借り部屋に帰ってきた孫策は、なにかしらの異変があったことを察知していた。
入り口の前で、腕組みをした冥琳が立っている。
門番のような立ち姿をしているというか、とにかく誰も部屋に通さないといった感じが見受けられるのだ。となると、問題は室内にあることになる。
そこで過ごしているのは自分と冥琳の二人であり、現在はどちらも外に出ている状況だった。特に誰かと会う約束をした覚えもない。それにもし、中で身内の女と鉢合わせていたとしても、そのくらいのことで冥琳が心を乱すはずがなかった。
歩いてくる自分の姿を見つけて、冥琳がため息を吐いた。
「待ちくたびれぞ、一刀。そろそろ女とほっつき歩いている尻をつかまえて、どうして火攻めにしてやろうかと思案していたところだ」
「おいおい、物騒な物言いだな、冥琳。というか、これはなにごとだ」
恨み言と一緒に、冥琳が尻を軽く平手打ちにしてくる。気のおけない男友達のような側面があるのも冥琳のいいところではあるが、孫策は室内の様子が気になって仕方がない。
こうした場合、原因の大半が自分にあることがほとんどだった。
しばらく構えていない小蓮が、へそを曲げて拗ねている。あるいは、勝手に酒盛りをはじめた祭に、嫌気が差して逃げてきたくらいの話であれば、まだかわいいほうなのか。
「いってやれ。私以上におまえを待ちわびている女が、部屋の中にいる」
促してくる声が優しかった。用件の済んだ冥琳が、そよ風のように去っていく。
それにしたって、いったい誰が。
扉に手をかける。女だと教えられても、やはり見当はつかなかった。
室内に一歩足を踏み入れたが、目当ての女の姿がない。ちょっと不思議に思いながら、視線を床に落としたところで孫策はあっと声をあげた。
「お待ち申しておりました、兄上さま。突然の訪問で驚かせたこと、どうかお許しください。ですが、それも」
顔を床に伏せたまま、女が声を発している。
頭の上で丁重に重なる、両手の指。いつからこの姿勢でいたのかは知らないが、地面よりかは幾分マシだとはいえ、冷たい板張りに膝をつくのは楽ではないはずだ。
健康的な褐色の肌。少しめくれた服の裾から、無骨な白い布が見え隠れしている。
そっと近づき、孫策は女の側で膝をかがめた。濡鴉の髪に手を伸ばす。頭の上を何度か往復させると、女は喜色の滲む声を控えめに洩らした。
「あっ、んっ……。お、おやめください、このような、んっ……」
おそらく、呉郡に残してきた妹の差し金なのだろう。
しばらく顔を合わせていなかった幼馴染み。もっとも、自分のほうが四つか五つは歳が上のはずだから、ほとんど妹のような存在なのである。
伏せたまま動こうとしない女の身体を引き起こし、ツンと張った頬に手のひらをあてる。切れ長の眼。揺れに揺れていて、無理に険しい表情をつくっているのが丸わかりだ。
「しばらく見ないうちに、また美しくなったな。おまえに邪魔な虫がつくのは癪だから、そろそろ迎えに行くつもりではいたのだが」
「んぐっ……。あ、兄上さまは、いつもそうやって調子のいいことばかり……」
「思春がかわいいから、つい調子づいてしまうのだよ。それにしても、このような遠方までよくきてくれた」
「はっ。私ひとりの旅路ですから、予定よりも早く到着することができました。さすがに、戦には間に合わせることができませんでしたが」
甘寧興覇。泣く子も黙る江賊大将。幼い頃はその当人がよく泣かされていたことなど、麾下たちは知る由もないのだろう。
着の身着のままの格好だった。本当に愛剣だけを携えて、思春は遥々涼州にたどり着くまでひとり旅を続けていたようだ。
ここまでの反応は、さしもの蓮華も想像していなかったのではないか。人を集めるように命じておいたから、誰よりも長江を知り尽くしているこの幼馴染みに声をかけたこと自体は、正しい判断だといえる。
「平気なのか、長江を離れても。おまえなしでは、部下たちがきっと不安になる」
「これでも、副官の育成には尽力しているのです。数ヶ月留守にするくらいなら、どうにかなります」
思春の凛とした声が響く。どこか鈴の音に近い響きがあり、それが余計に清浄な雰囲気を形成しているのだ。
自身に満ちた表情。当人がこれだけ言い切っているのだから、余計な心配は無用なのだろう。
「人が入り用だと、蓮華から聞きました。それに、兄上さまが本気で天下をお奪りなるつもりだとも。不安がまったくないわけではありません。ですが、昔馴染みにあれだけ熱心に求められたのです。応じてやらなければ、私の義理が廃ります」
「持つべきものは友だな。思春のような幼友達がいて、妹は幸せ者だよ」
「むっ……。そ、そんなに褒められると困ります。私は別に、当たり前のことをしているだけであって……」
首に巻いている黒い布で、思春が口もとを覆う。
照れ隠しの常套手段だ。元来感情の起伏が豊かな子なのだが、江賊の一団を率いる身として、努めて平静でいようとしているらしい。
いい心がけではあったが、自分と二人きりでいるのにそれでは寂しすぎる。それに、こうしてわざわざひとりで出向いてきたのだから、思春の中にも期するものがあるはずだ、と孫策は感じていた。
思春の手を握り、きれいに整えてある寝台の上に導いた。
手のひらに滲む汗。それでも、拒絶されるようなことはなかった。思春を妹のように思う気持ちはある。だからこそ、蓮華や小蓮との経験を通じて、より深い関係性を結びたい、と思うようになるのは自然なことなのではないか。
「せっかくの再会だ。積もる話は、旅の疲れを癒やしながら聞かせてもらうとしようか」
「えっ……? あ、あの、兄上、さま……っ?」
困惑気味の思春をうつ伏せに寝かせ、間髪を入れず按摩を開始する。
疲れのたまっている足裏。指の腹を使って、丹念に刺激していく。嬌声。不意に洩らしてしまったせいか、思春は恥ずかしそうに
「んっ、やっ、ああっ、ン……ぅ。き、汚いですから、そんなところ。そ、それに、兄上さまのお手を煩わせる気など、私には少しも」
「いいだろう? たまには、兄らしいことをさせてくれても。それで、蓮華になにか言われでもしたのか。でなければ、わざわざ揚州を飛び出してきたりするはずがない」
「あ、んっ……♡ い、いきなりなんですか、兄らしいことって……。はあ、むっ、んっ、んんっ……。あ、あいつが、蓮華が言っていたのです。使者まで遣わせて、涼州に出かけておられる兄上さまに、私を見舞うようお願いしてみると。あんっ、あっ、そこっ、んっ……♡ そ、そんな厚かましい真似、できるはずがないでしょう。なので、それなら私から出向けばいいと考えて、んあっ」
刺激を一箇所だけに集中させるのはよくないことだ。
ふくらはぎを揉みほぐしながら、徐々に按摩の手を上体に近づけていく。しっかりと肉のついた太腿。指を沈ませると、内側にある鍛えられた筋肉が反発でもって存在感を主張してくる。
一瞬、思春の下腹部がぞくりと期待にふるえた。
無骨すぎる下着の奥。確かめるのは、もう少しあとからでいいと孫策は小さく笑った。
際どい格好をしているだけに、陰毛の処理はこまめにしているようだった。ちょっと残念に思う気持ちがある。だからといって、だらしなく生やしてもいいと命じるのは、男のわがままが過ぎるのではないか。
「それに、事あるごとに私を頼っていたのでは、いつまで経っても部下たちが成長できないでしょう? 今回の旅は、いい機会になっているはずです。それは、あんっ、あ……ふっ♡ 私にとっても、同じこと……で……ぇ♡」
「頭目が旅先でいかがわしく腰をくねらせている姿、部下たちにはもはや卒倒ものだな。無論、誰かに見せるつもりなど、はじめからありはしないが」
「やっ、だ、だめ、んっ……。そんな、あっ……♡ むにって優しくお尻さわられるの、あっ、くふ……うっ♡」
「ここも、相当こっているようだ。拙い技で申し訳ないが、誠心誠意奉仕に励むとしよう」
突き出た双丘。両手を使って撫で回した。いよいよまともな按摩でなくなってきたことを理解してきたのか、思春が声をふるわせた。
少々もったいないと思いつつ、臀部を半分ほど隠していた服の裾を完全にめくる。尻の割れめに食い込んだ白いふんどし。きゅっと搾り上げてやると、思春は羞恥で褐色の肌を赤く染めた。
「やっ、そんな、んっ、あんっ……。あ、兄上さまの太い指が、私の大事な部分擦って、あうっ、あっ……♡」
淫らな筋に沿って指で刺激すると、思春が艷やかな声で鳴いた。
くねる腰。交差する太腿が、男の欲望に強く訴えかけるのだ。
基本無愛想で通している思春が、自分にだけはあられもない姿を晒してくれている。最大級の親愛表現だった。
腿の内側を撫で、さらに股を開かせる。気持ちよくなるための姿勢がわかってきたのか、思春はその状態から少し尻を持ち上げた。それならば、とふんどしを横にずらし、かわいらしい尻穴を露出させる。
呼吸に合わせて収縮する窄まり。魅惑的なそこに舌を這わせ、孫策は唾液を塗りつけた。
「なっ……!? ああ、兄上さま、ほんとうにそこはだめで……っ。ふあっ、くっ……♡ あっ、だめ……っ。お尻の穴なんて舐められたくないのに、なんで、お゙っ、んっ、くふ、ううぅうう♡」
どうやら、思春は尻穴が弱いらしい。
気の強い女はそこが弱点なのだと巷では噂されているが、案外あたらずとも遠からず、なのかもしれなかった。
左右の手で尻たぶの柔らかさを堪能しつつ、ひくついた窄まりを徹底的に責めていった。尖らせた舌先。内部への侵入を試みると、思春の反応がまた強くなった。確実に汗ではない。興奮した肉体から分泌された愛液。それが、思春の股を美しくに照らしている。
「お゙……お゙っ♡ だ、だめっ、んあっ、はーっ、はふっ♡ ぜ、絶対だめなのに、兄上さまの舌から、どうしても逃げられない。あっ、またっ。ぐにぐにって、だめ……、そこ、お゙……っ♡」
軽く絶頂しているのか、思春が言葉にならない嗚咽を洩らしている。
挿入した舌先を締め上げる肉の壁。内部のあたたかさを味わってから引き抜くと、息を押し出す時の口のように、尻穴がゆっくりと閉じていく様子が窺えた。
着物の中。勃起した男根が、思春の痴態に影響されて、さらに身をかたくする。
我慢は十分にしたはずだ。気持ちよさそうに痙攣している、思春の腰。唾液で汚れたふんどしを素早くほどき、引き締まった尻肉の間に、孫策は露出した肉茎を挟んだ。
「えっ……? あ、あの、兄上さま、これはいったい」
「見事な眺めだ。はしたなく尻を振って、男を誘惑する術を知っているのだな、おまえも」
「やっ、こ、これは……ぁ♡ んあっ、んっ、あんっ。こ、腰が勝手に、揺れてしまうのです。兄上さまの按摩がよく効きすぎて、きっとそれで……」
「ははっ。おのれの痴態を、まさか俺のせいにするつもりか? 排泄のための穴をこんなに濡らして、思春はいけない子だ。年長者として、きっちり躾けてやらなければ」
「ふっ、んっ……、く、ふうっ……。な、なにを、兄上さま」
「無理に動こうとしてくれるなよ。おまえの身体、意味もなく傷つけたくはない」
我慢汁で濡れた槍の穂先。追加で唾液を塗りたくり、窮屈そうな菊門に押し入った。
感じたことのない異物感があるのだろう。思春の手足にかなり力が入っている。脈動する肛内が男根を外に出そうと頑張っているのだが、このくらいの抵抗に屈するものかと孫策は腰を進めた。
「お゙……ふうっ。んあ゙っ、おっ、んーっ、ふっ……♡ んっ、あんっ、これっ、ああっ……♡」
思春の尻穴の線が鮮やかに拡がる。
強烈な締まりのある門をどうにか打ち破ると、柔らかな内側の肉が甘美な歓迎の抱擁をしてくれる。このまま、ゆっくりと。思春の反応を窺いつつ、ふしだらな穴を躾けるように突いた。
締め上げてくる力が強すぎるせいで、そう長くは保たないだろうという感覚がある。
だらしない声で鳴く思春の膣口を、尻穴と同時に攻めた。順序が逆転している気がしないでもないが、処女を残したまま不浄の穴でよがる思春に、否応なく情欲をかき立てられる。
「す、擦り切れる。私の後ろの穴、兄上さまに躾けられて、変になっているのです。あーっ、お゙っ……。んっ、んっ、はあっ、んふ……ぅ♡ れ、蓮華のやつとも、いつもこうした遊びを……?」
「妹とは、普通にまぐわうことがほとんどだ。たまには趣向を変えてみるべきなのかもしれないが、こうしてのっけから尻を使うのはおまえが初めてだよ、思春」
「は、ははっ……♡ 今度会ったら、自慢してやろうと思います。兄上さまの初めてを、私が貰い受けたのだと。この前散々にからかってくれた礼、してやりたいと……お゙っ、おもっ……て♡」
「知らないぞ。まがい物の俺とは違い、蓮華は母御の血を直に引いているのだ。それでもあえて虎の尾を踏んでみたいというなら、止めはしないが」
滑りのよくなった肛内を、男根がずるずると這いずり回る。
ここに出したところで、女が孕むことはない。それなのに、奥深くで煮えたぎった精液が、放たれるのを今か今かと心待ちにしているのだ。
膝立ちになった思春の腰をつかまえ、最深部を何度もえぐる。時間の経過とともに反応はよくなっていて、思春の膣口は愛液でべっとりと濡れている。
「ほっ……お゙ぉ、お゙っ……♡ お゙っ、おく、お尻の奥たくさん突かれると、頭の中だめになる。そんなっ、あっ……。兄上さまのおちんちんが、苦しいのにずっと責めてきて……え♡」
がくん、と腰を痙攣させた思春が、嬌声を放ちながら肌を粟立たせている。
強引に拡張された菊門が、男根に穿たれて真っ赤になっていた。射精のことだけしか考えられない。いきじゃくる思春の肛内を責めに責めて、孫策は最高の絶頂を得ようとしていた。
にゅるにゅると絡みついてくる肉壁。子種を吐き捨てるだけの作業が、どうしてこれほどまでに快楽を生み出すのか。
思考がさらに蕩けていく。思春は狂おしい声で鳴き続けていて、それが男の脆弱な理性を全力で壊しにかかるのだ。
「あ、熱い……っ!? あっ、んっ、んんっ、あ゙ーっ♡ いってるのに、またいかされる♡ きて、きてください、兄上さまっ。私のお尻の中、めちゃくちゃになっても構いませんから……っ」
振り返った思春の顔は、喜悦の色で満ちていた。
男に媚びるような肉の動き。搾り取られる、という感覚が孫策にはあった。精液が流れ出る。勢いはかなりのものだった。つぎから溢れてくる白濁を、思春の尻の中に夢中で吐き捨てる。
これ以上の快楽はなかった。寝台に潮を撒き散らして、思春は気持ちよさそうに全身をふるわせている。
「はへっ、はーっ、あ゙っ……♡ も、もう無理……っ。お尻の中いっぱいすぎて、うっ、うお゙っ……♡」
絶頂にうちふるえる思春の肛内から、男根を一気に引き抜いた。その衝撃で再度達した淫猥な穴が、入り切らないほど射精された汚濁をこぼしてしまう。
思春の持つ気高さとは真逆の光景だった。ほかの誰も知ることのない痴態。自分だけの思春がここにいると思うと、ぞくりとするような甘い痺れがせり上がってくる。
「はははっ。絶景だぞ、思春。気が向いたら、またここを使ってやろう」
「は、はひっ……。ああ、あっ……♡ 兄上さまにせっかく出していただいた熱いのが、んんっ、また……逃げてしまう♡」
懸命に入り口を閉じようとする思春だったが、その意思とは反対に、ごぽりと塊となった精液がこぼれ落ちた。