鏡の国の変態王子様 ~アラサーオタクな私の鏡。繋がった先は異世界でした~ 作:もすもす。
※性交渉の話題とかあるので一応のR18
アド君に手を握られて、何かほわほよとした幸せ空間が爆誕しました。
が。和んでる場合ではなくない?
すっごく。色々と!気になる点があるのですがっ!
「あの・・ちょっと質問というか、少し聞きたい事があるのだけど・・」
「何だ?」
ちらりと部屋を見回して、目についた事から質問していく。
「その。なんか。寝る前より片付いてるな~って・・」
正確にはアド君に使用しました、放置していた筈のアダルティでアウト気味な道具の数々が見当たらんのですが・・
「床にあった物なら洗浄してあの箱に纏めて置いた」
そうアド君が視線で示した先はクローゼット。
その前に置かれた蓋の空いた箱からは、ガッツリ鞭の持ち手が見えて・・
――んっぎゃーっっ!!
本人に片付けさせるとかぁっ!解釈違いでタヒねるっ!
「・・・ソデスカ・・アリガトゴザイマス」
脳内は七転八倒ブレイクダンスってるが、努めた結果、表情は虚無です。
脳裏で舌を噛んで動揺は感情と一緒に一旦角に追いやりまして。続いての質問。
「えと・・それから。どうして言葉が通じてるのかな?って・・」
「それは「言語変換」の魔道具のお陰だ。アヤが寝ている間に、鏡で姉上とやり取りして取り寄せた。鏡に取り付けられた魔道具の使い方が解らなかったので、紙とペンを使ってな。勝手に消費してすまない。使った分は後で支払わせてくれ」
言いながら、アド君は指に嵌めた指輪を見せてくれた。
左手の中指でキラリンと輝くリングは帯状で、真ん中に緑色の石が嵌まっている。
そして成程、見れば足を向けた先。鏡台の前には白く重なる紙とペンが・・
「いや、それくらいいくら使ってくれても構わないんだけど。キッチンペーパーに筆ペンて・・書きづらくなかった?」
「あの柔らかいペンは「ふでぺん」・・というのか。まぁ、多少はな。だがアヤの仕事道具をむやみやたらに触るのは憚れたのでな」
どうやら気遣ってくれた結果らしい。
確かに。いやーんな絵とかもあるし、作業机を漁らないでいてくれたのは感謝。
筆ペンはたまたま目に留まったから使ったみたいだね。
「えーと。あとね・・・・その・・・この、お腹は・・」
はい。
ずっと目を逸らし続けておりましたが、流石にコレを質問しない手はないですねっ!!
なんか!下腹部が!無駄肉分を差し引いたとしても!明らかにぽっこりしてるんですがががががっ!!
ぷるっぷる震える指でお腹を示し訊ねると、アド君はちょっと顔を赤らめてふいと視線を外して答えた。
「・・・その・・私の、精をだな・・留めてある・・」
「・・・・ぱーどぅん?」
「あ~・・つまり、こちらの性交渉はどういったものかは解らないが、私の世界ではな。性交時に互いの魔力を交換して、魔力の同一化を図るのだが・・」
あぁ・・うん。
そんな話を前に
「その際に魔力の相性が悪かったり、魔力保有量に差があり過ぎると、魔力量が低い方が体調不良を起こすことが、あってだな・・アヤと私の魔力は相性は良いが、魔力量にはかなりの差があるので、アヤの体に少しでも私の魔力を慣らした方が・・だから、良かれと思って、だな・・」
「なる、ほど・・?」
つまりこのお腹は「出来ちゃった」とかではなく、中にはアド君の精液が詰まって・・
「え、待って。どんだけ出したの?!」
「待て!気になるのはそこなのか?!」
びっくりして問い質すと、逆にアド君に問われた。
「いやいやいや!普通気になるでしょ?!見てよこのお腹!どう見ても妊婦じゃん?!」
「にんっ?!いや、魔力で「中」に居ない事は確認したぞ!それに舌に「紋」も出ていないだろう?!」
「そいやそんな設定もありましたねっ!」
「設定って何だ?!」
「ごめんこっちの話!!」
「と言うかだな!「普通」なら勝手に抱いた事に対して憤るのが「普通」だと思うが?!」
「べ、別に私は怒ってないし!嬉しかったし!気持ち良かったし?!それに、その話はさっきお互い様って事で終わったじゃん?!」
「嬉しっ?!・・」
ぽんぽんと言葉を交わしてお互い息が上がり、会話が途切れる。
え、なに。何?・・つまり、つまりよ?
お腹がこんなになるまで出してくれたって、ことはさ。
こんな素敵イケメンが、私相手に、その。凄く興奮してくれたって、事で良いんだよね?
それにさっき、「好き」って。言ってくれた、よね?
つまり唯の性欲処理としての女じゃなくて、好きだから抱いてくれたって・・
『自惚れても、良いかなぁ・・』
そんな風に考えたら、今更ながらに照れてしまって・・顔が火照ってきた。
ちらっと見たアド君も、繋いでない方の手で口元を隠してるけど、顔。めっちゃ赤くなってる。
触れたままの手が、温かいを通り越して、凄く、熱い。
その手がじんわり汗ばんできて恥ずかしくなり、離そうとしたら逆にぎゅっと握られた。
只でさえ激しく刻んでいた鼓動が、ドっと跳ねる。
「・・今度は私から、良いか?」
「な、何、かな?・・」
「まだ、先程の返事をもらっていないの、だが・・」
「へん、じ・・」
「・・私は、アヤが好きだ・・この想いに対しての答えを、どうか聞かせてくれないだろうか?」
しんぞう、うるさい・・
目が勝手に潤んできて、視界が滲む・・
「わ、わたし・・」
思い切って唇を動かしたら、思いの外声が震えてしまった。
瞬きして、こくりと喉を鳴らして、深く息を吸って。
少し落ち着いたら・・繋いだ指先に力を込めて、夏の空を見つめて、再度。口を開く。
「あの、ね・・私も、好き・・アド君の事。大好き・・」
「アヤ・・」
きゅうと眉根を寄せて、泣きそうな顔で・・でも口元は嬉しそうに綻ばせて。
繋いだ私の手を捧げ持つようにして、祈る様に。自分の額に当てた。
少しの間、そうして伏せられていた顔が再びこちらに向けられた、その瞬間。
真っ直ぐに見つめて来る、煌めく瞳に釘付けになる。
「・・・オレグラント王国王弟。王位継承位第三位。アディード・オレグラントは請う・・異界の魔女、アヤ・・どうか私と、婚姻の誓いを・・結んで、くれないだろうか?・・」
きらきらした
「は、い。よろこんで・・」
・・・・・・・・・・・・はっ?!
私は、一体何を?!
「アヤっ!!」
芸術家が削り出した彫刻みたいに綺麗な顔が、満面の笑顔で目の前に迫ったかと思うと、押し倒される勢いでぎゅうと抱きしめられる。
「アヤ!私の唯一人の人!愛しき運命の片翼!ずっと、ずっと貴女の隣に居ると我が魂と精霊に誓おうっ!!」
何か大仰な事を言いながら、ぎちぎちと絞められっ?!
「ちょい待ちちょい待ち!マジ待って!痛い痛い絞まってる!締まってるっ!」
「私は、王国一の幸せ者だ!」
感極まったアド君に殺されかけてるなう。
いやマジギブ!死ぬって!マジ死んじゃうって!
『てか今、なんか「王位」とか言ってなかった?この人・・』
あ。 無理。 落ちますわ。
ち ー ー ん。
〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇
・・・・なんてね。
ちょっと意識飛ばしただけでずっと起きてましたわよ?
問題?全くありませんわ。ええ。わたくし全裸のままですが絶好調ですますわ!
「それは全く大丈夫ではないではないか!」
「いやいや平気平気・・とにかくまず服を着よう。それ取ってくれる?んで後ろでも向いててくれたら助かります」
そう言ってベッドの端にキレイに畳まれ置かれている私のTシャツとハーパンを示すと、アド君がギクリと体を強張らせた。
「あ・・その。アヤの着ていたらしい服・・なのだが・・」
「え?うん。取ってくれる?」
「その・・すまない」
そう言ってそっと差し出された服を受け取り、広げて見る・・
「Оh・・」
「すまない・・」
Tシャツは首の所が伸びまくってヨレっよれ。
ハーフパンツは股の所で繋がったキレイな開きになってますがな・・お魚かな?
「なしてこんな状態に?」
「記憶はないが、その。私がやったのだと、思う・・」
しゅんと気落ちして謝るアド君。
・・くそ。落ち込んでても可愛いなっ!!
何か犬耳と尻尾を幻視してしまうんだが・・
オタクの妄想って怖いわぁ・・脳みそ腐ってんじゃないの?
あ、既に腐り散らかした結果がこれですか。そうですか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の更新は月曜日です。