FGOエロ小説まとめ 作:お一
ネロ・クラウディウスとブーディカには確執がある。
それは侵略した者とされた者の、覆しようのない関係性であり、そのために失われたものがある以上、それを取り去ることは不可能だ。
ブーディカからすれば、侵略の後の蹂躙がネロの本意でなかったからといって、それがなんであろう。そんなことで凌辱された自分と娘たちの傷は慰められないし、女性優位社会を形成していた民も同様である。
ネロからしても、ブリタニアはローマに治められてこそ正しく国として機能すると思っていたし、その侵略に抗った末に敗北したブーディカに対し、憐憫と同情と、仇敵としての愛情を持っている。
どちらにとっても愛すべき民を蹂躙した王である。それが既に過ぎ去った事実であっても、その感傷は変わらない。
「ブーディカよ」
ネロからの歩み寄りなど無意味。加害者が被害者に憐れみを見せたから、それがなんになろうか。被害者が加害者を許して初めて成り立つのである。
そのことを二人ともよく判っている。判っていてネロは何事かがあるたびにブーディカを誘う。ブーディカもネロを許していないながらも受け入れている。
二人の関係には緊張感がある。それは正にペンテシレイアとアキレウスの関係と同じであり、被害者の立場の者が同じだけのことをしたのだからと一線を引いているだけの違いである。
「なんだい、皇帝サマ」
いつもの赤い衣装ではない。こちらは白い拘束具のような姿。自らを花嫁と称して憚らない、ネロ・ブライトである。
それは、未だ運命の人を見つけていない、薔薇の皇帝の可能性の一つであった。
「そなた、マスターとはどのように耽っておるのだ?」
ぶほ、と噴き出しかけた。
「な、なんのこと・・・・・・?」
「奥ゆかしい! 既に人妻を経たにも関わらずおぼこのような可憐さ、すぐにも抱き締めてやりたいほど愛らしいぞ!」
この享楽主義者はバイセクシャルである。美しければどちらでも構わない。同じように愛でる。そして、必要のない場面で嘘は言わない。
至ってノーマルなブーディカは冗談ではない、と背筋を震わせた。
「ネロ、強引にしようとしたらこっちにも考えはあるからね」
「うむ、余の閨に誘った者の中にはそのように拒む者もあった。しかし、そのような者をなだめすかして手管と真心を尽くし、蕩けさせるのは至上の悦びであった。
しかし、そなたに嫌われたくはないのでな。その機会はまたにしよう。本題はマスターのことだ」
さては恋敵への宣戦布告か、とキッチンでキャベツを刻んでいた手を止める。
ブーディカと立香の付き合いは長い。年下を放っておかれないブーディカは、張り詰めた糸のような彼の相談に乗っているうち、つい関係を持ってしまった。
それが体だけの関係に留まらなくなったのも、随分前のことだ。気持ちと体を切り離して考えられるほど、立香は成熟していないし、ブーディカも放っておかれないままに愛情が芽生えてきた。
藤丸立香を運命の相手と見定めたネロ・ブライトが自分に対抗心を燃やすのも、むべなるかな、どうすべきかと一瞬考え込んだ。
が、次に出た言葉はやはり、ネロ・クラウディウスらしいものだった。
「余もそなたもマスターを愛している。となれば、いっそ二人であやつを愛でようではないか」
この王、度量はブーディカと比べ物にならない。基本的に愛する者が自分を一番に見ていないと納得しない性質だが、同じくらい愛しているのならそれも男の度量と納得し、正々堂々と愛を競い合う。
この場合は、既にブーディカに先んじられているのだから、ならば自分がより立香を愛し、しかしブーディカの邪魔にならぬようブーディカも愛そう、と考えたらしい。
理解不能であるが、それだけにブーディカはネロをその点において尊敬している。
(あたしには無理だなあ)
この子供っぽさを存分に残した王には、つい甘くなる。時折仇敵であることさえも忘れてしまう。そして忘れてしまう一瞬だけは、生身の二人で居られる気がする。
「その話、まず先に立香に通して納得してもらってからにするんだよ?」
「むう、こんな極上の女が二人掛かりで愛してやるというのに、断る者など居るまいに。しかしそなたにも況して可憐なあやつのこと。戸惑いのあまり拒否することもあり得る。
判った。ちゃんと話を通しておこう。余はちゃんと伴侶のことも考えられる花嫁だからな」
言い様とは想像もつかぬほど、しなやかな脚を上品に運ばせて去っていった。
その後ろ姿だけ見れば、名画ですら足元にも及ばぬ気品と美しさを湛えているのに、よく言えば天真爛漫、悪く言えばお転婆というあの気性はどういうことなのか。
ブーディカはため息を吐きながら、ネロの提案も悪くないと思っている自分に気がついた。
立香はネロの提案を受け入れた。そう聞いた時、ブーディカは信じられない気持ちだった。
(あの子が・・・・・・?)
道徳心と倫理観で固まったあの価値観に、複数人と同時に、などという言葉が刻んであるとは思えない。なら、ネロに押し切られたのか。
(あれで芯の強い子だからなあ)
それもなさそうである。ともあれ、その夜ネロがわざわざブーディカを訪ねて、
「マスターの了解は取りつけたぞ。善は急げだ。連れ立って夫の元に行こうではないか」
凱旋でもするような足取りで、戸惑うブーディカの手を引いて立香の私室に向かう。
後で判ったことだが、この世の贅を味わい尽くしたネロに、
「現代の価値観はいざ知らず、余やブーディカの時代なら愛には愛で応えるのが美徳だ。マスターはそれくらいの甲斐性がある筈であろう。でなければ、数多の英霊と絆など結べぬ。
・・・・・・むう、納得せぬか。強情な。まあ、そこが愛いのだが。
察せよ、マスター。余とてそなたを独り占めしたい。誰が好き好んで愛しいそなたを他の者と分けようか。しかし相手があのブーディカならば別だ。余を仇敵と定めた女が、愛する男を分けても良いと言ってくれているのだ。それを拒むことが何故できようか。
そろそろ判ってくれ。あやつと余のそなたに対しての愛情は、他の者が勝手に定めた正しさになど負けぬ。負ける筈がないのだ。そんなものを押しのけてでも、そなたが愛しいのだ。
・・・・・・あまり、女の口から言わせるものではない。幾ら余でも、ここまで言わされるのは恥ずかしいぞ」
そういう、ズルい言い方で押し切られたらしい。
困らせたことは少し懲らしめてやりたかったが、そこまで真摯に捉えていたかと思うとそんな気持ちも失せた。
愛とは独善的だ。それが男女であれ、親子であれ、或いは王と臣民であれ、変わりはない。ネロもブーディカも、その大きさは比べようもないほど同じだけ持っている。
しかしネロにはそこにプラスアルファがある。寛容さである。
ネロ・クラウディウスは自分と違う価値観、理解できぬ考え方も、それはそれで良いという感性がある。もっとも、その前提に彼女の独善的価値観の極みとも言える美しさという基準があり、それを通過すればの話だが。
美しくなければ神の名を借りて好き放題していたキリスト教すら弾圧した皇帝である。
愛という美しい感情の発露ならば、どうしても越えられぬ一線(たとえば先に子を孕むとか)を守ってさえいれば、ハーレムの一つや二つは許すのである。
ベッドに座る立香に、左右から迫ってみる。
「っ・・・・・・!」
緊張のあまり、全身をカチコチに硬直させて、立香は目を泳がせている。
しかし、それも置き場がない。左には露出の多いブーディカが、たわわに実った乳房を前屈みに見せて、右には自然造形の極致とも言うべき肢体を、ぴっちりとラインを浮き彫りにする拘束衣装に包んだネロがある。
「ブーディカよ、そなたに先んじて悪いが、是非ともやりたいことがある」
「ん、いいよ。発案者は皇帝サマだ。マスターが嫌がらなければいいよ」
律儀に了解を取って、立香の手を取り、なにかを握らせた。
「・・・・・・?」
手を開くと、鍵であった。金で出来たものらしい、豪奢好みの皇帝らしい細工の美しい黄金の鍵。
ネロは首元の錠前を指で弾いて、
「さ、そなたの手で余の錠を外すが良い」
言われて、視線を追うと、立香の顔が爆発したように赤くなった。
ネロの拘束具は全て金の錠前で閉じられている。コンセプトは女性にとって最も魅力的な拘束具ということらしいが、確かにネロの肢体を覆いながら、曲線を浮き彫りにする衣装はこれ以上ないほど魅力的だ。
しかし、その拘束の要は、前に縦に走ったファスナーにある。そしてそれを封印しているのが首の錠前である。つまり、立香はこの瞬間、この世の最も美しいものの一つを曝け出す権利を得たということになる。
そして、この錠前の鍵はこの世に一つ。仮に立香が拒めば、当人のネロでさえ二度とこの拘束具は外せない。永遠に封じられた美となってしまうのである。
頭がくらくらした。
シェイクスピアの存在しない筈の新作を、
叙事詩に語られるアルジュナの矢を、
あの駿馬、ベイヤードのたてがみを、
この世で最も貴いものを送られた時と同じ昂奮に、目の前が眩みかけた。
「む、よもや着たまま!? 確かにこの衣装は余がしつらえたものだからな、天井知らずの余の魅力を高める代物だが、しかし着たままではさすがに・・・・・・いや、マスターがそうしたいと言うのならなにも言うまい。
・・・・・・しかし、少し気を配るが良いぞ? さすがにファスナーに髪が絡んだり金属に肌が擦れると痛い故な。あまり乱暴にはするな」
なにやら愛らしい声音でなかなかの勘違いを走らせそうなので、慌てて錠前に鍵を差し込んだ。
手首を返すとかちゃり、と外れ、錠は掌に収まった。
「うむうむ、そういう楽しみ方は二度目、三度目でやれば良い。一度目はやはり、余の体を存分に見て欲しい」
満足げに頷く皇帝だが、金具を留めていた鎖が外れ、重みで少しファスナーが緩んだところを見ると、またくらくらしてきた。
あれを、自分が下げる。下げれば当然、ネロの肌が露わになる。首から胸に掛けての白い肌を想像した瞬間、逆上せ上がって倒れるかと思った。
が、それを阻むのはブーディカである。
肌を重ねた男が自分ではない女に夢中になり過ぎるのは、面白くない。唇を尖らせながら、立香の腕を抱いた。
「がんばれ、男の子」
言葉だけは尻込みを励ますように、しかしあざとく乳房の谷間に腕を抱き込んで、その感触を思い出させる。幾夜か、その手で弄んだ乳房であろう、と。その快さも思い出せ、と。
(あたし、みっともないなあ)
無邪気に天真爛漫に、しかし意外に健気で儚げな、ネロに比べてなんと賤しい仕様か。ブーディカは自分を嘲った。
が、それでも女の妬心である。ネロは寧ろ感心する勢いでブーディカを見た。
(あのブーディカをこうさせるのか。やるな、マスター。それでこそ我が伴侶となる男よ)
一方、立香の平静は何処かの彼方へ吹き飛んだ。
押し当てられているのは感触を知っている乳房である。指を沈ませればそのままずぶずぶと肉の海へ誘うスライム乳。手のひらと指で気が済むまで触らせてもらったこともある。この乳房で肉棒に奉仕してもらったことさえもある。
立香にとってブーディカの乳房は、妄想と羨望の果てにある誰かの美しい造形物ではなく、自分の所有物に近しい感覚の宝物なのだ。
しかし、目の前のそれも同じだけの眩しさがある。
美の神と並び立つ、そう称して憚らない肢体が、目の前で自らの手で暴かれることを待っている。あのジッパーを下ろすだけで、その素肌が自分の目に触れ、そればかりかこれからその肌を味わうのである。
遠く、霞の掛かった霊峰の奥、艱難辛苦を湛えた神殿の秘宝が、手を伸ばすだけで自分のものになる感覚。色を知る者で逆上しない者は既に人間ではあるまい。
立香の頭が爆発した。痴呆のように固まって、この栄光の前に為す術を知らない。
そういう様子を見て取って、ネロがブーディカの抱き込んだ腕の反対の手を取って、自らの首元へ誘う。
「さ、開帳せよ。この至上の名器たる余を、存分に使うが良い」
はっと、我に返る。思わず唾を呑み込んで、ゆっくりと金具を下ろしていく。
じじ、と特有の金属の擦れ音をさせながら、徐々に開かれ、露わになっていく素肌。その白さが目に飛び込んで、思わず手が震えた。
「・・・・・・」
正に、国宝を封じた箱を開くが如く。ゆっくりと開かれた拘束具は、その役目を失って力なく垂れ下がる。なんとか手足を通したままだから落ちていないだけだ。
そして、むわっと胸元から立ち上ったネロの汗の香り。豊潤な肌の香りに混じった、生理的な性臭。ネロと立香の鼻をくすぐる微香は、至上の美酒のように頭を蕩かせる。
「むう、余の香りが万人を魅了するのは当然だが、そう嗅ぐものではない。無粋且つ恥知らずであろう。
しかし許そう。我が伴侶よ。この名器に触れれば我を失うのも無理からぬ。ここは花嫁として寛大な心を見せてやるぞ、マスター」
尊大な物言いに我に返り、反省した。が、それも終わらぬうちに今度は逆側でブーディカが身を離し、手を包んで誘う。
「今度はお姉さんのもお願いしようかな」
くっと、伸ばした中指を乳帯に引っ掛ける。下からカップを支えるブーディカの乳帯はその意思をもってすれば卵を剝くよりも容易い。
しかし曲がりなりにも王たるブーディカにそんなことが出来るのは、今は亡き夫と、心を通わせたマスターのみ。そうなると、その容易さが余計に困難さを帯びる。
ネロの拘束具を剥ぎ、ブーディカの乳帯をめくる資格を持つのはこの世で自分だけ。
逆上しそうになって、指を引っ張る。少しの抵抗の後、強引に乳帯を剥ぎ取られ、ブーディカの柔らかい長乳がぶるん、と弾んで露わになった。
(ああ、この光景・・・・・・)
逆上は一気に沈静してやすらぎへと。
つらい時、人に言えぬ弱音もこの乳房に包まれながら吐露して、ブーディカに背中を撫でてもらった。そうしてもらえると、気力が湧き起こって次へも向かえた。あの感触を、温かさを、それに包まれる心地よさも、立香は知っている。
一瞬にして立香の視界にはブーディカしか映らなくなり、ブーディカもまた同様に。黙ったまま見つめ合う二人は、幾夜も越えた男女特有の世界観が広がり、それを共有できぬ者は排除された。
それは、この場のネロですら例外ではない。
(なんと、これは・・・・・・)
思わず絶句した。
自らの肌を曝しておきながら、それに魅了されていながら、それで尚、自分を慮外にするものがこの世にあろうとは。
純真な我侭皇帝は、拗ねたくなる気分だったが同時に目の覚めるような思いもした。
(これが、愛情。人と人が愛し合うということなのか。思い合う二人の世界であるか)
出会いはブーディカの方が先なのだ。自分よりも長い時間を過ごした以上、この順番は当然。しかし、この様相を、必ず自分と立香で作ってみせる。ネロは自信を以てそう思った。
「よいものだ、かつては仇敵であった友人と思い人が愛を交わす様は」
はっと、その言葉で二人とも我に返った。
発言者がネロでなければ痛烈な皮肉であろう。しかしネロは本心である。本心から、この姿を美しいと思っている。
が、自分を二の次に置かれるのは愉快ではない。ずい、と歩み寄って、ブーディカに並んだ。
「ふむ、やはりサイズでは勝てんか。いやサイズばかりではない。極上に熟れた果実が如く、押せば蜜を滴らせる年季は、余では敵わぬものだ。
しかし、この形、このハリ、この瑞々しさはブーディカの乳房に劣ってはおらぬ。どうだ、マスター。余のも負けては、おらぬよな・・・・・・?」
傲岸な物言いのくせに、最後は消え入りそうに不安な様子に、思わず二人で笑みが零れた。
ネロに対してフラットな目線の立香は無論だが、含むところのあるブーディカも、これには生来の愛情深さを抑えられない。思わずその肩を抱いて身を寄せた。
「どうした、皇帝サマ。これから三人でするんでしょ? そんな弱気で大丈夫?」
「う、うむ、そうであったな。どれ、ブーディカ。体のついでに顔も寄せるのだ」
「こう?」
「もっとだ。このように、な」
頬をぴったりと接して、立香に対して開くように少し角度をつける。
「ん、べ・・・・・・」
舌を出す。ブーディカも察して同様に舌を伸ばした。
二人の舌の先端が触れた。唾液でぬめった舌が自分に向かって伸ばされ、それが合わさる光景の、なんと淫靡なものか。立香は自らの怒張が一瞬で限界まで張り詰めたのが判った。
「ほれ、そなたもするのだ」
顔を近づける。二人の舌の接点に先端が合わさるように、ゆっくりと舌を伸ばした。
「んれ、べ、れ、る、れる、る・・・・・・」
舌先が蠢く。それぞれの唾液でぬめった舌は、触れつつも決して絡まらず、自然と逃げてしまう。しかしそれをもう一人が出口を塞ぐ形で回り込んで触れ合い、負けじとそこに舌が突撃してくる。
「ふぇ、あ、ら、るる、る・・・・・・」
口を大きく開いた三人が、舌先で舌先を捉えようと動けば動くほど、口腔で呼吸することになる。熱い吐息がそれぞれの口腔に入り込み、唾液はどんどんと分泌されて舌先で混ざり合う。
許容量を超えた唾液は混ざり合って零れ落ち、床に溜まりを作っていく。
ネロの舌は細く長い。これも皇帝時代に寵愛を呉れてやった賜物なのか、関節があるようによく動く。
ブーディカの舌は肉厚で弾力がある。こちらもこちらで男を可愛がるために多少練習したようで、舌を横に広げたり端を上げたりとよく変化する。
立香の舌は短い。二人のようによく手入れされた真っ赤なそれと違い、舌苔という白いカスがこびりついている。しかし二人ともそれを避けることはせず、構わぬとばかりに触れてくれる。
「ほれ、ひょっほ、ひれっはい、れ・・・・・・」
ブーディカが顔を赤くしながら言った。確かに、じれったい。立香も同じように思ったが、それ以上に舌の裏側が疲れてきた。
ネロは待っていたようにずい、と更に顔を近づけて、二人の舌を飲み込まんばかりの勢いで根元まで絡めてきた。
「じゅぶ、れ、えろれろえろ・・・・・・」
遅れてブーディカも同じように、立香は舌が短いから倣おうとすれば鼻頭を接するまで近づく必要がある。
「ちゅるっ、れる、くちゅ、れ、じゅるる・・・・・・!」
ネロの舌が激しくなった。
別の生き物のように舌を動かして立香とブーディカの舌を舐り、啜り、唾液を絡め取る。
「じゅぶぷ、ちゅ、れ、れうれう・・・・・・」
ブーディカも負けていない。肉厚の舌を横に広げてネロと立香の舌を乗せ、溢れる唾液を受け止める。
立香は、情けないことだが呆けている。
濃厚にキスを交わすだけで頭が蕩けるのに、二人分を一気に受けている。更に、不慣れなため呼吸がおろそかになって、そういう意味でも頭がぼうっとしてきた。
「ちゅる、じゅず、べじゅ、んれ、へ、あ・・・・・・」
ネロとブーディカも決して平静ではない。
目がとろんと半分閉じて、目尻も垂れている。夢中になって舌を味わい、味わわれている。性感帯を除いた人間の体で、最も敏感なのは舌だという。
その舌で熱い唾液を絡め合い、舐り合い、啜り合うと、生まれた頃から一つの生き物だったような気さえしてくる。
この蕩けるような快さが、永遠に続けよという気にすらなる。
体も熱を持ってきている。なんとなく、じっとしていられない感覚。快感を求めているという淫らなものではなく、動かないでいることに耐えられないという、焦燥感に似ていた。
しかし、このキスの快さを捨てるのは忍びない。
「んれら、れうれう・・・・・・じゅる、へあ・・・・・・は、ちゅぶぶ・・・・・・!」
舌遣いが激しくなってくる。最早技巧ではない。情熱に突き動かされて、三人が三人の舌を捉え、唾液を啜り、飲み、自分以外のものを自分の中に取り込む。そのことに躍起になっていた。
三人の唾液が混ざり、啜り取れずに零れ落ちた床の溜まりはそろそろ無視できない大きさになっているし、舌を伸ばしているのに既に唇まで三人ともべたべたである。
(ああ、このまま溶け合えたらいいのに・・・・・・)
三人が一つの生き物になってしまえば、この快さも永遠であろう。
夢寐に迷う心地でそう思ったが、どこか冷静な頭は思考で促す。別の生き物だからこそ、味わえることがある、と。
立香はそっと顔を引いた。既に、ズボンを押し上げる怒張の痛みに似た疼きが堪えられなくなっている。
「んむ・・・・・・」
「あ、む・・・・・・」
まだ、ネロとブーディカは戻らない。蕩けた表情のまま、立香が居なくなってしまったからごく自然な動作で互いの唇に吸い付き、舌を絡め合って唾液を交換している。
「ちゅむ・・・・・・じゅ、ず、ちゅぶぷぷ・・・・・・れろれろ・・・・・・」
「は、む・・・・・・あ、ん・・・・・・ちゅべろ、ろ・・・・・・じゅずず・・・・・・」
一瞬、股間の疼きすらも忘れるほど見惚れた。
一度は仇敵と向かい合った二人が、愛情のままに濃密な口づけを交わす光景は、この世に二つとない美しさがあった。
尊い。そう形容するしかない思いを、この光景に感じ取った。同時に恥じた。自分はなんと、性的な願望に弱いものなのか、と。
「んべ、え・・・・・・れ、ちゅっちゅ、ちゅぶぷう・・・・・・」
ネロは、少し甘えるように。唇を上下にもごもごと動かしてブーディカの唇を味わい、
「ちゅぶ、ぶ、ちゅ・・・・・・れうれう・・・・・・」
ブーディカはそれを受け止めるように。舌を伸ばしてネロの動きの少なくなった舌に絡めていく。
「ちゅ・・・・・・ぶ、っぱ、はあ・・・・・・」
蕩けた表情のまま、自然と二人の顔が離れる。一瞬遅れて引っ込んだ舌と舌に淫らな唾液の端が架かる。
その途切れる儚い姿を、手折れていく華を見るように見送った。
「む・・・・・・?」
「へ・・・・・・?」
そして、ようやく二人が我に返った。
「むあ・・・・・・!」
なにやらびっくりしている。が、その一瞬後に真逆の反応へ。ネロは満足したように頷き、ブーディカは頭を抱えている。
(ほう、あのブーディカと・・・・・・)
(なにしてんだろう私! あの子やあの人以外とこんな・・・・・・)
どちらの気持ちも立香には判らない。しかし、あの尊い光景が終わってしまったと思うと、なにやら切なくなって声が漏れた。
その声に気がついて、ネロが向き直った。
「もう待ちきれぬか。そうでなくてはな、我が伴侶よ。さ、そこに寝るが良い。余の乳房でもって愛そう」
言うなりずんずんと進み、先に寝台に登って女の子座り。邪魔なのか、白い花嫁拘束衣装は脱ぎ捨てた。
「む? 余だけ裸にするつもりか? そなたも脱ぐのだ」
見惚れる隙もなく催促されて、立香は服を脱いで横になる。
その頃になってようやく復活したブーディカも寝台に上った。
「一緒にするか、ブーディカ?」
「君じゃこの子の好い所はまだ知らないでしょ。教えながらやろう」
多少棘のある物言いではあったが、ネロも気持ちは判る。女の悋気ならば、寧ろ愛らしい。
「よい。ならば手本を見せてもらおう」
万能の才人を自称するネロとて、さすがに初めての楽器は扱い方から習い覚える。ややこしいことにネロにとっての楽器は自分で、奏者が相手なのだが。
ブーディカはネロに優位を取れたことに少しだけ満足したようで、微笑んだ後、天井を向いていた怒張を柔らかな胸で包み込む。
「くっ、確かに余のサイズではそこまでは敵わぬ・・・・・・!」
平均的な大きさと太さの肉棒を包み込むには、ブーディカくらいの大きさが必要だ。更に言えば、その自重を支えきれなくなって僅かに垂れた長乳で、しかもスライムに形容される柔らかさのそれは、パイズリに最適と言えた。
この分野に限っては、ネロに勝ち目はない。
が、そのために独占するブーディカではない。ネロを誘って、少し体の傾きを直す。
「う、わは・・・・・・!」
不思議な感触だった。
ブーディカにパイズリをしてもらうのは初めてではない。寧ろ程よく行為の熱が冷めた頃にねだり、そのたびに快くしてもらってきた。自分の分身ともいえるそれを優しく包み、更に優しく擦られると、胎内に回帰したようなやすらぎと安心感に浸れた。
その温かさも柔らかさも変わらず、しかしそれは左半分だけ。右半分は張りと潤いに溢れた釣り鐘型おっぱいに包まれた。
ブーディカより、少し体温が低い。硬い肉棒に跳ね返る弾力は、実に新鮮だった。
そして、頭をもたげてその光景を目にして、更に感動。
「むむう・・・・・・」
「ふふ・・・・・・」
なんでも自分中心でないと気が済まないネロは少し拗ねたような表情だが、ブーディカの母性溢れる困ったような微笑みはいつも通り。それだけならなんとも微笑ましく、和む光景だが、問題はその下である。
二人の乳房が肉棒を中心に押し当てられ、柔らかいブーディカの長乳はネロのそれに負けて肉を溢れさせ、ぷるぷると震えている。
(まるでおっぱいの相撲・・・・・・質と両の対決か・・・・・・!)
多少ブーディカに失礼な表現かもしれないが、その形容が一番適しているように思えた。ブーディカに比べれば些か小ぶりなネロの両乳房は瑞々しい弾力があるらしく、ブーディカの乳房と押し合えば勝ってしまう。
ブーディカの乳房はネロと押し合えば、その柔らかさのために押し負けて、別の方向へ逃げてしまう。それを防ごうと両手で塞いでも、大きく長い乳房は手だけでは収まりきらず、溢れる。
「お、ふう・・・・・・!」
蕩けるような温かさと感触に加えてこの圧巻の光景。大袈裟に言えばもうこれだけで射精したい気分であった。
「べ・・・・・・」
そこへ、ブーディカが無意識のような自然さで唾液を投入。一瞬、ネロは驚いた。
あの品の良いブーディカが他人へ唾を垂らすという行為を、如何に閨での密か事とはいえ、こうもあっさりとするのか、と。そのことが不自然でないだけ、ブーディカは立香と愛を交わしたのだと。
(負けてはいられん)
ネロも同じように。
二人分の唾液が乳房と肉棒の間で満ち、少し乳肌を動かすだけでぬちゅぬちゅと卑猥な音を奏でた。
あっという間に三人の肌の熱に温まった唾液は混ざり合って粘液と化し、印象ががらりと変わった。
包み込む乳房は母性の象徴。肉棒を包まれるとやすらぎが勝り、湯に蕩けるように心地いい。思わず全身を弛緩させてやすらぎを全身で享受しようと意識も揺蕩うが、粘液が絡みつくとその肉感も相まって、捕食されているよう。
大きな質量の乳肉に押しつぶされ、粘液で溶かされ、内側の熱い精液を搾り取られるような印象に変わる。
ネロとブーディカに肉棒の全てを余すところなく包まれ、更に、
「こうか、ブーディカ?」
「うん。うまいうまい。その調子」
二人が上下に体を弾ませる。ネロの、調子を確かめるようなゆっくりとした動きにブーディカも合わせる。速度は同じ。このゆったりとした快感の起こりに相応しい調子だ。
が、動きは逆にする。ネロが上に弾めばブーディカは下へ。一瞬遅れてネロが沈めばブーディカが弾む。
決して一人でな敵わない不均衡な快感が、肉棒全体を襲う。
「うお、ほ、おお・・・・・・!」
パイズリの快感はそれほどではない。これのみで射精へ至ろうと思えば、如何にブーディカでも息が切れる。立香も腰を使って擦り付けねばならないが、この快感はなかなかだった。
敏感な部分に強い刺激ではない。寧ろじんわりと、肉棒の内側へ染み渡るような快さ。
「ん・・・・・・ふ、ん、ふ、ふ、ん・・・・・・」
「は、あ、・・・・・・あ、ふ、ふ、ん・・・・・・」
既に、ペニスに対しての感覚というものはないように思う。この柔らかさと温かさの前に、既にドロドロの肉塊になって溶けてしまったような気さえする。
崩れ落ちた肉に、快感が染みるように。ただただ心地いい。自分の性器が二人の乳房に消化されるまで、このまま浸っていたい気分だった。
「ふふ、見て、ごらんよ、ネロ、立香、気持ちよさそうだよ」
「お、おお、そうか、そうであろう・・・・・・余と、ブーディカがしているのだ。天上の、快楽であろう」
錯覚。この二人の風情、この二人の会話は、まるで母子のよう。
快さに脳の芯まで蕩けた立香に、錯覚と妄想が訪れる。ブーディカは母、ネロは娘、そして自分は、おそらく父にして愛人。母と娘の二人が自分に対して性の奉仕をしている。
それも、見る者を圧倒する美しさと質量を備えた乳房で、本来男を悦ばせるために存在しているわけではないそれを、淫らなご奉仕器官にしてしまって。
「あうう・・・・・・!」
ぐっと、危ういところで奥歯を噛んだ。尻穴を締めて堪える。
危うく、熱いものが駆け登ってきそうだった。あまりに背徳的な昂奮に、そのまま射精するところだった。
今はまだ、少しでも長くこの快感に浸っていたいのだ。
「可愛い・・・・・・君のその顔、一番好きだよ」
「うむ、余は初めて見たが、確かに良い。愛いぞ、マスター」
二人は、戦いの英霊である。機を見る能力は人類一の連中である。
実に息の合った様子でネロの挟む部分とブーディカの挟む部分を分け合い、動きがシンクロした。
ぱちゅ、と肉感のある肌のぶつかる音を立てながら、
ぬちゅ、とぬめった淫らな音を奏でる。
二人の体が同時に上下に弾み、ひたすらに柔らかく温かい乳房が肉棒を扱く。徐々にその速度が上がり、弱みを見せた立香を追い詰めていく。
「うあ、あっ、ああ・・・・・・!」
堪える。尻穴を締めて奥歯を噛み、こみ上げる射精感をなんとか無視して、この至福のひと時を一秒でも長らえるために、全身に力を込めて堪える。
「なにをそれほど耐えておるのだ」
「ネロ、それは言わないことだよ。男の子のことは、女のあたしたちに判らないことだってあるんだ」
吐息を弾ませて奉仕していた先ほどよりも、上下の弾みは早く勢いも強くなっているのに、二人は立香を観察する余裕がある。
「しかし解せぬ。一度限りの宴でもあるまいに、そうまで必死に堪えずともよかろう」
「そうだね、頼まれたら何度だって、ううん、頼まれなくたってこの顔が見たいから幾らでもしてあげるのに、そう一回一回を大事にされると、照れくさいよね」
止めである。ネロはともかく、ブーディカは立香がこんな時言われたい言葉がよく判っている。ネロの場合はただの天然である。天然の男殺し女泣かせなのだ。
「うはあ・・・・・・!」
こんな、身も心も蕩ける行為を何度でも、限りなく、幾夜でも。目も眩むばかりの栄光に、立香はとうとうギブアップした。
と、同時に二人もフィニッシュへ向けて。
「ふ、ふ・・・・・・!」
体全体を弾ませるのではなく、抱えた乳房だけを上下に素早く揺する。やはり肉棒に必要なのは摩擦である。それが激しさを増せば増すほど、射精へ向かう。
ダメ押しにあっさりと屈服した肉棒は、隙間さえなくみっちりと乳房に包まれたまま、精を放った。
「うむ!?」
「うん、元気がいい」
ネロは少し驚いた様子だったが、ブーディカは心得たもの。ぎゅっと包み込んだまま、最後の瞬間まで乳房で抱え込み、拍動する肉棒を抑え込む。
「あ、ああ・・・・・・!」
天上の心地。男の快感の終着を、柔らかな乳房に包まれたまま許され、褒めるようにゆっくりと撫でられる。
ぶびゅ、びゅっ、と二人の乳房の間で吐き出される精液が、その勢いで少し漏れているものの、密着した肉の塊で行き場を失っている。
「ふふ・・・・・・」
目には見えないものの、乳肌に打ち付けられる感触と熱さで、精液の量と濃さと勢いが判る。女として誇らしい瞬間でもある。ブーディカは母性を湛えた微笑で拍動の終わりを見届けて、尿道に残った部分を搾り取るために優しく上下に揺すった。
「ほ、ほほう・・・・・・」
少し戸惑いながらも、平素の立香に似合わぬ勢いと生臭さに感心するネロもまた、ブーディカに倣って残り汁を搾っていく。
「お、おほお・・・・・・!」
チューブの糊や歯磨き粉を搾るイメージが、立香の頭に浮かぶ。それほど貪欲に精液を搾る様子は、ブーディカとネロの愛情と気遣いに起因している。そのことが、立香の胸を熱くする。
射精後の倦怠感すら撥ねつける、男の使命感が漲った。
「ん、しょ・・・・・・」
射精を終えた肉棒を開放する。力を失ったペニスがぐにゃりと腹側へ曲がり、二人の乳房が露わになった。
白くまだらな精液化粧。べっとりと糸を引く濃厚な白濁液が、二人の谷間を汚していた。
「さすがは余のマスターだ。立ち上る生臭さだけで、頭が呆けるようだ」
「頑張ったね、立香。よしよし」
頭を撫でる代わりに、立香が喜ぶ行為を。乳房を擦り合わせて精液を弄ぶ。スライム上の粘液が潰れ、更に乳肌を汚していく。
「なるほど・・・・・・」
ネロは感心するものの、急ごしらえではブーディカほど艶めかしくは出来まい。そう察して、別の角度からアプローチを試みる。
「ブーディカよ」
少し待って、立香の喉が思わず鳴るほどブーディカの痴態に見惚れた頃、ゆっくりと押し倒した。
「ネ、ネロ・・・・・・!?」
「如何にマスターといえど、回復には時間が掛かろう。余と二人で、あやつの目を愉しませようではないか」
んむ、とブーディカの唇を奪う。
一瞬驚いたブーディカだったが、すぐにネロの口づけに応える。
「んちゅ、ちゅ・・・・・・ちゅぶ、ぶちゅ・・・・・・れうれ、う・・・・・・」
二十センチ以上の体格差でありながら、ネロはやはり押し倒す側がよく似合う。
この身長差は体格の違いではあるが、騎乗のクラスで召喚されただけあって、ブーディカは脚が長い。そのため顔の位置に合わせても、ネロの下腹部とブーディカの下腹部は近い。
唇を味わう二人は、立香の位置から見ると、露わになった性器を縦に並べ、蠱惑的に蠢く淫魔であった。
「へあ、れ、れ・・・・・・むっ、あ・・・・・・これ、ちょっとにおいが・・・・・・」
ブーディカが目尻の下がった顔でうわごとのように呟く。
二人の胸元から、立香の精液の匂いが立ち上ってくる。女同士の口づけの筈なのに、女同士では絶対にあり得ない臭気が脳を浸してくる。
なんと倒錯的なキスだろう。舐り合う舌すらも、愛しい男のそれであるかのよう。
「ん・・・・・・ちゅっ・・・・・・ん、んん・・・・・・」
もぞもぞ、と二人が体を擦りつけ合う。
体を灼く淫らな熱に耐えかねたように、乳房の谷間に満ちた精液を互いの肌に塗りたくり、疼いた体を少し慰めようと肌を擦り合わせる。
その間も、濃厚な口づけは止むことなく。
「ちゅべ、ぶ・・・・・・ちゅ、ず、ずず・・・・・・べろれろ・・・・・・」
ごくり、と思わず唾を呑む。
ぷっくりと膨らんだ陰唇が、淫らな蜜を滴らせながら互い違いに左右に揺れている。虫を誘う妖しい花の如く、花に這い寄る虫の如く。
「っぷは、あ・・・・・・ふ、もう回復したようだぞ」
ネロが首を回して立香を見遣る。
言葉通り、一度目とまったく遜色ないほどに角度を増した怒張を揺らしながら、立香が膝立ちで近寄ってきた。
「どれ、もう少し下がるか」
体をずらす。ブーディカの肉厚な小陰唇に、半分ほど口を開いた自らの蕾を押し当てた。
「さあ、マスター。どうすればいいかは判ろう。余は、そなたとブーディカの両方を独占したい」
仲間外れは嫌なのだ。するのも、されるのも。少なくとも、今、この場だけは。
ゆっくりと、二人の蕾の隙間を肉棒がこじ開けながら進む。
しとどに濡れそぼった二人の膣口は、それぞれが上下で吸い付きながら、肉棒を通過させる。ぴったりと密着した膣口をその硬さと太さで割り開きながら、奥へと。
下はブーディカの熱い体温。熟れた果実のように、旨そうな肉を湛えた、少し蒸れた媚肉。
上はネロの体温。華奢な体はブーディカより少し冷たく、だがきめの細かい肌は絹のよう。
「うあ、ああ・・・・・・!」
膣に挿入するのとはまた違った快さ。先端に少し感じる硬さは、どうやら勃起した二人の陰核らしい。
「んっ、んくう! こ、これ、結構・・・・・・!」
「ふああ! あっ、う、む、なかなか、だ・・・・・・!」
たった一度、二人の膣口に挟まれた隘路を進んだだけで、肉棒はべっとりと愛液をまとっている。敏感な膣口に対する摩擦係数は、最適にまで調整されている。
我知らず、立香は腰を動かした。
「うあ、あっ、あ、あく、あふっ、ん・・・・・・! んはあ! あ、あっ、あ・・・・・・あく、き、気持ちいい、よ、マスター・・・・・・!」
「ふ、んっ、ん、ん、んん、んっ、んん・・・・・・! お、おほお!? な、角度を、変え・・・・・・んひっ!」
膣という肉袋に包まれているわけではないから、腰の角度はある程度自由に変えられる。理屈ではなく、快感を貪る本能でそのことを察した立香は、上になったネロにより深い刺激を与えられるよう、腰を沈めた。
「ん、おっ、お、おほ、きゅいぃい・・・・・・! む、くく・・・・・・う、うっ、んは、あ!」
膣口は女の好きな部位である。性交時は前戯以外であまり味わえる快感ではなく、もっぱら自慰に用いる。それも指や道具でなぞる程度が関の山で、硬く熱い肉の棒で擦り上げられるのはさすがのネロも初めてである。
「んは、は、ぬふ、ふ、ひ、いひ・・・・・・! んむう・・・・・・! う、うくう・・・・・・!」
膣を抉られる鋭く分厚い快感ではないが、まとわりついた愛液を攪拌するほど激しい腰の動きは、ネロから愛らしくも艶やかな音色を引き出していく。
「あは、は、可愛いね、皇帝サマ」
ぎゅっと、ブーディカが快感に喘ぐネロを抱き締める。
それは、震える子を抱く母の仕草であったが、無意識に快感から逃れようと蠢く、か弱い女の逃げ場を塞ぐ所作でもあった。
「イっていいよ、ネロ・・・・・・」
優しく囁く。子供を寝かしつけるように、頬にキスまでして。
「んくぉおおお・・・・・・!」
そんな、いいようにされる悔しさを噛み締めるように、ネロは喉から嬌声を搾り出しながら絶頂した。
一瞬遅れて訪れる絶頂痙攣。最早自らの意思ではどうしようもない淫らな体の震えを、ブーディカの両腕が封じ込める。この快感は、爆発したところで出口などない。
「んお、ほ、ほ、う・・・・・・」
息も絶え絶えに、半分白目を剥いて軽く舌を出しながら、絶頂の甘い余韻に忘我する。
収まらないのは立香である。ネロを絶頂させた満足感もさることながら、この昂奮はもう歯止めが利かない。
ぐったりと荒い息を吐くネロを尻目に、今度はブーディカへ狙いを定めた。
「ん、んっ・・・・・・頑張る、ね・・・・・・でも、あたしのことは、気にしな・・・・・・いひっ!?」
ブーディカは下側である。そして立香の勃起は上向き。
ネロの場合は体の位置が勃起の角度に適していたから、少し腰つきの角度を変えるだけでよかった。しかしブーディカはどうしても接地面積が少なくなる。
そのため、ブーディカは持ち前の優しさと気遣いで、立香が気持ちいいだけに集中しろ、と口にしかけた。しかし、不意の快感に息を詰まらせた。
「くふう・・・・・・! う、んくっ、く、く・・・・・・んぁひっ! そ、そこ、は・・・・・・!」
倒れ込んだネロの体を利用して、腰を上げる。強制的に勃起は横を向き、蛇がのたうつように左右に腰を振って肉棒を動かし、ブーディカの陰核をピンポイントで刺激する。
「んっく、く、くう・・・・・・!」
喘ぎ声、という生易しいものではない。
ほんの数センチの突起が、硬く熱い肉棒の裏側でコリコリと弄ばれるたびに、全身を電流が貫いていく。その電流が馴染んで散っていく前に、新たな電流が走り抜ける。
鋭利過ぎる快感。頭を灼くような快感はブーディカのお姉さん然とした余裕を一瞬で剥ぎ取った。
「つ、つよすぎ・・・・・・いひぃ!」
最早、痛みと紙一重。快感電流に胸のあたりの筋肉が動かなくなったのか、呼吸さえおぼつかない。
普段の立香なら、ここで気遣って腰遣いを弱くして、クリトリスを優しく転がす程度に調整しただろうが、既に射精も視野に入れた情欲は、理性を溶かしきっている。
「は、は、は・・・・・・!」
もう、この刺激で絶頂したい。こんな女二人にたっぷりと、二度目の精を放ちたい。そんな欲望に突き動かされて、ブーディカの陰核を裏筋で擦りあげる。
「うあ、あ・・・・・・! だ、ダメ・・・・・・! む、く・・・・・・!」
全身が突っ張る。ネロを優しく抱き留めたのは既に別のブーディカだったよう。
縋るところを探して無意識に中空を彷徨った手は、全身を貫く快感に流されてベッドへ落ちる。シーツを握りしめて、絶頂痙攣に耐える。
それでも、腰は止まらない。
「・・・・・・っ!」
絶頂の上に更に快感を上塗りされる。
爆発した快感が、体に甘い痺れを広げる暇さえ与えられない。
「っ! く・・・・・・! う、うう・・・・・・うっ! ・・・・・・!」
こうなると、女は哀れな肉の塊に過ぎない。
ただただ、クリトリスから走る外イキに震えるしかない。
「は、あ・・・・・・!」
いったい何度、絶頂を繰り返しただろう。時間にすればおそらく二分程度だったのだろうが、ブーディカは大小を問わず、小さな絶頂を二秒ごとに繰り返していた。
「んむう・・・・・・!」
既に拷問に近い。あまりにも甘美な拷問にとうに呼吸が止まり、意識が遠くなる。膣口から、黄色い液体がチョロチョロと漏れ出した。
「ば、は・・・・・・!」
最後の仕上げのように、クリトリスが上から下まで一気に擦られる。そのひと際強い快感に視界が真っ白になった時、ネロの手によって首を反らされた。
顔に感じる熱い液体の感触。随分遠く聞こえるが、なにやらネロのはしゃぐ声も聞こえた気がした。
そこで、意識が途切れた。まるで首を絞められたように失禁し、全身をぐにゃりと弛緩させて気絶した。
「ちとやり過ぎではないか?」
美の女神と競うほどの美貌に、無遠慮に注がれた生臭い精液を指で掬い取りながら、ネロは苦笑した。
「は、あ・・・・・・」
立香も精根尽き果てたように、尻もちをついて荒い息を吐いている。
(なかなかの性豪・・・・・・これはうかうかすると余とブーディカだけで収まらぬかも)
立香に並々ならぬ感情を抱く英霊は少なくない。この精力なら、それらの相手も務まろう。踏み止まらせるには、自分たちで虜にしたまま、放さぬしか方はない。
「うむ、余には不可能ではあるまい。そこにブーディカも加わる鉄壁の布陣よ。マスターの性欲なにするものぞ。この身と心で受け止めれば、そのうちに余は真の花嫁となろう!
ブーディカだけは余の隣に立つことを許す。他の女は、さすがに嫌だぞ、マスター」
純白の皇帝は、白く生臭い液体を顔にへばりつかせたまま、それでも楽しそうに笑った。