※この作品はR-18です。

鏡の国の変態王子様 ~アラサーオタクな私の鏡。繋がった先は異世界でした~   作:もすもす。

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お待たせしました。
こちらは二話同時投稿の二話目です。


【66】「マジ」と「ヤバ」便利過ぎ問題。

 

前回の三つの出来事!

 

一つ!カレールーの見本をアド君に渡した!

二つ!アド君に新しい首輪をプレゼントしたよ!

三つ!そのアド君をディ〇ドでメス〇キさせてやったゼ☆

 

・・うん。

二と三が激しく人目を憚る件・・・普通って難しいね?

 

「普通って何?・・教えてアキえ〇~ん!あ。アキもオタクだったわ。んじゃ教えるとか無理だわ」

『突然イミフな事言わないでくれます?後、何か理不尽に貶された気がすんだけど?お?』

 

通話の向こう側で親友が若干不機嫌そうに言う。

勿論ふざけているだけで、本当には怒っていない・・筈。

 

うん。

「親しき中にも礼儀あり」やり過ぎ厳禁。

 

「ごめんなさい。何でもないでーす」

『良いけどね・・それで?何かあったの?昨日の夜アド氏と会う予定だったよね?』

 

そう。

あの後、身を清めた青年とは一時解散しまして、夜にまた改めて会いました。

 

カレールーの取引価格を決定して、その場で支払いと引き渡しまでしましたよ。

一応、領収書も出したんだぜ。手書きだけど。

んで、向こうからも受領書として一筆貰いまして、今回の取引は終了。

 

「いや~。カレールーの取引は特に問題なく出来たよ。あ。早速支払いで受け取った金貨を預けたいから、時間のある時に来てくれたら助かります!」

『はいよ了解。今日の仕事上がりにでも寄らせてもらうわ』

「よろしくぅ!」

『はいはい。それで?取引「は」問題無かったんだよね?』

「うん・・」

 

流石は我が親友。鋭い。

電話したのは金貨を早く預けたいから・・なんだけど。どちらかと言うとこの後の話が本命。

 

「いや~・・実は、さ。どエライ物を頂いてしまって・・どうしたモノかと少々悩んでおります」

『何?ギラギラしたアクセでもプレゼントされた?』

「なんでやねん。もろてへんわ!」

『んじゃ何』

 

似非関西弁で反論するも、冷静に返されてしまい答えに詰まる。

しかし、伝えなければ話が進まない。

 

頼子はバリバリと後頭部を掻いて気を紛らわせ、勢いに任せて口を開いた。

 

「・・回復薬と、結界の魔道具・・」

『はい?』

「だから、怪我とか直ぐ治せる魔法のお薬と、物理攻撃を防ぐ道具!を、貰いましたっ!」

 

叫ぶように伝えられた内容に、通話の向こうからは無言の返答。

たっぷり10秒近く経って、漸く親友の声が返って来た。

 

『・・・マジで?』

「マジもマジ。大マジです」

 

それから親友は「ちょっぱやで仕事終わらす!出る時また連絡するから!」と慌ただしく通話を切りました。

 

まぁ、気持ちは解る。

 

とりあえず直接会って話をする事になったから、詳しくは到着してからだな・・

 

 

〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇

 

 

そんな訳で親友がやって来ました。

早速件の品をローテーブルの中央に置き、それぞれ小難しい顔で腕を組み無言で見下ろしております。

 

「・・ぱっと見、オシャレなガラス瓶と普通のバングルだよね。デザインは若干中二だけど・・てかアクセ貰ってんじゃん」

 

「うっさいわ。ギラギラはしてないでしょ」と言い返したところで、再び沈黙。

 

ガラス(たぶん)の小瓶は4つ。

香水瓶みたいな華奢なデザインで、色は不透明な白。高さは6~7センチくらい。

飲みやすいようにだろう、蓋を取った口は広めだ。

中の液体が薄っすら透けて見えていて、2つずつある。

 

バングルは5センチくらいの幅の淡い金色の金属製。

真ん中につるりとしたオーバル型の緑色した石が嵌っていて、その周りをカクカクした文字が真円状で三重に取り囲んでいる。

 

「ほんで?赤いのが浅い傷、青いのが重度の傷も回復するお薬と・・」

「うん。赤いのは何回かに分けても使えるけど、青いのは一度蓋を取ると一定時間で効力が無くなるって」

「ほう・・んで。こっちのバングルは結界?が張られる道具・・」

「だね。悪意のある攻撃とか、命を脅かすような物理衝撃を防いでくれる魔道具だって」

「・・・チートじゃね?」

「んだよねぇ・・」

 

『こんなオーパーツどうしろと?』と渡された時に思いましたさ。

 

いやね?確かにこの前「幾つか融通する」って言葉に頷きはしたよ?

でもその時想定してたのは「肩こり」とか「筋肉痛」とか、日常生活で酷使した身体を楽にできたら便利だな~って気楽に捉えていたからであって・・

 

まさか命に係わる重症の傷も治せるお薬だとは考えが及んでいなかったんだよ。

 

んでも「またいつ何時、アヤに危険が及ぶかと考えるだけで辛い」って言われたら、ねぇ・・

「受け取ってくれたら少しは安心出来る」つってこんこんと説得されちゃったよ。

つーか。それでも安心できるの「少し」なのね・・

 

結果、外出する時には必ずバングルを付ける事。

回復薬は赤と青一つずつ持ち歩く事を約束させられましたさ。

 

・・しゃーない。あんなガチ真剣に言われたら無碍にはできないよねぇ・・

 

「過保護だよねぇ」

 

ふぅ、と溜息を吐いて言ったら親友に「アホ」と心外な反応をされました。

 

「いきなり他人にお腹刺されて生死の境を彷徨った本人が言うなや!自分の置かれた状況をしっかり認識しなさいよ!」

「えぇ~・・分かってるよ?」

「はい嘘~。本当に分かってる人はそんな「えぇ~」とか言いません~」

「むぅ・・」

「唇尖らせてもだめっ!」

 

そうして親友が「こいつ理解したな」と思うまで、これまたこんこんと説教されました・・

 

んだよ・・分かったよ。ちゃんと警戒しますぅ・・ちぇ。

 

立て続けに色々言われてちょっと拗ね。

 

けどまぁ、2人とも本気で心配してくれてるのは分かったから、ちょい嬉しくもあるんだよね。

うん。大事な友だちを悲しませない為にも、真面目に警戒心持つようにします。

 

「さて、バングルの方は危険過ぎるから試さないけど・・こっち。回復薬はちょっとくらいお試ししたい気も・・・」

 

刺された時には意識無かったしね。

こうして目の前に魔法薬があると好奇心がむくむく、ウズウズとして来ましマシて!

 

「いいんじゃない?赤なら少しずつ使えるって話しだし」

「だよね!あ、でも試すには傷を作らないと・・アキ、今どっか怪我とかしてない?」

 

『試すのにわざわざ新しく傷つけるのもね・・』と、そう思って訊ねると「あるよ」との回答が。

 

「今日の昼食で口の内側思いっきり噛んじゃってさ・・流石に血は止まってるけど、結構酷いよ?」

「おぉぅ・・ご愁傷様・・見ても大丈夫?」

「勿論、どーぞー」

 

「あい」と自分の口に指を引っ掻けて見やすいように広げてくれる親友。

「どれどれ」と覗き込むと、成程確かに。左側の頬の内側に思ったいたより大きな傷があった。

 

「うわ~。これは痛い」

「いや。マジ痛かったよ」

「てか、痩せてても内側噛んだりすんのね」

 

ぽっちゃりの特権かと思ってたよ。

 

私?何度も経験していますが何か?

 

「よし。じゃぁ早速試してみよ?!」

「オッケー了解!これ塗るの?飲むの?」

「どっちでも大丈夫だって」

「りょ~。じゃあ塗ってみますか」

 

そう言って、口紅で汚れた指をティッシュで拭き、親友は赤の小瓶を手に取った。

「鏡借りるね」と立ち上がったその後ろに付いて歩き、一緒に洗面台に向かう。

 

鏡の前できゅぽっ、と小瓶を開けると、栓になっていた蓋部分をこちらに差し出してきたのでそのまま受け取った。

右手の人差し指に一滴だけ垂らした親友は、小瓶の本体もこちらに預けて鏡に顔を近づけ・・左手で口を引っ張り広げて傷を確認しながら回復薬を塗り込む。

 

そうして口を閉じて数秒待った後、舌で探って傷の具合を確認したようだ。

急に目を見張って「すご!本当に治った!」と、驚きの声を上げる。

 

「え?!マジで?!もう治ったの?一瞬じゃんっ?!!」

「マジだって!ほらっ」

 

ぐいと端を引っ張り見やすくしてくれたその口の中を確認すると、先程まで確かにあった筈の傷はきれいに消え去り、つるりと何もない状態になっていた。

 

「マジで治ってる・・異世界ヤバ・・」

「小さい傷とはいえ、本当に一瞬だったねぇ・・アコの怪我を治したのは青い方だったんだろうけど・・いや~、赤でこれって。正しく「魔法」だわ。ヤバすぎ」

「同感・・」

 

そう、マジヤバ。マジでヤバヤバなのだ。

 

しかもさ。これ使いどころ難しくね?

 

人目の無い所ならまぁ大丈夫でしょう。

でも治す瞬間や、怪我を認識された後でうっかり治してしまったりしたら「どゆこと?」て思われるよね・・

 

その時はイイ感じに誤魔化せば良いって?

 

馬鹿言ってんじゃないよ。こちとらコミュ障やぞ?

そんなポンポンと都合良く上手い言い訳思い付くか!

ヘタレ舐めんなっ!

 

びっ!とイマジナリーなオーディエンスに中指を立てて煽り、乱闘に突入した所で意識を引き戻した。

やり逃げである。

 

「・・アコ。外出するときは腕輪外さないようにしなよ?そしたら大きな怪我とか気にしないで良いだろうし」

「・・うん。そうする」

 

親友も似たような思考の流れを辿ったらしい。

『忠告、有り難し』と頷いて、手元の小瓶を目の高さに持ち上げた。

 

青年の心配は嬉しいし、有難い事だと思っている。

が、これはこれで余計な心配事(不安要素)が増えた、とは言わないだろうか?

 

・・・マジで警戒心持って行動しよ。

 

その後、オタク2人は語彙力が弱体化したように「マジ」と「ヤバ」を連発するのだった。

 

 

 




最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の更新は月曜日です。
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