城門前に、見送りの人数が居並んでいる。
涼州に連れていく軍勢は三千。あまり多いと兵糧のやりくりが面倒になってくるし、いまの洛陽に支援を求めるのは無理があった。規模が小さいほうが小回りが効くし、未経験の土地での戦をしに行くのだから都合がいい。軍勢を束ねるのは当然義母であり、孫策は副将として闘うことになっている。
「大殿のこと、くれぐれもよろしくお頼み申し上げます、若殿。遠方で馬鹿をやらかさぬよう、御母上をしかと見張っておいてくだされ」
「チッ……。ひでえ物言いをしてくれるな、婆め。それに、心配なのはどう考えてもこの一刀のほうではないのか。途中、おかしな女を引っ掛けてこないともかぎらんのだぞ」
「むむっ、それもそうじゃが……」
領内の内政を取り仕切る雷火が、眉間に皺を刻んでいる。
見た目こそやけに若い女だったが、中身は老獪な政治家なのである。義母に仕える宿老のひとりであり、勉学に対する厳しさから、泣かされた回数はおそらく最も多い。
「俺と母御が、互いに睨みを利かせておけばそれで問題はあるまい、雷火? 子供の物見遊山ではないのだぞ。俺も母御も、一応役割は心得ている」
「はっ。これは、失礼をば……。領内の統治と蓮華さまのことは、お任せくだされ。この期間で、多少は兄離れができるよう、努力してみせまする」
「こ、こら、なにを言っている、雷火。それに私は、別に兄上に依存しているつもりはないのだが……」
「ははっ、ご冗談を。血のつながりなどどうでもよくなってしまうくらい、蓮華さまは若殿にべったりではございませぬか。未来の孫家を背負って立つ者として、それではいささか心許ない。ゆえにこの張昭が、しかと鍛えあげて差し上げる」
「あ、兄上ぇ……。なんとか言ってやってください、雷火に。それとも私は、周囲からそんなにも頼りなく見えているのですか」
背筋が凍るような宣言を受けた蓮華が、半分べそをかきながらすがりついてくる。
腕を組んで静かに様子を見守っている雷火だったが、ほほえんだ表情がむしろおそろしくなってくる。閨の中ではあられもない声をあげて鳴く女だということを知っているのに、どうしてか平時は強く出ることが憚られる。幼少期にした経験は、それだけ自分の心に深く染みついているのだろう。
「えへへっ。そんなだから、雷火が厳しく躾けてやろうっていうんでしょ、お姉ちゃん」
「小蓮さまにおかれましても、旅の道中用意しておいた課題を忘れずこなされますよう。お帰りになった際、拝見させていただきますゆえ」
「うぐっ……。わ、わかってるってば、雷火」
「覚悟しておくのだな、シャオ。この婆に、どんな言い訳も通じることはない。俺も蓮華も、朝から晩まで詰められることが、珍しくはなかった」
「うへえ……。ど、どうしてもって時は助けてよね、兄さま……?」
一番下の妹である尚香は、自分たちに同行することが決まっていた。
年若いだけに、様々な見聞を拡げることに意味がある。それに最近では、戦の才覚を感じることがしばしばあった。
小蓮というのが真名だったが、それを短くしてシャオと呼ぶことが自分はほとんどだった。誰よりも天真爛漫であり、一門に明るさを振りまいてくれる貴重な存在なのである。
「蓮華」
「はい、兄上。お早い帰りを、お待ちしております。ですから、どうか」
「わかっている。おまえの笑顔は、俺の力となる。だから、いつものように笑って見送ってはくれないか」
少しだけかがんで、蓮華が出立の準備をしてくれるのを待つ。
赤い
名残を惜しむかのように、蓮華の手が優しく頭を撫でてくれている。女の香り。妹から感じる甘さを、孫策は存分に確かめていた。幘が結び終わる。腰に佩いた愛刀の柄に指で触れ、孫策は馬上の人となった。
「出動」
義母に代わり、軍勢に向けて声を発する。
風に吹かれる『孫』の一字の旗が、勇壮なうねりを見せていた。
†
涼州に到着するまで、戦らしい戦をすることはないはずだった。
ならば中継地点である洛陽を過ぎるまでは、自由に行動してみたい。その意見を言上するために、孫策は義母のいる幕舎を訪れていた。
今回の遠征に連れてきている宿老格は祭だけであり、実力を二分する軍人である粋怜は、蓮華たちとの居残り組に振り分けられている。あとの校尉はほとんどが若手で、義母がこの戦に求める意図が伝わってくる。
「しばらく、冥琳のやつと二人旅をして来ようと思う。道中使えそうな者がいたら、どうにか引っ張ってくるつもりだ。孫家は、まだまだ人手不足なのだという自覚がある。許可をもらえると助かるのだが、母御」
「大層な目的があるのは構わんが、冥琳となあ……?」
「別に、ひとりだけ楽をしようという気持ちがあるのではないのだぞ。母御が、軍勢から離れるわけにはいかないだろう。だったら、俺が行くしかないではないか」
「生意気に正論をぶつけてくるようになったじゃねえか。ハハッ。雷火の教育が、しかと行き届いているようだ」
夜間であるから、進軍中のような軍装をしていない。
義母の女としての魅力はやはり凄まじく、大胆に開いた部分から覗く肌が魔性の力を放っているのだ。
自分の視線に気づいたのか、義母が片手で乳を揺さぶる。獰猛な笑み。決して、愛息を見るような眼ではない。旅に出るのを渋っている理由のひとつは、どう考えてもそこにある。
「おお。こちらに来ておいでじゃったか、若殿も。しかしまあ、いつものことながらおかしな雰囲気になっておるご様子で」
入ってきた祭が、表情をにやつかせている。
出立してから数日は、真面目に軍勢を進めてきた。だからどちらも、そろそろ一戦交えて鬱憤を発散してみたくなっているのだろう。よく合わさった呼吸。祭は小さく頷くと、自らの服に手をかけた。
「大殿と酒でも飲むつもりじゃったが、それならそうと早くに教えてくださればよいのに。ああ……。若殿の男らしい匂いを嗅いでいると、儂の女に火がついてしまいますわい。責任、とってくださるのでしょうな?」
「自分で勝手に火をつけておいて、なにが責任だ。おまえのような無茶苦茶な臣下には、罰を与えてやるくらいがちょうどいいのではないか。跪け、祭。そのだらしのない乳、俺が仕置してやろう」
「お、おおっ……♡ われら年寄なんかよりも、よほどやる気になっておいでじゃのう、若殿。この老骨の身体でよろしければ、いくらでも好きにお使いくだされ。ほれ、んぅ、くうぅう……♡」
局部を隠す下着だけを残して、祭は奉仕の姿勢に入っている。
左右から寄せられた豊満な乳肉。露出した男根を、正面から突き刺すように挿入していった。
ずりゅり、と亀頭の先から飲みこまれていく。祭は惚れ惚れとした様子で男根の動きを見守っていて、顔はすっかり発情してしまっている。
「く、んっ、んあ゙っ♡ わ、若殿のたくましい雄が、儂の乳房を犯しておりますぞ。ほれ、もっと来てくだされ。あっ、んはっ、くっ、んうぅ……♡」
乳を内側から犯されるのが気持ちいいのか、祭は快楽に染まった声を洩らす。
それなりに大きいほうだという自覚はあったが、小蓮などはともかく、周りにいる女は規格外の巨乳ばかりである。だから思うさま腰を振っても快楽が逃げることはないし、より深い部分に温もりを求めて突きこむことができるのだ。
「うひっ、くっ、んっ、おお゙っ……♡ 若殿の先走った汁が胸の中でぐちゅぐちゅって、んんっ……♡ ついでに、唾液も垂らして差し上げましょう。こうすれば、滑りがもっと」
熱を感じる祭の唾液。乳肉の谷間に流れていき、我慢汁と混ざり合って淫靡な潤滑油となっている。
腰が止まらない。とろけるようなやわらかさで、締め付ける加減がまた絶妙なのである。間から飛び出した先端に、祭の熱っぽい吐息が触れる。跳ねた男根を柔軟な壁で捕まえられ、孫策は痺れが昇ってくるのを感じていた。
「おまえの好物の乳ならば、こちらにもあるのだぞ? 揉め一刀。母のことも、満足させてみせろ」
衣服をすべて脱ぎ捨てた義母が、右からむっちりとした肉体を寄せてくる。
妹二人を産んだとは到底思えないくらい、崩れのない身体なのだ。熟した魅力。しかし武人らしく引き締まった筋肉には強靭さがあり、若々しい印象を形づくっているのではないか。
乳肉に指が沈む。これは抜け出せない底なし沼だ、という感覚が孫策にはあった。義母の指が男の乳首をくすぐってくる。巧みな愛撫の技であり、全身に痺れがまた走った。
「ククッ……。これが気持ちいいのだな、一刀? いいぞ、唾液をつけてたっぷりとこねてやる。ほら、乳を揉む力を緩めるな。オレを絶頂させるつもりで、おまえも責めてこい」
「おう、さすがは炎蓮さまじゃのう。若殿の気持ちよさそうなお顔。見ているだけでも濡れてきそうじゃわい。ほれ、孫郎ご自慢の肉槍も、儂の乳の中でたっぷりとかわいがってあげましょうぞ。んっ、んあっ、くっ、んふぅ……♡」
二人の熟した女が攻めに攻めてくる。
だとしても、いずれ孫家の一門筆頭となる身として、引き下がるわけにはいかない。
義母の乳房を搾り上げる。一緒に陰毛をかき分け、ひくついた膣肉に刺激を与えた。義母がけもののような唸り声をあげる。活路を見出した孫策は、さらに祭の乳肉を蹂躙していった。
「ふひっ、んっ、お゙っ、んっ、すごっ♡ 若々しい肉槍に犯されて、儂の乳が悦んでいるようじゃ。ああっ、幸せですぞ、若殿。もっと、もっとしてくださらぬか♡ 儂の身体がまだまだ最前線で闘えること、雄の匂いを塗りたくって証明してくだされ♡」
「ああっ、ハハハッ♡ なかなかやるではないか、一刀。貴様の指のせいで、マンコの肉が疼いて仕方がないぞ? かき回せ。この母を、一匹を雌に堕とすんだ。できるだろう、貴様ならば、あひ、ん……ぃ♡」
弱い箇所を重点的に攻められた義母の腰が揺れる。
その反動で思いっきり抓られた乳首から、鋭い刺激が走った。祭による奉仕がなければ、ただ痛みがあるだけだったに違いない。そこまで計算してやっているのだとしたら、孫堅というのはほんとうに空恐ろしい女だった。
「いけ。いってしまえ、一刀。この母が、貴様の射精する姿を見届けてやる。貴様のことだ。何発も搾り取ってやらねば、近くの村娘を歯牙にかけかねん。孫家の名声を保つためにも、オレと祭でたっぷりと相手をしてやるからな♡」
「大殿の仰せの通りです。若殿の化け物じみた情欲、すべてわれらにぶつけていきなされ♡ ふふっ♡ こんなに、玉をふくらませて♡ どうして、我慢などなされるのか」
性欲の化身のような女どもに、とやかく言われたくはない。それならそれで冥琳に相手をさせるだけだし、顔を知らない女を理由なく犯すはずがないだろう、と文句をつけたくなる。
下腹部に熱がたまっている。
祭の乳首を片手でひねり上げ、孫策はさらに腰を動かした。下手に本番をするよりもずっと心地がいい。祭はいい加減なところのある女だったが、戦と奉仕に関しては手を抜くことがない。
「乳房で受けとめろ、祭。欲しかったのだろう、俺の精液が」
「は、ははっ♡ くだされ、若殿。ああっ、鈴口から濃厚な匂いが漂ってくるようじゃ♡ いっ、んっ、くうっ♡」
「あっ、はあっ、んぅ、ハハッ♡ 種をつけろ、一刀。祭のやつのデカ乳に、使い道があることを教えてやれ。んっ、お゙ぅ、くっ、んあ゙……っ♡」
男根が擦り切れてしまうくらいに腰を振る。
祭の視線。爆ぜる直前の先端に注がれていて、その熱っぽさが興奮を誘う。
義母の指が、絶頂を導くように左右の乳首を爪で引っかく。
ふるえる。射精したい、という衝動を堪えられなくなった。祭の乳肉が膣内に近い締りをみせる。感覚としては、中で種付けにかかる時とほぼ同じである。ずるり、となにかが抜け落ちていく。
「お、おおっ♡ 出ておりますぞ、若殿。くふっ、んおっ、んっ♡ す、すごい勢いじゃ。はははっ。ご覧くだされ、炎蓮さま。儂の胸の間に、御子息の子種がこんなにも♡」
「自慢しているつもりか、祭め。言っておくが、一刀をイカせたのは、貴様のその垂れ下がった乳だけではないことを理解しておくのだな」
「あははっ♡ いまは、なんとでもお言いなされ♡ くうっ、ああっ……。たまりませんなあ、こればっかりは。若殿のたくましい竿が、まだひくひくと儂の中で飛び跳ねておりますわい♡ あ゙っ、イクっ♡ んっ、あああ゙っ♡」
「チッ……。気持ちよさそうな顔をしやがって。おい、一刀」
快楽に身をふるわせる傍ら、この二人はなんの勝負をしているのだ、と思えてくる。
ずちゅ、ぐちゅる、ぐちゅ、ぬちゅっ♡
乳肉に間にたまった精液ごと、最高の気持ちよさを貪る。
女を知ったばかりの頃なら、間違いなく腰が抜けていた。それが、余裕をもって余韻を感じられるようになっているのだから、自分も進歩したものである。
白濁がぼたぼたと垂れ落ちる。
孫策はその様子を、義母と濃厚な口づけを交わしながら観察していた。
†
吹き抜ける風が爽やかだった。
冥琳と二人、なにを話すでもなく街道を歩く。静かな時間。それでも、寂しさを感じることはなかった。
「しかしまあ、よく大殿を説得できたものだ。どんな手を使ったのだ、一刀?」
「ン……。それは内緒だ、冥琳」
義母が満足するまでやり倒して、許諾をもぎ取った。さしもの冥琳相手でも、そんな話を自慢気にするものではない。
とにかく、二人で出てきたからには成果をあげたいと思っていた。時代は乱世のただ中にあり、優秀な在野の人材の確保は急ぐべきだった。
兗州のとある城郭に、孫策たちは到着していた。食べる物以外にも、衣服や装飾品に地域の色は出る。人を探すついでに、そうしたものを二人で見て回った。
他の誰に邪魔をされることもなく、自分たちだけの時を過ごせている。そのことが嬉しいのか、旅に出てから冥琳はずっと機嫌がいい。
「あっちだ、冥琳。あの人だかりを、確かめに行くぞ」
「ふふっ。そうはしゃぐなよ、一刀」
冥琳の手を取り、孫策は小走りに駆けた。
威勢のいい声が聴こえてくる。どうやら女で、しかも武芸を見世物にしているようだった。
「はい、つぎつぎっ! 私に挑戦したい命知らず、まだまだ募集中だからねー!」
「ほんとにどうかしているんじゃないの、アンタ。はあ……。どうして私、こんな面倒な女と一緒に旅なんてしているのよ」
「だってあなた、洛陽に行きたいんでしょ? なら、頑張って路銀を稼ぐしかないじゃない。それに私、すっごく強いんだから安心しなって、ねっ?」
短髪の女が戟をふるっている。
遠くからでも器量の良さがよくわかる。勝ち気な声。褐色に焼けた健康的な肌。露出の多い衣装は、客を引き寄せるためのものか。
そばには叩きのめされた男が数人いて、そちらは完全に精気が抜けきっている。たぶん、賭け事のようなことをしているのだろう。男どもを見る冥琳の視線に、ちょっと蔑みの色が混じっている。
戟を手にした女の隣にいるのは、猫耳頭巾を被った女。仲間なのだろうが、武の心得がないのか居住まいに落ち着きがない。勝ちすぎておそろしくなってきたのだろうが、早くどこかに行きたそうにしていた。
「ははっ。面白くなってきたな、冥琳?」
「むう……。やるのは勝手だが、面倒だけは起こしてくれるなよ」
冥琳の腕を軽く小突く。
観衆の間から進み出る孫策は、久々に血の滾りを感じていた。