※この作品はR-18です。

鏡の国の変態王子様 ~アラサーオタクな私の鏡。繋がった先は異世界でした~   作:もすもす。

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お待たせしました。


【204】自分の妄想に大ダメージ!ひぃ。タスケテェ・・

 

自分の分も新しく飲み物を注文して、糖分&水分を補給しながら目指す目標の為に「綾小路頼子改造計画」の話し合いが続けられた・・・

 

いや、自分で言い出した事だけど、いきなり「改造」言われましても・・

 

「まずはドレスを決めよう!ほら、目標が目の前にあった方がやる気が出るし!」

「まぁ。そう、かな?・・」

 

そんな訳でそれぞれのスマホで画像検索・・

 

おぉう。ウエディングドレスって色々あるんだねぇ・・

白以外も素敵だなぁ・・灰色?いや、シルバーかな?

色が暗めでもデザインが華やかだとすっごく素敵に見える。

 

ま、着てるモデルさんが美人ですし。

 

『けっ!』と内心で悪態をつき・・しかし直ぐにはっとした。

 

あ。いや、モデルさんはそれが仕事だったわ。

自分じゃなくて着てる服を魅せるのが役割だもんね。服に着られない美しさは必要だ。

そしてモデルさんが美しく見えるのは自己管理と努力の賜物であって、それを何もしてない自身と比べて僻むのは良くない良くない。

 

ちら、と視線を降ろして。下腹を片手でもにゅりと掴む。

そうです。「摘む」ではなく「掴む」です。

 

うぐぅ。がっつり三段腹・・こんなんでウエディングドレスとか片腹痛いわ。

 

『でも・・』

 

手元のスマホに映し出された、咲き誇る花々のように可憐なドレスの画像を見て『いいなぁ』と羨む。

 

小さい頃、母さんから聞いた。

 

両親は駆け落ちに近い形で一緒になったとかで、ちゃんとした式は挙げなかったものの。

父さんが「どうしても写真だけは!」と固持して、ウエディングフォトを撮ったと。

 

父さんが撮った、綺麗に笑う母さんの若い頃のドレス姿。

 

母さんにメロメロだった父さんがずっと夫婦の部屋に飾ってた。

母さんは「恥ずかしいわ」と仕舞いたがってたけど、「僕の最高傑作だから!」って言って、父さんは譲らなかったんだよね。

 

あぁ。でも母さんも負けてなかったな。

「ならあなたの写真はここね」って、若干着られてる感のある真っ白なタキシード姿の父さんの写真を、二つ折りのパスケースの内側に入れてた。

 

ほんと、ラブラブな人たちだったよ。

 

そんな2人が大好きだった私は、小さい頃よく両親の部屋に行って、母さんの写真を眺めてた。

 

アンティーク感のある窓辺を背景にして、淡い逆光の中。

真っ白なドレスの裾をふわりと翻した瞬間を切り取った、すごく幸せそうに笑う母さんの写真。

 

父さんが「最高傑作」と自慢するのも頷けるほどに。

娘の私から見ても素敵な写真で、大好きだった。

 

だから、多分。

そんな小さい頃からの擦り込みもあって、こんなにもウエディングドレスに憧れているのだろう。

 

ひらひら、キラキラ。

殆どの女性が一度は憧れるであろう、幸せの象徴とも言えるウエディングドレス。

 

手元でスクロールしていく画面から、目が離せない。

 

いいな・・私も。着れるかな・・着てみたい・・な。

 

そうして現れた、1つの画像に目が留まる。

 

Aラインに近い、ゆるく広がる純白のウエディングドレス。

スカートの、艶のある生地の中程から広く大胆に彩る細やかな刺繍は裾まで続いて、半円が連なる形の端が型抜きされたレースのような透け感で、その可憐さに胸がときめく。

胸元も同系統のパターンで刺繍が施されていて、前方に折り返された襟が腕の上部を隠していた。

両肩は出ていて、首元が綺麗に見えるクラシカルな雰囲気。

腰の後ろから大きく広がるトレーンも豪華な刺繍に彩られ、その上にオーガンジーのベールが重なり、赤い絨毯の階段を流れるように落ちている様に思わずため息が零れる。

腰から上の背中は編み上げで、ある程度の調整が出来るようなデザインになっているようだが、もう単純に素敵過ぎた。

 

「綺麗・・」

 

ぽつりと零れ落ちた独り言に、親友はすぐさま「いいのあった?」と反応して隣に移動して来ると、手元を覗きたそうにそわそわと体を揺らす。

 

「見ていい?!てか見せろ~!!」

「圧ぅ・・衣装関係になるとホント、元気だね・・はい」

 

スマホを差し出すと、親友は「逆にアコはテンション下がるよね~」なんて、失礼な事を言いながら受け取った。

 

「わっ!素敵なドレス!アコはこんな感じが好きなんだ?!」

「・・・うん・・。でも自分で着飾るとかして来なかったから、似合うかどうかなんて分かんないけど・・」

 

服って色とか、シルエットがどうとか・・なんか色々あるらしい。

「好き」と「似合う」は違うとも聞く・・おお。なんという未知の世界。

 

親友はじっとドレスの画像を眺め、暫し目を閉じたかと思うとぱっと笑顔になって言った。

 

「うん!大丈夫!このドレス、絶対アコに似合うよ!!」

「・・そう、かなぁ・・」

「うん!絶対!」

 

ニッコニコの親友にそんな風に断言されて・・ちょっとだけ、やる気が首をもたげた。

 

返されたスマホを胸に抱いて、自分がこのドレスを纏った姿を夢想する。

 

重なり響く荘厳な鐘の音。

空気中に漂う塵が淡く差し込む日の光で煌めく中、しゅる、しゅる。と鳴る衣擦れ。

 

並んだ長椅子を左右に分ける、真っすぐに伸びた赤い絨毯の先。

続く階段の、その手前で待つ真っ白なタキシードに身を包んだアド君がこちらに微笑みを向けて・・

 

「っあ゛―――――――っ!!!」

「うわびっくりしたっ!急にどうした?!」

「何でもないっ!何でもないったら!!」

 

「何でもなくはないよね?!ナウ○カ?」と当然の反応を返した親友に言葉を返す余裕が無いっ!

 

わたし、私は今、何という妄想をっっっ!!

 

はっずっ!ナニコレ恥っずっ!!

乙女かっ!三十路にもなって乙女かっっ!!!

居た堪れないっ!なんか無理っ!痛々し過ぎて辛いっ!!

 

「や、やっぱ無理ぃ~~・・」

 

手の平で顔を覆ってひいひいと情けない声を上げる私に、親友は「何となく想像ついたわ」と呆れ声。

 

「それじゃ、痩せる為に今日から軽い運動をして行こうか」

「こっちの状況を無視してて草ぁ~・・」

「アコにはこれくらい強引なのが良いと判断しました」

「適格で草ぁ・・」

「はいはい。いつまでも伏せてないで顔を上げなよ」

「・・・ごめん無理。もうちょっと落ち着くまで無理・・」

「・・・・耳真っ赤」

「言うなやっ!!」

 

カラカラと笑う親友がちょっぴり憎らしくなった夜。

私は、ほんの少しだけやる気ゲージを溜めたのだった。

 

 

〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇

 

 

素敵なウエディングドレスを着て写真を撮ろう!

というワケで、まずは着られる体にならねばとダイエット開始。

 

でも最初からギチギチに締め上げると直ぐに挫折しそうなので、継続できそうな軽い運動から。

 

親友から「1日30分~1時間くらいを目安に」と指定されたので、無料動画配信サイトからちょっとでも楽そうなのをピックアップ・・

うむ。「#ズボラ」「#続く」とかで検索したら良さげなのを幾つか発見。

 

最初から長時間は無理なので、5分から10分の軽そうなヤツを選んだわけですが・・

 

「・・な、舐めてた・・運動舐めてた・・」

 

ベッドの上でぜひぜひと喘ぐ情けない汚ぴっぐが1匹爆誕・・ぶひぃ・・

 

お布団の上とかで完結する軽いヤツなのだけども・・

 

きっつい!

全然運動してこなかったからきっっつい!

ちょっと動いただけで汗ヤバイ!

大して筋肉使ってないと思ったのに、立ち上がったら脚がぷるっぷるするんですけどっ?!

 

「ふ、ふふふ・・これがオタクを生業にする者の末路か・・」

 

違います。ただ自分が運動してこなかっただけです。

全世界のオタクの皆さんゴメンナサイ。

オタク全員が運動しないみたいな発言は失礼でした。

 

本当は知ってます。オタクだって運動好きな人はたくさん居るんだ。

私が嫌いなだけで。

 

よし・・息が整ってきたから、次は上半身の運動だ。

何せ、私の身体で唯一自慢できそうなお胸はDもあるので。

アンダーバストは痩せたいけどトップは出来るだけ減らしたくないのです・・

胸筋鍛えないと垂れるっていうし・・実際垂れてるし・・

 

ま、そんな理想通りに痩せるとか、出来たら苦労せんのだけども、やらないよりはマシだよね。

 

「目標マイナス10キロ!出来ればマイナス15キロ!」

 

がんばるぞーっ!おーっ!!

 

 

 




最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の更新は月曜日の予定です。
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