しろ」

「心音を聞かせるのじゃー!」

 

 天内は、そっと夏油の腹に耳をつけた。

 

「ま、マジじゃな……。夏油 傑! お主、最も心を許しておるものの子供でそんな事で、本気で美形とはいえ全く知らん有象無象の子供をバカスカ産むつもりなのか!?」

「そ、それは……いやだけど。でも私が異世界を復興しないと」

「ええい、お主は異世界の誰を救いたいのじゃ!」

「それは、無辜の民……?」

「自惚れるでなーい! 本当にそう思っておるのか? 無辜の民は其方に感謝などせんぞ! ただただ消費されるだけじゃ!! お主の真に大事なものを考えよ!」

「み、見知らぬ女の子……この人誰? 悟の婚約者? ごめんね先に孕っちゃて」

「あ、俺の呪力吸ってる」

 

 ペトリと五条が傑の腹に手を置いて一言。

 

「あ、なんか飢えが消えてくような……そういえば、旦那さんは必ず夜は一緒にお腹を撫でる風習って言ってた」

「異世界ルールって奴? じゃあ夏油逃亡計画頓挫じゃん。ほら呪力食え食え」

 

 五条が夏油の腹を撫でる。

 カオスである。

 

 そうこうしている内に、廃墟が襲撃された。

 咄嗟に夏油が非戦闘員を呪霊で保護する。

 

「そんな沢山のお仲間を守れるかよ、五条の坊」

「誰? この人」

「しらね。悪い奴?」

 

 甚爾の類稀なる五感は、匂いは耳は、夏油の腹の中も看破する。

 

「キッショ。五条もグロいマネするじゃねーか。男を孕ませる呪具とかか? 趣味わる」

 

 悟は傑を隠すように立つ。

 

「いやぁ。嫁さん大事なのはわかるがな。護衛対象を守れよ」

 

 銃が放たれる。2丁拳銃で、天内と傑、両方に。

 傑への攻撃は悟が。天内への攻撃は傑が防ぐ。

 それを皮切りになし崩しに戦いが始まった。

 戦況は圧倒的に不利。

 

「とりあえず、呪霊操術の方。子供が流れたらすまん」

 

 傑を人質に取ろうと、頭を強打しようと特級呪具を振るう甚爾。

 

「傑!!!」

 

 傑に特級呪具が振るわれたその時、傑の前に現れた透明な壁が攻撃を防いだ。

 そして、突如として現れる、ツノを生やした巨大な美丈夫の騎士!

 いかにも竜人っぽい男の子の好きそうなデザインの翼の生えた蜥蜴男!!

 そして、長耳のローブ姿の美貌の男!

 

『巫女姫。お困りですか』

『巫女姫。御身を守りに参った』

『おてんばがすぎますよ』

 

「キオ、アレク、ルー……!」

 

 傑は驚く。

 現れた3人に、硝子は思わず呟いた。

 

「誰得の乙女ゲーかよ……ちょっと羨ましいと思ったじゃねーか、傑」

 

 そしてよくわからないまでも不利を悟った甚爾は退却する。

 その後、当然のように妊娠がバレ、揉めている間にタイムオーバーした。

 

 呪術界にも、五条が怪しげな呪具を使って夏油に手を出したという噂が広まり、火のように広がっていった。

 説教不可避である。




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