これは聖書同盟の会談より少し前の話……。
「起きぬかイッセー」
「う、う〜ん……」
もう一人のイッセーの主であるイゼベルの呼び声で微睡みから目覚めた彼は、ゆっくりと瞼を開ける。
目の前には紅い薄手の寝巻きを纏った相変わらず見目麗しい彼女の姿がある。黄金を溶かしたような髪に、血のように赤い瞳。そしてロケットの様に張り出ていながら重力を克服したかの様な乳房にきゅっと締まったウエスト、ヒップと脚線美を描く身体つきは、まさに絶世の美女と呼ぶに相応しい。
快活で奔放、さながら猫のように気ままで気まぐれな彼女だが、それでいて誰よりも愛情深い。事実彼女はその身体のみならずイッセーに数多の力を惜しむことなく授けている。
(こんな方が俺の主なんだもんなあ……。
俺はホントに幸せモノだぜ……)
「これ、イッセー。目覚めたばかりと言うのに呆けた顔をしておるでない」
「いや〜、イゼベル様がいつにも増して美しくてつい見惚れてしまいました」
「……まったく、相変わらず口が上手いのうそなたは♪ 余を喜ばせる天才よな♪」
ニカッ、と子供のように笑うイゼベル。
この笑顔を見れば大半の人間は彼女に魅せられてしまうだろう。
イッセーはその最たるものである。
(本心なんだけどなあ……)
頬をかきながらどこか照れくさくなったのかイッセーは目線をイゼベルに向ける。
(……? あれ? 頭の角が、猫耳に?)
変化はそれのみではない。更には尻の谷間の上にある尾骶骨の辺りから猫の尻尾のようなものが生えているのだ。しかもそれはまるで本物のようにゆらゆらと揺れているではないか。
「……」
イッセーはおもわず猫耳に手を伸ばしてしまう。するとピクッと耳が反応したかと思えばピコピコと動き出した。
「少しくすぐったいぞイッセー♪ しかし無理もないか。余の魅力と猫耳の魅力が合わさっては何者であろうと我慢出来ぬであろうからな♪ 無論愛でるのを許すはそなたのみであるが」
ふふん、と鼻を高くしながら髪をかきあげるイゼベルからは黄金色の粒子が溢れ出し、周囲にキラキラと輝く光が舞う。
その姿は神秘的であり、また艶やかさすら感じるものだった。
それはそれとして何故急に竜の角ではなく猫耳となったのか。まさか、イメチェンなどというトンチキな理由でもあるまいが。改めてイッセーはイゼベルの真意を問うべく口を開いた。
「……あのー、イゼベル様?」
「なんだ? どうかしたのかイッセーよ?」
「なんか、その、猫耳が生えてるんですけど……?」
恐る恐る指摘するイッセーに対して、
「うむ! 可愛いであろう?」
「はい! カッコ可愛いです!」
「そうか! カッコ可愛いか! わははは!」
何の躊躇いもなく猫耳と尻尾が生えた事を肯定するイゼベルにイッセーはつい称賛の言葉を送ってしまった。
(いや、そうじゃなくてな)
イッセーは思い直した。今、問うべきはイゼベルに猫耳が生えた理由であり似合うか似合わないかは問うていないのである。
そもそも彼女がどんな姿をしていようがイッセーにとってみれば愛する主であることに変わりはなく、むしろもっと可愛くなればそれはそれで嬉しい事なのだ。
だが、やはり気になるものは気になってしまう。
「それで、どうして急に猫の耳を生やすなんて奇行に走ったんですか?」
「奇行に走るとは言いよるわこやつめ。
まあ、よいわ。良くわからぬが朝起きたらこうなっておった」
「お、おおらかですねぇ……」
「無論のことよ。そうでなければ赤龍帝たるそなたの主が勤まるものか」
イッセーの顔を胸元に顔を埋めさせながらの抱擁と共にイゼベルはそう語る。
生地越しながらも彼女の柔らかな胸の感触が顔全体を包み込むと同時に甘い薫りが鼻腔を刺激する。
もう矢も盾もたまらず、とイッセーは朝も早い内からイゼベルを布団のうちに引き寄せた。そして早速と言わんばかりに寝巻きの上から胸を揉みしだく。
「んっ♡ 全く、朝から盛るでない♡」
そう言いながらもまんざらでもない様子のイゼベルの乳首と乳輪がぷっくりと膨れ上がりイッセーの欲情を焚きつける。
ばっ、と左右に寝巻きを肩から外しまろび出た乳房の頂点は既に充血しており、淫らに勃っていた。すかさず吸い付き舌で舐め回し、もう片方の乳首を指でコリコリと弄ぶ。
「あっ♡ ふっ、うぅん♡ はぁ、あぁん……っ♡♡相も変わらず乳狂いよな♥」
「はい! バカも極めれば天辺です!」
たちまちイゼベルの口からは熱い吐息が漏れ出した。見れば彼女の顔はすっかり上気しきっており、潤んだ瞳の奥には情欲の炎が灯っているのがわかる。
「ふふふ♥よく言いきった♥しかしそなたに朝から振り回されてばかりでは主としての沽券に関わるのう♥」
「うおおぉ……!?」
ぎゅむうっ♥と乳肉の宮にイッセーの反り立つ雄が飲み込まれていく。
危うく感涙に咽ぶところであったイッセーにイゼベルはすん、と鼻を鳴らした。
「ふぅ……♡それにしても相変わらず凶悪なモノよなぁ♡♡それ、余の乳の中で存分に動けイッセー♥ そなたの欲望のままに突き動かすがよい♥♥」
ずりゅっ、ずりゅっと豊かな谷間で激しく擦り上げられる度に肉棒からは先走り汁が溢れ出す。それを潤滑油代わりにして更に激しいパイズリが開始される。
左右の乳房をそれぞれ上下左右へと自在に動かし、時に先端同士を擦り合わせながら刺激を与えてくる。イッセーは己の肉棒が桃源郷の鍵であったのか、と思い至るまでの快楽に溺れていった。
「こ、これは……! ああっ! イゼベル様!
イゼベル様とのおっぱいセックス気持ち良すぎてもう……!」
夢中で腰を前後させることしか今のイッセーには出来なかった。脳髄まで蕩けるような快感の中、射精感が限界を迎えた刹那、ぐりゅんと乳肉が拗られた。膣内にも劣らない柔らかさを誇る二つの果実による締め付けにより白濁液が大量に解き放たれる。
(ああぁぁ〜〜〜〜ッ♡♡♡)
(ぐっ!? ま、まるで精液を直接啜られるかのような吸引力……!!)
びゅるるる!! どぷっ、どくんどくん……! ぴゅーっ、ぴゅ──……!!!
ぴちゃり、とイゼベルの顔に飛沫が散る程の射精にしばしの間イッセーは放心状態となっていた。ぬと……とイゼベルが広げた胸の谷間に粘ついた液体がへばりついている。それが自分の吐き出したものだと思うとなんとも背徳的な気分にさせられる。
「どうじゃ? 少しは治まったかの?」
不敵かつ悠然な笑みを浮かべつつ絶頂後の余韻に浸るイッセーにイゼベルは問い掛けた。
「い、いえまだ全然です! むしろもっともっとしたいくらいですよ!!」
「そうか♪ では続きをするとしようぞ♥」
願ってもない申し出にイッセーは心ときめきながら野獣の様に麗しの主へと飛びかかろうとしたのだが……。
「チェスト・セキガハラ!!」
突拍子もない駆け声と共に放たれたのはこれまたとてつもない斬撃の暴風。
まるでバターの様にベッドはまっぷたつにされてしまった。
「うわあっ!?」
「何をするかゼノヴィア!」
慮外の一撃に二人揃って驚きつつもどうにか直撃は避けることが出来たものの、それでも完全に躱す事は叶わず衝撃によって二人は部屋の隅にまで吹き飛ばされてしまった。咄嗟に防御態勢をとっていなければ重傷は免れなかっただろう。
「ぼ、ボウリョクはダメデス! ゼノヴィア!」
「何を言うかライラ! これは暴力ではない! 愛ゆえの行為だ! 悪魔などに心奪われるなどイッセー! 見損なったぞ!」
などと宣うこれまた猫耳&尻尾つきのゼノヴィアだがデュランダルを握る指は火傷し、煙が立ち上っている。
(俺もゼノヴィアも転生悪魔なんだけどな……。いや、これを言ったらおしまいだな)
イッセーは涙目のゼノヴィアに敢えてその指摘はしなかったがイゼベルは口を尖らせながら無情にもその事実を指摘した。
「痴れ猫風情がほざきよるわ。そなたとてイッセーの愛にて転生悪魔となった身ではないか」
「黙れ!」
「い、イケマセン! ゼノヴィア!」
頭に血の上ったゼノヴィアは唐竹割りの要領でデュランダルをイゼベルへと振り下ろす。ライラの静止も間に合わず、今度は部屋がまっぷたつになったとさ……。
ー
「なったとさ! じゃねーよ! 話が終わっちまうだろ!!」
「誰に向かって話してんだイッセー?」
イッセーのメメタァな発言にツッコミを入れるアザゼルであったが猫耳はついていない。
「母さんにも猫耳……?」
「そうなのよ。困っちゃったわねえ」
(いや、困ってる様には見えねーけど! つーか、母さんに萌えアイテムがつくのは……つ、辛い!)
頬に手を当てながらまんざらでもなさそうな母親に内心ショックを受けるイッセーであったが問題は別の所にある。猫耳、猫耳、猫耳。イッセー宅のほぼ全ての女性陣に猫耳と尻尾がついているではないか。
一体何が原因でこんな事になっているのか……。イッセーにはまるで見当もつかなかった。
「アザゼルよ、心当たりはないか?」
「俺を便利屋みたいに言うなよイゼベル」
(何だか二人は気安く話しているけどどういう関係なんだろう……? ま、まさか元カレとかそんな感じ!? アザゼル先生は見た目もちょい悪オヤジ風だし!?)
「NTR!? NTRなのか!? 脳が!? 俺の脳が破壊される〜!?」
『何を妄想逞しくしているんだ相棒』
「勘弁してくれ。俺はもっと恥じらいのある貞淑な女が好みなんだ」
手をふりふりさせながらアザゼルは弁明する中でイッセーの言葉を真に受けたアーシアは懸命にイッセーを治癒しようとしていた。
「た、大変ですぅ! イッセーさんの頭が破壊されてしまうだなんて!」
「い、いや今のは言葉の喩えというヤツで」
「ふむ。アーシアには素質があるかもしれないな」
「コラッ! ゼノヴィア! どこでそんな表現を覚えた! 控えろ!」
「イッセーの持っていた『えろげ』なるものから学ばせてもらった」
悪魔のような笑み(実際悪魔だが)を浮かべて揶揄するゼノヴィアをイッセーは叱りつけたが本人は何処吹く風といった様子であったとさ。
ー
そんなこんなで駒王学園に登校したイッセーとイゼベルらであったが学園の女生徒達も皆猫耳に尻尾を生やしている有様だった。
「う、うう……」
女生徒達、それもスカートを履いた女性たちは皆落ち着きがなく特にイッセー等を警戒している様子であった。やはり過去の過ちのある身である故か。それだけではなく。
「この変態イッセー! どうせまたアンタの仕業なんでしょ!」
「そうよそうよ! 原理はよくわからないけどアンタが原因に決まっているわ!!」
クラスメイト達がイッセーを吊るし上げるかの様に一斉に詰め寄った。
「ち、違う! 今までは確かに覗きやらセクハラやらあれやこれや、サイテーな振る舞いをしていた事は事実だ! けど、今回は俺じゃないぞ!?」
「ウソおっしゃい!! だったら何でこんな現象が起こっているのよ!」
「そうだ! 責任取りなさいよ!!」
火に油を注いでしまった様で詰問は更に激しくなるばかり。更には皆で囲って棒で叩く有様であった。
「止さぬか貴様ら!」
これにはイゼベルも険しい表情となって制止せざるを得なかった。
更に、わざわざソーナまで猫耳&尻尾姿で駆けつける。
「生徒会長として、集団暴行は見逃せませんね」
キリッとメガネを上げ、剃刀の様な鋭い視線で睨みつける様は流石の迫力があった。これには一般生徒もすごすごと退散していく。
「あ、ありがとうございます会長」
「いえ、匙の頼みですから。良き友人を得た事に貴方はもっと感謝するべきです」
イッセーには返す言葉もなかった。確かに自分はいい仲間に恵まれていると実感していたからだ。と、その時何か邪悪な視線を感じた。なんというか『いい気味だ』というか『ざまあ見ろ』というか……粘ついた陰湿な視線だった。
『どうやら相棒は狙われているらしいな』
(ね、狙われているって……!? 貞操を!?)
『アホかお前は』
(ボケてみただけだって)
「随分こてんぱんにされてたじゃない。兵藤」
などとドライグとやりとりしていると不意に背後に新たな気配を感じた。外見は橙色の髪で、三つ編みの眼鏡っ娘。古典的な文学少女ないし学園ものの委員長ポジションの美少女を思わせるような風貌だ。しかし今日は猫耳と尻尾つきという有様だ。掴みどころのない彼女にある意味似つかわしい姿でもある。
「ま、まあな……」
「それより尻尾のせいでパンツが履けない状況だから皆がピリピリしているのよね〜」
さらりと明かされる衝撃の事実にイッセーは興奮……もといたじろいだ。
(と、言う事は目の前いる桐生も今現在ノーパン!? )
桐生藍華は良く見なくても明らかに美少女でありスタイルも悪くない。寧ろ良い。
アーシアやゼノヴィアと比肩するレベルのプロポーションの持ち主だ。そんな彼女の大胆な告白にイッセーは生唾をゴクリと呑み込んだ。
「……なぁ、お前なんで今日に限ってそんなにオープンなんだ? つーか猫耳が生えちゃった事に対してなんでそんなに受け入れているワケ?」
「さあ〜? けどその答えはアンタがよ〜く知っているんじゃない? イゼベルさんと屋上であんな事やこんな事していたし」
ほくそ笑む桐生の肩をイッセーが掴む。その表情はいつものスケベ根性丸出しのだらしない顔ではない。
「た、頼む! イゼベル様、ごほん。イゼベルを巻き添えにするのだけはやめてくれ! 何でもするから!」
「ふ〜ん……今、何でもするって言ったわよね?」
「えっ、それは……」
何やら蟻地獄にのめり込んでしまった様な気分になったイッセーであったが既に後の祭りであった。
ー
そして昼休みのこと。イッセーは桐生から屋上へと呼び出された。イゼベルと屋上でセックスしていた事をバラされては下手をすれば退学ものだ。もしやイゼベル共々公開処刑でもするつもりなのだろうか。そう危惧したのだが桐生は特に怒っている様子もなく普段通りの様子で話しかけてきた。
「このチラシ、覚えがある?」
「……こ、これは!?」
桐生が見せてきたのはイッセーが手書きで作りコピーした悪魔との契約を持ちかけるためのチラシである。
「な、ナンノコトダヨー」
目を逸らし口笛を吹いてごまかそうとしたがヒュウヒュウと空気が抜ける音しか出ない始末である。
そんな様子のイッセーに桐生は顔を近づけ目を覗き込んできた。
「このクセの強い字、アンタの文字よね?」
「お前、名探偵かよ……」
こうなってはイッセーもお手上げ。
真実を話すかあるいははぐらかすかの二択しかないだろう。だが、下手に誤魔化す事も出来なかった。
何せ相手はあの桐生なのだ。
彼女の性格からしてこのまま放置すれば何をしてくるかわからないのだから。
「なあ、頼むから皆には黙っててくれねえかな? お前に迷惑がかかる事は極力避けるからさ」
「ええ、構わないわよ? その代わり私のお願いを聞いてくれたらね」
「な、何だよ」
思わず身構えてしまうイッセーだったが桐生はそんな様子などお構いなしといった調子で話を続けた。
「私と契約しなさいよ」
「其れ位なら……まあ。けど、俺は下級悪魔だからやれ誰それを始末してこいとか、明日までに何十万もってこいとかは無理だぞ、マジで」
観念したイッセーは桐生から提示される契約の条件を飲む事にした。
「そうね、先ずは私を気持ちよくしてくれる?」
「き、気持ちよく……」
距離を詰めてくる桐生からは爽やかな柑橘系の香りが漂ってくる。それに呼応するかのようにイッセーの動悸が激しくなった。
「桐生、お前ってホント美人だよな……。
気さくだし、アーシアの事も変なヤツが近づかない様に目をかけてくれているしさ。ありがとうな」
「いや、気持ちよくするって褒め殺す事じゃないってば。まあ言われて悪い気はしないけどね……♪」
冗談とも本気ともつかない調子で語るイッセーに桐生ははにかみながら笑った。
「ふふ、じゃあ早速始めましょうか♪ それともキスから始める方が良い?」
「え、ちょ、待てって! マジでヤるのか!?」
焦るイッセーを尻目に桐生はスカートをたくし上げた。つるり、とした無毛の恥丘にぴたり、と閉じた割れ目が露わになる。
たらり、と粘り気を含んだ愛液が床へと滴り、まるでお漏らしをしたかのように濡れていた。
「あはっ……♥ なんでかな……♥ 兵藤と契約するって決めて、アンタとイゼベルが屋上でヤッてた所を思いだしたらもうこんなになっちゃったんだぁ……♥♥」
桐生は普段から性に奔放な性格ではあるが、ここまでとは思いもしなかった。
いや、或いは猫耳と猫の尻尾がついた事による発情だろうか。
「ねえ……。ボーッとしてないで……。
早く鎮めて……兵藤♥今のアンタは私と契約した悪魔でしょ……♥」
「お、おう……」
股の間で尻尾がメトロノームの様に左右へ揺れているのを見ているうちにイッセーの中のオスとしての本能が再び呼び覚まされていく。まずはとばかりに屈んでスカートを暖簾の様にくぐるとまずは太ももの内に手を伸ばしするする、と撫で回した。
「ひゃううっ!?」
ガクガク、と膝が抜けたのか崩れ落ちそうになる桐生の尻たぶを鷲掴みにする形で支えながら、次は藍華の花弁に唇を押し当てた。柔らかな肉の感触と共に濃厚なメスの匂いが鼻腔を満たしていく。
(なにこれぇ!? 頭がバカになりそうっ!! ああんっ!!! 想像したより気持ち良すぎるよぉ!!!!)
ぐちゅり、ぬちゃりと粘膜同士が絡み合う淫靡な音が鳴り響く。その度に脳天を貫く様な快楽電流が流れ二人は激しく身悶えた。イッセーの舌の動きに合わせて、面白いように桐生の体がビクビクと震え上がっていく。その振動は尻の柔らかさを更に強調してイッセーの掌に伝達する。
(ヤバいわ……! このままじゃイッちゃう……!!)
目を白黒させながら快楽に翻弄される藍華に対してイッセーは気のおけない悪友が自分の手で女に花開く瞬間に立ち会っているかのような興奮を覚え始めていた。
じゅるるるっと吸い上げると、それに応えるようにまた新たな蜜が溢れ出す。
『おい、藍華』
イッセーの声ではあるがイッセーの意思により発したものではない。
恐らくドライグによるものだろう。
「な、なに……?」
『スカートで俺の顔を隠すな。ちゃんとスカートをたくし上げてマンコを丸出しにするんだ』
(な、何言い出すのよコイツ!!)
(な、何言ってんだコイツ!!)
奇しくもイッセーと藍華の思考が一致するがドライグは尚もやめない。
それどころか自らのコントロール下にあるイッセーの右腕を自在に操り、彼女の花弁をなぞり膣口と包皮に保護された陰核を指でカリカリと刺激する有様だ。
「んああっ♥ひいいっ♥ もっ♥ もういいっ♥ もういいってば♥ 今日はここまでっ♥ ここまでにしてぇ♥♥♥」
(あ、あの桐生のヤツがこんなにエロエロかつブザマに俺に媚びるだなんて……!?
いや、厳密にはドライグのヤツがやっている様なモンだけど……)
『駄目だ藍華。俺に気持ちよくして欲しいんだろ? この発情駄猫娘。赤龍帝である俺を甘く見たからにはしっかり躾けてやるぜ』
「ふにゃああああっっ♥♥」
ぐりっ♥むきっ♥と包皮を剥かれたその刹那、びくびくびくっ! と痙攣しながら藍華はその場に崩れ落ちかけた。イッセーの腕に支えられていなければそのまま倒れ込んでいたかもしれない程であった。
そんな藍華の頭を優しく撫でるとイッセーは立ち上がった。
「大丈夫か?」
「……うん。イッセーってベッドヤクザになるタイプ?」
「……かもな。けど藍華も悪いんだぜ?
こんなエロくて可愛い女の子に迫られて紳士な真似なんて出来るかよ」
まだ余韻が残っているのか少しトロンとした表情のまま頷く藍華の姿は普段の彼女からは想像できない程にしおらしいものであった。今更実は俺の半身である赤い龍によるものですなどとも言えない。
(俺にそっち系の趣味や素質はないし……)
「……藍華。自分だけ気持ちよくなっちゃ駄目だよな? 契約には対価を払わないと……な?」
「ふああ……♥何これ……? おっきくて、太くて……見せられるだけでクラクラするぅ……♥」
マタタビを嗅がされて酩酊した野良猫でもここまでにはなるまい、といった様子で涎を垂らしながらうっとりと呟く藍華。
それ程までにイッセーのペニスはイゼベルにより見出され、磨かれ、鍛えられてしまっていたのだ。幸か不幸かイッセーにその自覚はなかったが。
藍華は躊躇いなくその灼けた鉄杭さながらのペニスにむしゃぶりつく。藍華にはそうした知識はあったが経験はない。
まだまだ拙くはあったがイッセーにすれば技術云々など関係なかった。ただ自分のモノを愛おしげに咥え、しゃぶってくれる美少女がいるという事実だけで十分だった。
「んん……♥れろ……♥ぺろっ……♥ちゅぱ……♥」
「くう……いいぜ……藍華……」
(うわ、すっげえ……♥舌が別の生き物みたいに蠢いて、絡みついてくる……)
(あああ、凄いっ♥ こんな凄いチンポで初めてを奪われちゃったら私……もう♥)
舌を亀頭全体に絡め、鈴口をほじくる様に舐め上げる。同時に竿の部分を両手で包み込む様に持つと上下にしごきあげる。その間も上目遣いでイッセーの反応を確かめる事を忘れない。
(ふふ、私のフェラチオ気持ちいいんだぁ……♥あはっ、もう出そうなんだ♥)
どびゅるるるっ!! どくんどくん!! ぶりゅりゅ!!
(〜〜〜〜ッ♥♥♥)
あまりの勢いに言葉を喪い、意識が飛びかけた。ところてん式に飲み込んだ精液の量に劣らぬ程にぶしゅっ♥ぶしゅっ♥と小気味良く純潔の泉から飛沫が上がる。
(す、凄すぎるっ……! こんなの知ったらもう戻れないっ……!! こ、これが射精なんだ……!)
初めての絶頂と口内への大量射精を経験し、恍惚の表情を見せる藍華の頬にイッセーは手を伸ばし、文字通り猫を可愛がるかのように顎の下を撫で上げた。するとゴロゴロと喉を鳴らしながらその手にすり寄ってくる。
「可愛いぜ、藍華」
「ふにゃあ……♥♥♥」
前戯も終わり、いよいよ……とイッセーが藍華を押し倒そうとしたその時だ。
「イッセー!! 大変だぞ! お前に下着泥棒の嫌疑がかかっている!!」
「「どわわわっ!?」」
屋上のドアを乱暴に開けて大喝したのは匙であった。二人は即座に何事もなかったかの様に距離を離してゼノヴィアの様子を伺った。幸いにして彼女は二人が何をしていたのかまでは気がついていないようであった。
ー
「やっぱり改心しただなんてウソだったのね! このロクデナシ!」
「この変態! 鬼! 悪魔!」
「さっさと学園から出ていきなさいよ!」
朝とは比較にもならない糾弾が教室を埋め尽くしていた。当然といえば当然だが。
何せイッセーの下駄箱から大量のパンツが放り込まれたのだから。それも女物の。
「ま、待ってくれ! 確かに俺達とイッセーはお前らに迷惑をかけっぱなしだったが人の下着を盗る程落ちぶれてはいないぞ!」
「そうだ! イッセーのヤツはバカでスケベで変態だがパンツを盗む様なヤツではない!」
(ま、松田……! 元浜!!)
物を投げられ、棒でしばかれてなお二人は悪友のイッセーを庇い、無実を信じてくれていた。その事実に思わず目頭が熱くなるイッセーであったが、今は泣いている場合ではなかった。
「一体何の騒ぎですか」
「あっ! ヴリトラ先生!!」
騒ぎを聞きつけやってきたのはヴリトラだ。
が、何故か竹刀+チャックが半開きの青いジャージ姿という何やら妙な文化に被れたかの様な出で立ちだった。
匙に宿っていた不傷の龍王であった彼女は今、駒王学園における生活指導兼体育教師の名目で学園に入り込んできていた様だ。
「おお、色ボケ龍王か。匙めと乳繰り合うヒマがあるならばイッセーめの潔白を証明せよ」
「獣が……!」
来るのが遅い、と言わんばかりに唇を尖らせながらイゼベルはヴリトラを揶揄するとヴリトラの目つきが険しくなった。
良く見れば猫耳も尻尾もついていない。
「キャー! ヴリトラ先生が私を睨んでくださったわー!」
「何を言ってるの! 私よ!」
「アタシに決まってるでしょウスラトンカチ!」
(ってヴリトラ先生は女子に大人気なんだよな……校内では俗に言うおっぱいのついたイケメン枠だし)
「それで? 本当に女子生徒の下着を盗ってはいないのですね?」
「はいっ! 神に誓って! あいたたた!」
「ヴリトラ先生! 今回はイッセーを信じてやって下さい!」
「俺からもお願いします!」
「余からも嘆願してやる。余に貸しを作ることが出来る好機であるぞ?」
悪魔であるが神に誓った事でダメージを受けたイッセーだがその位に必死であった。
そしてその必死さはヴリトラにも伝わった。イゼベルの傲岸ぶりは癪であったが。
「確かに今回の騒ぎは不審な点が数あります。この件については一旦私が預かります。これ以上騒ぐ様なら容赦しませんからね?」
「「「せ、先生程の人がそういうなら……」」」
「ありがとうございます、ヴリトラ先生!」
こうして事件はひとまず収束した。
そして放課後になり、イッセー達はオカルト研究部の部室へと集合していた。
議題はもちろんイッセーへの疑いについてだ。
「僕はイッセー君が犯人だとは思えないな」
「おお! 木場! 心の友よ!!」
「私も同感ですわ。イッセー君が盗むならパンツよりもブラジャーの類でしょう?」
「あ、朱乃先輩……」
そこは否定できないだけあってイッセーは落胆しながら肩を落とす。
そんな騒ぎの中で元々猫又である小猫は我関せず……というようないつもの様子ではなく猫耳をピンと立たせて何かを警戒している様子だった。
(うう……そんなに警戒しなくてもいいじゃないかよ小猫ちゃん)
イッセーはてっきり自分が疑われているものだと思って哀しみに沈んでいたがそうではない。彼女が警戒しているのはこの事件の原因であろう存在についてである。
リアスもその事に気づいていたがそれを口に出せば小猫の未だ癒えぬ過去の傷を皆に露見させてしまうことになる。
だから今回はイッセーの激励に留め、あとは何も言わなかった。
ー
一方その頃……。
「クソッ! どうなっているこの猫女!
僕の契約は兵藤一誠を破滅させる事だと言ったろうが!!」
「そうカリカリするんじゃないにゃ黒瓜(くろうり)君。男のヒステリーほど見てられない物はないにゃ」
和服を肩が見える位に着崩した美女、恐らくは妖怪か悪魔の類であろうか。娼婦じみた恰好ながらある種の気品と色気を兼ね備えていた。そんな女が怒り狂う少年を諌めていた。
少年の名は黒瓜 才人(くろうり さいと) 駒王学園に補欠入学した男子生徒である。
癇癖が強く、また何でも自分の思い通りにならないと気が済まない性格故に周りからは浮いた存在だった。
成績も振るわずこのままでは落第、中退になりかねないと危惧された彼はとある悪魔と契約を交わしたのだ。
その悪魔こそ眼前の美女、黒歌である。
「黙れ! お前の能力でちゃんとあのバカを殺す様に命令したんだ! それがどうしてこんな結果になる!? 猫耳に猫の尻尾だと!? ふざけやがって!」
女性の顔面めがけてタブレットを投げつける辺り人間性は自ずと伺い知れるだろう。
しかし、黒歌はひょいと躱して続けた。
「まあまあ。キミは猫が好きなんでしょ?
まあ世間一般の好きとはちょっと違うけど。虐待に、スナッフ動画撮影、損壊、遺棄……随分派手にやったモンだにゃ。
貴方のお父さん達ももみ消せないってんで私達に白羽の矢を立てたみたいだけど」
「煩い! 黙れ! アイツらが悪いんだ! 野良猫の分際でニャアニャア喚きやがって!
クズの分際で愛されやがって! ストレスなんだよ! ストレスは悪い事だろうが!!
クズを始末するのは良いことだろうがあぁぁぁぁ!!」
明らかに高校生の言動ではない退行に黒歌は溜息を漏らした。
(狂人のお守りはしんどくて仕方がないにゃ……。ヴァーリの言う通りマグダラのヤツに押し付けた方が良かったかもしれないにゃあ……)
内心毒づきながらも表には出さず、黒歌はそそくさと退散することにした。