「……ごめん、酒泉」
────……謝らないでください、先生
時刻は午後七時、二人の男女が非常に疲弊した様子でPCを操作していた
更に周囲には各学園からの連絡や最近起きた事件の報告書まで積まれている
「まさか……この三日間でこんなに仕事が溜まるとは……」
────運が悪い事にこの短期間だけでも色んな学園で事件が起きましたからね……
相変わらず事件ばかり起きるキヴォトス、その後処理に追われる二人
前までの先生なら目の前の膨大な量の仕事を見たら先に生徒を帰して自分だけ残業しようとしていただろう
だが……
(……酒泉と二人きりだしなぁ)
その目は少年を〝生徒〟ではなく〝男〟として見ている目だった
酒泉の方から手伝いを願い出たというのもあるが、それ以上に〝この人と一緒に居たい〟という女としての欲望を優先して生徒の時間を奪ってしまっている事に罪悪感を抱きつつ、確かにその中には歓喜の感情も混ざっていた
「……んっ……ふぁあ……」
────……先生、寝てないんですか?
「ちゃんと寝てるよ、一日三時間くらい」
────よし、今すぐ仮眠してきてください
「えー?私、まだまだ働けるよー?」
えへへと笑いながら強がる先生だが、その身に疲労が溜まっているであろう事は誰が見ても明らかだった
酒泉は先生が処理していた書類を強制的に没収すると、指をくいくいと動かして立ち上がるように促す
────ほら、そこのソファでもなんでもいいんで早く寝てください
「でも……まだ仕事が……」
────それは俺が片付けとくんで先生はちゃんと休んでください
「あっ……」
先生が担当していた書類を全て自身のデスクの上に置いてそのまま仕事を再開する酒泉、その雰囲気はまるで有無を言わせるつもりのないものだった
強引ながらどこか優しさを感じさせるその態度に先生は何度めになるか分からない心の疼きを感じながら、渋々と頷いて酒泉の指差すソファへと向かう
「……じゃあ、お言葉に甘えてちょっとだけ寝させてもらうね?」
先生はソファの上に置かれていた仮眠用の枕を敷き、そこにぽすんと頭を置いてから仮眠用の毛布を被る
モゾモゾと毛布にくるまりながら先生が酒泉の様子を覗けば、彼は真剣な表情で目の前の書類と向き合っている
(……あれも全部、私の為にやってくれてるんだもんなぁ)
自身を支えるという約束をその身で守り続ける少年の姿は、普段は生徒を助ける側に回っている先生にとってはどこまでも暖かい姿だった
(……昔の私に今の私の姿を見せたらなんて言うんだろ)
まさか〝大人〟であって〝先生〟でもある自分が〝子供〟であって〝生徒〟でもある存在に恋心を抱くなんて
キヴォトスに来る前は予想だにしていなかった出来事、だけど今ではすっかりその事実を受け入れてしまっている
(だって……好きになっちゃったから)
彼が〝生徒〟として困っているのなら〝先生〟として助けよう
だが、それ以外の時は〝女〟として〝男〟に接しよう
それは、先生としてキヴォトスに尽くしてきた彼女が初めて見せた子供らしい我儘だった
しかもその我儘は酒泉限定で発揮される為、彼女を慕う生徒の中には折川酒泉を妬んでいる者も少なくない
「……すき」
────ん?なんすか?
「……おやすみなさいって言ったの」
だというのに他の生徒の想いに鈍い先生はたった一人の少年に矢印を向け続けている
しかも本人はそれを気取られない様に隠しているつもりだが、端から見ればその心情はバレバレだった
「……あ、そういえば冷蔵庫の中に私が飲む予定だったエナドリ入ってるから疲れたらそれ飲んでいいよ」
────ありがとうございます、こっちも適当に小休憩でも挟んでから頂きますね
「うん……じゃあ、今度こそおやすみなさい」
そう言って身体の力を抜き、目を閉じる先生
すると数秒も経たない内に意識が若干揺らぎはじめ、うつらうつらとしながら身体を縮こませる
(……自分でも気づかない内に無理しちゃってたのかな)
思っていたよりも早く眠気に襲われ、自分の身体を酷使させていたことを自覚する
それをいち早く気づいて休ませてくれた酒泉に感謝しながら先生は毛布の中で自身の意識が落ちるのを待った
──────────
────────
──────
「んっ……ん────っ!」
四十五分後に設定したスマホのアラームが鳴ると先生がソファから起きて大きく背伸びをする
そのまま大きく口を開けて欠伸をしようとする────が、この部屋には酒泉も居ることを思い出して咄嗟に口を隠す
「ふふっ……大丈夫よ先生、酒泉はここには居ないから」
「……うぇ?ヒナ?」
しかし部屋の中に少年の姿はなく、代わりにいたのは自身と同じく酒泉を想う少女の姿
ゲヘナ学園の風紀委員長────空崎ヒナの姿だった
「どうしてここに……」
「最近酒泉が〝先生が凄く疲れてそう〟って言ってたからシャーレに様子を見に行こうとしたの、そしたらオフィスの電気が付いてて……」
「そっか……心配かけちゃってごめんね?」
オフィス内に掛けられている時計を確認すれば時刻は午後の八時近くになっていた
「ところで酒泉は……」
「彼も全く休まずに仕事を続けようとしていたから無理矢理部屋から追い出して休憩室まで向かわせたわ」
「……結局自分も過労してんじゃん」
誰かの為に自分の身を犠牲にする、相変わらずな様子の少年に呆れながらも先生は仕事に付き合わせた申し訳なさを感じる
「……酒泉も先生も無理しすぎよ、仕事を早く終わらせようとして倒れたりでもしたら元も子もないわ」
「まさかヒナにそんな事を言われるなんて……」
「……私はいいの」
同じく社畜染みた生活を送っているヒナにすら苦言を呈される始末、それほど先生達の仕事量は膨大だったのだろう
子供らしく不貞腐れたように頬を膨らませるヒナに苦笑しつつ、先生は少し気になった〝ある事〟について尋ねてみた
「ところでさ、ヒナが私達の心配をしてくれたっていうのは本当の事なんだろうけど……本当はそれ以外にも理由があるよね?」
「……先生だけズルいわ」
「やっぱり?」
〝ズルい〟……その言葉が何に対してなのか先生はハッキリと理解していた
互いに想っているのは折川酒泉という少年唯一人、それを何日も独占し続けるのはフェアではないだろう
「仕事が溜まってるなら今度からは私のことも呼んで、そしたらすぐにでも駆けつけるから」
「でも、ヒナにだってヒナの仕事があるでしょ?」
「大丈夫、いざとなればマコトを脅して押し付けられた仕事を押し付け返すから」
「ヒナ……随分逞しくなっちゃって……」
ほろりと涙を拭う演技をしながらその成長を喜ぶ先生、そこまでハッキリと他者を頼れる様になったのはあの少年の影響か
……脅された際のマコトのメンタルダメージに関しては気づかないフリをしたが
「……うん、そうだね。最近はずっと働き詰めだったけど酒泉のお蔭で大分仕事は片付いたし……今日はもう切り上げてゆっくりお休みしよっかな」
そういえば明日も明後日も珍しく何の予定も入っていないなと思いながら先生は休みの過ごし方を脳内で妄想する
このままだらしなく布団に突伏してしまおうか、それともビールでも買ってきて久しぶりに酔いに身を任せてしまおうか
そんな事を考えていると自然と寝起きで渇いた喉を潤したくなってきた先生は何か飲み物でも飲もうかと冷蔵庫を開けた
「ヒナも何か飲む?」
「私は大丈夫よ、特に喉は渇いてないから」
「そっか、じゃあ……ん?」
冷蔵庫を漁っていると、ふと視界に買い置きしておいたエナジードリンクが入ってきた
「あれ?酒泉、これ飲まなかったんだ────」
そして同時にある事に気づく、それは────とある鼠耳の生徒から没収した瓶詰めの飲み薬が消えている事
それはサヤが周囲の人間を使って(勝手に)治験しようとしていた際に偶然その場に居合わせた先生が没収した薬だった
効果は飲んだ本人を激しく発情させるだけ、何故そんな物を作ったのかと問えばサヤ曰く〝繁殖実験用〟らしい
そして、膨大な量の仕事を前にした先生は忙しさのあまりその薬の存在を忘れてしまっていた
更に不幸が重なり先生の買ったエナジードリンクは茶色の瓶に入っており、サヤの薬も茶色の瓶に入っていた
更に更にエナジードリンクも薬もどちらも後ろ向きで冷蔵庫に入れられていた為にラベルが見えない様になっていた
「なんか……嫌な予感が……」
「……先生?どうしたの?」
「イ、イヤ……ナンデモ……」
まさかね、自分の脳裏を過る最悪のパターンをその四文字でお気楽に否定しながら冷蔵庫をそっと閉じる先生
冷や汗を流しながらカタコトで喋る先生にどこか疑問を抱きながらもヒナはその後ろを歩く
「ソレジャ、シュセンニモコエヲカケテキョウハモウカエロッカ!」
「……ロボット?」
──────────
────────
──────
────ぅ……せん、せぇ……?それ、に……そらさき、さん……も……?
「……酒泉?」
「……どうしよう、フラグ回収しちゃった」
酒泉にも仕事を切り上げる旨を伝えようと休憩室を覗いてみれば、そこには頬を赤く染めながら荒い息で弱々しく自分達を呼ぶ酒泉がいた
案の定酒泉のすぐ近くには茶色の小瓶が転がっており、それは彼が薬を飲んだことを意味していた
「だ、大丈夫!?身体に異常は……あるよね!?ごめんね!?私の不注意のせいで……!」
「……っ、酒泉!しっかりして!」
酒泉に真っ先に駆け寄ったのは薬の効果を知っている先生だった、そしてその後ろを唖然と立ち尽くしていたヒナが追う
熱はどれほど高いのか、それ以外に病状は出ていないか、それを確かめようとした二人に対して酒泉は────
────っ!こないでくださいっ!
「……っ」
「……え?」
ハッキリと拒絶の言葉を口にした
しかし、それが嫌悪やその類いの感情から生まれた言葉ではない事は明らかだった
何故ならば酒泉は何かを抑えるかの様に踞っていたのだから
「……酒泉、まさかどこか怪我したんじゃ……!」
「っ、見せて!酒泉!」
────い、いいから!俺は平気だから……本当に近寄らないで……!
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」
「こんな時まで無茶しないで!」
日頃から自身の体の事になると無頓着になる少年を案じた二人は踞っている酒泉の身体を横にして身体の状態を確かめようとする
抵抗しようとする手を抑え、その身体に何が起きているのか二人は目の当たりする事になる
「……えっ」
「こ、これって……」
……それは、薬の影響でギンギンになった酒泉の肉棒によって盛り上がったズボンだった
大多数の男にとっては当たり前の事象────勃起
それを見た先生とヒナは顔を赤く染め、一方の酒泉は赤く火照った顔を塗り潰すかの様に羞恥によって青ざめさせた
────だ、だから……こないでって……いった、のにぃ……!
「……え?あ、あ…うぅ……ごめんなさい……」
その現象を初めて直接目の当たりにしたヒナは狼狽えながらも謝罪の言葉を口にし、先生はその現象を自分の管理が杜撰だったせいで引き起こしてしまった事に対して罪悪感を抱いていた
「その、本当にごめん……私がサヤから没収した薬を冷蔵庫に仕舞ってたせいで……」
酒泉を気遣うようにその肩を先生が叩くと、酒泉は身体をビクッ!と大きく揺らす
赤く火照った身体、荒い息遣い、瞳の端から零れる涙
二人はその姿にどこか色めいたものを感じて呆けていたが、苦しそうな酒泉の言葉を聞いてハッ!と意識を取り戻した
────くす、り?
「その、酒泉が飲んだのはエナドリじゃなくてサヤが作った発情薬だったんだ。効果は一日中続く強力なやつらしくて……暫くはそのままだと思う」
「……そっか……だから……その……か、下半身があんな風に……」
二人の視線は少年の股間部に向けられる
ズボン越しからでも分かるその大きさは二人の女性を釘付けにしていた
────そう、ですか……先生、今日はシャーレの休憩室に泊まっていっていいですか?
「えっ?このままここで過ごすの?」
────その……正直歩くのすらキツくて……だから、もうここで……
「それは……別に……いい、けど……」
────ありがとうございます……空崎さんも心配掛けてすいませんでした、明日の活動には何とか間に合わせますので……
「う、うん……分かった……」
もじもじと身体を揺らす酒泉、その右手は自身の左腕を抑えている
何か支えに掴まっているかの様なその姿を見たヒナと先生は────
(もしかして……我慢、してるのかな……)
(あんなに張り詰めてるなんて……辛そう……)
ドクン、と何かが騒ぎ始めた
同時に頭の中にある考えが流れ始める
二人はその考えを〝仕方ない〟〝助けるため〟〝生徒のため〟〝部下のため〟とひたすら言い訳じみた言葉で飲み込む
そして、この日初めて会ったヒナと先生は事前に打ち合わせでもしたかの様に同時に酒泉に語りかける
「ねえ、酒泉」
「その……苦しそうなやつさ……」
「「私がなんとかしてあげよっか?♡」」
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────やめっ……ひ、ひとりでできますから!本当に大丈夫ですからぁ!?
「逃げちゃ駄目だよ、酒泉………他の人に迷惑を掛ける前に私達が解消させてあげるからさ♡」
「これは……ゲヘナの風紀を守るためだから……♡」
先生が酒泉のズボンを脱がせ、更にそのまま下のパンツにまで手を掛ける
露になった肉棒がピンッ!と一気にそそり立った瞬間、〝雄〟特有の匂いが先生とヒナの鼻に漂う
「────ぁ……♡」
「────お、おっき……ぃ♡」
匂いを嗅いだだけで下腹が疼く様な感覚を覚え、2人の秘部からは行為に及ぶ前から既に愛液が垂れてきていた
これからこの雄に奉仕する……否、奉仕させてくれるのだと雌としての喜びが沸き上がる
────あ、あの……そんなジロジロ見られると……
「……あ……ご、ごめんなさい……♡」
「じゃ、じゃあ……まずは私から……んしょ♡」
────っ!?
まだ酒泉が行為に及ぶことを同意していないにも関わらず、程好いサイズの胸で酒泉の肉棒を挟む先生
ずりゅ♡ずりゅ♡と不慣れな手つきで胸を動かしながら酒泉の顔を見上げる
「こう、やって……んっ……動かし……続けて……ど、どう?」
────……っ、ちょっと……気持ちよく……なって……っ!
「ほ、ほんと?それならもっと……えい♡えい♡」
自分の胸で気持ちよくなってくれた事に歓喜した先生は先程よりも早く胸を上下させる
それと同時に自分の胸の中で肉棒がびくびくと脈打ち始め、先生はパイズリを続けながら酒泉の顔を見上げる
(我慢してる……可愛い♡)
歯を食い縛り、すぐに果てまいと必死に耐えようとする酒泉
そんな彼の姿を見た先生は悪戯心が膨れ上がり、時々パイズリを止めては亀頭を優しく撫でたりと緩急をつけて刺激を与える
「どう?私の胸、ちゃんと酒泉を気持ち良くさせてあげられてる?♡」
────それっ……ヤバ……っ!?
「え?………きゃっ!?」
そんなことを繰り返している間に酒泉の肉棒がビクビクと震え始め、その亀頭から精液が勢いよく飛び出す
薬の影響で早くも飛び出てしまったその全てを顔で受け止めた先生は、初めて見るその液体を指で摘まんで広げたり潰したりしている
「びっくりしたぁ……これが精液かぁ、結構ネバネバしてるんだね……」
────す、すいません!!大丈夫ですか!?
「うん、平気だよ…………んむ♡」
────っ!?せ、先生!?何してるんですか!?
「……にっがぁ♡」
何の注意もなく突然精液を先生にぶっかけてしまった事を謝罪する酒泉
だが、先生は怒るどころか愛しそうな表情で顔にかかった酒泉の精液を指で取ってから舐め取る
「だけど、この苦さも酒泉が出したものだと思えば悪くないかな………できれば口に出してほしかったけどなぁ」
「……先生、そろそろ……」
「あ……ごめんごめん、次はヒナだったね」
酒泉の前で味の感想を言う先生だったが、ヒナに急かされて一旦後ろに下がる
そして今度はヒナが酒泉の前に座り、早速確かめるように目の前の肉棒をツンツンと触れる
薬の効果なのか、一度射精したにも関わらずその肉棒は未だにビキビキと震えていた
「か、かたい……」
────っ……空崎、さん……それくすぐったいです……
「あっ……ごめんなさい」
微かに漏れる酒泉の息に興奮しつつも、早く目の前の膨らんだ肉棒を落ち着かせてあげようとヒナは気を取り直す
(……先生ほど胸はないけど……)
────……っ?
「んっ……♡」
ヒナが胸を上下に揺らす度に二つの突起が酒泉の肉棒に所々掠れる
それは一部界隈では〝ちっぱいズリ〟と呼ばれるもので、ヒナはそれを意図せず自らの身体で実践していた
更にその効果は酒泉にとっては絶大だったようで、心なしか先程の射精時以上に肉棒がピクピクと反応している
(これ……やばっ……むねっ、こすれて……♡)
……が、その行為はヒナにとっても諸刃の剣だったようで
酒泉の肉棒がヒナの乳首に擦れる度にピクッ♡とヒナの肩が震える
胸が小さい分その突起に感度が集中しているのか、酒泉に与える以上の快楽がヒナの身に降り掛かる
「ふっ……ぅ……うぅ……♡」
先程の射精の影響でベタついた酒泉の肉棒はヒナの胸板に纏わりつくように付着していく
ぬちゃぬちゃと音を立てるにつれ、ヒナは自身が果てそうになってしまうほどの快楽に耐えながらパイズリの勢いを上げていく
(酒泉のが……からだにっ、ついて……♡)
大好きな少年の精液に濡れていることも一因になっているのか、興奮によって自身の体が赤く火照っている事に気づいたヒナ
その事実を自覚してしまえば快楽の波を留めている壁はいとも簡単に崩壊し、ヒナの胸の突起の快楽が脳へと伝い、パチパチと弾ける様な感覚が広がる
「────~~っ!?♡♡♡」
ぷしっ♡と何かが飛び出る様な感覚を覚えたと同時に、ヒナの股下には小さな水溜まりができていた
────ぅえ……空崎、さん?
「……ぁ」
「ありゃりゃ……」
一瞬、羞恥で顔を染めたヒナはまるで酒泉の目から逃れるように顔を伏せる
その理由は目の前のイきかけの肉棒────つまり酒泉を達しさせる前に先にヒナが達してしまった事を意味していた
「ご、ごめんなさい……さきに……いっちゃって……♡」
────い、いえ!俺も気持ちよかったんで大丈夫です!
「でも……それ、まだ大きいままでしょ……?」
先程までヒナ達の提案を断っていたにも関わらずフォローを入れる酒泉
しかしヒナの言った通り酒泉の肉棒は未だに大きく膨らんだまま、むしろ中途半端に快楽を与えられたせいで余計に苦しそうに震えていた
「今度こそ……今度こそ上手くやるから……!」
────いや、別に無理しなくても……
「い、いいから!酒泉は私に身を任せてて!」
別に争っているわけではないのだが、それでも現状は先生だけが酒泉を気持ちよくさせたという事実がヒナを焦らせる
出来れば先生と同じ方法で酒泉を気持ちよくさせようと考えていたヒナはそれを諦め────次に、酒泉の肉棒を口を近づけた
────うおっ!?
「んっ……♡」
小さな口が頬張るように肉棒を咥え、その顔を上下に動かす
自身の目下で敬愛する上司が……〝空崎ヒナ〟が自身の肉棒を必死に咥えているという事実がより酒泉を興奮させる
更には明らかに不馴れなその動作も酒泉の興奮を増幅させていた
「んっ……ろお?きもひいい────っ!!?♡♡♡」
歯を立てないように、傷つけないように
小さな口に含まれた大きな肉棒のせいで若干の苦しさを感じて涙目になるヒナ、しかしそんな状態でも上目遣いで酒泉の顔色を伺いながらフェラを続ける
ぐぽぐぽ♡と音を立てながら動き続けるヒナの口の中に突如、熱い何かが流れ込む
それは先程の中途半端な快楽によって奇しくも〝寸止め〟と同じ状態になっていた肉棒から放たれた精液だった
達する寸前でお預けされ、グツグツと中で煮えたぎっていたそれは勢いよくヒナの喉奥を通過していく
「────ッ!?んん゛ん゛ん゛っ!?んおえ゛……♡」
────ご、ごめんなさい!すぐに離れて……
「っ!!!んーッ!♡♡♡」
やはり未だに行為に対して抵抗感があるのか、酒泉は咄嗟にヒナの顔を離そうとする
だが、そんな酒泉とは真逆にヒナは酒泉の腰を掴んで顔を思い切り前に出し、酒泉の肉棒を喉奥付近まで突っ込む
「んんんぶっ!?♡んぐっ……んぅ……♡」
ヒナが離れたのは結局酒泉の射精終了後だった
ぬぽん♡と口と肉棒をお別れさせた後、ゴクン♡と精液が飲み込む音が聞こえた
「んぐ……ん……ほんとににがい……♡」
────そんな汚いの飲んだら「けぷっ♡」……え?
「……い、今のは聞かなかったことにして……」
もじもじと恥ずかしそうにしながら目を逸らすヒナ、その事から今の音は酒泉の聞き間違いではないことが判明した
それは、口の中全体に広がる精液を飲み込んだ後にヒナの口から発せられた音────つまり精飲後のゲップだった
普段の凛々しい姿からは想像もつかないような下品な音に反応したのか、酒泉の肉棒は再び大きくなる
「嘘でしょ……薬の影響もあるとはいえ、まだ大きいままなの……?」
「どうしよう……もっと出させないといけないのかな」
────あの!ここまで流されておきながら今更なんですけど……本当に俺一人で処理できるので大丈夫ですから!
「……二回出しても大きいままなのに?ずっと一人で同じ方法で出し続けるの?」
「……できるの?途中から飽きるというか……辛くなっちゃいそうだけど……」
二人の言うことは正しい、例えどれほど性欲旺盛な人間が居たとしても同じ方法で一人休まずシコり続けるなど不可能に等しい
どこか途中で刺激に〝変化〟を訪れさせなければいずれ快楽はただの苦痛となるだろう
酒泉自身もそれを理解していたのか言葉を詰まらせ、それを見た先生とヒナは顔を見合わせてある決断をする
「……ねえ、酒泉。さっきよりもっと気持ちいいこと、やってあげよっか♡」
「そうすればさっきより沢山精液も出せて……酒泉の〝それ〟も落ち着くかも……♡」
それは暗に〝セックスしよ♡〟というお誘いだった、そして流石の酒泉もこの状況でそれを理解できないほど鈍感ではなかった
……が、悲しい事に酒泉はそこまでしてくれる理由を〝先生にとって生徒は皆大事だから〟や〝ヒナは純粋に後輩である自分の気を遣ってくれているだけだ〟といった理由で捉えていた
────っ!駄目ですよ!そんな事!そもそもこんな事ですら俺なんかの為にやるべきじゃないのに……そこから先は本当に好きな人とだけやってください!
それは二人から与えられる快楽に敗北した酒泉のせめてもの抵抗、そして二人を思い遣る心
だが、その言葉は先程まで頬を赤らめさせていた二人の笑顔を一瞬で固まらせた
「……は?なにそれ?」
「……酒泉、まさかそれ本気で言ってるの?」
何か失言してしまったか、二人から向けられる冷たい視線に射抜かれながら焦る酒泉
そんな様子に〝本当に気づいていないのか〟と呆れながらもジト目で口を開く
「……酒泉、まさか私達がここまでするのは〝困っている人がいるから〟って理由だけで酒泉を助けようとしてるからと思ってるの?」
「……大事な生徒だからって私が誰彼構わずここまで尽くすとでも?子供を助ける為だけに私が自分からこんな事を提案するとでも?」
二人の纏う空気が冷たくて恐ろしいものに変わる……が、その空気はすぐに変わった
どこか怒ったように眉を曲げながらも、その表情には照れなどが混じっていた
「私達はっ!酒泉の事が大好きだからここまでやるのっ!〝酒泉の為に仕方なく〟じゃなくて〝酒泉とシタい〟からこんな提案をしたのっ!」
「勘違いされないように言っておくけど〝大好き〟の意味は当然〝愛してる〟の方よ……友愛とか家族愛とかじゃなくて私達は〝女〟として貴方を愛しているの」
そんな複雑な感情のまま、二人はずっと秘めてきた思いを口にした
誰が誰を好いているのか、好きという言葉が〝どういう意味の好き〟なのか、酒泉の鈍感さで勘違いされない様にハッキリと
こんな行為をした後で顔を赤らめた二人の女性からの告白、普通ならどう考えても〝あ、この人達は俺のことが好きなんだな〟という考えに至るはず
しかし〝折川酒泉〟という男がその結論を簡単に出せる様な男であれば先生やヒナの感情はだってここまで拗れたりなんかしないだろう
よく〝自他共に〟という言葉があるが、彼は自は認めないものの他は百人中百人が認めるレベルのクソボケだった
しかもそのクソボケっぷりを先生に告白された時に発揮し、結果的に先生の恋心依存心湿度その他諸々をオーバーフローさせたという前科も持っている
そして、最悪な事にそんな彼のクソボケはこのタイミングでも発揮されてしまった
先生もヒナも酒泉にとってはとても大きな存在だ。先生は酒泉にとって尊敬できる大人であり、ヒナは酒泉にとって身を粉にしてでも支えたい推しだった
そんな好印象な二人(しかも内外共に魅力的)にご奉仕された上に〝貴方が好きです♡私とえっちしてください♡〟と迫られれば当然酒泉の脳はキャパシティを越えてしまう
あの先生が、あの空崎さんが、俺を好いて、俺を愛して、余りにも都合の良すぎる状況に酒泉の混乱は益々深まる
有り得ない、いつから、どうして、理由は、身体を捧げてくれるほど愛してくれていたのか、これは本当に現実なのか、実は夢なんじゃないのか
そんな事を頭の中でぐるぐると繰り返し考えていた酒泉は突然ある可能性を思い浮かべてハッ!としてから近くの小瓶を手に取り、ラベルに書かれている文字をまじまじと見つめ出す
────そうだっ!?さっき俺が飲んだ薬だ!これがきっと先生や空崎さんにも影響を与えて発情の様な現象を起こして────
ここで一つ、折川酒泉は最悪の間違いを犯した
それはこの状況は薬の影響で生まれてしまったと……つまり二人の酒泉に対する想いは〝薬によって作られた偽物である〟と暗に言ってしまった事だった
勇気ある告白、しかも先生にとっては二度目であるそれを正面から否定してしまった酒泉
ラベルの文字を読み続ける彼が背後の冷たい気配に気づかないのは薬で弱っているからか、それとも彼が気配にすら鈍感なクソボケだからか
「「……はぁ?」」
気づけば、二匹の獣が酒泉の両腕を掴んでいた