鏡の国の変態王子様 ~アラサーオタクな私の鏡。繋がった先は異世界でした~ 作:もすもす。
すい、と。造形美の代表みたいな顔が近づいて、リップ音を立てて眦にキスを落とされる。
そのまま、こめかみを伝い落ちていた涙を掬い取ったらしく、こちらに視線を合わせながら短い舌で味を確かめるようにペロリと唇を舐めた。
熱に浮かされた眼差しと相まって、その途轍もない色気に中てられる・・
近距離で見上げた身体は、あまりにも整い過ぎてて「きれい」以外の言葉が出て来ない。
どぅどぅと、耳の後ろで煩く流れる血流音をどこか遠くに感じながら、再び迫る唇を受け入れた。
口の中の粘膜が触れ合い、くち。くちと鳴る卑猥な音に、ぞくぞくと背筋が震える。
鼻から抜ける音が甘く華やいで、羞恥からぎゅっと目を閉じた。
「ん、ふっ。ん・・んふっ?!」
ふわ、と優しく。でもしっかりと。
シャツの上に置かれた手が、その下の胸を包み揉み拉いた。
ノンワイヤーなスポーツタイプのブラは防御力に乏しく、アド君の手の中で私の胸は自在に形を変える。
恥ずかしい。とてつもなく恥ずかしい!
けど・・拒否したら・・嫌がってると思われたら、アド君は直ぐに正気に返るかして、行為を止めてしまうかもしれない。
そんな展開にはしたくない、から。
羞恥を押し殺して、されるがまま流される。
『私、ずるいな・・』
アド君に触れられるのが嬉しくて、このまま、止めて欲しくなくて。
きっとアド君は、何か原因があって発情してるだけ。
理性を失い。たまたま、目の前にいた女が私で、手を出しているだけ、なんだろうけど。
『例えそうだとしても、構わない、なんて』
触れてくれるなら。アド君が私を求めてくれるなら。何だっていい。
私は、なんて自己中で酷い人間なのか。
頭の片隅で燻る虚しさに蓋をして、『それでもいいじゃないか』と開き直り「都合の良い女」を自ら選択する。
一時の夢でも、この瞬間を大切な思い出に出来たら・・
きっとこの先、アド君と離れることになったとしても、生きて行ける。
後ろ向きな思考を巡らせている間にも、アド君はコトを進めた。
「ふわっ?!ひゃっ」
ぐい、と。シャツごとブラを上にずらされて胸が露出する。
2つの塊が重力に従って零れ出ると、汗ばんでた所が空気に触れてさっと冷えた。
そのせいで殊更「胸を晒している」と自覚して、羞恥で顔に熱が集まる。
ぎゅっと目を瞑り、次に来る筈の刺激に備えて身を固くした。
・・・・ん?
待てども訪れぬ接触に疑問符を浮かべて、薄く目を開き様子を窺う。
そして驚愕。次いで、浮ついた後悔に感情がぐらぐらと揺れる。
『見るんじゃなかった!』
綺麗な顔をうっとりと蕩けさせたアド君は、私の胸にじっと視線を落としていた。
居た堪れなさに身を捩り、空いてる方の手で自分の目元を覆い隠す。
と、そこで唐突な刺激。
ふにょんと支え持たれた胸の先を、熱い舌で舐め上げられて腰が跳ねた。
思わず「ひゃん!」と飛び出した自分の声に驚いて、口元を押さえる。
つい気になって見下ろした視線の先・・
口元を覆う手の向こう側で、アド君の薄い唇から赤い舌が覗いていた。
指を広げ掴んだ胸に少し圧を加えて、つんと尖らせた先端にざらりとした舌先が触れる。
その瞬間を目の当たりにして、羞恥と共に胎の底から汲み上げられた悦楽が震えとなって走った。
「やっ、んっ!」
じゅっと吸われて、指の隙間から声が漏れる。
自分の口から発したとは思いたくない恥ずかしい声に、『引いたのでは』と確かめた視線の先。
アド君はこちらの不安を物ともせず、嬉しそうに顔を綻ばせ・・
見せつける様に、再び舌をちろりと伸ばした。
「ひっ、やぁっ」
舌の表面で、固くなった先端を押し潰し、転がされ、挙句軽く歯を立てられる。
胸の先端から鋭い刺激が齎される度、クリから胎の奥に向けてびりっ、びりっ、と電流のような痺れが走った。
いつの間にか解放されていた手も使って鼻から口元までは覆うくせに、視線は非現実的な光景に釘付けで目隠しは出来ないまま。
右胸に吸い付きながら、左の胸を揉み、先端をあやすように優しく刺激されて・・
自身で触った時とは段違いの快感が、じり、じりと積み上がっていく。
逃げ場のない衝動を誤魔化すために、内腿をすり合わせ・・
結果。膝立ちで跨る裸体の下に居た私の膝頭には、ふにょりとした感触が。
触れた瞬間。アド君は一瞬息を詰め、胸をぎゅっと掴み震えたかと思うと、私の肌に勢いよく吐精した。
『わ・・あつ・・』
高い体温と同じだけの熱が分け与えられて、ふわふわとした幸せな気持ちを噛みしめる。
ぼうっとしていると、アド君がすいと身を起こして離れた。
視線で追うと、私の足元まで下がったアド君はそのまま両足を抱きかかえる。
え。と思った時には、ハーフパンツがずり上がって露出していた太腿の隙間に、熱く固い剛直がねじ込まれていた。
肌と肌がぶつかり、ぱんっ!と破裂音にも似た音が上がると同時に身体が揺さぶられ、視界が激しく揺れる。
自ら吐き出した白濁を纏ったアド君の分身は、抱きしめるようにして抱えた脚の間を何度も行き来して白い熱を追加した。
私の太腿にぱんっ!ぱんっ!と腰を打ち付けるアド君の荒々しい呼吸が、踝辺りに触れて擽る。
ガクガクと揺すられ続けた体はいつの間にかずり動き、ヘッドボードに当たった事で止まった。
両腕で頭を庇い、ボードを押すようにして身体を支えるも、アド君は止まる事無く欲情をぶつけて来る。
挿れてるワケじゃないのに、切羽詰まった様子で腰を振るアド君に煽られ引きずられて、私も自然と息が上がった。
既に下着の中はぐちょぐちょで、零れた愛液でお尻まで濡れた感触がする。
ぬちっ!ぬちっ!と粘こい音を立て、脚の間から頭を出す分身は何度も吐精して私の服を少し重くした。
アド君が腰を打ち付ける度に脳天まで衝撃が伝わり、本当に繋がってるかのような錯覚に陥る。
興奮で下り切った子宮が貪欲に熱を求め、受け止めた衝撃で生まれた快感を享受した。
そんな、もう完全に気持ち良くなっていたところへ新たに刺激が追加され、抑え切れずに声を上げる。
「ふっ、やっ。んっ!やぁああっ?!」
アド君が。顔の横にあった私の足を、その舌でべろりと舐め上げたのだ。
時折歯を立てながら、舐め、吸い、徐々に場所を移し・・
焦らすようにして辿り着いた足の指を、なんと口に含む。
「ひぃっ!や、それっ、やぁあ!!」
小指と薬指の間を舌が這う。
そんな所を舐めるなんて止めて欲しい。
けど、齎される刺激は無視できない程の快感を伴っていて、振り解けずに指を不格好に動かす事しか出来なかった。
避けようと広げた足の指の内側を、短い舌で蹂躙される。
ただでさえ鋭敏な感覚を持つ部位なのに、今は興奮しきっていて殊更敏感になっていた。
想像もしていなかった感覚に、脳髄が痺れる。
腰を振りながらも、指1本1本を味わい尽くすかのように執拗に舐めしゃぶられ、喘ぎ乱れた息を整える事も儘ならない。
どれ程経ったのか、私の足を堪能しきったアド君は最後に軽く歯を立て、甘噛みしたまま腰を打ち付けて震え一段と多くの白濁をびゅう!と飛ばした。
漸く解放された両足を、力なくベッドに投げ出す。
唾液に濡れた足が気化熱で冷えて寒い。
けど、その感覚すら快感として背筋を震わせるから、今の私は情欲に染まり切っているのだろう。
どこか薄らぼんやりとそんな思考を抱いていると、アド君が再び覆いかぶさって来た。
鼻先同士が掠めて、熱い舌が私の口内へと帰還する。
くち、ぬち、と唾液を絡めて舌を触れ合わせ、互いの呼吸を喰らい合った。
と、不意にずるりと下半身の服を剥ぎ取られる。
は?え、?
困惑に対して返された答えは、問答無用の熱。
じゅくじゅくと濡れ熟れた秘所にぴたりと宛がわれた灼熱の感触に、私はひゅっと息を呑んだ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の更新は月曜日の予定です。