「黄忠殿。その男が街でなにかやらかした時には、すぐにワタシをお呼びください。今度こそふん縛って、それで……」
「それで、最後にはどうなるのかな、おまえは」
「うっ、ぐぬぬ……。ほんとうにいけ好かないやつだな、貴様は。ああ……。やっぱり、あんな感じで手打ちにしたのは間違いだったんじゃ」
「続きをやりたければ、いつでも。俺は逃げも隠れもしないぞ、魏延」
「うえっ!? な、なんだその意味深な笑い方は。わ、ワタシは決して、変質者の指で悦んでなど……」
吼えまくっていた猛犬の姿が小さくなっていく。悪くないさわり心地の乳だった、と今更ながら孫策は手の中で感触を思い出そうとしていた。
襄陽には、紫苑の従者として入るつもりだった。二、三日の視察にするつもりだったが、たぶん予定を見直す必要があるのだろう。長沙の城郭と較べれば、襄陽はずっと都会だった。ここでなら、美羽の気に入りそうな土産が見つかるかもしれない。
魏延と別れてから、粛々と進む紫苑の影を孫策は追った。黙っていれば、自分もそれらしく振る舞うことができるのだろうか。いまだけは、恋の寡黙さを見習いたいと思えてくる。
「紫苑。黄祖は、江夏だったな」
「ええ。だからといって、あまり羽根を伸ばされると御身に危険が及びかねません。過ごされるなら、なるべくわたくしの屋敷内がよろしいかと」
「はははっ。それは、おまえの個人的な要望ではないだろうな、紫苑?」
「ご、ご冗談を。ですがその……。一刀殿がせっかく襄陽まできてくださったのだし、ねっ?」
黄祖が襄陽を離れていることは知っていた。ただ、あの女狐が不在であろうと、この城郭が劉表の膝元であることには変わりない。紫苑でなくとも、心配するのが普通だった。
一瞬、紫苑の瞳が妖しく揺れ動いたような気がしていた。もちろん、自分にそのつもりがないと言えば嘘になる。屋敷に逗留している間は、紫苑の極上の肉体を存分に味わうことができるのだ。しかも、そうすることを相手からも欲されているのだから、これほど嬉しいことはない。
紫苑の屋敷に到着すると、すぐにかわいらしい声が聴こえてきた。小蓮や音々音よりもかなり幼さが勝っている。この子が、以前話していた娘の璃々なのだろう。
「お母さんおかえりー! えと、こっちのお兄ちゃんは、だーれ?」
「遅くなってごめんなさいね、璃々。この方は、ええと……」
「俺のことは一刀でいい。きみの方は璃々ちゃん、であっているかな」
「わっ。すごい、すごーい。お兄ちゃん、どうして璃々の名前がわかったの?」
「うふふっ。それはね、璃々」
はしゃぐ娘を背中からつかまえる紫苑の表情は、どこまでも穏やかだった。
一緒になって、屋敷の中に入っていく。璃々が遊んでいたのか、途中で見かけた部屋には遊び道具が散らばったままだった。
「紫苑」
「一刀殿……? んっ、っむ、はんっ……」
「わわっ。お母さん、お兄ちゃんとちゅってしてる。これって、なになに?」
不意打ちを狙った口づけだった。璃々を抱きしめたまま、紫苑は舌同士での愛撫に興じている。眼の前で行われている痴態の意味がわかるはずもなく、璃々は完全に呆気にとられている。
強い興奮があった。娘に見せつけるような格好で、母親に唾を飲ませている。抵抗があったのはほんの一瞬のことで、紫苑もこの状況を愉しんでいるようだった。
「ン……。きみのお母さんとは、特別仲良しでね。大人になると、親密な相手とはこうして挨拶を交わすものだ」
「ええー、そうなんだ? お母さん、とっても嬉しそうだし璃々もやってみたい! ねねっ、いいでしょ?」
「えっ? いえその、璃々にはまだ早すぎるというか……。か、一刀殿っ……!?」
なにごとも、やってみなければわからないものだ。驚く紫苑の表情を横目に、孫策は璃々にそっと顔を近づけた。
子供ながら、整った目鼻立をしていると思った。紫苑の血を引いているだけあって、美人になることだけはほとんど確定事項なのだろう。
ほんとうに軽く、頬に唇をふれさせた。自分に子供ができても、このくらいの触れ合いは当たり前にするだろう、という程度のものである。
「えへへー。璃々、いきなり大人になっちゃった。すごいでしょー、お母さん」
「もう……。一刀殿ったら、ほんとうに大胆なんですもの。んむっ、んっ、ふうっ……」
なんとなく事実誤認を起こしている璃々の前で、再び紫苑の口を吸った。普通に口づけるよりも、何倍も大きな気持ちよさがある。璃々の眼を盗んで布越しに尻を撫でると、紫苑は豊かな胸をいやらしくふるわせた。
「家に泊めてもらう礼だ。遊び相手になるよ、璃々ちゃん」
「おー。お泊りするんだね、一刀お兄ちゃん。えへへっ、だったらどうしようかなぁ」
物心がついたばかりの小蓮と遊んでいた頃が懐かしく思えてくる。記憶を掘り返してみると、蓮華も随分と落ち着き払うようになったと感心してしまう。自分だってまだまだ子供だったが、紛い物なりに兄らしくあろうと背伸びをしたものだ。
それが、大人になると妹たちと関係を持つようになるのだから、ちょっとした不思議である。
「わー、たかいたかーい。今度はあっち。あっちにいこーよ、一刀お兄ちゃん」
庭に降りると、璃々から肩車をせがまれた。小蓮にしてやった時よりも、身長が伸びている。見える景色は、それでいくらかよくなっているのだろうか、と孫策はほほ笑んだ。
一度火がついた子供は容赦がない。あっちにいけ。つぎは、こっちに。飛んだり跳ねたりを繰り返すうちに、額に汗が浮かんできた。そのせいか、調練で叱咤される兵はいつもこんな気分なのだろうか、なんてことを駆けながら考える。
「こら、璃々。一刀殿が遊んでくださるからといって、あまり無茶を言うものでは……」
「俺がやると言ってはじめたことだ。それに、あとから疲れをたっぷり癒やしてくれるのだろう、紫苑」
「え、ええっ……。それは、もちろん……」
「わっ。お母さん、お顔真っ赤になってるよ。もしかして、お熱あるの?」
「こ、これはそういうのじゃないから、璃々は心配してくれなくていいのよ。ほんとに、なんでもないんだから」
「えー? お母さん、へんなのー」
それからしばらく、乗馬となって足を動かし続けた。さすがにはしゃいで疲れたのか、璃々は芝の上に座り込んで水を飲んでいた。なにも気にせず大胆に足を開いているものだから、子供っぽい下着が股の間から見えてしまっている。
「いい眺めだ。全力で遊んだ報酬がこれなら、確かに納得できる」
孫策がじっと眺めているのは、璃々の下着ではなかった。紫苑の弾力の効いた太腿に寝転び、丸い乳房を下から見上げる。
太陽よりもよほど存在感のある球体だった。そうすることで緊張感を愉しんでいるのか、時々紫苑が胸を顔にあててくる。間近にある谷間は迫力満点で、下腹部の滾りを抑えることなどできるはずがなかった。
「あっ。か、一刀殿?」
「いいだろう、少しくらい。娘相手のかくれんぼだ」
璃々から死角になるように身体を動かし、紫苑の着物の端を唇でついばんだ。欲望に導かれるまま動かすと、きれいな色をした乳首が外に出る。すぐさま口に含むと、ほのかな甘みに思考が蕩けそうになった。
見ず知らずの男が、母親の膝ばかりか胸までを独占している。そんな状況下にあっても自然体でいられるのだから、璃々は結構な大物になるのかもしれない。乳房の先端を吸い上げながら、考えるようなことではなかった。やがて璃々のあくびが聴こえてくる。ごろんと芝生に寝転び、昼寝でもするつもりなのか。こちらからしてみれば、ちょうどいい休憩時間だった。
「かわいらしい寝顔だ。紫苑が溺愛したくなる気持ちが、俺にも多少は理解できる」
「あんっ……。一刀殿、まさかここで」
「いいだろう、紫苑。無理に動かして璃々を起こしてしまうのも、かわいそうだ」
「んあっ、んっ……。こんな、あっ……、淫乱な姿で交わっているところを璃々に見られたら、わたくし母親として終わりです。なのに、んぐっ、んお゙っ……♡」
璃々の寝顔を間近で見られる位置で紫苑を四つん這いにさせ、後ろから覆いかぶさった。言葉とは裏腹に、びしょ濡れになった女陰が限界まで屹立している男根をすんなりと受け入れる。濁った嬌声を洩らす紫苑は、挿入の衝撃だけで全身を痙攣させていた。
ゆっくりと抽送を開始する。璃々の快活な声が響いていた庭園に、湿っぽい喘ぎだけが聴こえている。紫苑の着衣をさらに乱し、両方の乳房を露出させた。大きな二つの塊が、後ろから突くと面白いように跳ねる。ともすれば娘に唾液が垂れ落ちるような距離で、紫苑は快楽の虜になっていた。
「はあっ、あっ……。璃々、ごめんなさい、璃々っ……♡ お母さん、あなたの前でおチンポに屈してしまうような、どうしようもない淫乱な女だったの。あんっ、お゙っ、んあっ……♡ 声、少しも我慢できない。一刀殿のおチンポが素敵すぎて、いやらしい声、たくさん」
ほとんど、独りでに盛り上がっているようなものだった。それだけ、紫苑は常に鬱々とした情動を抱えているのだろう。発散されなかった欲望は滞りとなり、やがて人をけものに変える。それを思えば、少々不純な行いであろうが許容されるのではないか。
そもそも、自分は孫家という枠組みの中でしか生きてきていないから、感覚のずれがあって当然だった。義母や妹たち、それに家中の女とも、気が向けば身体を重ねる。それが日常の行いのひとつであり、なにもおかしなことではなかった。
「いい締まりだ。よほど、チンポによがる姿を璃々に見られたいようだな、紫苑」
「い、意地悪です、あなたさまは……♡ んっ、んあっ、あっ。ほんとうに素敵で、どこまでも意地の悪いおチンポなんですから♡ んっ……。それを、こうして……ぇ♡」
「はははっ。そうだ、素直に愉しめ、紫苑。璃々に知られたら、その時はその時ではないか」
「そ、そうかもしれませんね。璃々だって、きっといつかはこうして、んあっ♡ 殿方の逞しい腕に抱かれる日が、やってくるんですもの」
その役目は、是非ともあなたに。
振り返った紫苑の瞳が、そう言っているようだった。脳内が、新たな興奮に襲われる。紫苑と同時に璃々を犯す。そんな光景を想像して男根をかたくしてしまうのだから、自分こそどうしようもない変質者なのだ。紫苑の乳房を搾りながら、空いた手で璃々の髪を撫でる。穏やかな寝顔。未知の悦びを知った時、それがどう変化していくのか。正直、愉しみでならなかった。
「ああっ、いぐっ……♡ チンポすごい、んっ、んあっ。わたくしの弱いところ、一刀殿にもう全部ばれていて、はあっ……♡」
柔軟に蠢いていた膣内が、男根を急激に締め上げる。下半身に力を込めて、紫苑による猛攻を耐え凌いだ。義母や宿老たちにも劣らない、名器なのである。ちょっと気を抜いただけでも、すべてを持っていかれそうな感覚があるのは確かだった。
「ここがいいのだろう、紫苑。もっと、璃々に欲望に歪んだ顔を見せてやれ。大好きなお母さんのほんとうの姿だ。璃々も、きっとよろこぶ」
「そんな、うぁ゙っ……♡ いくっ、まだいってるっ。一刀殿に再開発されたおまんこが、いくの止まらない。んひっ、あーっ♡」
肉感のある臀部をつかまえ、ふるえる紫苑の膣奥を重点的に責めた。子宮口の感触が気持ちいい。蕩けきった嬌声を耳にしていると、なんだかこちらまで絶頂しているような気分になった。
†
「はあ、んっ、んじゅっ……。どろどろになったおチンポ、おいひ……んっ♡」
数度目の射精を終えた男根に、紫苑がむしゃぶりついていた。これでは、きれいにするどころではない。男女の汁はねぶりとっているのかもしれないが、代わりに唾液で根元まで汚れきっている。
「満足できたか、紫苑。逗留中は、おまえが望むならいつでも」
「は、はいっ。なんだか、お手数をおかけしたようで申し訳ございません、一刀殿」
「別に。俺は、俺がしたいと思っているからおまえを抱いている。そこに、義務感なんてものは少しもないのさ」
「うふふっ。かたくなったおチンポを見ていれば、あなたのお気持ちがよくわかります。いつ見ても、とてもお元気なんですもの。ああっ……。ほんとうに、素敵ですわ」
音を鳴らして尿道を吸い上げ、紫苑が残っていた精液を咀嚼している。男根に頬ずりをする姿は堂に入っており、それだけでも再び劣情を催してしまいそうになった。
「んうぅ……。あれ、おかーさん?」
「り、璃々っ」
それまで静かにしていた璃々が、まぶたを擦りながら身体を起こす。紫苑は慌てて着衣の乱れを直してくれたのだが、自身の乳房はどちらも飛び出たままだ。
どうにか、璃々に気づかれる前に。母親にもどろうとする焦燥感が、なんだかおかしかった。着物だけはどうにか間に合ったものの、髪や口もとに見られる交合の痕跡まではどうにもならなかった。見る者が見れば、なにをしていたのかは一目瞭然なのである。
特に、頬ずりをしたせいで顔にはべっとりと唾液の跡が残っている。
「あははっ。お母さん、璃々と一緒にお昼寝してたんだ。髪くしゃくしゃだし、お顔、よだれがすごいことになってるよ」
「あ、ああっ……! ええ、実はそうなのよ。ねっ、そうだったわよね、一刀殿っ」
「ン……。まあ、そんなところだ。璃々。気持ちよく寝ていたぞ、おまえのお母さんは」
「へえー。だったら、一刀お兄ちゃんはお母さんの寝てるとこ見てたんだね。ねっ、どんなだったか教えて教えてー」
「ははっ。そうだなあ……」
飛び込んでくる璃々の身体を抱きとめ、孫策は紫苑の顔を見つめた。
声を出さずに、必死になって留め立てしてくる仕草がちょっと滑稽だった。