※この作品はR-18です。

FGOエロ小説まとめ   作:お一

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pixivリクエストにてご依頼いただきました、カルデアの女性英霊がさらわれ、取り戻すために風俗特異点にフェルグスと挑む、という内容のエロ小説です


〇風俗特異点 さらわれた女英霊たちを取り戻せ!

 異変は突然起こった。

 藤丸立香が目を覚ました時には、既にカルデアは大わらわで、原因究明に職員が走り回っていた。

 カルデアの女性英霊が全て消えたのだ。一夜にして、忽然と。

「どうも強制的に転移させられたらしい」

 半日経って、ダ・ヴィンチが言った。

 これまでの特異点において、立香に力を貸した英霊たちに対してそういうことが行われた形跡があった。それは言ってしまえば、退去せずにカルデアに残った英霊たち全員なのだが、その中の性別が女に分けられる者にのみ、本人の意思を無視して転移が行われたという。

「そんなことが」 

 あり得るのか、と。ダ・ヴィンチは首を振った。

「普通はないね。相手が神霊でも難しい。が、現実はそれが確かに起こったということと、取り戻す方法が判ったってことだけだ」

 立香の表情が明るくなる。代弁するようにマシュが訊ねた。

「取り戻すというのは、どのようにですか?」

「う~ん、マシュにはちょっと言いづらいな。まあ、いずれ知ることになるだろうからこの手の話題からあんまり遠ざけてもよくないけど、マシュは今回お休みなことは先に伝えておくよ」

 珍しく、特異点に転移する前にその特異点を形作るルールと、制限が判った。

「制限?」

「今回のは一応微小な特異点ではある。知っての通り、特異点は通常のルールでは組み上がってない。それを作った者が、それを望まない者を弾くために制限を設けている。

 もちろんこれはフィフティフィフティにならなきゃいけない。ルールが強ければ、向こうにも制限が掛かる。そうしないと歪むからね、そして歪みは抑止力の修正を受ける。受けないようにするには、攻略する者とされる者が、対等でなくっちゃいけない。

 先立ってルールを開示するのが、今回は向こうの強い制限らしい。

「頷ける話だ。特性を先に明かすということは、それ自体が強いリスクになる。極端に言えば、情報開示は攻略されることが前提ですらある。それくらいのリスクなら、こちらの英霊を強制的に転移させて戻らないようにする、くらいは出来るかもしれない」

 その先に、更に条件がある。

「あらゆる戦闘行為の禁止、および生命を殺傷し得る物の携帯不可。向こうではこちらもあちらも、一切攻撃が出来なくなる。宝具の使用は、例外を除いて不可能だろう」

 悩ましいところである。攻略に派遣される英霊は、慎重に選ばねばならない。

「今回、レイシフトさせられるのも立香くんの他は一名だけということになる。じゃあ、オーダーを発令しよう」

 こほん、とダ・ヴィンチは一度咳ばらいをして、それほど真剣でない表情で続けた。

「風俗特異点から仲間をお持ち帰りせよ!」

 小難しい条件だの制限だのの説明が続いたが、要するにこうである。

 女性のサーヴァントたちが特異点に攫われ、そこにレイシフトして満足させられた者だけが帰還させられる。満足とは、性行為の最中にのみ生じる満足感を指し、それが一定以上を満たせばカルデアに帰還させられる。

 レイシフトが可能なのは立香ともう一人だけ。特異点の大きさはホテルのような建物のみ。一度の滞在時間は最長でも四時間。それ以降は一度カルデアに帰還しなければならない。

「いつにもましてトンチキな・・・・・・」

「うんうん、まったくだ。私もそう思うよ。でも本当にこういう構造なんだから仕方ない。むしろ、なにかの足止めのために作られた特異点だと仮定すればこれ以上はちょっとないかもしれないってくらい、よく出来てる」

 意図は判らないけどね、とダ・ヴィンチは言うが、確かにそうだ。

 攻略されることが前提で、人数が多く、一度に救える数にも限りがあり、時間制限まであるとなればこれ以上の足止めはない。

「なにかある、ってこと?」

「いや、判らない。まあ迅速に行こうってことさ。なんにしても今回の特異点、変に気負うと頭を空っぽにしていくよりもたつくかもしれない。生命に危険はないにしても、生命を繁栄させる行為にトラウマを負うことはあり得る。用心しながら楽しんでおいで」

 ぽん、と肩を叩いてコフィンへ送られる。

 未成年ではそういう店の経験もないが、社会経験ではあるかもしれない。そしてこの話の流れから言えば、確実に、

(誰か、っていうより全員と・・・・・・)

 召喚に応じてくれた英霊たちを思い出す。彼女らとそういう行為をして、満足させることが目的なのだ。自然と頬が熱くなるし胸が高鳴る。

 そして、次に目を開けた時は薄暗いエントランスだった。

 受付のようなものはなく、奥に両開きの扉があり、雰囲気作りの間接照明があるだけのシンプルなエントランス。扉の脇には背もたれのない簡易ソファと小さなテーブルが置かれている。まずなにをすべきかと悩んだところに、

「おお、これで選ぶようだぞ、マスター!」

 その声で気がついた。今回の特異点攻略のための相棒が既にテーブルの上のカタログを広げていた。

 フェルグス・マックロイ。ケルトの大英雄であり、並みの女なら彼の相手をするには十人でも足りないという精剛である。

「た、確かにこれ以上ない人選だけれども・・・・・・」

 少し、不満はある。というより不安が大きい。

 別に女性のサーヴァントたちを自分のものだと思ったことはないし、今回もこういう事態になりはしたものの、邪心を持ってはいない。

 しかしもしも、彼の大英雄との交わりと比較されて、彼女らが自分に抱いている信頼感や安心感のようなものが損なわれてしまったら。

「む? どうしたのだ、マスター。ははあ、さては尻込みをしているのだな。なに、案ずることはない。俺がついているしマスターも立派な男だ。得体の知れぬ女ならまだしもカルデアの英霊たちではないか。

 罠であっても楽しめばよい。俺はそうするつもりだ」

 豪快な男は逞しい筋肉を揺らすように笑い、立香の背中を少し強く叩く。

 質実剛健たるケルトの男を体現したような男に、立香の不安は判るまい。しかし、勇気づけられるのも事実だ。

「いこう、フェルグス」

「うむ、その意気だ」

 叔父が若い甥にするように、もう一度肩を叩いてやる。

 しかし、いこうと言ってもどうするものか。そういえば、とフェルグスが開いていたカタログが目に留まった。

「これは?」

「おお、そのことだ。どうやらそこから選ぶらしいぞ。俺はもう選んだ。マスターは誰にするのだ?」

 細かいことを気にしない男だから、いちいち指示を待ったりしない。自分が最善だと思えば先んじて選ぶくらいのことは平気である。

「あ・・・・・・」

 選ぶ基準はいくつもあるのだろう。

 カルデアにとって最優先で取り戻さねばならない英霊たち。神霊のような強力な者はもちろん、救出が遅れて敵に取り込まれでもすれば困る類の、切り札を持つ者たち。いくらでも悩める。

 が、この感覚はなんだろうか。その名と写真を見た瞬間に、それ以外考えられなくなった。そして自分の中で意思が固まると、それが選んだということになるらしい。

 受理、という判子が写真に押され、一人でに閉じていく。

「来たようだぞ」

 フェルグスの視線を追うと、扉が開くところだった。

「あ・・・・・・」

 光り輝いて見えたのは、若さだろうか。

 確かに薄暗いロビーと裏腹に、扉の向こうの廊下は通常照明らしく眩しく思えたが、それにしても扉から出てきた三人の神々しさはどういうことだろう。

 これが、機能までカルデアで会話を交わしていた戦友たちだろうか。自分が手の届く女というのは、こうも美しく輝いて見えるものなのか。

「ふむ、てっきりマスター一人かと思っていたがお前も一緒か、フェルグス」

「わはは、姐さんに相手をしてもらえるまたとない機会だ。戦力としても、真っ先にカルデアにお帰りいただきたいのでな、よろしく頼もう」

 いつもの戦闘装束のスカサハが、呆れたようにため息を吐いた。

 その隣で、胸元を大きく開き、甲冑を排した姿のランサー・アルトリアが少しおどおどしている。

「マスターが相手では・・・・・・ないようですね、赤枝の大英雄殿」

「おお、そのことだ。聖槍の騎士王。俺の目から見ても、姐さんと貴女は一刻も早く取り戻しておくべき英霊だ。しかしマスターは年若は置いておいても初心だからな、二人の相手はちと荷が重い。俺が二人を取り戻すべきだと、こう考えたわけだ」

 無論、自分の好みもあるが、と豪快に笑う。さすがはケルト・アルスター時代の大英雄である。王の経験もあるフェルグスは、女のことであっても自分を最優先にはせず、きちんと大局を考えられる。

 それに比べて、自分はときめいた相手を選んでしまった。男としての格の違いを見せつけられた気分で、少し落ち込んだ。

「顔を上げるのだ、立香。如何な英霊も初陣まではただの素人。それは戦場も女も変わりない。お前はこれから知って、大きくなれば良いのだ。さ、顔を上げてお前が選んだ女を見てやれ」

 大きな手で肩を叩かれて、ようやく顔を上げた。

 そこに、

「あはは、こんなことになっちゃって、また面倒を掛けるね、マスター」

 他の英霊とは違う経緯でカルデアに寄食している英霊、宮本武蔵が気まずそうに頬を掻いた。

「む、武蔵ちゃん、その・・・・・・よろしく、お願いします・・・・・・」

「ああ、いや・・・・・・こ、こちらこそ・・・・・・」

 顔を真っ赤にして、お互いに頭を下げ合う二人。初々しく微笑ましい光景に、三人の頬も緩む。

「さて、ではいくかフェルグス。私情は抜きだ。お前と寝るなど業腹だがそうも言っていられまい」

「うむ、参ろうか、姐さん。騎士王は俺の手を取りなさい。佳い女の初陣は華々しくあらねばならん」

「こう、でしょうか・・・・・・よろしく引き回し願います、フェルグス殿」

 空いたもう片方の腕をスカサハの肩に回そうとしたが、すかさず手を叩かれたばかりか脇腹に肘鉄までもらってしまったので諦める。

 修業時代、スカサハの寝所に忍び込もうとして死にかけた経験もある。それは諦めた。

「ではマスター、後でな。戦や計略とは思わず、良い夜にするのだ。そうでなければ、女に失礼だからな」

 夜遊びのコツを甥に教える悪い叔父のような笑いで、フェルグスは奥へ消えていった。

「じゃ、じゃあ、いこっか・・・・・・」

 武蔵の頬も赤い。男も女も好きな性質だが、こと色恋や閨事となると弱い。とても英霊とは思えないほどぎこちない所作を見て、立香は気を引き締める。

 不慣れなのは自分だけではないのだ。導いてやらねばならない。

「よろしく、武蔵ちゃん・・・・・・」

 決意とは裏腹に、上擦った声で手を差し出し、繋ぎ合って開いた扉の奥へ向かった。

 

 

 

 通された部屋は、簡素そのものと言ってよかった。

 六畳ほどの広さの部屋の壁際にダブルベッドがあり、ティッシュ箱やローションといった、行為に使う道具が壁掛けの棚に並べられているだけの部屋。そこは正に、行為をするだけの部屋だった。

「・・・・・・あ・・・・・・」

 喉が渇いた。

 喉の筋肉が引きつったように声が出ない。無理やり発声してみても、自分のものかと思うほど裏返り、上擦った声ばかり出る。

 緊張している。心臓が耳の隣にあるように鼓動がうるさい。呼吸が自然と早く浅くなり、目の端の景色が歪んでいるような気さえした。

「あ、と・・・・・・」

 立香ほどではないにしろ、武蔵も同種の緊張を拭えないでいる。硬直した立香とは対照的に、こちらは忙しなく視線をさまよわせ、指先で毛先を丸めたり、意味もなく足首を撫でたりして落ち着かない。

 二人がとにかく事に挑まねば話にならない、という使命感でベッドの上に向い合わせで座ったはいいものの、もう十分以上この調子である。

 宮本武蔵は言うまでもなく処女。異なる次元の流浪人たる彼女は、立香の史実の人と同様に生涯異性を近づけず、剣を極めることのみに没頭した。そのために禅の文化や彫刻、書道などにも精通したが、こと色事に関しては町娘にも劣る。

 立香が何故自分を初めての相手に選んだのかは判らないが、まあ悪い気はしていない。少なくとも虹霓剣の英雄が選んだあの二人より優先して選んでもらったに違いない。

(あんな超絶美女二人と比較して私だもんねぇ・・・・・・)

 なにやら面映ゆい気分で、自然と頬が緩む。

 ちらり、と立香を見るとまだ緊張のピークのようで、とてもめくるめく男女の仲になるとは思えない。

 リードしてやりたいところだが心得がない。

(う、んと・・・・・・)

 どうすべきか考えても、心得がないので判らない。そうこうしているうちに二十分が過ぎようとしている。

 当然だが風俗だから時間制限がある。一二〇分だからまだまだあるようだが、風俗の二時間は短いというのが遊び通の間の定説である。意外とあっという間だ。当然、二人して緊張で手をこまねいている時間などない。

「ねえ、マスター?」

「ひゃ、ひゃい・・・・・・!」

 裏返った声で返事をする立香に吹き出すのを堪えながら、

「隣の様子、見てみない・・・・・・?」

「え、隣?」

「出歯亀で行儀が悪いけど、あっちの色男はこっちより遥かに手馴れてるし、ちょっと覗いてみて、勉強したらいいんじゃないかな、なんて・・・・・・」

 いつの時代でもそうだが、男女の行為を盗み見るなど褒められたことではない。一人前の侍なら怒り出すほど卑劣な行為だが、武蔵はそこを曲げて提案している。

 日本人として、そういう考え方を汲み取れない立香ではない。忘れていたが、ここが特異点である以上、対策を立てずに挑むということは灯りのない海へ小舟で漕ぎ出すようなものなのだ。

「わ、わかった、いこう・・・・・・!」

 号令だけは自分が。そうすることで、武蔵の責と恥を軽くしてやる。男として、マスターとして、最低限の礼儀である。

「ありがと、マスター」

 そんな心遣いはきちんと伝わって、武蔵は立香と手を繋いで一旦外へ出る。廊下に出るが、部屋は向かいのと合わせて二つしかない。扉を少し開けて、二人は泥棒のように屈んだ。

「は・・・・・・は、あ・・・・・・はあ・・・・・・!」

 荒い息遣い。薄明りの向こうで、白いものが踊っている。

 パンパン、と肉に肉を打ちつける高く軽快な音がリズミカルに響いている。

「あ・・・・・・」

 二人して、はっきりとその姿を捉えずとも中でどんなことが行われているのかを察し、一瞬で顔を真っ赤にした。

 が、視線は外さない。外さないどころか、見えやすいように少しぶつかりながら覗き見のポジションを整えて、一つの生き物のように絡み合う三人の姿を見た。

「ふ、う・・・・・・! く、んっ・・・・・・んん、う・・・・・・!」

 場所と状況を把握していなければ苦しみの喘ぎかと思っただろう。しかし、苦悶に似た吐息にはかすかに甘い声音が含まれていて、その声だけで立香の下半身は硬くなった。

 スカサハである。

 あの少し低音の、しかし本当に人間の声なのかと疑いたくなるほど澄んだ美しい声が、いま堪え切れない快感に喘いでいる。多少、不服そうなのは相手が不満だからだろうか。

 膝立ちになったフェルグスに、後ろから突かれて喉を反った。

「あ、はっ・・・・・・あ、く・・・・・・んぐ、う・・・・・・ふ、う・・・・・・くふう・・・・・・!」

 それでも、やはり女ということなのか。

 絶えることない腰遣いに快感を引き出されて、あのスカサハが高みへ登らされていく。

「あ、はっ・・・・・・! あ、あっく、んん・・・・・・ふうふう・・・・・・うっ、く・・・・・・くく・・・・・・うう・・・・・・くあ、は・・・・・・はあっ・・・・・・ああ・・・・・・!」

 段々と、声に切迫感が混じっていく。

 視線が縫い留められたような二人に、立香と武蔵に盗み見られていることにも気づかず、スカサハは耐えかねたように上体を崩し、それでもなんとか抗おうと肘で姿勢を支え、瞳と同じワインレッドの髪を振り乱す。

「あ、あっ、あ・・・・・・っ、は・・・・・・あ、ああ・・・・・・うああ・・・・・・!」

 美しい。思わず感嘆の吐息が漏れそうなほど、スカサハの絶頂姿は美しかった。

 背中が描く曲線は女豹に似て、薄明りに浮かぶシルエットはこの世のものとも思えず美しい。ピン、と全身を突っ張って硬直し、頭を持ち上げた姿は普段のスカサハからすれば無様かもしれないが、それだけにそそる。

 見惚れた。隣に、自分が運命的なトキメキを感じて選んだ武蔵が居ることも忘れて見入った。

「ちゅむ、ちゅぷう・・・・・・!」

 だからだろうか。フェルグスを重なり合ったもう一つのシルエットに気がつかなかったのは。

「ああ、旦那さま・・・・・・そんな・・・・・・」

 まるで別人のような、甘ったるい声音で囁きながら唇を吸われているランサー・アルトリア。スカサハにするよりも前に、フェルグスに抱かれたのだろう。

 彼女のスカサハよりも起伏に富んだ体には汗が浮かび、スカサハにも負けない白い肌がほんのりと赤く紅潮している。

 目が、夢を見るようにとろんと蕩け、腰を抱くフェルグスに逆らわず、それどころか自分からぴったりと体を押し付けて為すがままに唇を吸われている。

 いったい、なにをどうすればあの気高い聖槍の騎士王を蕩けさせることが出来るのか。男としての格の違いを見せつけられた気分だったが、それ以上に、あの二人のギャップに昂った。

「アルトリア、次はおまえがしてみせなさい」

 フェルグスの声音も、別人のよう。

 低く太いいつもの調子ではない。蕩け切った女に哀れを見せる、男の優しさに満ちている。

 ランサー・アルトリアは脚を引き摺るようにして一旦、フェルグスから離れる。それで気がついた。

 彼女はもう、腰砕けになるほど激しく抱かれ、めくるめく女の悦びを初心な体に刻まれてしまっているのだ。その休憩の暇を与えるために、スカサハが彼の相手をしていたのだ。

 スカサハから身を離したフェルグスの上に、ランサー・アルトリアが跨る。

 いつもの、ドゥン・スタリオンに跨る勇壮な姿ではない。目の奥にハートマークでも浮かんでいそうなほど蕩け、緩んだ表情で見下ろす姿は、女の媚態そのものだった。

 フェルグスの両手でも余るほどの乳房を揺らしながら、未だその固さも大きさも角度も衰えないものを自らの秘部に宛がう。

「ふん・・・・・・調子に乗る・・・・・・」

 と、不満げに鼻を鳴らし、舌打ちまでしながらベッドを下りるスカサハ。さすがは戦士としてフェルグスの遥か先を行き、女としても歴戦のスカサハである。体の満足は得ても、初心な小娘のように篭絡はされていないらしい。

「やはりお前ではな・・・・・・選べるのならやはりマスターがよかったか」

「そう言うな、姐さん。姐さんが相手ではマスターが干乾びる。それで、戻れそうか?」

「む・・・・・・ふむ、気に入らんが戻れるようだな。少なくとも四人では出られるだろう。あの剣豪も共にかどうかはマスター次第だが」

 股の間から、ボタボタと重たい粘液を落としながらスカサハがベッドを下りて立ち、傍の棚から水差しを取り上げた。

 コップに次いだ水を喉に流し込みながら、ちらり、と入り口を見遣る。

「あ、やっぱり・・・・・・」

 バレたか、と武蔵が身を引いた。

 スカサハは不敵ににやりと笑っているが、侍としてあまりに無様な格好を今更に思い出して、武蔵は廊下の真ん中辺りまで戻った。

 が、立香はまだ目が離せない。

「こちらを・・・・・・」

 と、スカサハと余裕で言葉を交わす姿に悋気を病んだのか、ランサー・アルトリアがその両手でフェルグスの顔を挟んで自分に向けさせ、上下に体を弾ませる。

 これもまた、言葉に出来ないほどの美しさ。

 カルデアでも目を引く巨大な乳房が激しく揺れ、汗の雫が舞ってきらきらと輝く。

「う、ふ・・・・・・! く、う・・・・・・!」

 彼女の体格には大きいのか、それともこの夜に男を知った膣は馴染んでいないのか、少し苦しい吐息を漏らしながら、それでも腰の動きは緩めず、それどころか激しくなっていく。

「あふ、う・・・・・・! くう・・・・・・!」

 彼女がそれほど腰を振るのは、自分の快感のためではないだろう。おそらくは無垢であった彼女の体に快感を刻んだ男を、お返しに悦ばせるための奉仕なのだ。

 傍から見ているだけの立香にも、そんなことが容易に察せられるほど健気で献身的な腰遣いであった。

 胸が締め付けられる思い。これは、なんの感情なのか。扉の向こうの三人は、昨日までカルデアで共に戦い、共に笑い、時に悲しんだ戦友たちなのに、自分だけ取り残された気分。

 こんな薄い扉と壁が、無間の闇かの如く自分と三人を隔てている。

「・・・・・・」

 ふと、袖を引かれた。

 自分が誰と一緒にいるのかをようやく思い出して、立香は扉から離れた。

 廊下の真ん中に戻って武蔵の表情を盗み見ると、拗ねたような表情で目を逸らしていた。袖はまだ引いたままである。自分で選んだ相手をほったらかしにして、選ばなかった相手に見惚れていたことに反省しながら、部屋へ戻る。

 無言だった。

 が、二人してベッドに座るとそこからは早かった。

「むちゅう・・・・・・!」

 言葉もなく、互いの唇に吸い付く。

 たった数分前、同じ場所でさんざんに躊躇していたのが嘘のようにキスをした。

 あの三人の行為の熱に中てられたのは間違いないが、それ以上に武蔵には妬心がある。せっかく自分を選んだ、この勇ましくも愛らしい少年が自分以外に見惚れて、あろうことか自分を忘れて見入っていたのだ。

 女としても武人としても、なかなかの屈辱である。この少年を力ずくでも振り向かせずしてなにが侍か、なにが女か。立香を取り戻すためには躊躇など吹き飛んでいた。

 立香にしても、やはり手に入らない女より手中の女である。これは男として仕方のない感性だろう。しかもその相手が自分で運命的な鼓動を感じて選んだ女なのだから猶更である。

 しかも、三人に対して感じた隔たりの原因も、きちんと判っている。行為に熱中できる大人の感性があの三人との明確な違い。同じ行為を経て隣に並べば、また連帯感も生まれよう。

 古来、兵士たちは同じ宿を取って女と遊べば、不思議と連携力が増すという。その類の連帯が生まれるに違いない。

「ちゅぶ、ちゅむ・・・・・・ちゅ・・・・・・れうれう・・・・・・」

 重ねた唇を小刻みに吸い合い、そのくすぐったい嬉しさを味わう。

 不思議なものだ。言葉を話し、食べ物を食らい、息をする。生まれてから一度も休ませたことのない口唇という器官を、互いに重ね合わせるというだけのことがどうしてこう心を動かすのか。

 目を閉じて、唇の感触に集中する。武蔵の唇はぷるんと潤って柔らかく、この感触を吸うだけでも楽しい。

 が、お互いの感情の高まりは、相手を求める情動はキスだけでは収まらない。どちらともなく舌を出して、絡め合う。

「べ・・・・・・え・・・・・・れう・・・・・・え・・・・・・れ・・・・・・」

 唾液を乗せた舌が絡む。混ざり合った二人の唾液が溢れ出してぽたぽたと胸元へ落ちる。

 それがなんだか勿体ない気分で、二人は唇を開きながら吸い付き合う。

「ちゅぶ・・・・・・れ・・・・・・ぶちゅ、ちゅ・・・・・・れ、じゅ・・・・・・じゅ・・・・・・ぷう・・・・・・!」

 唾液を送り、吸う。性行為以外では絶対に自分の唾液を他人に送ることなどないのだが、行為中にしてみるとなんと昂るものか。

 特に味はない。お互いの口臭らしきものが鼻の奥へ抜けるような気もするが、基本的には感触だけのもの。しかしそれを、喉を鳴らして飲み込むとまるでアルコールが通ったように熱くなる。

 彼の唾液を、彼女の唾液を、己の体に取り込む。それだけのことが、どうしてこうも胸を高鳴らせるのか。

「んう・・・・・・!」

 お互いに堪らなくなって、武蔵は立香の首に腕を回し、立香は武蔵の胸へ手を伸ばす。胸元を開いた戦装束はひどく簡単に立香の侵入を許す。

 上からカップの隙間に手を忍ばせ、ズリ下ろせばそれだけで乳房が露わになった。

 スカサハやランサー・アルトリアには及ばないかもしれないが、ぷるんと実った形のいい乳房。男を知らない可憐な薄桃色の先端がフライング気味に硬く屹立し、紅潮した乳肌が立香を待っていた。

「ちゅ、む・・・・・・ん、う・・・・・・ちゅぶちゅむ、ちゅ・・・・・・ん・・・・・・!」

 体を寄せ合い、頭を接しているから、腕は窮屈に畳んでいる。その状態で胸をまさぐってみても、効果的な愛撫にはならない。

 しかし、溶けあうような体温が、一度も使ったことのない乳房に触れているだけで頭の奥が痺れる気分である。

「むちゅ、う・・・・・・ちゅぶ、べ・・・・・・れう・・・・・・ちゅぷう・・・・・・!」

 思う存分にこの乳房を揉みしだきたいが、キスも止めたくはない。このあまりにも甘美な行為を中断するのは罪深いようにさえ思うが、かといって乳房を好き放題にしたいという衝動も弱まらない。

 ジレンマが、行為をより激しくする。

 貪るように互いの唇と舌を吸い合い、唾液を啜り取っては混ぜ合って送り合う。お互いの口元や胸元が無様に照り光った頃に、ようやく二人は身を離した。

「は、あ・・・・・・は・・・・・・!」

 互いに呼吸が荒い。キスの激しさによるものでもあるが、それ以上に昂奮している。

 立香の下半身の膨らみは、ズボンを突き破らんばかりだったし、武蔵の方も、

「・・・・・・」

 裾をたくし上げて下帯の紐を解く。

 立香は確かに見た。

 真っ白い晒し布が黒く染みを作り、武蔵の秘部との間に粘っこい糸を引いたのを。

「・・・・・・ね、マスター・・・・・・そろそろ・・・・・・」

 誘われずとも、その光景に脳を焼かれた立香は本能の獣となった。

 武蔵を押し倒し、乱暴に自らの下衣と下着を剥いで怒張を露わにする。若々しく天井を向いたそれに、武蔵は目を奪われた。

(でっか・・・・・・! お、男の人のって、あんななるの・・・・・・?)

 この点、如何に勇名を馳せた剣豪であろうと未通娘には違いない。平凡な感想ではあるが、自分の穴にあんな太く長い棒が入るものだろうかと不安になる。

「武蔵ちゃん・・・・・・!」

 一方、男の方には観察する余裕などありはしない。

 頭の中は受け入れ態勢に入っているこの目の前のメスを逃がさないことでいっぱいである。珍しく獣のように血走った目が、武蔵を怯ませた。

 が、逃げる武蔵ではない。勝てない勝負は戦わない主義ではあるが、これは別に勝負ではないのだ。腰が逃げそうになるのを抑え込んで、じっとその瞬間を待つ。

 先端が、少し開いた膣口に添えられる。溢れた愛液で滑るから、カリ首の辺りを飲み込ませるまで片手で支えてやる。

 先端が膣口に忍び込むと、ゆっくりと、しかし力強く腰を押し込んでいく。

「ふ、ぐ・・・・・・う・・・・・・!」

 初めての異物感と圧迫感に、吐息と共に思わず声が漏れた。

 未だ何物も押し入ったことのない秘められた穴に、硬く熱い肉の棒が侵入してくる。

 処女とはいえ、あの三人の熱のこもった行為を見せつけられたおかげで、意外にも膣は解れていた。未通故の、狭まった膣はミチミチと音のするような締まりを見せながらも、割り入ってくる肉棒を受け入れる。

「あ、く・・・・・・!」

 立香にしても、刺激が強い。

 自分の熱く滾ったそれよりも更に熱く、粘液を満たした蜜壺。深いおうとつの刻まれたその場所に最も敏感な場所を潜らせる快感は、まったく未体験のもの。

 気を抜くと熱いものがこみ上げてきそうだ。持てる限りの知識を総動員して、大きく鼻で息を吸い、全身を弛緩させる。

 副交感神経を優位にさせなければ、射精を堪えることは出来ない。どこかで仕入れたそんな知識で、この素晴らしい瞬間を一秒でも長く続けさせる。

「う、く・・・・・・!」

 ベッドシーツを握りしめ、足を開いた無様な姿勢のまま耐える武蔵。

 今のところ、快感のようなものはほんの僅か。砂漠に一粒、金剛石の欠片があるような。しかし満たされていく感覚はある。生まれてから今日まで欠けていたものが埋まる感覚は、未体験の幸福感を持っていた。

 その感覚に戸惑いながら、立香の腰が止まったことに気がついた。

 噂に聞いた窄まり。個人差はあるものの、左右から伸びた粘膜が繋がって防壁のような幕を形成しているのだろう。

 そこを、貫かれる。どんな痛みなのかは想像もつかないが、今はそのことへの恐れよりも期待感がある。

 この、雄々しく覆いかぶさる少年によって自分は女となる。そのことへの大きな期待が。

「痛がっても、止めたりしないでね。最後までやっちゃって・・・・・・!」

 いつもの明るく弾んだ調子が、立香から躊躇を消し去った。

 女の覚悟を汲み取って、両手で腰を掴み、せめて僅かでも痛みが和らぐように一気に貫いた。

「う、は・・・・・・!」

 ずん、と衝撃が走った。体を揺らすほどの激しい挿入は武蔵の処女膜を破り、勢い余っていきなり最奥にまで貫いた。

 痛みは、思ったほどない。鍛錬に死合いにと、武に酷使した武蔵の体は体の内側まで柔軟に強靭に育っていたのか、或いは生来の膜の柔軟性故なのか。破瓜の血が一滴、肉棒を伝ってシーツに落ちたが、それだけだった。

「だい・・・・・・」

 じょうぶだろうか、と声を掛けようとした立香の唇に人差し指を当てる。腕を回して立香の首に抱きついて、足を更に開いて立香を迎える体勢を取った。

 所作は言葉以上に思いを伝える。

 立香は武蔵の気遣いと真心を汲み取って、体重を掛けながら武蔵の体を抱いた。

「ん・・・・・・ふ、う・・・・・・!」

 武蔵の奥は、まだ馴染んでいない。というより、初めて受け入れた異物に対しての戸惑いが残っており、それ故か排除するために窄まっていく。

 当然それは膣奥の強い締め付けとなり、肉棒の先端に向かって膣襞を絡ませることとなる。

 その初々しい締め付けは処女特有のものかもしれない。立香は立ち上る甘い快感を奥歯で堪えながら、ゆっくりとだが力強いピストンを始めた。

 武蔵を気遣うなら、早く終わらせる方がいいのかもしれない。しかし、初めて女と繋がったこの達成感と多幸感をすんなり終わらせるのはあまりにも惜しい。

 射精を限界まで堪えながら、ぎこちなく腰を使う。

「ん・・・・・・は、あ・・・・・・あ・・・・・・んく・・・・・・!」

 女から快感を引き出すための腰遣いではない。かといって自分だけが気持ち良くなる動きでもない。初めての行為に戸惑いながら、それでも溢れる愛しさを表現しようという足掻きだった。

 それが、女としても嬉しい。

 この幸せのあまり、締め殺してしまわないように気をつけながら強く立香を抱き締める。

 自分の胸板で潰れる武蔵の乳房。熱くなった二人の体が溶け合っていくような感覚。接した肌に浮かんだ汗が混ざり合う。

(これが・・・・・・!)

 一つの生き物になるという感覚なのか、と立香は感動した。

 一つになる、という表現は比喩ではなかったのだ。現に自分はいま、武蔵と一つの生き物になっているではないか。女には穴があって男にはそれを埋める棒がある。当たり前のことなのだ。生き物は雌雄で一つになるために生まれてきたのだ。

 そんな実感は、本能的に結論を一つ導き出す。ふたたび離れるとしたら、それはどんな条件か。

「は・・・・・・あ・・・・・・は・・・・・・!」

 荒い息遣いで、夢中で腰を振りながら、その瞬間が近いことを感じ取る。

 決まっている。自分の熱いものを、女の一番奥に捧げ切った瞬間こそその瞬間である。一つになった生命がふたたび二つに分かれ、そして新しい生命を宿す。

 生命の環は、そのまま生命が生まれた意味でもある。初めての行為だから、余念もなく真理に辿り着いた。

「産んで、武蔵ちゃん・・・・・・!」

 それは、この場に相応しい言葉だろうか。愛の告白さえもすっ飛ばして、こんな、誰かに用意された狭い部屋と機会で紡ぐには、負担も衝撃も大きい宣言だろう。

 しかし武蔵もまた、そんな大胆な告白を受けたのは初めてだ。胸に感じるどうしようもないほどのときめきに従って、

「うん・・・・・・うん・・・・・・! 産ませて・・・・・・産めるように・・・・・・!」

 耳元で囁き、やがてそれは叫びに変わった。

 女は男に比べて冷静なのかもしれない。この求めは切迫してはいるもののこの場の激情だと判ってもいる。しかし、そう判っていてもこの欲求は否定しようがない。今この瞬間は、武を捨ててでもこの男の子を産みたくなっている。

「は、あ・・・・・・!」

 この感動は男にしか判るまい。女は子を育むためにこの先も生きなければならないが、男は種を植えさえすれば死んでもいい。刹那的な幸福感は女の非ではない。

 一気に高まった射精感に抗わず、それどころか積極的に導いて、武蔵の一番奥へ向かって精を吐き出す。

「くう・・・・・・!」

 水鉄砲のように、というのが正確なのだろう。しかし自分さえも触れられない最奥で感じる熱い粘液の感触は、大砲で砲弾が撃ち出されたように思えた。

 膣を白く染め上げる熱い感覚。腹に感じる確かな重みは、これから生命へと成長する萌芽なのだ。

 そう自覚すると、まだ着床にさえ進んでいない精子の群れが愛おしくて堪らなくなる。

 荒い息を吐き、全身に汗を浮かべながら自分を抱き締める男の体温までも愛おしい。この満足感は女にしか判らない。

 役目のための刹那の快感と幸福感。そのために男は人生を使い命を懸ける。女は腹に撃ち込まれた生命の源を守り、育むために人生と命を懸ける。この幸せに満ちる感覚に比べれば、性行為の絶頂など些末である。

「・・・・・・」

 言葉もない。なにか、明確に意思を示すようなことを口にする無粋を嫌った。二人はこのままの姿勢で、時間が過ぎ去るのを待った。この幸せが、永遠に続くことを祈りながら。

 

 

 

 退店の時間になった。

 狙い通り、フェルグスによって満足させられたランサー・アルトリアとスカサハはお持ち帰り、もとい、帰還可能となって連れ帰ることとなった。

 武蔵は、

「ちょっとまずっちゃったかもねえ、これじゃお互いに・・・・・・」

 と、冷静になった頭を誤魔化すように髪に指を通した。

 気まずい、とは少し違う。初めてを共に越えた者同士が抱える気恥ずかしさのために、顔を見ることが出来ない。

 本気になってしまうかも、という軽口さえ続けることも出来なかった。

「うむ、心配はしていなかったぞ。お前も一人前の男だ。自ら選んだ女の一人くらい簡単に満足させられよう。一度戻って休んだら再度挑むぞ。なにせあれだけの女が居るのだ」

 その通りだろう。いちいちこんな感覚に陥っては身は勿論、心も保てるかどうか。

「ところで、次は誰にするのだ? 俺は・・・・・・」

 そこまで言ったところで、スカサハがフェルグスの鳩尾に肘を入れた。

「節操がない。女の前で次を論じる無粋があるか。こうはなってくれるなよ、マスター」

 こほん、と乱れた自分が恥ずかしかったのか、ランサー・アルトリアもフェルグスの落ち度を咎めるように咳ばらいをした。

「ま、そうだよね! そっちのがいいよね! その、やっぱりこういうのは一回の・・・・・・」

 本気にならないようにするためなのか、わざと明るい語調で立香に次を考えさせる武蔵。

 立香にも、武蔵に抱いた気持ちが恋や愛に類するものなのかどうか判らない。男とは種を植えるために複数の女に同時にそういう気持ちを抱けるのだ。ただ、人間としてはあまりに不誠実だから律するようにしているだけで。

「戻ってから考えようよ。これからのことは。みんなを助けるためなんだし」

 言い訳のような台詞になってしまったが、本心でもあり真理でもある。

 事が戦闘ではなく性行為だったからなのか、どことなく緩み、浮かれたような空気感だったことを立香も含めた全員が反省して、

「俺は中東の語り部殿にお願いしたいところだ」

「立香、フェルグスより先に彼女を指名してやれ。双方のためでもある」

「後出しでそれはひどくないか、姐さん・・・・・・」

 しかし、ケルトの英雄はどちらでも大差ない。頼もしいと思うと同時に、少しだけ追いつけたような気がしないでもなかった。

「武蔵ちゃん、その・・・・・・」

「あ・・・・・・うん、えっと・・・・・・」

 なにを言うべきなのか、二人とも判らない。

 ただ、自然に指を絡めながら手を繋いだのは、なんとなくこのまま離れたくなかったからだ。

 今はこれでいいのだろう。次を考えるのは武蔵に不誠実な気もしたが、射精を終えて冷静になった男の頭は、冷徹ですらあった。

(先を越されたくないなら・・・・・・)

 今のうちに決めておかねばならない。ちょっとでも躊躇していると、この大英雄はさっさと決めて取られてしまうかもしれない。

(・・・・・・キアラ、さん・・・・・・?)

 思わず頭に浮かんだ顔は、期待よりも危機感の方が大きかった。

 

 

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