夏。留守中、子供達が問題を起こした。
大問題である。
覚と優、乙骨を唆して祈本里香を完全顕現させやがった!
呪力が嵐を作り出している。
一足先に戻っていた傑が、覚が、優が、跪いて祈っている。
その中心には、完全顕現した里香が悶えていた。
「傑!!!」
「悟待て!! 頼むから待ってくれ!!」
「明太子!」
呪力が圧縮されていく。
「状況!」
「妖精堕ろしを試してる。その中でも呪霊を人にするって奴」
「はぁ!?」
【憂太ぁぁぁぁぁぁ!】
「里香ちゃん!!!」
里香が圧縮され、変換されていく。
醜い姿は、纏った鎖と同化した女の子の姿に。
「力を合わせるんだ、ここまで来たらやるしかない。死んでも成功させるよ!」
「おう!」
「はぁい❤️」
「里香ちゃん! 僕、思い出したよ。君を呪ったのは僕だった。もう離さない、里香ちゃん!!」
【憂太ぁぁぁぁぁぁ!!】
「うまくいく……!?」
「こっちには亜人はいない、もう一段階堕す! ギアを上げてけ!!」
「「はい!!」」
「「「せぇ〜のっ はぁっ!!!」」」
そして、裸に鎖を纏った少女が宙に投げ出され、乙骨がそれを受け止めて上着を着せる。
3人は倒れて、慌てて里香と共に硝子に見せた。
「妊娠してんのに無茶すんな」
「ごめん、硝子。覚っ 優っ 今日という今日は許さないからな!」
「勝算はあったって」
「やっぱり僕ら天才❤️ 愛は勝つんだね❤️」
「覚っ 優!!」
「あのさ……。2人とも、乙骨を死刑にさせるとこだったかもしれないってわかってる?」
初めて子供達をガチで怒った。
それはそれとして、里香を見る。
術式と高い呪力を持った女の子。そう。人間の女の子になっていた。
その子を守る呪具は文句なく特級呪具。
こんな事ある?
「里香ちゃん」
「憂太。憂太ぁ」
「里香ちゃん。結婚しよう」
「嬉しい。憂太ぁ……」
後始末、めちゃくちゃ大変そう……。
「だぁかぁらぁ。子供のやった事じゃないですか。危険はなかったって言ってますし」
「ないわけあるかぁ!!」
「特級呪霊が術師に変わったんですよ? めでたいじゃないですか」
「危険だ! 処刑するべきだ!」
「乙骨がめちゃくちゃ怒りますよ? 今の乙骨は僕も敵に回したくないですね。そもそも里香を作り出していたのは、乙骨だったって判明しましたし」
「子供のした事は親の責任だ」
「僕を秘匿死刑にすると?」
「いや。今度覚と優が問題を起こしたら、夏油に身を差し出してもらう」
「傑は関係ない」
「傑の教育が悪いのが原因なんだから、無関係なはずなかろう」
「その代わり、秘匿死刑クラスだろうと夏油と恵の間に孕んだ子と引き換えに一度だけ不問とする」
「禪院家ばかりがそれはずるい。加茂家も子供を要求する」
「っ」
「何、問題を起こさせなければいいのだろう」
「秘匿死刑クラスの問題を起こさせないよう、しっかり教育してもらう。それだけだ」
その場にいる全員がわかっていた。
あの問題児2人の子供である。
問題を起こさないようになんて、無理だろうと。