呪専に帰ると、悟と硝子は校門で待っていた。
「傑ー! 寂しかった!」
「私もだよ、悟」
「向こうはどうだった?」
「楽しかったよ。成人の儀も無事に終わった」
そうして、悟達にお土産を渡す。
お守りである。
「私が生まれた時に加護してくださった神様のお守りだよー。ご利益確実だから大事にしてね。硝子にはこっち」
武神のお守りと医神のお守り。一ヶ月でよく頑張ったものだと思う、私!
私がいろいろ勉強して作ったのだ。
「頑張って作ったんだ。私だと思って大事にしてね」
「おー」
「貰っとく」
2人が受け取ってくれて、私は微笑む。本物のご利益があるお守りである。
これで加護を受けて強くなってほしい。それから悟を誘って、一緒に奉納の演舞をするようにもなった。
それからしばらくして。
理子ちゃんの護衛依頼を受けた。
理子ちゃんのお役目を果たさせてあげたかった。
でも死なせてしまった。
それまでも毎日祈りを捧げていたけれど、武神様と旅神様に何度も祈りを捧げる。
私のご先祖様は、人々に呪われた魔物を生み出す魔王と罵倒され、蔑まれながらも命を賭して、人間である事を捨てて、世界を救ったという。魔王として、勇者である我が子に殺されることで穢れを祓って。
理解していたつもりだった。全然理解でてなかった。
無辜の民を救え。救え。救え。
でも、私は……。理子ちゃんにはなれない。なれないよ。
運命に従う強さも、運命に抗う強さも私にはなくて。
なのに望むものばかり増えていく。
悟は1人でどんどん強くなっていく。
それでも知っている。その悟でも負けるのだと。
私は置いて行かれてしまうのだろうか。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
10月。奉納の儀を受けに行ったら、友達が幾人か欠けていた。
強い子達だった。向こうもこっちも甘い世界じゃないんだって思い知らされた。
お守りは気合を入れて作った。
でも灰原は死んだ。最後に呪霊を祓って死んだという。
力が欲しい。力が欲しい。本当に?
私の心はすでに折れていないだろうか。
本当に望んでる事は逃げることなんじゃないか?
そんな時、美々子と菜々子に出会った。
神様に止められた気がして、凶行に出るのは思いとどまる事ができたが、もう限界だった。
私は、悟の上に無理やり乗っかって。
三ヶ月。無理やりひっついて子供に悟の呪力を流し込んだ。
それから、孤児院に預けていた美々子と菜々子を攫って異世界に移住した。
もうあわす顔なくなったから踏ん切りはついた。
十年後、悟を助ける時まで、地球には行かないと決意した。
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