FGOなんとなく書いてるR-18シリーズ 作:クリスマスプレゼントだろ!!
「思い返してみたら、わえ……」の続編です。
「伊吹さん、いい加減、禁酒しない?」
「!!!?? ききき、禁酒!!? 禁酒って言ったのかしら!!? マスターさん!!!??」
余程ショックだったのか、屈む形で頭の角が刺さりそうな勢いで、まるでこの世の終わりの瞬間を目の当たりしたような表情でマスターに迫ってくるこの女性は、伊吹童子。
白いニット服に浅黒い肌、そして人ならざる角。
そんな現代に毒されきった属性過多な彼女は、正月を目前に控えた今、最大の危機に瀕していた。
伊吹童子は別側面である酒呑童子と同じく無類の酒好きで、仕事が無ければ昼間っから大好きな酒をかっくらい、何なら周りも巻き込んでその場の全員を酔わせて丸一日動けなくさせてしまう。
その中には、例のカルデア大干ばつ事件を起こした、ヴリトラの名も含まれていた。
しかしそれが原因で、源頼光を筆頭した鬼退治のサーヴァントに、近頃カルデアの風紀を乱していると目をつけられ出していた。
更には彼女が好んでいる酒の発注が追いつかず、カルデアの予算を圧迫しているとダ・ヴィンチも嘆いていて、このままでは伊吹童子は来月酒が貰えなくなるだろう。
「と言ってもいきなりは苦しいだろうから、まずは量を減らすのと、休肝日をちゃんと作ること。あとは、うん、他の飲み物を試してみるとかかな」
こんな事を言ったマスターとて、出来れば伊吹童子に大好きなお酒を自由に飲ませてやりたい。
お酒を飲んでいる彼女の顔は実に生き生きとしていて、以前に酌に付き合った時は、こっちが飲んでいなくても見ていてとても愉しかったのだ。
今月は戦闘が多く、まだ半分を少し下回る程度に残ってはいるが、彼女の飲酒ペースを考えると恐らく正月の頭に尽きるだろう。そうでなくとも、このままでは頼光にご禁制されかねない。
そして、説明するマスターを他所に、自分以外の喧騒から外れ、お正月に子供組に混じってジュースをちびちびと寂しく飲んでいる自分――そんな恐ろしい未来を想像した伊吹童子は、頭を抱えて真剣に悩みだした。
「うー、うう…………き、禁酒かぁ………………うーーーーん………………」
「伊吹さんも、お正月はみんなでパーッとやりたいでしょ? 俺も伊吹さんにまたお酌したいし、協力するから一緒に頑張ろうよ」
「……マスターさん…………」
このまま丸一日悩み続けそうな伊吹童子に手を差し伸べるように、彼女に優しく微笑みかけるマスター。
伊吹童子自身、普段の自分が問題しか起こさない事は自分でも理解している。されど、分かっていてもそうせずには居られないのが、鬼と言う種族の性だった。
しかし、そんな自分に呆れたりせずに、真摯に何とかしようとしてくれるマスターの熱意に感極まった伊吹童子は、逆に決心がついたのか。ぐっと拳を握り、マスターに宣言する。
「……分かった。私、頑張ってみる!!」
□□□
「さて……、そう宣言してから、少なくとも一時間は経ったはずだけど……」
ついこの間、ヴリトラが居座っていた無機質なベッドに俺は呆れた目を向けていた。
そこでは、身長180センチはあろう女性がぐってりとした顔でうめき声を上げて寝転んでいた。
かろうじて下半身の防御の体をなしている黒い前掛けの下から、チラチラと隠してるものが見えそうで、とても危なっかしい。
「お酒…………お酒、お酒ぇ…………、飲みたいぃぃ…………!」
二人で一緒に頑張ろう! と意気揚々として禁酒の誓いをしたはずが、マイルームで一日の量の調節、休肝日をいつにするか等を決めていると、見るも残酷な数字と日程をホワイトボードに示された途端に、伊吹童子はああなった。
早くも禁断症状が出ていて、たったの一時間でこれって、年末まで絶対に持たないだろう。
「うーん、これは流石に予想外だなぁ……」
さすが三樽も飲んで、まだまだ足りないと言うだけはあるのか。当然、この会議中も禁酒である。
まぁ、自分達の目の届く所では酒を飲もうとしない辺りは、まだ我慢していると言うべきか。ヴリトラが聞けばまた「貴様は甘やかしすぎじゃ」と叱られそうだが。
「仕方ない……。伊吹さん、ちょっと良い?」
「……? ……なに、マスターさん?」
泣き腫らした目でこっちを見てくる伊吹童子。分かっちゃいたが、何故か艶っぽい。
涙に濡れた顔でも素直に綺麗と思えるのは、彼女の顔が度を越して端正だからだろう。かと言って俺の布団まで濡らさないで欲しいが。
「これは俺はあんまり使いたくないんだけど、ノンアルコールのお酒試してみない?」
「ノンアルコール……? 何それ? お酒?」
「本物のお酒を飲めないけど、味と感触だけでも味わいたいって人が飲むお酒。俺たちの時代にはたくさん種類あって、以蔵さんとか酒好きだけど下戸な人の為にいくつか仕入れてたんだ」
まぁそうしてると、すぐにお龍さんに煽られて「こんぐらい、わしなら飲めるわぁ!」とか言って強い酒飲んで即潰れるんですけどね。もはやお家芸ですよ、この前も伊吹さんに潰されてたし。
「…………………」
「まぁ、試しに飲んでみてよ」
渡したのは、市販されているガラス瓶入りのノンアルコールの日本酒をコップに注いだものである。他には缶の梅酒や、ビールやカクテル等もある。
伊吹さんは渡されたコップを両手持ちで、じっと見つめている。
「いただきまぁす……」
初めて口にするものが怖いのか、それとも酒じゃないことに気落ちしているのか。
いそいそと一口飲んだ途端、伊吹童子はパァッ、と花を咲かせたように笑った。
「美味しいぃ! なぁにこれぇ!? 今のお酒ってこんなんなのー!?」
目をキラキラさせて、どうやらいたく気に入ってくれたようだ。
こくこくと喉を鳴らしながら美味しそうに、調子よくどんどん飲んでいく。
「ゴクゴク……ぷはぁ! これならいくらでも飲めるわぁ! 酔えないのが物足りないけどぉ……でも、美味しいからいっかーーーー!」
まるで酔ったかのようなテンションで次々とグラスに注いでいく伊吹童子。
酔えないのを不満に思うかも知れないと思ったが、どうやら大丈夫そうだ。
「ゴクゴク……ゴクゴク……ぐびぐび……」
すると、さすがに飲み過ぎでは? と思うくらいに伊吹はハイペースでノンアルコールのお酒を煽っていく。
酔わないおかげか、ペースが落ちる予兆は全く無い。そう思っている内に次々と栓が開封されていく。
「飲み過ぎじゃない?」
「いーのいーの! 酔わないんだから! これなら私も他の人も酔わないわよぉ!」
そこで俺は、しまったと自分の過ちに気づいた。
確かにこれなら彼女も誰も酔わせる事も無いし、万一に付き合った誰かがお酒を持ち込んだとしても、俺との約束を義理堅い彼女が破ることは無いだろう。
だが、それは解決したとして。今度は別問題として金銭の問題が発生する。
安価な酒だが、それでも無料ではない。このままの調子で酔わずにぐびぐび飲まれ続ければ、いつかカルデアの予算は底を尽きかねない。
「伊吹さん、そのお酒もタダじゃないんだよ?」
「えー、もっと飲みたーい……」
可愛らしく頬をぷくーっと膨らませるが、酒を注ぐ手は止まっていない。
注意しようとすると、マイルームに取り付けられたインターホンがそれを遮った。
「? 誰だろ」
モニターで確認すると、扉の向こうで立っていたのは、とても見覚えのあるセーラー服を着たスケバン姿の女性だった。
「頼光さんじゃん」
「え!? ヤバっ!」
その名を聞いた途端、伊吹童子がバタバタと音を立てて空けた酒やグラスを片付けだす。
それはまるで、恋人に内緒で別の女性を家に連れ込んでいると、行為の途中でその恋人が帰ってきたので急いで証拠隠滅をしているかのような見事な焦りようだった。
「部屋に入れたのが見つかったのかも……。話してくるよ」
「うぅ……。ゴメン、お願いマスターさん……」
ノンアルとは言えお酒の匂いのついた伊吹を頼光さんに会わせる訳にはいかず、俺は頼光さんを誤魔化しに一旦外へと出た。
まぁ、バーサーカーの状態じゃなくて風紀委員長モードの頼光さんだから、禁酒させようとしている旨を正直に話せば分かってくれるだろう。
「…………分かりました。いかな神霊とは言え、あの酒乱ぶりにはいつかは忠言をと常日頃思っておりましたが。マスターが直々に矯正して下さると言うならば、この頼光、矛を納めましょう」
「しかし、相手は神霊ですが鬼でもあられます。いくら己のマスターであっても、ふとした時に気まぐれで裏切ってしまうのが鬼と言う種族……。もし、何かされそうになったら…………………………なったら………………………!」
危険を感じたら即座に私達を呼んで下さいね、とだけ言い残し、血涙流さんとばかりの顔で頼光さんは去っていった。
「ふぅ……。緊張したぁ……」
頼光を見送り、ため息をつきながら、俺はマイルームに戻る。あの母親が子供を叱る時のような、独特の緊張感は色んな意味で心臓に悪過ぎる。
しかし、喉元過ぎれば何とやらで、俺はいつもの感じでマイルームの中へと入った。
「…………?」
すると不思議な事に、部屋の匂いが外に出る前と少し違っている事に気づいた。
何と言うか……そう、まるで俺が伊吹さんや酒呑にお酌をしている時と同じような。
それからふと伊吹童子の方を見てみると、そこでは頼光さんが去って行ったのを察したのか、胡座をかいてまたノンアルのお酒を飲んでいた。
ただし、今度は透明なグラスではなく、酒呑童子と同じお酌に使う平べったく赤い大きな酒器に注いで。
「はらぁ、ますたーさぁん? ふふふ、あの牛乳女はもうどっか行ったのかしらぁ? うふふふふ」
何故か顔を真っ赤にした伊吹童子は上手く呂律が回っておらず、演技でも何でも無く、完全にまるで酔っているかのようだった。
そう、ノンアルコールを飲んでいたにも関わらず、伊吹童子は酔っていたのだ。
それを見た俺は、へべれけになった伊吹に問わざるを得なかった。
「どうしてそうなったの?」
「いや、お酒じゃないのよ。ただ、どっかの瓢箪みたいにぃ、自分のスキルでお酒じゃないものをお酒にできないかなぁって……そしたらね……?」
とくとくとく、とノンアルのお酒を酒器に注ぎ、手をほんの数秒だけ翳す。見た目は何も変わっていないが、伊吹童子がその飲み物に何か細工をしたのは明白だった。
「いい感じに、お酒っぽいのが出来上がってさぁ? ちょーーっと味は落ちるけど、違う味があって美味しいよー? あれー? どしたの、頭痛いの?」
俺は思わず頭を抱えた。
何てこった、さすが神霊。凡そ彼女の別側面である酒呑童子にすら出来そうに無い事を、あの短い間に平然とやりやがった。
「あ、大丈夫大丈夫、酔ってないから。これはお酒じゃないから、ノンアルコールだから」
「ノンアルコールで酔うかい!」
お酒にしたってその口で言ってたじゃん。思わず大きな声で突っ込みを入れるが、伊吹童子は「やだぁ、そんな怒んないでよぉ」と涙目を装ってこっちに擦り寄ってきた。
どうすればいいんだこんなの、と思っていると。
ふと気がつけば、お互いの身体が密着する程に伊吹童子が近づいてきたところで、彼女の表情は一変した。
「ますたぁさぁん…………」
なにかを期待するようにじっとこっちを見つめてくる潤んだ瞳に、興奮したように赤く上気した顔。
いつの間にか、俺の身体は彼女の両腕で抱き締められてロックされていて、小さく荒い息遣いが耳元にかかってくる。
すると、さっきの頼光さんとの会話が、自然と俺の頭の中でリフレインされる。
自身の迂闊さを呪いつつ、こうして近づかれなくても分かっていたが、伊吹童子の豊満な体型は完全に男を誑かすものだ。
胸なんかさっきから俺の腕に当たりまくっていて、否応にも意識せざるを得ない。
「………………」
無意識に、ゴクリと俺の喉が鳴った。
「伊吹さん?」
正気を確認するように、俺は彼女の名前を呼ぶ。
すると、あまり間を置かずに伊吹は、その艶めかしい唇を妖しく歪めた。
「…………食べちゃっても、良い?」
それは、断ってしまうには余りにも魅力的なお願いだった。
□□□
ベッドに行くのも面倒だと言わんばかりに、そのまま床に押し倒された俺は下半身を手早く剥かれ、既にズボンの下で半立ちになっていた性器を外に晒された。
ここまで成すがままにされたのは初めてかも知れないと思いながら、俺に向けて伊吹童子は優しく笑みを浮かべて、優しく包むようにそれを手で握ってきた。
「まずは貴方のこっちから、ね…………?」
「っあ……」
耳元でそう囁かれながら、しなやかな手付きで伊吹童子が上下にゆっくりと俺の半身を擦り始める。脳が快楽を処理するよりも先に、血流が下の方へと流れていき、半立ちだったモノは一気に芯を持った硬い怒張に変わった。
「どう、気持ちいい? ふふふ……」
擦るペースは一定。しかし、芯の奥から何かが徐々にこみ上げてくる。自身の意思に反して屹立したモノはピクピクと蠢き、時が経つに連れてそれが外に出ようと躍起になっているのを感じる。
「もう出そう? それじゃあ……はぁんむぅ…………」
「っ! うあっ……」
すると、俺が射精してしまいそうなのを察したのか、追い打ちとばかりに伊吹童子の唇が俺の亀頭に触れて、温かい口の中へと入っていく。
「んっ……じゅぐっ、んぢゅっ、じゅるっ……! ぢゅう…………!」
「っ!」
「ん、ぢゅるるるるるるぅ…………!! ぢゅう……………。…………ぷはぁ」
さらにトドメとばかりに亀頭を濁音を上げながら吸われ、堰き止められ俺の中で暴れまわっていたものが鈴口から放出されて、勢いよく彼女の口の中へと吸引された。
伊吹童子はうっとりした顔で、俺の出した精液の味を吟味していた。
「ああ、これ好きぃ……。癖になっちゃうかも……」
絶頂でぼーっとした頭の中で、亀頭から口を離した伊吹童子がしっかりと俺の出した精液をごくん、と飲み込んだのを確認した後で、間髪入れずに彼女は再度、少し硬さを失った俺の性器をしごき出した。
「まだ終わらないでよ? ね? 本番はこれからだから…………」
そう言って伊吹童子は妖艶に笑う。
我が半身ながら単純な事に、程なくしてピンとさっきの硬さを取り戻し、立ち上がったそれを見た伊吹童子は舌なめずりをすると、今度は俺の上に跨る体勢になった。
そして、ベッドで泣きじゃくっていた時にずっと捲れそうになっていた前掛けの下に隠れていた、最後の防衛ラインである布をずらして、その膨らんだ亀頭をゆっくりと秘所にあてがった。
「はあぁっ! はぁんっ……! これ、これよこれぇ…………!! 欲しかったのぉ………!」
そのままストン、と何の抵抗も無く伊吹は腰を下ろしてきて、亀頭から根本まで一気に熱い膣内に飲み込まれる。そして久しぶりのまぐわいだからか、伊吹童子は興奮したように俺を見下ろして身体を激しく上下させる。
「ずっとがまん、してきたんだからぁ……! あんっ! あの、牛女にぃ…………! んっ……! 邪魔、されてたんだか、らぁ…………! ああっ!」
亀頭を子宮口で咥え込み、うねるような膣壁で刀身を暖かく包みながら全力で愛撫される。
汗を振りまきながらの上下運動で、その動きに伴って彼女が持つ二つの巨大なものがニットの下でゆっさゆっさと大きく揺れるが、それに視線が釣られたのを俺が反撃の機会を伺っていると勘違いされたのか、伊吹童子はにっこりと口を歪めた。
「ダメよぉ、ますたぁさん……。何をしようとしたのよ……? 私があなたを食べるんだから……! あなたはじっとしてて……!」
最初からそのつもりだったのに俺は両手を押さえつけられてしまい、完全に伊吹童子に動きを拘束されてしまう形になった。
さらにそのまま伊吹童子は腰を上下に動かすだけではなく、円を描くようにグラインドする動きも追加して俺の射精欲を煽ってきた。
「ほら、出して、ガマンせずにだして、ますたぁさん……! 私の中にいっぱいだしてぇ…………! ますたぁっ…………!」
「くっ―――――!」
きゅうと音をたてるように膣内の締め付けが増したと共に、溜まっていた俺の中の射精欲はそれによって一気に臨界点を突破した。
「あっ――――あ、ああああぁあああああぁぁ! でてる、でてるぅ…………! あついのがぁ……!」
伊吹童子も限界間近だったのか、俺が鈴口から滝のように精液を放つと同時に、彼女も身体を弓なりに逸らして自身が絶頂したことを示す。
そして俺が溜め込んだものを一瞬で放出した際の脱力感に酔っていると――あの一瞬で回復したらしい伊吹童子が、蒸気した顔と蕩けた瞳でこちらを覗いてくる。
汗と酒の甘い香りの混じった匂いを漂わせながら。
「ふふ、いっぱい出しちゃったね……? じゃあ、この続きはちゃんとした場所で、ね……?」
純情な女らしく片目をつむり、そして何かを期待するような顔で彼女はすぐ側の空いているベッドに視線を移す。
――どうやら、彼女の攻勢はまだまだ続くようだった。
――いつ頃くらいからだろうか。目の前の彼を無性に貪り、玩びたくなるようになったのは。酔いが覚めやらぬ頭の中で、何度もその疑問が巡る。
「んぢゅう……れろぉ……ぁあ、んちゅ…………」
移動した先のベッドで自分より身長の低い彼を押し倒し、私の舌は彼の舌を熱心に口の中で嬲っていた。彼は無抵抗で受け入れてくれたが、これくらいの事は何度もやっている。
こんなのは次の行為への前座に過ぎない。もっともっと、さっきよりも激しく絡み合うように。
箍なんて外してしまって、いっそ鬼らしく彼を壊してしまうくらいにと幾度も思いもしたが、何とか今も歯止めがかかっている。
「んぅっ、んちゅっんむぅっ……! ……っはぁ。ますたぁさぁん……?」
理由は簡単、彼をまだ壊してしまいたくないからだ。ヴリトラちゃんが飽きずに彼に付いているのも同じような理由だろう。
私もこのカルデアのマスターと言う少年に、どうしてかいつの間にか、心底入れ込んでしまうようになった。有り体に言えば、気に入ってしまったのだ。
――……でも、貴方のせいでもあるのよ? ずっと私に構うから、何の警戒も無く私にお酌をしてくれるから。貴方みたいな人は初めてだし、ずっと側にいるのが当たり前になっちゃって……。
「ふひゃぁ! ……ひゃれぇっ……んじゅぅ! じゅぷっ……れぁっ……ふぅむんぅ! ああぁ! ちゅうぅ…こくぅ、んぐっ」
接吻が激しさを増した。服を脱ぎ去ったマスターの手が露出した私の胸と恥部へと伸びる。同時に私も硬く熱を持った彼の愚息を握った。だが、まだギリギリ理性は保っていられる。
今回のように私に禁酒を勧めた時も、もしそんな事を彼以外に言われれば、普段ならその場でくびり殺してしまってる所を、彼ならば許せてしまう。
今も我慢できているのも、そうだ。鬼としての本性を顕にして、殺してしまうには惜しい。まだまだ彼にはお酌をして貰いたいし、こうして自分を気に掛けてほしい。
いつの間にこんな構ってちゃんになったのかは自分でも分からないが。とにかくまだ彼には死んで欲しくは無いから、こうして壊さない程度に時々、つまみ食いのように発散している。
「ぷはぁ……。ああー…………、さいこう…………」
やがて、私はキスに飽きて口を離し、今にも射精しそうで震えている逸物を期待を込めた目で見ながら、次の段階に移る事にする。
「ふふふふ……まーすたぁ? こういうのされるのどうかしら?」
私はおもむろに手を伸ばし、傍らにある酒の入った盃を取った。何も飲む訳ではない、ノンアルコールのお酒を渡された時から、こうして使うつもりだったのだから。
「っ……冷たぁい…………」
お酒が溜まった盃を胸元まで運び、軽く傾けて上からそこに垂らす。冷たい感触に一瞬冷っとしたが、お酒は私の胸の谷間で枝分かれして、我ながら豊満な乳房全体を上手いこと濡らしてくれた。
「ほらぁ、あなたの好きなおっぱい……さ、咥えてみてぇ…………んっ」
色っぽくなったつもりで、さっきまで彼に弄ばれていた胸の片方を彼の口に近づけると、マスターは素直に先端を口にしてくれた。敏感な先っぽが、ざらざらしたものに嬲られる感触が堪らない。
「甘い……」
「ん、ふぅん……。ふふ、そうでしょ……? っあ、はあぁ……こらぁ、吸わないのぉ…………」
男という生き物は、本能的にこれを欲するのだろうか。乳液は出ないが、マスターはお酒をそれの代わりにして吸ってきた。
ある程度してから彼の口から乳房を離した私は、ついにそそり立つ彼の男性器を手に持って、入れやすい位置に持っていく。そして赤い亀頭を肉壷の入口で何度もあてがったり、離したりを繰り返した。俗に言う、素股というものだ。
「あっ、ああ……! これ、好きぃ……! ヒクヒクしてぇ、すっごく良いわぁ……!」
「っ……あぁっ…………」
マスターも感じているのか、先端と入口が触れ合う度に彼の逸物は大きく動く。その時たまに先端がナカの入口付近まで入ってきて、それがたまらなく気持ちいい。
今すぐ根本まで一気に入れたくもあったが、まだお互いの昂りは最高潮ではない。こうやって時間をかけて高めていけば、入れた時はきっと物凄く気持ちいいはずだ。
「伊吹、さん…………!」
「ごめんね? もうちょっと待っててね…………?」
焦らされているマスターの表情からは、いつもの余裕が無くなっていた。けどそんなの、私も一緒だ。今すぐにでもガチガチになったマスターのモノを奥まで突き入れたい衝動を、必死に押し殺しているのだから。
「はっ、はぁっ、はぁぁっ……ああぁ! んぁぁ……んんぅぁっ、ひゃあ! あぁっ、あんぅ! はぁ、あぁっ……ふぅんぅっ、んくあぁっ! あ、あぁ……んあぁぁっ」
そして、何度も素股を繰り返していく内に、元より鉄のような硬さと、持っているだけで火傷しそうな熱を伴ったマスターの屹立は、今や焼けた鐵と遜色変わらない程の熱と硬度を持つようになった。
ようやく仕上がったな、と思った私は、そのピクピクと動く赤黒い先端を、マスターに何の合図もする事も無く、彼と自分の体液が入り混じった割れ目に口づけた。
「……やぁっ! ぁんっ、っあ、あんっ、あっ、んっ―――――――ああああああああっ!!」
腰にぐっと力を込めて、彼の根本に叩きつけるように勢いづけて、限界まで屹立したモノを自分の最奥にまで到達させる。
いつもより更に熱と硬さを持った、最高の逸物。膣肉を強引に押しのけて侵入してきたそれは、素股で焦らしに焦らされた事もあって、私の頭をそれ一色で埋め尽くしてしまった。
私は大きな矯声を上げながら、彼の上でみっともなく腰を上下に振りだす。ただそれだけの、動物のような単純な運動しか出来なかったのだ。
「いいっ、いいわっ! ぜぇんぶ、わたしが動く、からぁあ、ああぁぁつ、つめたぁぁぁぁぃい!?」
最高の快楽を与えられたせいで、思考回路がやられていたのか。ぐぢょぐぢょの結合部に突如走った冷たい感触が、自分が持っていた盃のお酒だと気づくのに、数瞬を要した。
夢中で動いているうちに、誤って零してかけしまったか。と思ったら、何とその下手人は、私の隙を突いて盃を傾けた下にいるマスターだった。
そして余りの冷たさにびっくりして背筋がピンとなり、マスターの上で直立した私を、彼はしてやったと言わんばかりの顔で見上げてくる。
「ま、ますたぁっ!」
「伊吹さん、ほんとに可愛いね……!」
額に大粒の汗を浮かべ、本当は余裕なんて無いはずなのにそんな事を言ってしまえるのは、本人が心底から真にそう思ってくれているからだろうか。
そして、彼がこんな時に決して嘘をつかない性格である事を知っている私は、抗議の声を上げるどころか、不覚にもドキリと――さらなる隙を見せてしまう事になる。
「っ! また、そんなこと言って…………うわあぁんんっ!? き、きゅうにぃっ…………!!?」
苦し紛れに文句を言おうとすると、遮るようにガツン、と何の前触れもなく下から貫かれた。
動かないでって言ったのに――そんな文句すら言わせて貰えないほど、乱暴だ。
いつもはその見た目からも分かる通りの優男のはずなのに、こうして床の上では一瞬でも優勢を取られると、私でも逆転が難しくなる。
そうなると私は彼の上で、お互いにイクまで好きなようにされ続けるのだ。
「あ、ああぁっ!? ふっ、ふっ、あふぅっ! あっ、やっやめてっ、なにするのっ、あっ! む、胸はぁ、やめてぇ……! いじらないでぇっ!? やあああんっ!?」
片手で腰をがっしりと掴まれ、一方的に何度も男根を叩きつけられる。そして、ぶるんぶるんと目の前で揺れるのが目障りだったのか、ついでにもう片方の手で乳房の先端を抓まれたりと弄くられる。
「んっ、ピ、ピリピリするぅ……? なぁにこれぇっ、ああんっ!?」
すると、小陰の周りが妙にピリピリしだした。
さっき結合部に浴びたお酒が体液と一緒に膣内にまで入ってきて、冷たい感触の後にじんじんと陰唇の周囲が熱くなり、疼きが収まらなくなる。
彼のピストン運動で擦られる度に小さくイッてしまう陰核も、同じようにむず痒くなる。
「ひんっ、あっ、あっ、ああぁ、はあぁっ!! ……きもちいところ、ついてぇ……!! あふぅっ……これぇ、いいぃ…………んあぁぁっ!!」
胸も含めて何もかも好き放題されている私。
人間のモノで焼かれ、貫かれ、乱される私。
鬼なのに、神霊なのに。そんな細かい事が吹っ飛んで――当初の彼を食べると言う言葉はどこへやら、今や私は、ただ蹂躙される快楽の虜にされ、男の精を求める浅ましい女になってしまった。
「っ、伊吹さん……! 俺、もう…………!」
「う、うんっ! あんっ、わ、わたし、もぉ……そろ、そろぉ…………ひゃあうんっ!?」
私も彼も、もう限界が近いのだろう。
時間が経つに連れて、彼が私を貫く勢いが強くなってきた。そしてそれに合わせて私も腰を上下する。増幅した快感に身体中がゾクゾクと総毛立つのを感じた。
私は決して最後の瞬間を離さないように、最奥まで一気に貫いてきた彼の肉棒を、膣壁で全力で締め上げた。
「いくっ、いっく――あ、ああ、あああああああああああああああ――――――っっ!?」
その瞬間、積もり積もったものが爆発して、私は声を上げて絶頂した。
膨らんだ亀頭から出た白濁とした熱い液体が、私の子宮を満たし、その射精が完全に止まるまで彼の逸物は幾度も私のナカで律動する。
「あ、あああぁ…………あつぅいぃ………」
そして体感にして数分もの射精が終わると、流石の私もちょっと疲れてきて、目下の彼に押しかかるように体重を預けるようにして倒れた。
余談だが、カルデアの女性の中でも重い方の私がのしかかっても、顔色一つ変えずにマスターが両腕で抱きしめてくれるのが実は嬉しかったりする。
「……つっかれたぁ……。でも、気持ちよかったわよねぇ……?」
そうですね、とマスターは短くそうとだけ答えた。
依然として彼の逸物は私のナカで包まれたまま硬さを保っているが、今はお互いを満たしている充足感と幸福感に、ひたすらに浸っておく。
「はあぁ…………ずっとこうしてられるなら、お酒なんて、もう飲まなくても良いかも…………って、何よ、その鳩が豆鉄砲食らった見たいな顔は」
「いや……まさか、伊吹さんがそんな事言うなんて想像つかなくて……」
まさか行為中にお酒を飲むとでも思ったのか、今回だって最中には一滴も飲んでいないのに。
「私だって、貴方としている時は飲まないわよ。そんな余裕ないし、集中したいし…………ねぇ、このまま、お正月までずっとシない?」
冗談半分、もう半分は割と本気で言ったのだが、やはり「明日はレイシフトがあるから駄目ですよ」とにべも無く断られてしまう。
そのつれない回答に、残念に思った私は片頬を膨らませ不機嫌をあらわにした。
「いけずぅ…………。はぁ、お正月まで持つかなぁ、あのお酒…………」
「普通の水とかジュースをお酒に変えるのじゃ駄目なんですか?」
「どうしても本物より味が落ちるのよ。できれば他の人が作ったお酒を飲みたいし……それに、貴方にこれ以上の迷惑はかけられないわ」
自分が今のようにどれだけ良いお姉さんのように振る舞っても、私の根底にある鬼の部分が消え去ることは無い。
こればかりは聖杯を使おうともどうしようもなく、できる事と言えば彼の言う通りにお正月までお酒を我慢して、飲むとしてもカルデアに出来るだけ迷惑をかけないよう制御するしかないのだ。
それはもちろん、わざわざ私に貴重な時間を割いてくれた、マスターも言わずもがなだ。
「大丈夫ですよ。伊吹さんなら、きっとできます。なんなら、ダ・ヴィンチちゃんに残ったお酒を預かってもらいます?」
「ほんとに? あの人になら、まぁ安心かもね………………。ねぇ、さっきの話だけど」
「流石にお正月までは体が持ちません、マジで」
「そうじゃなくて! いや、結果的には同じようなものなんだけど…………」
迷惑をかけたくないと言った手前で、こんなお願いをするのも面倒な彼女みたいでどうかと思うが。
それでも笑って許してくれそうな彼なので、ついついこうして甘えてしまう。
「もし、私が我慢できなくなったら、また、シてくれる……?」
――お酒よりも甘く刺激的な、貴方との行為に、私は何度でも没頭するのだ。