温厚な陽射しが眠気を誘う。
早朝から兵の調練をしていて、それを終えてからは、霞と梨晏を交えて個人の武を磨くことに孫策は邁進していた。
昨晩から、自分でも精力的に動いていると思う。ほとんど睡眠を取っていない状態だから、その影響が気の緩んだ瞬間に顔を覗かせる。
遊ぶからには、放蕩を認めさせるだけの実力を示す必要がある、と孫策は思う。義母や祭も、普段は乱れた生活を送っているが、有事にはこれ以上なく頼りになるのだ。だから、少々羽目を外していても、人心が離れない。自分も、そこは見習うべきだった。
木の根元に座って、霞が手で顔をあおいでいた。袴の隙間。少し汗ばんだ張りのある腿が見える。蜜に惹き寄せられる虫のように、孫策は倒れ込んだ。
腿に手を置き頬ずりをすると、霞の匂いが強く拡がる。
「おーい、一刀。こんな昼間っから、船漕いでどこまでいくつもりしてるん? へへっ。どうせ大っきい子供の相手するなら、美少女のほうがええねんけどなあ、ウチは」
「えー? だったら、私が代わってあげようか、霞。ほら一刀。梨晏お姉さんが、いい子いい子してあげるから、こっちにおいでー?」
文句を言いながら、霞が優しく耳のあたりを撫でてくれている。
男女の関係になったわけではないが、霞とは洛陽で裸の付き合いもしているし、様々な面での気楽さがあった。
独特の訛があるせいで取っ付きにくさを感じる者もいるのだろうが、基本的には面倒見のいい女なのだ。からかうように、梨晏が元気な声を発していた。
「そんで、おねむな一刀くんはどこでやんちゃしとったんかなあ。暇つぶしに、聞かせてもらおうやないか」
「うんうん。最近仲良さそうにしてたし、馬超のとこだったり? ああいう感じの女の子、一刀好きそうだもんねえ」
二人が、好き勝手に予想を立てている。
馬超が好みの女であることは否定しないが、夜はまだともに過ごしていない。機会があれば、馬家の所有する牧場を視察してみたいとは思っていた。現在の乗馬も悪くない脚をしているが、少々年齢を重ねている。
「ン……。馬超ではない。寄っていたのは、董卓のところだ」
「おー。なるほど、そっちときたか。しっかしまあ、あんたの守備範囲の広さには驚かされるなあ、一刀。上から下まで、でっかいのもちっさいのも別け隔てなく、満遍なく食ってしまうんやもん」
「だねえ。そもそも、一刀のお母さんからして世間の感覚から外れすぎてるというか、あははっ」
「あの親にして、この子供ありっちゅうやつか。そう言われたら、納得感しかあらへんなあ」
いまごろ、義母はどこかでくしゃみでもしているのではないか。
ゆっくりと眼を閉じ、孫策は意識を夢の中で漂わせようとしている。
†
叛乱軍との戦を二日後に控えた夜、孫策は月の寝所を訪った。部屋は簡素な造りをしていて、ほんとうに小さな寝台がひとつあるだけなのである。見た感じ、二人で使う分にはかなり手狭になる。
顔を合わせてすぐに、月が抱きついてくる。今夜、自分が訪問してくることを、予想していたのだろうか。ほのかな明かりに照らされて、薄い衣を着用した月の身体が、闇の中に浮かび上がる。
無駄な肉が、どこにもついていない。それでいて抱き心地はよく、孫策はしばらく月のやわらかさだけを確かめるように手で味わった。
「月が寝ていたら、どうしようかと思っていた。心配は、杞憂だったな」
「それならそれで、面白いことになっていたのかもしれません。一刀さんは、いけないお人ですから。夜這い、かけてくれたのでしょう?」
「ははっ。そんな言葉をつかうのだな、おまえも」
月の瞳が期待でふるえる。
叛乱軍に勝つという自信はある。しかし、おのれも月も戦場に身を置く立場にあり、死は常にすぐ隣にあると言ってよかった。
だからこそ、強く求め合うことができる。次代に抱く渇望を、より激しく燃やすことができる。
先にいくほど波打つ月の美しい髪を、下に向かって梳くように撫でた。そんな部分にすらちょっと癖のあるところが、月らしいと思えてくる。自分がほほ笑んでいる意味を、おそらく月は理解していないのだろう。
「うれしい、一刀さん」
薄い衣を、肩まで脱がす。あたり前のように、大事な部分を隠す下着は着用していなかった。
月の肌。驚くほど白く透き通って見えて、孫策は思わず息を呑んだ。薄くなだらかな胸が、むしろ神々しい雰囲気を醸し出しているのか。淡い色をした先端の突起は、まだ大人しい姿のまま佇んでいる。
口づけを交わす。恥じらいなどなにもない、激しい吸い付き。息継ぎの勝手がわからないのか、月は時々苦しそうに声を洩らす。口から垂れ落ちる唾液も、外見上の清楚さとは無縁だった。
「はっ、はふっ、んっ、はあっ……。誰かを好きになるのに、時間なんて必要ない。私はいま、そのことを実感しているんです」
「人の感情は、役所仕事のように枠にはめられるものではない。俺も月も、すべてがばらばらに違っているから、そこに美しさを見出すことができるのではないかな」
月の手が、着物の帯を解きにかかってくる。少しでも早く、最も深い場所での繋がりを得たい。その思いが行動から伝わってきて、切なさが生まれる。
口づけをはじめた時から、気持ちは昂り続けていた。連動して、オスの欲望の象徴にも、火がついている。
舌をねっとりと絡めたまま、互いに着ているものを脱がしあった。月の手が、熱をもった男根にかすかに触れる。驚いたのは一瞬だけで、かたちや大きさを確かめるように月の指が動いている。
「あっ、ふふっ。一刀さんのおちんちん、すごく大きくなっているんですね。期待してくださっているんですか、私とその……することに」
「当然だろう、そんなこと。月に女としての魅力を感じているから、俺は繋がりを持ちたいと思う。ただの同盟者でいいなら、わざわざ夜這いをかけたりするものか」
「ありがとうございます、一刀さん。えへっ……。ちょっと、ずるい質問をしてしまったみたいです」
いたずらっぽく笑ってから、つま先立ちになった月が、より濃厚に舌を絡めてくる。洩れ聞こえる、かわいらしい喘ぎ声。軋む床の音が、生々しく響いている。
隆起しきったオスそのものに対する畏れはない。月は手のひらを使って愛してくれていて、脈打つ男根は相好を崩しっぱなしなのである。
「んうっ、んんっ。一刀さんの指、熱いです」
「月の中も、熱さでは負けていないぞ。それに、俺に触れられる前から、こんなに濡らして」
「んあっ、くっ、やあっ……。ご、ごめんなさい、一刀さん。私、自分で思っていた以上に、悪い子みたいなんです。あなたと深く繋がれると思うと、それだけで」
熱い吐息を洩らしながら、月が男根に刺激を与えようとする。
不慣れな手つきだった。月の両手では有り余るくらい、男根は太く大きくかたちを変化させていて、あふれる先走りは勝利宣言をしているようでもある。
「そこ、一刀さんにくちゅってされるの、好きになってしまいそうなんです。んあっ、ああっ、くっ、うあっ……。一刀さん。あなたに溺れてしまうこと、許してくださいますか」
「こんな状況で、嫌だと言える男がどこにいる。やはりおまえは、ずるくて悪い子なのだな、月」
「だったら、お仕置きしてください、一刀さん。いけない子である私に、あなたの雄々しいものを使って、うんと厳しく」
張り詰めた肉竿全体に、月が両手を使って我慢汁を馴染ませていく。
挑発的な仕草だった。期待でふくらむ亀頭の先端。やわらかな腹に押し付けられていて、その奥にある子袋の存在を意識させられてしまうのだ。
小さな寝台に、背中から月を押し倒した。薄い衣は完全にはだけていて、肌を隠す役割を放棄している。
肉付きのあまりない脇腹に触れる。それがちょっとくすぐったいのか、月は艶かしく腰をくねらせた。
覚悟のほどを尋ねる意味はないと思った。わずかに開いた膣口に、荒ぶる男根の先をぴったりとつける。体格差を考えても、締りがいいことが容易に想像できてしまう。愉しみから、孫策は一度唾を飲んだ。
「挿れるぞ、月」
「あなたのお好きなように、一刀さん。うあっ、ぐっ……。はあっ、あーっ、あっ、んうっ……!」
小さく狭い膣道を、ほとんど無理矢理にかき分けていく。
互いに望んだうえでの行為なのだから、意味のない手加減はしてやらない。それに、いまになってそんなことをされても、月は喜ばないと孫策は思った。
容赦のない締め上げが、昂ぶった状態の男根を襲う。これは自分と月との戦でもあり、奥にたどり着くまではなにがなんでも耐えてやると下腹部に力をいれた。小蓮と同じか、それ以上のキツさがあるのだ。歯を食いしばって我慢しているのは、自分ひとりではないはずだった。
「はーっ、ふっ、ふはっ、はっ。ど、どうなんでしょうか、これは。感覚がぼんやりとしているせいで、一番奥まで届いているのか、あまりよくわからなくって」
「心配する必要はないぞ、月。ほら、これでどうかな」
「あっ、んあっ、ふあっ……。これ、一刀さんのおちんちんが……? いっ、ああっ、うっ、んあっ……。わ、わかります、はっきりと。一刀さんのすごいのが、お腹の裏側を押し上げてきてることが。とっても素敵。これが、繋がるということなんですね」
月というのは、苦痛の中にでも、快楽を見いだせる女なのだと孫策は理解した。
男根を強烈に締め上げながら、月は奥から愛液をあふれさせている。儚さを感じさせる唇。切なくふるえていて、愛をそそいでやりたい、という気持ちにさせられる。
危険な魅力のある女なのだ。一度深みにはまれば、きっと抜け出せなくなる。それでも、構わないと思った。
「動くぞ、月。おまえの中が、俺を求めてずっと疼いているようだ。濡れ方も、普通ではないな」
「は、恥ずかしいです、一刀さん。でも、ください。私のはしたないおまんこに、お仕置きをたくさん。あっ、はあっ、くうっ、んあぁあっ……!」
抽送を開始する。
腰を前後させるほどに、破瓜の血の混じった愛液が膣内から滲み出る。悲痛と歓喜の入り混じった声で月が鳴く。
支配欲が異様なくらい満たされる。狭い膣内を突き上げる腰が止まらない。快楽のある甘い痺れが、全身を巡る。正直、これではどちらが相手に支配されているのか、わからないと孫策は思った。
「はふっ、んあっ。とっても力強くて、すごいです。もっと、もっとしてください、一刀さん」
「くうっ、はははっ。いいな、最高だよ、月」
月のしなやかな脚が、腰に絡みついてくる。そこには絶対に離れたくない、という意思が宿っているようだった。
叛乱軍との闘いが終結に向かえば、自分たち孫家の軍勢は涼州を去ることになる。郷里に残してきた蓮華や雷火たちが、飛躍のための準備を整えているはずだった。
互いに勢力を伸ばしていければ、いずれ再会の願いは叶う。揚、荊の二州を支配下に置き、その力をもって益州を奪る。その間に、月たちが涼州を抑え東に進出する体勢を作り上げていれば、中原に強力な勢力が出来上がっていようと、いくらでも対抗することが可能だった。
現時点では、単なる夢物語に過ぎない。だが、皆が必ず達成できると信じて疑わないかぎり、夢はくっきりとした輪郭を持つことになる。その結束力こそが、自分たちの強みだと孫策は思う。
月のなだらかなふくらみに手をやる。交合を重ねていけば、さらに女らしさを増していきそうな感じのする身体だった。
この地を去るまでに、何度こうした時間をともにすることができるのだろうか。
月から不安を取り除くという意味でも、賈駆のやつともいま少し仲を深めておく必要がある。素直ではないが、反応は変わりつつあるのだ。感覚的には、あとひと押しといったところなのだろうか。
「いっ、ああっ。お腹の奥、ぴりぴりって……! 一刀さんのおちんちんの熱さが、さっきまでより強く感じます」
「月」
この女に種を放ちたい、という欲求が湧きに湧いている。
体勢を変え、今度は月をうつ伏せに寝かせた。小ぶりな尻。触れながら膣口を親指で開くと、とぷりと愛液が流れ落ちた。その魅力たっぷりの穴に、後ろから男根を挿しこんだ。えぐられる感覚に変化があるのか、月は両腕で抱いた枕に顔を埋める。
「これっ……! 後ろからされると、一刀さんのお顔が見えないのは残念ですけど、あたるとこが違って、ああっ、ふあっ……♡」
「かわいい声だ。いきたくなってきたのか、月?」
「そんな、かわいいだなんて。んんっ、あんっ。お尻つかまれた状態でぱんぱんってされるの、気持ちいいんです。一刀さんにこんなことされたら、いかないほうが絶対、無理……くふうっ……!」
小さな身体を寝台に押しつけ、激しく抽送を行う。
絶頂が近いのか、初心な膣肉がうねりながら男根を搾り上げてくる。ぞくりとするような快楽。膣奥に亀頭を擦りつけ、孫策は熱い吐息を洩らした。
初めて男の味を知ったというのに、これだけの反応を示しているのだ。明確に才能がある。期間としてはそう長くはならないだろうが、月との爛れた時間をめいいっぱい愉しみたいと思った。
「ください、私の中に。あんっ、あっ……。くうっ、うはあっ……! お、思い出にしたいんです、一刀さんとの。全部、記憶しておきますから。それで、離れ離れになっても寂しくなんかありません。ですから、おまんこの中に、だして……ぇ♡」
月の声が切なく寝所に響き渡る。互いに、気持ちは同じようだった。一撃で孕ますくらいの覚悟をもって、腰を押しつける。それで、月の放つ嬌声がより激しくなった。
煮えたぎった精液が、懇願の言葉によってあっけなく限界を迎える。
我慢するかどうかなど、所詮男の自己満足に過ぎない。欲しいと思われている時に、どれだけ要望に応えられるか。そちらのほうがよっぽど重要なのだと、孫策は寝台に両手をつきながら歯を食いしばった。
「くふっ、んあぁあっ。きたっ、一刀さんの射精。おちんちん、すごくびくびっくっておまんこの内側で跳ねて……っ」
子宮の入り口にぴたりと亀頭をつけた状態で、子種を流し込む。
月の背中が快楽にふるえる。その痙攣を腰で制動するように、孫策は射精を続けた。
「きてる、どくどくって熱いのが……! はうっ、はーっ。んくっ、おっ、んあぁあ……っ♡ いくっ、あっ、すごいのくるっ。はあっ、ふうっ……。気持ちいいの、とまらない。一刀さん、ああっ、一刀さ……ん♡」
「ああ。気持ちいいな、月。もういらないと言われても、今夜は中に出してやる。明日も早いが、不眠不休でやるぞ」
「ふふっ。ほんとにいけないことをしているみたいで、素敵です。はあっ、ぞくぞくすごい。んあっ、はひっ……。そんな、まだ……っ」
予定のことなど、いまは気にしていられない。考えていいのは、月との交合のことだけだった。
なにもかもが初めてなのだ。幾人もの女と関係を重ねてきてはいるが、月との繋がりをもったのは今夜が一度目だった。だからこそ、大切にしたいと思う。簡単に終えてしまうことだけは避けたい、という心情があるのは当然だった。
「はあっ、あっ、んぅ。うふふっ……。やっぱり、一刀さんは特別お元気なのでしょうか。こんなに射精しているのに、おちんちんの勢いがずっと同じままで」
「そうかな。比べたことがないから、それはなんとも」
結合を保った状態で、横になって月と抱き合う。
混じり合った男女の濃厚な匂い。深く口づけを交わすと、それがより強くなった気がしていた。
†
どちらも余暇をもて余す立場ではないから、七度果てたところでさすがに眠ろうという話になった。
なんとか燃え残っていた明かりを吹き消すと、寝所が真っ暗闇に包まれる。それでも寂しさがないのは、月のあたたかさがすぐそばにあるからなのだろう。
厚めの布をつなぎ合わせたものを、身体のうえにかける。月の前髪が胸に触れてくすぐったい。二人きりで過ごしていると、かわいらしい女だという印象がかなり色濃くなっていた。
「いつか、一緒に故郷の海を見にいこう。いくらでも発見があるぞ、きっと」
「海、ですか? そういうものがあるということだけは、知っていますが」
「江水もとてつもなく広大だが、海はそれ以上にどこまでも果てしなく拡がっている。見れば、間違いなく驚くことになる」
自分の話に興味を持ったのか、月が頭を起こした。
小さなころは素っ裸になって泳いだものだが、遊興として大勢でいくなら、専用の服装を用意するべきなのかもしれない。動きやすく、なおかつ皆の魅力を引き立てるようなものが作れれば、いろいろな意味で愉しみが増える。
「海の水は、川や湖のそれとはまるで別物だ。健康にいいとも聞くから、飲んでみるといい」
「そうなんですか? ふふっ。だったら、詠ちゃんや猫さんにも、教えてあげないと」
ほかの二人にも教える、と言われて孫策は内心どきりとしていた。
効果がないと言い切ることなどできないが、海の水は塩辛くて、少なくとも人の飲めるものではない。ちょっとからかってみたつもりが、これは予想外の騒動になるかもしれない、と孫策は苦笑している。
「はじめての約束ですね、一刀さんとの。えへへっ。恋人としての約束、と捉えてもよろしいのでしょうか」
「いいに決まっている。だから、月」
「はい。勝ちましょう、一刀さん。みんなで、夢を実現するためにも」
今夜一度も見せることのなかった真剣な眼差しで、月が頷いた。
少し経てば、窓の外は白んでいくのだろう。ほんの短い休息を二人で満喫しようと、孫策は月の身体を再び抱きしめた。
最近意図して♡減らしているんですけど、読んでる方的にはどうなんですかね?
-
このままで
-
もうちょっと欲しい