FGOエロ小説まとめ 作:お一
交換条件は、巴御前の身柄だった。
「ご安心を、マスター。巴が必ずお救いして差し上げます」
朗らかな表情で、巴御前は男について行った。
敗北が直接戦闘の末とは限らない。
先頭の意欲を失わしめれば、個人との戦闘はともかく、陣営としての勝敗は決する。即ち、カルデア側の戦闘意欲を消してしまえばいい。
そのためにはなんでも使える。わざわざサーヴァントを用意する必要さえない。というよりも、敵対したギャングにはサーヴァントやマスターという魔術的知識さえなかった。
ただ、この特異点で遭遇した善良な母娘の身代わりにさせた、というだけのことである。
如何に個人の戦闘力が秀でていても、勝利条件を絞れば無力化は可能だ。この辺りは、カルデアに無銘の英霊が居て、その経験をよく聞かせられた藤丸立香はよく理解していた。
世話になった二人の安全は、相手が集団であれば危害を加えようとする者を殲滅しなければ保障されない。ギャングを束ねる男を挫こうと殺そうと、構成員が逆上すればどうなるか判らない。
そしてそのためには、巴御前一人では難しかった。巴御前には索敵能力がない。彼女は優れた武人であり、部隊指揮官でもあったがそれだけのことで、その組織に連なる者全てを滅ぼすには準備が必要だった。
その準備のために、立香は巴御前と共に投降した。
幸いだったのは、巴御前の霊基はかつての特異点で水遊びに興じた時のものであり、鬼の衝動などはある程度抑制されていた。
その分だけ理性的で、少し肥った中年男の愛人になることを承諾した。これが戦略であるのならば、愛妾を務めた女だけに理解も早かった。
貞淑な女性だが、鎌倉時代の女なのだ。性に関して、西洋のそれのような、現代人の慎ましさのようなものは、あまり馴染みがない。然程抵抗感もない。
ただ、自分が認めてもいない汚らしい中年男に抱かれるということへの嫌悪感だけは、どうしても捨て切れなかったが。
「ガキの方は殺してもいいんだが、まあ、お前の心がけ次第だな」
「ええ。あの方を助命いただけるのでしたら、犬の糞を食らえと言われても喜んで致します」
巴御前に嘘はない。真実、彼女はそれを命じられれば躊躇いもしないだろう。
「気の強い女だ。いい女だよ、お前は」
丸いサングラスを外し、もっさりと毛の生えた腕で巴御前の肩を抱く。
上衣の前をはだけて、弛んだ腹の肉を晒す姿は醜怪ではあったが、組織の長だけあって威厳のようなものもあって、その点だけは巴御前も感心した。
「俺はノーマルだからな。普通に俺の相手をしてくれればいいさ」
すらりとした脚に手を伸ばす。
巴御前の水着は競泳用のもので、艶めかしいというよりは健康的な美しさを湛えている。
それが、この男には好ましい。
いたずらに肌を見せる女など売女で見飽きている。夏と海や湖といったレジャーを心行くまで楽しもうという気概に満ちた、清楚な女だから味わいたいのだ。
聞けば、この白く美しい髪を青いリボンでポニーテールにした女は、人妻だというではないか。
「愛妾です」
「一緒さ。未亡人なんだろう?」
むに、と適度に脂肪の乗った脚に指を沈めてみる。
柔らかな感触の向こうに、鍛えられた筋肉の弾力を感じる。それでいて肌は実になめらかで、指が滑るほどだ。
この体を今から好きに出来ると思うと、それだけで少年のような高鳴りを覚える。
「さて、じゃあ生娘でもないんだから楽しもうや。どんなプレイがお好み?」
「貴方とでは水遊びでも、楽しいものにはならないでしょう」
さすがに表情が硬く、目がきっと細まって剣呑である。
この物言いがまたいい。男はうんうん、と頷きながら、
「そうだろうとも。ま、ベッドにうつ伏せになってもらおうか」
拒否してもいい。手向かいする女は久々だから、力ずくも偶にはいい。
しかし、巴御前は従順だった。頭のいい女なのだろう。この期に及んでの反抗がなんの意味もないことを知っている。
キングサイズのベッドに、言われた通りうつ伏せに寝転がる。
「ほんと、そそる女だな」
うつ伏せになった巴御前に跨る。尻に尻を置いて、体重はあまり掛けない。腕を、両肩に伸ばした。
「まあ、楽しんでいってくれ」
そう言って、少し前傾になって押す。
「・・・・・・?」
巴御前の予想に反して、始まったのはマッサージらしかった。肩から首筋、肩甲骨に掛けてを丁度いい力加減で押し、揉んでくる。
「若い頃はな、こういう仕事をしてたんだ。なかなかの腕だったんだぜ? 俺を目当てにした客だってついた。ま、女の施術には叶わないがね」
確かに、心地いい。
知らずに強張って、緊張していた体が解されていく。しかも、水着の中に手を滑らせることもない。
防水のために少し厚い生地の向こうから、手のひらで押してくる。
(なにが・・・・・・)
目的なのか。
取り敢えず身を任せているが、肩甲骨から背中、腰と丁寧なマッサージは続く。
「マッサージもせいぜいが六年くらいだったもんで、その道一筋のプロにゃ到底叶わねえが、やる方もなかなか楽しくてな、たまにこうやって揉んでやるのさ」
揉みほぐしながら、男は巴御前の相槌も構わずに身の上を話す。
口調は明るく、話し方は時折冗談も交えて、確かに接客サービスを何年か続けた者特有の朗らかさがあった。
尻に触る時もあったが、手つきは少しもいやらしくなく、コリを確かめ解す手つきだったから、違和感もない。太もも、ふくらはぎ、足の裏とマッサージと話は続く。
小一時間も、執拗なほどに続いた。
その頃には、巴御前の全身はリラックスして弛緩して、あろうことか、うとうとと眠気まで催してきた。
「ほい、次は仰向けだ」
肩を叩かれ、ゆめうつつになっていたことに気がついて、眠気を振り払いながら言う通りに転がる。
マッサージはわき腹から再開された。
「人間、弱った奴に近づく奴は残酷な奴ばっかりでな、明日の飯にも困るような若造からなけなしの金を搾り取りやがる。そこでガツンと言ってやったわけさ」
話はすっかり右から左。緊張して身構えていた反動で、体が解れると眠気に抗えない。
「おっとお客さん、悪いが起きてくれんかね。背中を伸ばすぜ」
いつの間にか、手を引いて上半身を起こされて、背中に回った男が腕を取った。
ぐっと、背中を反らせる。ばき、とどこかの関節が鳴ったが痛くはない。男の手が、巴御前の首を後ろから撫でた。
「あんたはなかなかの女傑らしいが、甘ちゃんだな」
囁かれた、ねっとりした言葉の響きにようやく、巴御前は自分の迂闊さを思い知った。
「ん・・・・・・!」
首から胸元へ滑った指の感触に、思わず声が漏れた。
まったく、なんということだろう。巴御前ともあろう武人が、敵であるはずの男の手が自分の肌に触れることを自然に感じ、町の施術師にするように体を預けてしまっていたのだ。
入念に愛撫を受けた時のように、ほんのりと熱を帯びた肌は敏感になってしまって、フェザータッチで撫でられるだけで声を抑えられない。
「乗り気でない女を嬲るのは、回数をこなすと飽きが来るのも早い。こうして、逆らえない女を無理やりその気にさせてから味わうのが、最近のお気に入りでね」
針も爪も牙も持たないものに例える気はさらさらないのだが、角を持つ自分が巣に絡め取られた蝶に思えた。
水着越しに、脇腹を撫でる手が上がってくる。
「・・・・・・」
抵抗はしない。どうせ、この体を嬲られるだろうと覚悟もしているし、そんな女の可憐さを見せてこの男を喜ばせることはない。
目を伏せて、漏れそうになる声を押し殺しながら、耐えるより他はない。
「聞き分けが良い。もう少し拒んでくれる方が燃えるんだけどねえ」
脇腹を撫でる手は、いきなり乳房に触ったりはしない。そのまま腋に登り、僅かなムダ毛もないつるつるの腋の下を指でなぞる。
手を放し、脇を滑った指を鼻先に持ってくる。
「な・・・・・・!?」
「ほう、いい香りだ。メス臭い方が好みなんだが、あんたは匂いまで綺麗だな」
いっそ辱められる方がましだろうか。
巴御前の菖蒲に似た香気を男は気に入ったらしく、腋の下に滑らせた指についた残り香を、鼻息荒く嗅いだ。
「お、おやめなさい・・・・・・」
巴御前の声も小さくなる。顔が羞恥のために紅潮し、固まってしまっている。
それが、見逃しようもない隙であろう。首元の隙間に手を滑らせ、水着の下に侵入した指が巴御前の乳房を捉えた。
「あ・・・・・・!」
「慎み深い性格に似合わず、なかなか攻めた水着だよな。食い込みもなかなかタイトだし、あの坊主に見せるにしちゃあ、刺激が強くないか?」
そんなこと、巴御前も判っている。だから胸元の隙間を隠すために短いジャケットを着ていたのだ。
ひと夏の解放感に浮かれ、少しばかり露出の多い水着を選んだことを、初めて後悔した。
決して、こんな男の手中で弄ばれるために選んだものではないというのに。
「あ~、やらけえ・・・・・・いいもの持ってるじゃないの」
無遠慮に肌に食い込む指の感触さえ、なんとなく快い。たっぷりとマッサージで解された体は、不本意にも準備完了しており、ちょっとした刺激が快感になる。
男の手は、競泳水着と乳房に挟まれて自由には動かない。しかしその不自由さが面白いらしい。形のいい乳房を鷲掴みにして、手首を返して揉む。沈めた指が乳肌を滑り、その感触が妖しい快感となる。
「く・・・・・・!」
頬に朱が差しているのは、この肌が得る不本意な快感に恥じ入っているからだろう。奥歯を噛んで、苛立ちを堪えながら抵抗したがる体を抑える。
「乳首も勃ってるな。後でたっぷり可愛がってやるよ」
耳元にわざと、巴御前の羞恥を煽る屈辱的な言葉を投げかける。
この点、やはり男の方が一枚上手である。
貞淑な巴御前は、そんな見え透いた言葉に更に顔を赤くした。
乳房を撫でまわす男はもちろん、巴御前も自分の桜色の先端が硬くなっているのは自覚している。
そのことが、巴御前の体が昂奮しているだとか、快感を受け入れているという確たる証拠にはならない。単純に血行が促進され、肌が敏感になったことに連動する自然反応の一部に過ぎないかもしれないのだが、事実は時に印象に関わりない。
肝心なのは、男のいいように嬲られながら、巴御前が乳首を硬くしているということのみである。それがどれだけ巴御前の心を蝕むのか、普段の彼女を知らずとも楚々とした言動を見ていれば判るというものだ。
「さあ、剥ごうか」
宣言を待たず、水着を指で引っ掛けて持ち上げ、巴御前の腕を抜く。
はらり、と裏返りながら意外なほど呆気なく、競泳水着の上半分はめくれ落ちた。
ぴっちりと肌に食い込む競泳水着の通気性は悪い。めくれた瞬間、内側に汗も掻いていたから巴御前の菖蒲に似た香気がもわりと立ち上り、鼻腔をくすぐる。
「綺麗だぜ、トモエちゃん!」
その名がどういう字を当てるのかも知らない男が、巴御前の柔肌を凝視している。
奥歯を噛んでその屈辱に耐えるが、無意識に震える体が乳房も揺らし、男の目を楽しませる。
カルデアにはいくらでも巴御前より大きな乳房を持つものがある。それを考えればサイズは平均といえるのかもしれない。
形の良いおわん型の乳房に青い静脈が浮かび、触れれば溶ける雪のような白さが際立つ。
その突端の、淡い桜色の乳首が可憐でありつつ、淫らであった。
「どれどれ」
充分手のひらでまさぐった乳房を、改めて下から持ち上げるようにして包み、その感触と弾力を楽しむ。
男の野卑な手に乳肌を沈ませながら持ち上げられ、柔らかさを目にも伝える。
「おや、どうしたんだい、トモエちゃん。嫌なのかい?」
肩に顎を乗せ、いやらしく乳房を覗き込む男が囁く。品のない物言いに思わず手が出そうになったが、もし出ていれば意外にうっかりな巴である。顔は原型を留めなかったろう。
「ほれほれ、ぷるっぷるだ」
これ見よがしに揺らして見せて、美しくも淫らに育った乳房を嬲る。男好きする体に育ったことを悔やめと、言わんばかりに。
「まあそう固くなりなさんなって。可愛がるったって、嫌な思いはさせないよ」
ぐにゅぐにゅ、と互い違いに持ち上げては下ろし、乳房を揉みしだく。
「く・・・・・・!」
あからさまな獣欲に吐き気を堪えながら、じんわりと熱くなる乳房に困惑する。
たっぷりマッサージをされた体は、他人の手に触れられることへの違和感をなくし、そのために敢えて触れなかった乳房は触られることを望み、巴御前の意思に反して喜んでしまう。
加えて、自分でもそれほど触る場所ではない。その重さのために常に首から胸、肩に掛けての筋肉を引っ張り、靱帯で吊り下げられる乳房である。憎らしい男の手とはいえ、その重さから解放される感覚は、不本意だが心地いいものだ。
「よくなってきたか、なんて訊きゃしないよ。まだまだ解してるんだ、このくらいで感じられても興醒めだしな」
いちいち煩い男だ。それだけ、彼も機嫌が良いのだろうが、耳にも癇にも触る。
(いえ、今は良い気分にさせておかねば・・・・・・)
そう思い、拳を握って耐える。
その様が、またなんとも言えず健気で可憐で、思わず男の涎が零れて巴の胸元へ落ちた。
「こりゃあ一夜だけなんて勿体ねえ。オトして俺のものにしなきゃ気が済まんね」
「どうぞご自由に、出来るものなら。巴の心は安くありませんが」
見た目よりも少し幼いくらいの愛らしい声から、そんな憎まれ口が出る。その落差が、また堪らない。
違う声をあげさせたくて、男は指を滑らせて桜色の先端を摘まんだ。
「あ・・・・・・!」
思わず飛び出た声に、しまったと反応して手で口を覆う。
とっくに屹立していたのに長らく放置されていた乳首が、ようやく触ってもらえて悦んでいる。肉体の自然な快感反応だが、今の巴は許せない。
しかし咄嗟に出た甘い声音はもう誤魔化しようがなく、反応の良さに男は続けて乳首を転がした。
「ふ、う、く・・・・・・っ、ひう・・・・・・う・・・・・・くっ!」
なんとか声を殺せても、体の反応は誤魔化せない。
優しく乳首を転がすたびに、体がびくんと跳ねる。快感から逃れようとしているのか、それとも快感を与える男に甘える媚態か、首を左右に揺らしながら居所が定まらない様子で体を震わせている。
「・・・・・・」
男も、もう余計な口は利かない。冷やかすよりも、乳首の快感に集中させて心より先に体をオトしに掛かる。
「う、うう・・・・・・く、ひうっ・・・・・・! ん、ふ・・・・・・う、ん・・・・・・!」
コリコリと、指先で摘まんだ乳首を優しくすり潰す。
頭に突き刺さるような快感の直後に、じんわりと甘い快感が走る。一秒にも満たない間隔で、それらが次から次へと襲い掛かる。
準備万端の乳首から受け取る快感は、貞淑な巴御前を乱れさせるに充分である。
「う、ふあ・・・・・・あ、は・・・・・・ひうう・・・・・・!」
忌まわしい。
こんな、指の第一関節にも満たない小さな場所をコリコリと愛撫されるだけで、体に走る甘い快感を堪えることも、無様に体が跳ねるのも抑えられない。
堅物の巴御前にとって、乳首など子に乳を与えるしか能も用もない器官だ。それを優しく転がされるだけで、相手が愛しい人でなくてもこんなに快感を得てしまう。
心に反して、甘い快感を得る体が頭を侵食する。
「舌出しな」
いつの間にか、頬を接するほどに近づいた男の顔に唇を向けられ、男の唇が吸い付いた。
「んぶ・・・・・・ぶ・・・・・・ん、う・・・・・・!」
拒んでみせても、それはこの男を喜ばせるだけだ。判っていても、生理的嫌悪感が唇を開かせない。
が、不意打ちの口づけは男の舌の侵入を許し、引っ込めかけた舌を捉えて絡んでくる。
「う、ぶ・・・・・・ぶ、う・・・・・・!」
流し込まれる唾液を吐き出したくても、唇を抑えられていて叶わない。
男の生臭い口臭が自分の体を中から腐らせそうで、さっきまでの甘い快感が吹き飛んで鳥肌が立った。
「ぶ・・・・・・はっ・・・・・・!」
諦めたように、男が唇を離し、強引に絡めた舌を解放する。二人の混ざった唾液が唇と唇の間で糸を引き、巴御前の胸元に垂れ落ちた。
気持ち悪い。口内に残った唾液を全て手の甲に吐き出すと、男は哄笑した。
「あはは、そんなにいやだったか。許してくれ。あんたがあんまり可愛かったものでな」
笑いながらも、男は巴の肩を抱いてベッドへ誘う。肩を抱く手に込められた力が、軽薄な口調に反して逃がさないという意思を湛えていた。
(いよいよ・・・・・・)
この男に、と思うとさすがに身が強張る。
自分がするとは思わなかったが、敵の手中に飛び込んで情報を得るために体を捧げる任務もあると聞く。その一環に過ぎないと判っていても、割り切れない不快さが消えない。
「あれやってくれないか」
「?」
要領を得なかったが、よくよく聞いてみると、
「ブイアールのあれだ。あんたにつけてくれればいい」
宝具を展開した時のあれらしい。
攻撃として使わず、展開するだけなら魔力もそれほど消費しない。逆らってもいいことはないので、言われた通りVRゴーグルとレーザーブレードを展開する。
レーザーブレードは魔力を通さなければ発熱しない。今はただの棒である。
「カメラをこの棒に取り付けるのは出来るのか?」
「でき、るでしょうね。それが・・・・・・」
「やれ」
有無を言わさない。言われた通り棒状端末にカメラの機能を持たせて展開する。
魔術など知らない男だが、出来るということと出来たという事実さえあれば、他に斟酌することはない。
「さ、今度はじってしてるだけでいい」
とん、と肩を押されて寝転がる。
顔にはVRゴーグル。起動させた棒状端末のカメラの景色が映っている。男の手にあるそれが巴御前の体の上にかざされて、巴御前は自分で自分を見下ろす視界でいっぱいになった。
「なかなかない経験だろ。自分で自分が嬲られる映像を見るってのは」
それもリアルタイムで、と男は舌なめずりをした。
まったく、人間の獣欲とは感心するほどの発想で人を辱める。巴御前も思わず苦笑した。
「ん・・・・・・!」
油断だろうか。その気の緩みを咎めるように、下腹部から甘い快感が立ち上った。
「ぷっくりと膨れて、可愛らしいことだよ」
鋭い食い込みの水着をずらし、巴御前の秘部を露わにして指で弄ぶ。
既にたっぷりと乳首を愛撫され、快感に馴染んだ彼女のそこは、たっぷりの蜜を溢れさせていて軽く触れるだけで音が立つ。
それを殊更に指の間で弄んで、にちゃにちゃと粘性の高い音を響かせる。
「や、やめてください・・・・・・」
自分の体の反応、反応が示した証拠なだけに、制止を促す声音も弱い。嫋やかな女だが、語調や語気は凛として明朗なのだが、さすがにこの時ばかりは乙女のようである。
それが、余計に男を昂らせる。
「恥ずかしがることはない。こうなるように仕込んだんだ。ヨガってればそれでいい」
試みに指を二本、差し挿れる。
抵抗が大きければもう少し解そうかと思ったが、思ったより容易く飲み込んだ。指先の温度よりも熱くなった膣口は、絹豆腐を指で崩すような感触だった。
これだけ解れていればもう充分だが、まだ少し嬲り足りない。
「力を抜けよ」
巴御前にも、なにをされるのかがすぐに判った。
視界いっぱいに広がるVRの景色が回転し、狙いを定めるようにして止まる。
「やめ・・・・・・!」
制止の呼びかけも抵抗も、なんの意味もない。棒状端末に持たせたカメラ機能が、巴御前の視界を自らの膣口で埋め尽くす。
色素沈着の少ない、白い膣口は薄紅に火照って、ぷっくりと膨らんでいる。内側の襞を入り口から覗かせ、てらてらと光を反射する様子は女の目から見ても淫靡だ。
そこに、棒状端末が差し込まれる。
一瞬の抵抗。しかしそれほど力を入れるまでもなく、ずぷずぷと飲み込まれていく。映し出される自らの膣内。
愛液が上下に糸を引き、男を悦ばせるために深い溝を刻んだ真っ赤な膣襞が露わになる。
「どうだい、自分のマンコの中を見た感想は」
複雑なおうとつを見せる膣内は、呼吸するたびに広がっては狭まる。男を受け入れた際には、この収縮によって悦ばせ、精を搾り取るのだ。
そう思うと、とても見ていられないが目が離せない。羞恥に頭の中が爆ぜたような気分なのに、人体という神秘の塊に感動し、目を閉じることさえ叶わない。
「突っ込んだだけじゃ寂しいだろう。動かしてやるよ」
ゆっくりと、浅いところを前後させる。
甘い快感が下腹部より立ち上るが、気にならない。太さも長さも形状も、女が悦ぶように出来ていないということもあるが、なによりも見せつけられる膣に心を奪われる。
(ああ、私のなかはこんなに・・・・・・)
カメラが戻れば、寂しがるように奥が狭まり、柔らかそうな肉の穴が閉じていく。だというのに少し押してやれば粘っこい愛液が糸を引きながら広がり、ヒクついている。
余程奥の景色に思えるのに、感触で浅いところだと判るから、この奥はいったいどうなっているのかと好奇心を誘う。
ここに、自分の最も敏感な場所を挿入する男は、自分の好奇心など比ではないのだろう。貞淑で初心な巴御前は、男というものが何故女に執着するのか、なんとなく理解した気がした。
(義仲様も、いえ、きっとマスターも・・・・・・)
そう思うと、胸が締め付けられる。
思い人でもない男に抱かれる罪悪感や嫌悪感など、この神秘的な光景の前ではとうに吹き飛んでいる。これは、同情や憐れみの類の感情であろう。
自分が生まれながらに持つこの器官、女に生まれれば誰もが持ちうるこの穴に、男は魅了されて時に命や人生まで捧げる。その事実に対して、女の立場から激しい同情を感じた。
同時に、収縮する自分の膣を見せつけられて、女の浅ましさも思い知る。
なんだろうか、このはしたない肉穴は。
ただの棒状端末を差し込まれたというだけで、みっともなく奥をヒクつかせ、膣を収縮させて絡みつき、愛液を溢れさせている。迎えているのはただの端末で、男のそれではないというのに、なんと浅ましいのか。
巴御前は恥じ入る気持ちで、しかし目を離すことも出来ず、口を手で覆いながら逃げ腰にもがく。
その様子が、あまりにも可憐だったからだろうか。
今までの抑制し、優位性を笠に着ていたぶっていた余裕をなくして、棒状端末を乱暴に引き抜いた。
「そろそろ・・・・・・」
もどかしそうにズボンと下着を脱ぎ、巴御前の顔を拝むためにゴーグルを剥ぎ取る。
思わず男を見遣ると、幼児の腕ほどはある醜怪な肉の棒が雄々しく天を向いていた。
「な・・・・・・」
思わず絶句すると、その戸惑いに余裕を少し取り戻したのか、男は笑った。
「これで何人も泣かせてきたんだ。あんたにも気に入ってもらえると思うぜ」
無意識に逃げる巴御前の、細くしなやかな腰を両手で掴むと、足の間に膝を進める。
「さあ、たっぷり楽しんでもらおう・・・・・・か!」
先端を膣口に宛がう。
たっぷりの愛撫によって解れ、棒状端末で弄ばれ、入り口を綻ばせ、襞を覗かせ愛液を溢れさせる淫らな口は、容易く男の先端を受け入れていく。
「くっ・・・・・・は、あ・・・・・・!」
思わず、巴御前の口から漏れ出る声。ずん、という衝撃から押し出されたような声は、悲鳴に似ていた。
しかし、それは苦悶からのものではない。
エラの張った、凶悪な形の肉棒が襞を擦り上げながら進んでいく感触は、少しの痛みも感じない。
むしろ、空白を埋めてもらう感覚。穴にピッタリな棒が埋まり、生物として完成するような充足感がある。同時に、立ち上るあまりにも甘美な快感。
巴御前は白魚のような美しい指を天に向け、宙を掻いた。
「お、おっほほ! こりゃ、なかなか飢えてるなあ・・・・・・!」
男の言葉は、巴御前を嬲るためのものではない。単なる実感である。
その通りだろう。巴御前にさえ、そのことが判った。
あまりにも膣を嬲るには足りない形状の棒状端末は、いたずらに巴御前の性感帯を撫でるだけで、必要な快感を与えるに不足していた。
そんなものを、入り口の浅いところだけ出し入れされては本人も気づかぬままに物足りず、その物足りなさを埋めてくれるものを待ち侘びていた。
なんのことはない。嬲られているというのに、カメラで見せつけられた膣の収縮は本当に浅ましい女の欲情を示していたのである。
(私は・・・・・・)
もう女と呼べるのだろうか。これではただのメスではないか。
そう自分を叱ってみても、下腹部から立ち上る快感が頭の大切なところを蕩かせて、考えることを奪う。
「いく、ぞぉ・・・・・・!」
中ほどまで沈めた肉棒を、ゆっくりと奥まで進める。
巴御前の膣構造は、入り口から奥に向かって狭くなる、いわゆるたこつぼ型をしている。中ほどまでは一般の膣と同じように、腰を進めれば少し抵抗がありつつも柔らかく飲み込む。
しかし、中ほどまで進むと一変する。
ぐにゅぐにゅ、と巴御前の意識とは無関係に蠢き、柔らかく窄まった奥へ肉棒を誘う。男の腰を進める強さは変わっていないのに、吸い付かれるように奥へ。
「うお・・・・・・!」
信じられないほどあっさり、最奥へ到達した。
この巨根を、日をまたいで慣らす必要もなく受け入れる膣のこなれ具合にも驚くが、待ち侘びたように四方から包む襞の柔らかさに感嘆する。
「く、うう・・・・・・!」
なにかを、堪えるような声が巴御前から漏れる。
痛みではないだろう。苦痛に耐える声にも似ているが、覆いかぶさって顔を見ると、泣きそうなのを堪える子供に似ている。
目尻と唇の両端が下がり、涙と涎が溢れそう。緩む頬を必死に吊り上げている様子は、体に走る甘美な快感に屈しないよう、堪えている形相だった。
「なんていい女なんだ・・・・・・!」
こんなに嬲り甲斐のある女はない。
男は繋がった体勢で腰を持ち上げ、巴御前の表情を一瞬も見逃さないよう覆いかぶさった姿勢のまま、腰を打ちつける。
「うぐ、う・・・・・・っ、く、ふ・・・・・・う、うくく、う、うう・・・・・・っ!」
溢れる声をなんとか奥歯で噛み殺し、快感のために反ってしまいそうな頭を抑えつけて男の顔を見返し、体全体を揺らす杭打ちピストンに耐える。
「はは、ははは・・・・・・!」
崩してやる。絶対にこの女を快楽で屈服させてやる。
決意して、杭打ちを深く早くさせる。
「ふぐう・・・・・・! う、うう、ううう・・・・・・!」
太い肉棒が、押し広げた膣肉を圧迫し、襞を擦り上げる。
憎らしくも久しぶりの快感に飢えた膣は、与えられる快感を余すところなく受け入れてしまい、下腹部が甘く痺れるようだ。
快感に反応して、白く濁った本気汁が膣内を満たし、襞は快感を与える肉棒に礼を捧げるように収縮する。
「く、ふ・・・・・・っ、う、くく・・・・・・っは、あ、き・・・・・・ひゃあ・・・・・・ん!」
もう、殺しきれない。
喉奥から溢れる嬌声を抑えきれず、快感に蕩ける頭から理性が溶け、抑えつけた顔も喉を見せるほど反れた。
(手頃な、ちょうどいい女だ!)
あまり難しかったり頑なだったりすると、攻略している最中に飽きるし疲れる。そこへいくとこの女は、必死に抵抗するくせに少し工夫すると陥落してくれる。
まったく、愛人にするのにこれ以上ないほどの都合の良さである。
「あ、はあ・・・・・・! あ、ひ・・・・・・い、ひう・・・・・・! う、く・・・・・・あはぁ、っん!」
奥から根元まで戻り、また一気に奥へ。
絡みついた膣襞が、結合部からめくれ上がるほどに強い腰遣い。当然、熱く膣を満たす愛液も結合部から泡立って零れ落ち、ベッドをはしたなく汚す。
激しく犯せば犯すだけ、事後の巴御前を苛むだろう。
その様を眺めるのもいい。
こうして、自分の腰遣いで乱れる女を見下す優越感には及ばないが、いい女を嬲るのはどんな時でも気分が良い。
「あ、あ、あ・・・・・・! は、あん・・・・・・っ、ん、んん、んんう・・・・・・!」
一度決壊した関門が二度と閉まらぬように、巴御前はもう声も快感も殺せない。
男は腕を伸ばして巴御前の頭を抱き、自分の方へ向ける。
目を閉じて快感に酔うのも、顔を逸らして現実逃避させるのも許さない。自分が屈服した快感が誰に与えられるものなのか、徹底的に教えながら絶頂させてやる。
「トモエちゃん、一緒にイこうぜ・・・・・・!」
「い、いや・・・・・・っ、いやあああ!」
逃れようのない快感に、現実から浮き上がりそうになった途端、冷や水を浴びせられたように再確認する。
自分に跨り、一番奥を汚そうとするのは最愛の義仲でも、共に戦うマスターですらない。日に焼けた野卑な中年男の顔に、市井の乙女のように叫ぶ。
その悲鳴が、またいい。男の嗜虐心を満たしてくれる声に導かれるようにして、ピストンを浅く早くさせていく。
一番奥を、カリ首で擦るように、膨れ上がった亀頭を押し付けるように。
膣奥の、精液を溜めておく窄まりを押し開くように、小刻みに擦りつける。
「俺のは多いからな、こぼさないように締め付けるんだよ、トモエちゃん!」
「いやあああああ!」
しかし、泣き叫ぶ巴御前の意思に反して、出来上がった体はその瞬間を待っている。
快感が高みへ押し上げられるのが判る。熱い粘液の感触を予感して、窄まりが口を開いていくのが、感覚で判った。
「え、へへ、そ・・・・・・ら!」
押しつぶすように、男は巴御前の肩までも太い腕で抱きすくめ、腰を深く沈める。
決して逃がさぬよう。体をズラすことさえ許さず、一滴も漏らさないよう最奥へ放つ。
太い肉棒は管も太いのか。経験したことのない量の熱さが巴御前の下っ腹を重くする。
「くう、うう・・・・・・! うぐううう・・・・・・!」
獣が唸るような声は、巴御前の不本意な絶頂を示している。
目の端から、堪え切れなかった涙を溢れさせ、憎い男の顔を見ながら屈辱の絶頂。こぼれた涎が頬を伝って顎へ、そしてベッドへ滴る。
強引に割られ、畳まれたまま組み伏せられた脚が不規則に痙攣する。足首の関節が、快感から逃れようとするように動き、手はベッドシーツにいたずらに皺を作る。
「う・・・・・・ふ、う・・・・・・」
男は下りてくるのが早い。
全身に汗を浮かべながら、睾丸の中の最後の一兵まで精子を送り込む。
別にこの一回でなくてもいいが、必ずこの女の卵子を征服して孕ませてやる。女は、その意思でどんなに拒もうとも、注ぎ続けられれば孕む哀れな生き物だ。
尿道に残った分まで、絡みつく膣に搾り取らせると男はゆっくり腰を引いた。
男と巴御前の体液が、膣口と肉棒に淫らな橋を架ける。
「う・・・・・・ふ・・・・・・う・・・・・・」
巴御前は、意識があるのかどうか。
なければ絶頂の快さで眠れているだろうし、あれば、受精の恐怖に怯えているだろう。男は満足してベッドから下りて一息吐く。
清々しい気分だった。やり遂げた感覚だった。もう少し若ければガッツポーズをしていたかもしれない。
あとはゆっくり、毎晩の楽しみにして、そのうち孕めばいい。
愛人が増えた実感に、男は伸びをした。
が、男は知らないのだ。
巴御前は歴戦の勇。京を襲い、院を奪い、源氏と戦い抜いた木曾義仲の愛妾であり、肩を並べた豪勇である。
たった一度、女としての悦びを満たされた程度で、たとえ敵将の子を孕むようなことになっても、屈する心は持っていない。
更に言えば、鬼でもある。荒く息を吐き、汗だくの体を深く上下させながらも、その頭は冷静だった。
結局、巴御前を陥落させたと見て油断した男から内情を聞き出すと、程々にボコボコにして構成員から武力と戦意を奪った。
この点、彼女の気質が如何に貞淑で上品であろうとも、武将であり鬼である。容赦がなかった。
翌日、自分の足でマスターの元に帰還し、戦勝の報を届けた。
戦友たるマスターから労いと誉れを授かりながら、まったく別種の高揚が下腹部を疼かせたが、意識して無視することにした。