天下を揺るがす凶報だった。
帝が、名もなき者の刃に斃れた。予感通り、この国は確実に乱世の真っ只中へ向かっている。軍師会議で穏が言っていたように、最後に残った枷は帝なのだ。それが、もっとも想定されていない方法で取り除かれた。だからこそ、衝撃は各地に大きく拡がる。
これで、各地の実力者による統治は、より独自色の強いものに変化していくのだろう。同時に、やはり霞が洛陽に残ってくれていてよかった、とも孫策は思う。放っておけば、おそらく傾は謀殺される。はっきりとした使い道があるわけではなかった。ただし、ああいう女は大抵ただでは転ばないものだ。
そこに賭けるための、霞なのである。
「ふふふっ。よかったですねぇ、お嬢さま。これって、実質ご運が開けたようなものじゃありませんか。調子に乗るなら、きっといまだと私は思うんだけどなぁ」
「うむっ? 七乃。それはつまり、妾が次なる天下人に立候補してもよい、ということなのかえ? 確かに、わが袁家は押しも押されぬ漢の名門であるしのぅ。皇帝。ぬふふふっ……。となると、妾が次代の皇帝か」
「このこのぉ、煽てて調子に乗らせたら、お嬢さまは天下一なんですからっ♡ 勢いだけで皇帝まで僭称しちゃうだなんて、さすがすぎます♡」
孫策が凶報を受け取ったのは、南陽郡に到着してからのことだった。紫苑の屋敷を離れるのは名残惜しかったが、どうやら自分の判断は正しかったようだ。
二人はまったくもっていつも通りの様子であり、神輿に乗せられた美羽は余計なことを言いまくっている。
「そうじゃのう……。妾が皇帝になったあかつきには、諸国の蜂蜜生産に多大なる援助を執り行ってくれようぞ。蜂蜜作りを国策としてやるからには、まず皇帝である妾がその味を確かめんとのう。ふふん。これで、ありとあらゆる蜂蜜を、労せずして舐められるというものじゃ」
「さすがです、お嬢さま。お嬢さまが権力を掌握なさったら、養蜂農家以外は税で搾り上げるの確定ですね。きっと、世の中怨嗟の声で溢れ返ること間違いなしです」
「うははっ! もっと褒めるがよいぞ、七乃。というか
小さな身体をすっぽりと覆う、豪華な椅子。そこから飛び降りて、美羽が孫策に抱きついた。
「ン……。美羽が皇帝になってしまうと、俺のような庶民のことは忘れてしまうのではないか、と心配になってきてな。それで、ひとり鬱々としていたのさ」
「んなっ……!? わ、妾が、そんな薄情なことをするわけがなかろ? むむむ……。でもまあ、兄さまがどうしても心配だと言うのであれば、仕方あるまい。七乃、妾はこれより、帝位のことは生涯口にせぬ。だから、そなたも今回の話は忘れるがよいぞ」
「えぇー? つまらないお兄さまのことなんて忘れて、私と遊びましょうよ美羽さまぁ」
「ふふん。そんなことを言ってもよいのかの、七乃? 兄さまがおいでになるのを、七乃が密かに愉しみにしておったこと、妾はちゃーんと知っておるのじゃからな。それを黙っていて欲しければ、大人しく従うがよいぞ。ほれほれ、どうなのじゃー?」
「あ、あいたたた……。どうしてでしょう。急にお腹が刺すように痛くなって、私はもうすぐ死ぬのかもしれません、お嬢さま」
普段攻めてばかりいるせいで、七乃は極端に守りに弱くなっているのではないか。そもそも、自身と美羽にとって不要だと判断した人間を排除してきているのだから、誰も七乃を攻めようとするはずもなかった。
相変わらず、妹でいてくれようとしている美羽は健気である。その手触りのいい金髪を撫で、額に軽く口づけた。腹を押さえてうずくまる七乃が、ちょっと睨みつけてくる。
隣に移動して、孫策はそっと耳打ちをした。
「俺も、七乃に早く会いたかった。そうだな……。たまには、おまえの知恵を貸してくれると助かる。孫家のためとまでは言わないが、できれば俺のためであると嬉しい」
「んっ、んあっ……。よろしいんですか、私のような女を頼っても。気づいたら、後ろから刺されていたっておかしくないのに」
「その時は、所詮俺の天命がその程度でしかなかっただけだ、と諦めがつく。それに、七乃のように毒にしかならない女が、ひとりくらいいたっていい、とも思う」
「むっ……。ほんと、救いようのない変態なんですから、一刀さんは。はあ、もういいです。好きにすればいいじゃないですか、なにもかも」
「おおう!? い、いきなりなにをするのじゃ、七乃。兄さまが、びっくりするではないか」
「いいんですー。ひとを毒呼ばわりしたツケ、きっちり払ってもらいませんと、腹の虫がおさまらないじゃないですかぁ」
投げやりな返事だったが、孫策はそれを肯定と受け止めていた。
軽い衝撃があった。うずくまっていた七乃が身体を起こし、床に押し倒してきたのである。唇が繋がる。感情の振れ幅の大きい女だった。美羽に見られていることをものともせず、唾液をとめどなく送り込んでくる。七乃がそのつもりなら、と孫策も気合いを入れた。
「あっ。お尻そんな、あっ……。んっ、んちゅっ、はふっ……。一刀さんは、私との口づけに集中していればいいんです。ほら、んむっ……」
「いいのか。しっかり、美羽に見られてしまっているぞ」
「美羽さまだって、一応年頃の女の子なんですから。交尾の仕方くらい、憶えておいて損はありませんよ。それに、近頃年寄り連中がしきりに言ってくるんです。年若い美羽さまに、手頃な婿をつけて袁家の後見をさせた方がいいんじゃないかってね。ほんと、手頃ってなんなんですかね、手頃って。結局、私が邪魔だから自分たちに都合のいい操り人形が欲しいだけじゃありませんか。そんなの、こっちは知ったこっちゃないんですけど」
七乃の言ったことが聴こえたのか、どことなく美羽の視線が泳いでいる。
好き勝手しているようで、責任感がまったくないわけではないのだろう。君主の下した結論は、必ずどこかで自分に跳ね返ってくる。ほとんどのことは七乃が未然に処理しているのだろうが、美羽なりに思うところがあってもおかしくはない。
「美羽さま。この床に寝っ転がってる御方なんて、ちょうどいいんじゃありませんか。精力旺盛。大の女好き。倫理観の欠如は甚だしいですけど、お嬢さまのことは大事にしてくれるでしょうし、たぶん」
「あっ、えっ、えとっ……。それはその、兄さまさえよいと言ってくれれ……ば、わら……」
「受けよう、その話。ただし、俺は孫家のことで手一杯なのでな。南陽袁家の差配は、これまで通り七乃に任せたい」
「うわー。露骨に二人分の好感度取りにきちゃって、まあ……。んっ、あむっ、あんっ」
「へっ、んっ、んむむっ……? 兄さまは、たったいまから妾の
七乃の激しくなった口づけは、照れ隠しのようにしか思えなかった。言えば、きっと本人は怒るのだろう。
自分があまりにも簡単に了承したせいか、美羽は返答に思考が追いついていないようだった。
「あんっ。だから、勝手にさわらないでくださいと、何度も、んむっ」
「はははっ。嫌がっている女の反応なのか、これが。股をぐっしょりと濡らして、ほんとうは期待しているのだろう、七乃?」
「んっ……♡ 好きにすればいい、とも言ったでしょう。それに、一刀さんはもう私の主筋なんですもの。美羽さまの旦那さまに命令されたら、そんなの絶対断れません」
「そうなのか? まあ、勝手にしていいと言うなら、俺も」
七乃の下着を少しずらし、血の巡りのよくなった男根をあてがう。以前本人が言っていたように、知識だけで実際には男を知らないようだった。ぴったりと閉じた膣口。七乃が苦しくなる前に、突き破った。
一瞬だけ、七乃が悲鳴に近い声をあげる。それで、美羽も正気にもどったようだ。
「あ、あわわ。あに……、主さま、七乃は平気なのかえ。その、股のところから、血が出ておるのじゃが」
「主君として、むしろ喜んでやればいい。七乃の記念すべき処女喪失だ。それに、美羽もそのうちこうなる」
「あ、ああっ……。一刀さん。どれだけ鬼畜なんですか、あなたってお人は。そりゃあ、好きにしていいって言ったのは私ですよ? けど、物事には限度ってものが、はあ……、あっ、ううっ。わ、私のあそこ、裂けちゃってませんよね? ふうっ、ふーっ、んっ……」
滑りの強くなった七乃の内側を、ゆっくりとかき分ける。泣き顔だけは見られたくないのか、七乃は孫策の胸に顔を擦り付けていた。身体が緊張しているせいか、強烈な圧迫感がある。
「そうじゃ。ちょっと待っていてたも、七乃」
そう言って駆け出した美羽が、すぐにもどってくる。手にしているのは、小ぶりな壺だった。雰囲気からして、食べかけの蜂蜜でも入っているのだろう。
「これを、こうして塗り塗りと……。んおっ……!? いきなりびくっとされると、驚くではないか」
「ええ、だってぇ……。んはっ、あっ。お嬢さまにこんなことされたら、わたしぃ……♡」
美羽が、七乃の痛みを和らげようと、大好物の蜂蜜を結合部に塗りつけているようだった。その行為は、七乃にとって果てしなく大きな意味があるのではないか。愛してやまない蜂蜜を、美羽がおのれのために使ってくれている。感動の波及なのか、いくらか膣の動きに安定感が見られるようになっていた。
くすぐるように膣奥を突いてやると、少なからず気持ちよさそうな声も出ている。これなら、いけるはずだった。
「ふふふっ。これがよいのじゃな、七乃。んむっ……。ついでに、妾も小腹の足しをっと」
「んんっ……。お嬢さまの指、気持ちいいです。もっと頑張ってくださらないと、私こっちに浮気してしまいますからね、一刀さん」
どこまでいっても、七乃は挑発的な態度を崩したくはないらしい。
それならそれで構わない、と孫策はやわらかな女体を抱きしめながら笑った。
「美羽。七乃は、もうひとつの穴でも気持ちよくなりたいそうだ。塗ってやってくれるか、蜂蜜を」
「ふむ? もうひとつというと、それはお尻の穴なのかえ。見るからにきつそうなんじゃが、ほんとうに?」
「ひゃっ……♡ ん、んひっ、んあっ……♡ お、お嬢さまの細くてしなやかな指が、ぬるってお尻の中に……いっ♡」
「うおぅ……!? あまり締め付けるでないぞ、七乃。かようなことで、妾の指が取れてしまったらどうする」
「そ、そんなこと……ぉ♡ はあっ、んっ、おっ……♡ あ、圧迫、激しすぎますっ。一刀さんのおちんちんだけでもすごいのに、こんなっ、あっ……♡ お尻までなんてぇ」
七乃の反応が、明らかによくなった。もともと、後ろの方で感じる才能があったのかもしれない。それに、美羽によって身体を開発されているという事実が、かなり効いているのだろう。
具合のよくなった膣内が、男根にねっとりと絡みつく。快楽の逃げ場を欲して、七乃が口づけを求めてきた。こうやって、たまにかわいげを見せるものだから、厄介な女だった。
「はあっ、はっ。こ、これやばっ、んぐっ、んむっ……。一刀さんと美羽さまに責められて、私もう気が触れてしまいそうなんです。ああっ、はあっ、あんっ……♡ おまんこもお尻も、たくさん感じちゃう。は、早く。一刀さんも早く射精してくださいよぉ。こんな、うあっ。私だけ、いかされるだなんて」
「うむむぅ。蜂蜜にこんなおもしろい使い方があるとは、妾も知らなかったのじゃ。おおっ。ここを押さえておると、主さまのおちんちんが動いているのがよくわかるのう。七乃と繋がるのが、そんなに気持ちいいのかえ、主さま?」
「気持ちよくて、腰が止まらないのさ。だが、そろそろ」
「あんっ。おちんちんが、中でびくって。お嬢さまも、いまのはわかったんじゃありませんか? はーっ、んっ、おっ……♡ これが、殿方のお射精の合図ですので、よく憶えておかれますように。女を完全に屈服させようと、あひっ♡ おまんこに、種を吐き出す準備運動です」
「ふむふむ。お射精というのは、妾も経験済みゆえよく知っておるぞよ。主さまの白いとろとろ、ものすごかったのう。あれが、今度は七乃の中に」
「うふふっ。さすがの記憶力ですね、お嬢さま。ああっ、ん……♡ もう、気持ちいいことだけで頭いっぱいにされちゃってる。一刀さんに中出しされることしか、ひゃん、ふいぃ……、い、いぐっ……♡ お尻に指ぶっさされたまま、ひぁあっ……♡」
勢い余った美羽が、人差し指を深々と挿入したようだった。七乃が快楽に染まりきった声を腹の奥底から搾り出している。再度やってきた強烈な締め上げに対して、孫策は欲望すべてを吐き出した。
「まだ、まだくるっ。初めてなのに、変態みたいな交尾でいかされるの、さいこうっ……♡ んあっ、んっ。お射精、もっとください。ああっ、はーっ。おまんこ屈服するの、気持ちいい。そんな、あっ、まだこんなに出るだなんて、おぐっ♡」
「ぬおおっ……! 七乃め、主さまのおちんちんが余程気に入ったようじゃのう。しかしまあ? 妾の良人に股で媚を売る悪い臣下には、仕置をしてやらねばならんのじゃ」
「いっ、いってます。もう十分なほどいっていますから、美羽さまぁ……♡ い、いあっ。そんなに奥指でぐりぐりっていじられると、おっ……♡」
美羽と一緒になって、七乃の奥をいじめ抜いた。二人分の汁と垂れた蜂蜜で、床は汚れに汚れている。