鳳統を伴に加え、領内をさらに北へと進んだ。
馬を持っていないから、鳳統は亞莎にしがみつくようにして同乗している。たまに強い風が吹くと、飛びそうになる帽子を抑えようとして必死だった。
劉表の誘いを拒否した師匠をもつ鳳統を、配下とする。それだけでも、意味のあることだった。実際のぶつかり合いはまだしていないものの、状況は確実に醸成されつつあるのだ。その風評を耳にして、現体制に加わっていない在野の才子が、また孫家にやってくる。そうした流れが形成されてしまえば、こっちのものだった。
「ううむ。退屈しのぎに、亞莎と雛里の両人に問うてみるかのう」
雷火が言った。
臣従の証として、鳳統は真名を差し出している。雛里だった。真名の神聖さは形骸化して久しかったが、親愛や忠節を示すための手段としては、いまだに有用性が残っている。それでも、時々妙なくらい気にする者がいて、ふとした場合に喧嘩沙汰になったりするのが真名だった。
普通の名があって、字がある。それに加えて、真名だった。いつ頃できあがった仕来りなのか孫策は知らなかったが、慣れてしまっているから特別面倒だとも思わない。遠方からきた人間には奇妙に思えるのだろうが、いまさら真名のない生活など考えられないことだ。
「あそこに、ちょっと小高い山が見えるじゃろう。二人は、その麓に千の兵と陣を構えておるのじゃ。対する敵軍は、一万としておこうか。接敵にはまだ距離がある。状況は以上じゃ。まずは、亞莎から答えてみよ」
雷火先生による出仕試験のようなものか、と孫策は後ろから静観していた。
軍師見習いの身分になってから、亞莎はまだ日が浅い。雛里にしても、通っている私塾の評判は確かだったが、本人の実力は未知数だった。問答は問答で、実戦の力がすべてわかるはずもない。だから、これはあくまでも退屈しのぎの遊びでしかなかった。
馬蹄が地面を叩く音。何度か繰り返されてから、亞莎が声を発した。一緒になって馬上で揺られている雛里も、表情は鋭かった。
「孫家の
「うむ。亞莎の考えはよくわかった。それで、雛里は」
言い終わり、鋭かった亞莎の眼光が少しやわらいだ。次は、雛里の番である。
「はい。私は亞莎さんとは逆に、敵軍を釘付けにする作戦をとろうと思います。山をうまく活用し、堅固な防御陣を敷けば、十倍ある兵力の差はずっと縮まりますよね。また、いたるところに戦旗を並べれば、こちらの実態を知らない攻め手には、疑念が生じることでしょう。負けないことが、私にとって最重要課題となってきます。そして、私の部隊を潰すことに必死になった軍勢の背後を、一刀さまの率いる援軍が急襲するんです。いかがでしょうか、みなさま」
雛里の披露した作戦は、亞莎と対照的なものだった。似たような答えを用意するのは芸が無い。たぶん、雛里はそこまで考えているのではないか。
新入り軍師候補の仕草を、蓮華は興味深く見つめていた。自分にはない美しい碧眼が、輝きを放っている。締まった腿の張りは素晴らしく、時折風に煽られて覗く臀部に、油断すると視線を吸い寄せられてしまう。
「どちらの考えも、よくわかった。ただし、俺が敵将だったら間髪を入れず突撃し、二人の首を刎ね飛ばす。はははっ。それで、戦は終わりだ」
「はあ……。なんとも若殿らしい御意見ではありますが、横暴にもほどがあるでしょう。それを言ってしまうと、前提条件もなにもなくなってしまうではありませんか。のう、蓮華さまからも、なにか言ってやってくだされ。ほんに、孫郎は負けず嫌いなんじゃから」
「いいじゃない、とても兄上らしいお考えで。それに、雷火が提案した時点で、前提条件もなにもないのと同然の状態だったわよね? だから、雛里は自由に考えを巡らせた。実戦経験のある亞莎は、勝てる自信のある作戦を選択した、という感じかしら。どちらも、私は好きよ」
蓮華の言うように、雷火はざっくりとした状況説明しかしていなかったのだ。なにかを禁止したわけでもないし、即興で継ぎ足したのは雛里の適応能力の高さだった。
亞莎は戦場を局地的な視点から。雛里は、一枚の大きな地図として俯瞰しているようだった。どちらの判断にも理があるし、実戦となればさらに細かな視点が加わってくる。勝ちが絶対に必要な時があれば、負けなければそれでいい、といったことがあるのが戦場だった。
「……やりますね、雛里さん。雷火さまからの問答を利用し、一刀さまの好感度を高めようとされるとは。私も、まだまだ勉強をしていかないと」
「ありがとうございます、亞莎さん。新入りの身として、一刀さまに早く使っていただけるようになりませんと。そうした意味では、私はみなさんの遥か後ろにいるんです。だから、えへへっ……♡」
前方にいる雛里が、振り向いて熱い視線を送ってくる。なにかの勘違い、というわけではなさそうだ。出会いからしてまともではなかったし、それでもついてくると決めた雛里なのだから、遠慮無用ということなのか。
そこから駆けて、なだらかな丘を越えた。先導している亞莎が右手を差し上げて、馬を止めた。注視すると、向こう側に土煙が昇っている。
「おそらく、あれは関羽殿の部隊でしょう。私が赴任し、動きを見せるようになってから、対抗して何度も調練を行っているんです。一刀さまは、関羽殿だけではなく、義姉妹の劉備殿ともお知り合いなのですよね? そちらの姿はありませんから、劉表から命じられて脅しにやってきているのだと思います」
遠くにあった土煙が、段々と近くにやってくる。騎馬隊だった。黄巾残党との闘いで、劉備軍の闘いは眼にしている。長姉である劉備がまとめ役で、義妹二人が矛となって敵に向かう。劉表軍としてぶつかった時、どうなるのか。少なくとも、単体の戦力としてはかなりのものだった。
騎馬隊の姿がはっきりとしてくる。数としては、二百ほどか。先頭に立つのは、青龍偃月刀を構えた関羽だった。相変わらず、美しい黒髪をしていると孫策は思った。
「むむむ……。またしても貴様か、呂蒙。領民の奪い合いが、戦に繋がることを私の姉上は危惧されているのだ。駆り出され、こうして部隊を動かしている私が言えたことではないかもしれんが、いい加減わかれ」
「ご忠告は、よくよく受け取っておきましょう。それで、肝心の州牧さまはどうお考えになっているのでしょうか。孫家は長沙に赴任してきたばかりで、経営に苦労することも少なくありません。このあたりの税を軽くしているのは、泣く泣く民のお願いに従っているだけでして」
「ちっ……。わかりやすい嘘はやめるのだな、呂蒙よ。劉表さまの意に従い、孫家が一体となって動けば荊州は安定する。それの、なにがいけない」
こうしたやり取りが、日々繰り返されてきたのだろう。疲れきった様子の関羽に対し、亞莎はどこまでも強気な態度で応戦している。それも、冥琳たちの指図を受けてのことだった。
損な役回りをさせている、という自覚はあった。劉表軍が攻めてくれば、真っ先に標的となるのが亞莎なのである。身分が軽く、それでいて自分との繋がりが強い。今回の任務をやり遂げれば、亞莎は間違いなく重責を担うような軍師になる。
気配を消して聞いていた孫策が、雪華から飛び降りた。地面に転がっている礫をひとつ拾う。それを、亞莎と関羽の間に放り投げた。
「これは……。誰かと思えば、孫策殿までお越しでしたか」
「いつぶりかな、こうして顔を見合わせるのは。姉上と張飛は、息災にしているか?」
「相変わらず、調子の軽い御仁だ。それでいて、発する闘気はどこまでも鋭い。劉表さまや黄祖殿が、警戒されるはずです」
転がる石ころの意味を察したのか、関羽が乗馬を一歩後退させた。これより先は、孫家の領土である。踏み込めば、戦も辞さないという覚悟のある石ころだった。
「歓迎する支度だけは、いつでも整っている。関羽殿のような美人であればいつでも勝負を承る所存なのだが、飯の借りがあるだろう。今日のところは、城に帰れ。ははっ。なんなら、俺と一緒にきてもよいのだぞ?」
「だ、誰がっ……! ああもう、帰りますとも。私は、戦をやりにきたのではありませんからね。それだけは、はっきり申し上げておく」
凛々しい表情を崩した関羽にも、別の魅力があると思った。着衣に閉じ込められた乳房が、反転の動きで荒々しく跳ねている。あとは、線のようにたなびく黒髪があるだけだった。
雪華にもたれかかりながら、土煙が消えていくのを見つめた。
関羽だけでもああなのだから、劉表軍全体の苛立ちはかなりのものなのではないか。きっかけひとつで、均衡はどちらかに傾く。五斗米道のことも気になるが、美羽とも連携を密にしておくべきだった。当然、劉表も孫家と袁家の繋がりを警戒している。戦の得意な関羽をこちらに回し、なにかあれば重臣の黄祖に袁家の抑えをやらせる。
戦の大枠は、徐々に見えつつあった。
「関羽と話して、緊張のせいか喉が乾いた」
「それだけは嘘ですな。傍から見て、若殿が一番愉しまれていたのじゃが」
自分が、またなにかしでかそうとしている。そういう雰囲気を感じ取ったのか、馬上の雷火はぐっと眉根を寄せていた。大したことではない、と孫策は雷火の太腿を軽くたたいた。
亞莎に促されて、下馬した雛里が水の入った筒をもってくる。面倒見のいい先輩だった。雛里の才覚を感じていても、自分との強固な絆があるだけに、亞莎に焦りはない。
「あの。これをどうぞ、一刀さま」
「思い違いをしているようだが、それを飲むのはおまえの役割だ、雛里。それで、出したものを俺が飲む。ははっ。見事な一挙両得だとは思わないか?」
「えっ……? あの、ええっ……?」
「ああ、またそういう……。ほんとうに、孫郎はうつけもうつけ、天下無双の大うつけじゃわい」
「うふふっ。いくら性欲に火がついたからって、旅の前日に乗馬で腰を痛めた人の台詞とは思えないわね、雷火」
「うっ、ぐぬぬっ、ううっ……」
慌てる雛里の口に、栓を抜いた竹筒を突っ込んだ。後先のことなど考えずに、全部飲ませる。意図を理解した亞莎は、早くも周囲の警戒にあたっていた。
折り重なる事態に、雛里は顔を真っ赤にしている。ちょうどいい草かげに、身体を押し倒す。かわいらしい色をした下着。汗でちょっと湿っていて、鼻を近づけると淫靡な香りがするようだった。
「あ、あわわっ……♡ 一刀さま、んっ、はうっ」
「出るものが出るようになるまで、ここをほぐしてやろう。いいかな、雛里」
「い、いきなりのことで驚きましたが、私がんばります。大人の階段を昇るって、きっとこういうことなんですよね?」
それは違う、とは言い出しにくい状況ではあった。
しばらく時間があるだろうから、新しい水を汲んでくる、と言って蓮華が離れていく。声こそ冷静だったが、どこか笑いを堪えているようでもあったのだ。兄の歪んだ性癖を許してくれる、心優しき妹だった。気持ちは雛里に向かっても、心の中ではいつも蓮華に感謝を述べている。
「あっ。お股、ちょっとすーすーします。一刀さまに、大事なところ全部見られちゃってる。恥ずかしいのに、どきどき止まらないよぉ……♡」
「ほどほどになさいませ、若殿。こわがらせては、元も子もありませんぞ」
小言を発しながらも、雷火はその場を動こうとはしなかった。腰痛があるから、と言い訳をするのは簡単だった。
昨晩からの交わりで、眠らせていた情欲がずっと起きたままなのではないか。だから、馬上でいたずらをされても必要以上に声を荒げない。むしろ、こちらの指を誘っているくらいだった。
「お、おしっこって、緊張すると出ないものなんですね。ああっ……♡ 一刀さまの舌が、私の汚い部分を執拗に舐めてきて」
「汚いとは、少しも。
「やっ、だめっ、んっ、んあっ。舌、ぬるぬるって……ぇ♡ そこ、絶対おしっこの穴じゃありませんよぉ」
「あまり動くな。それに、緊張した時には、ここをほぐしてやるのが一番だ」
産毛も生えていない無垢な丘を、唾液で濡らしていく。
雛里の膣穴は狭く、舌先が締め上げられるようだった。敏感な突起をたまに責める。それで、雛里の反応はさらによくなった。滲む愛液の量も、確実に多くなっている。肝心の黄金水は、まだ出ていなかった。
「気持ちいい。はあっ、あんっ。こんなこと、きっと孔明ちゃんだってしていないんだと思います。私のほうが、ちょっとだけお姉さん」
「この場合、女の意地とは言わないか。その孔明とも、いつか会える日がくるとよいのだが。益州は、まだ遠いな」
「はっ、はーっ、んっ♡ きっと、一刀さまも気に入られると思いますよ。頑固なところもある子ですけど、孔明ちゃんは優秀ですから。それに、国の将来を憂いてもいる」
「ははっ。あまり難しいことを考えると、またあれが引っ込むぞ」
「あっ。ごめんなさい、一刀さま。おしっこ、早く召し上がっていただかないと、ですよね♡」
雛里の顔が悦楽に歪む。かなりの才能を感じさせる子だ。いやらしく開いた肉びらが、男の舌を怪しく誘う。充満した愛液を吸い上げ、孫策は男根をかたくしていた。雛里のものを、心ゆくまで堪能したい。その思いだけで、熱い膣肉に刺激を与えていく。
「私のお股、こんなに熱くなるんだ、あっ……♡ じゅぷじゅぷって、いやらしい音しちゃってる。はふっ、あっ。憧れだった孫策さまと、夢みたいです、これ……ぇ♡ んあっ、あっ、んーっ」
「もう、兄上ったら。うあっ、んっ……♡ そんなの見せられたら、私だって」
声。出会ったばかりの雛里では、考えられないものだった。それが、どこまでも熱を帯びていく。
水汲みからもどった蓮華は、木陰で自身を慰めているようだった。竹筒を男根に見立て、股の間を往復させる。わが妹ながら、大胆なことをすると孫策は感心していた。乱れた下着の隙間から、派手な色をした陰毛がはみ出してしまっている。それが濡れると、さらに淫靡な輝きを放つようになることを自分は知っているのだ。雛里の愛液を舌に感じながら、孫策は息を荒くしていた。
吐息がふれるのが気持ちいいのか、雛里は短い間隔で声を洩らしている。
「身体、ふわってする。気持ちいいのがずっと止まらなくって、一刀さま……ぁ♡」
「兄上にあんなに激しく吸われて、すごい、んあっ。こんな筒くらいだと、兄上の代わりにはならないけど、あっ、ああ、んっ……♡」
木にもたれたまま、蓮華がはしたなく股を開いていた。
下着の紐。腰の左右で結ばれていたものはとっくにずり落ち、足首に引っかかっていた。蓮華が竹筒を入口にあてがい、ちょっと躊躇いながらも挿入していく。肉と違い、弾力性のない筒が膣肉を穿つ。ひとりで愉しむ妹の姿を見ているのも、悪くないと孫策は笑っていた。
「なにか、くるっ。きちゃうんです。ふわってしたのが、ぴりぴりって。んっ、あうっ、はーっ、はひ……ぇ♡」
「これ、ふと……ぉ♡ いいっ、ずぽずぽっ、いいのっ。あんっ、はっ、うあっ……♡ は、はしたないところ、兄上に全部見られてしまってる。おまんこ拡がるの、気持ちいい。兄上。んあっ、あにうえ」
二人の切ない声が、孫策の鼓膜を打つ。ひとり仏頂面でどうにか耐えている雷火が、やはり愛おしかった。
熱。高まっている。雛里の膣内は、必死になって舌にすがりついているのだ。包皮に隠れた突起。弾くのと同時に、尿道を舌先で責めに責めた。手を潜らせ、雛里の腹を指で押してみる。水位は、ずっと上がっている気配があった。
「はへっ……♡ びくびく、まだくるっ。一刀さま、私もう。はーっ、あっ。いい、よすぎて、もう……だめ♡」
「兄上。私をもっと見てください、兄上。妹のはしたない姿で、おちんちん大きくしてください。射精したいって、思ってください」
妹の洩らした汁でぐしょぐしょになった竹筒は、誰が持ち運ぶのだろう。こうした時、たまにどうでもいいことに意識が向くことがある。蓮華が腰を突き出し、自分を誘っている。淫らな踊りだ。かくついた腰。押し拡がった膣口。欲望のすべてをぶつけるように、雛里の穴を吸い上げた。
ほとばしる。口全体に、熱い液体の拡がる感覚があったのだ。飲み干す。時々顔にかかる飛沫は、気にもならなかった。
酸味がある。それに、濃厚でもあった。恍惚とした表情の雛里は、全身をふるわせている。たまらなくなっているのは、蓮華も同じだ。
「はひっ、んあっ……♡ おしっこ、たくさん飲んでください、一刀さま。満足していただけるように、がんばりますから、あっ♡」
「兄上も、雛里もすごい。はうっ、あっ。声、とまらない。兄上のことを思うと、おまんこも胸も、狂おしいほど敏感になって」
狂宴、という言葉が相応しい乱れぶりだった。快楽に耽る三人の姿を、微妙にふてくされたような雷火が見守る。
雛里に接近を許した失敗があったばかりだ。亞莎だけが、真剣な眼差しで原野を見回していた。
「かわいそうじゃが、自分で選んだ道ゆえ後悔はあるまいな。孫家の、若殿のために励むのじゃぞ、雛里」
「はっ、ひゃい……♡ どこまでもお支えいたします、一刀さま♡」
雷火に返事をしながら、雛里がまた黄金色の水を吹き出した。
狂犬桂花ちゃんとか月の訪問とか、やりたいこと多すぎですね。
思春の個別もそろそろ作ってあげたいし。