え?ダーク・サイタマがクズすぎる?
いやほら、キメラにされたフリードが「アイツイカれててサイコー」みたいに言ってたでしょ?
「はい、ここです!」
いっけー! マグナーム! ばりにチャリンコで爆走していた俺にアーシアが指差す。
やはり、というべきかそこにあったのは教会。うん、いかにもって感じ。
悪魔に転生したせいもあってか何だかとてつもなく恐ろしい気配がする……。
アーシアに頼まれでもしなければそそくさと逃げ去っていただろう。
「あの、せめてお茶でも……」
教会にも日本茶があるのかな? いや、あるいは紅茶? もしかしたら烏龍茶?
アーシアの無垢なお誘いに俺は大分心揺らいでしまう! ここで飛び込んだが最後、
「殺し間にようこそ。この教会に足を踏み入れたが最後に候」となって光の槍衾の餌食になってしまいかねない。
ああ! しかし! しかしだよ! この出会いを無碍にできますか? あなた? と、俺が逡巡していたその時。
「何をしておるかイッセー!」
親の声より聞き慣れた様な声と共に耳を引っ張られた。あいたたた!
「余のためにハンバーガーを買いに行ったかと思えばまたしても他のおなごに現を抜かすとは!」
俺が引っ張られた耳を擦りながら振り向くとそこに立っていたのはイゼベル様! しかし私服姿も素敵だ!
「イゼベル様、その格好凄く可愛いです!」
「わははは、そうであろう。余の美貌があれば何を着ても服の方が余を引き立てる!」
「あはは! その通りですね!」
「しかし、女と逢引しておるイッセーに可愛いと言われるのも妙な感じだぞ」
誤魔化すつもりはなかったが誤魔化されなかった……。いや、ホントにイゼベル様の事を忘れていた訳じゃなかったんだけどなー。
「え、えっとあの」
アーシアが俺とイゼベル様を見比べてオロオロしている。
するとイゼベル様はアーシアに対して突如言い放った。
「お主、魔を引き寄せる体質の様だの」
「え? 分かるんですか!?」
「うむ。そなたから微量ではあるがその様な匂いがする。悪魔に襲われぬ様気を付けるのだぞ?」
そしてアーシアを見るその目は非常に優しかった。やはりアーシアの良さをイゼベル様は既に見抜かれていたのだ。
「さて、イッセーよ。帰るぞ」
「ええー!? この流れでですかあ!?」
思わず俺は大声を出してしまった。
確かに教会の中に入るのは抵抗はあるけどアーシアという美少女との縁のためならば……。艱難辛苦を避けて何がハーレム王か!
「別に今日、教会の中でなくともよかろう。また次の機会にでもするがよい」
イゼベル様の鶴の一声により、俺達は教会を後にする。ああ! また次があるかどうか……。一期一会って言葉が今の俺にはのしかかる感じがするよ。
「あの……お二人はお知り合いなんですか?」
イゼベル様と仲良さそうに話す俺に対してアーシアがおずおずと質問するとイゼベル様はここぞとばかりに答えた。
「うむ。余とイッセーはパートナーというものじゃ! しかし余は寛大である故、ハーレム王というイッセーの夢も応援しておるぞ!」
さらっとアーシアの前でそんな事言わないで下さいよイゼベル様! この子、敬虔なシスターさんですからね!
「は……はわわ……だ、ダメですイッセーさん! 汝、姦淫するなかれ! 神の教えですよ!」
ほらあ! 真っ赤になってわたわたしちゃってるし! ああ……終わった……。
「何が終わりなものかイッセー。心底お主に興味がなければもっと淡白な反応をするじゃろう」
い、言われてみれば確かに……。
クラスの女子達なら『死ねばいいのに』の一言で片付けられそうだな……。
「あはは……イゼベル様はお優しい方なんですね」
アーシアが照れながらもイゼベル様にそう言う。優しいという言葉を褒め言葉と解釈した様でイゼベル様もご機嫌の様子だ。
「さあ? それはどうかのう? 優しいものは
時に厳しきものより残酷なものじゃぞ?
風雨に晒されぬ新芽は得てして曲がって咲くものよ」
イゼベル様の意味深な言葉に俺は少し反応してしまう。女神様というのは俺が勝手にイゼベル様をそう評しているだけだし、本当のイゼベル様はあのレイナーレとかいう堕天使なんか及びもつかない大悪党かもしれない……。
『かもしれんな。その女と手を切るなら今の内だぞ? 力のないガキ程御せぬ力と御せる母親を求めるものだ』
(だからどうした! イゼベル様は俺にとってリアス部長と同じくらい大事な存在だ!
恩ってのは相手次第で軽くなったり重くなったりするようなもんじゃないだろうが!)
『ガキが一丁前に吠えるじゃあないか。
まあいい。久々に面白い依代に会えた。
あっさりくたばって俺をがっかりさせるなよ?』
俺が心の中で啖呵を切ると頭の中に響く声は勝手に満足そうなニュアンスを含め、あとは何も言わなかった。
「あの……ところでイゼベル様。ハンバーガー両手でそれぞれ持って食べるのは行儀が悪いですよ。周りが見ています」
子供っぽい所もあるのに女神としての威厳も兼ね備えるイゼベル様は非常に魅力的だが、ハンバーガーの食べ方が少々残念な方の様だ……。ともかくも、俺はうしろ髪引かれる思いでアーシアと別れ自宅に戻ったのだがその途中でリアス部長から連絡が来た。夜に部室に来いとの事だが……。こ、これはもしかして夜のお誘い!?
「断われ断われ。何を好き好んで日曜の夜に勤労に勤しまねばならんのか」
イゼベル様はそう言うが、俺は既に行く気満々だ。だってリアス部長のお誘いだから! なんてウキウキの俺に対してイゼベル様はジト目かつ明らかに不機嫌な様子になっていく。
「余は行かぬぞ。見たいテレビがある故な」
「そ、そんなー……」
これは俗に言う『仕事と私のどっちが大事なの!』という究極の問いではないだろうか!? この難問に対して俺が出した答えは……。
「男たるもの、自分の事ばかり考えていてはいけません! 他人を思いやり、支える、それこそが真の男道です!」
「うむ、それでこそイッセーよ! じゃがやはり余は行かぬぞ? お主一人で行ってこい」
がーん! 俺を支えてくれるどころか俺の心が折れそうだ! 仕方ないので俺は一人で夜の学校へと赴く事になったのだ……。
ー
夜のお誘い……というロマンチックなものではなく、部室には全員集合していた。厳密には1人だけ来ていないらしいが隠し玉とかそんな感じかな?
「彼は吸血鬼だからね。あまり出歩きたくないらしいんだ」
木場が簡潔に説明してくれたが吸血鬼と言ったらもの凄い銃をバンバン撃ったり、時間を止めたりするイメージだけど。
「時間は止められますが……引きこもりです」
「あらあら小猫ちゃん。ギャスパー君の事をとやかく言うのは酷ですわ。彼はまだ人間社会に慣れていませんもの」
引きこもりで悪魔で吸血鬼って凄いな……。しかしそんな弱点だらけでも自分の眷属に加えるとはリアス部長の包容力や母性たるや凄まじいな。
「まあ、ギャスパーの事はおいおい紹介するとしてイッセーには悪魔の戦いというものに慣れてもらう必要があるの。それは解るわね?」
「はい!」
俺はことさら元気よく返事をした。魔法陣も展開できない。空も飛べない。契約も取れない。これで戦いの役に立てなければ本当にリアス部長の眷属としての存在意義が問われてしまう! そんなザマで一体何が出来るんだ?
お前に勝てる(ドン) いや、誰だよお前は。
「それで俺は何をすれば?」
「今日は何もしなくていいわよ」
な、なんだってー!? もはや俺はいてもいなくてもいい存在なのか!? 齢17にして窓際族なんていやだー!!
「イッセー君。落ち着いて。リアス部長は『今日は』何もしなくてもいいって言ったじゃないか」
「早とちり……です」
木場と小猫ちゃん諭す様な口調で言ってくる。そ、そうか! 今日『は』か!
よーし明日からは頑張るぞー! ってバカ! 俺のバカ! 明日やろうはバカやろうって格言があるだろうが! そういうところだぞ!!
「うふふ、イッセー君は喜怒哀楽が激しいのね。見ていて飽きませんわ」
「ありがとうございます!」
姫島先輩に褒められた! 今までリアス部長とか木場しか褒めてくれなかったから凄く嬉しい!
「さて、それじゃあ今日の本題に入るわね? 今日は大公からはぐれ悪魔討伐の依頼が来たわ」
はぐれ悪魔というのは爵位持ちの悪魔の下僕だった存在が主を裏切ったり殺したりした場合、力の制限が解除され自分の欲望のまま暴れ回る存在を指す。我を忘れて見境なく暴れる者も居れば力を蓄えて狡猾に人を襲う者も居る……とイゼベル様とカラワーナが教えてくれたっけな。
いわば狂犬、或いは人肉の味を覚えた熊。
どの道害獣や厄災である事は間違いない。
一体どんな恐ろしい存在なのか……。
ー
「不味そうな臭いがするぞ? でも美味そうな臭いもするぞ? 甘いのかな? 苦いのかな?」
「はぐれ悪魔バイサー。貴方を消滅させに来たわ」
紅の髪をたなびかせ、威厳に満ちた声でリアス部長が言うとそれに対するはぐれ悪魔バイサーはゆらり、と影から現れた。
……!! おおっ! 普通に美人じゃないか! そして素晴らしい事に上半身は裸!
た、たまらん! カラワーナばりのロケットおっぱいを目の当たりにした俺はもう辛抱たまらんばい!
「……目つきがいやらしいです」
小猫ちゃんからの信頼ががくっと下がったのを実感するが! するのだが! 男というのはそういう哀しみを背負った生き物なのだ!
「あ〜ら、貴方? 私のおっぱいに興味があるの?」
「はいっ! 興味津々です!!」
欲望に忠実で何が悪い! だって俺は転生悪魔だから! ガン見する俺とそんな俺に対して不敵な笑みと共におっぱいをぐるんぐるん回して俺を誘惑するかの様な態度でバイサーは応じてきた。
「なら穴が開く程よ〜くご覧なさいな……。貴様の脳天になァ!!」
バイサーが吠えるや否や乳首から圧縮された水圧カッターの如き水流が俺に向けて発射される!
「うわああああ!?」
ざんねん! イッセーのぼうけんはここでおわってしまった……! とはならなかった。
何故ならば剣を構えた木場がバイサーの攻撃から俺を庇いつつ受け流したからだ!
「無事かい?」
木場は爽やかフェイスで冷や汗一つなくこちらを見返りながら尋ねてきた。
やだ……かっこいい……(コノメニウー)
ってそうじゃなくてだな! ものすげーカッコ悪い状況じゃないかな俺!
「主のもとを逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れまわるのは万死に値するわ。グレモリー家の名においてあなたを消し飛ばしてあげる!」
「こざかしい! 小娘ごときが! その紅の髪のようにお前の身を鮮血で染め上げてやるわ!」
バイサーの下半身が巨人の胴体と手足に変化していく。何というかすっげえ前衛的な変身というか現代アートというか……。だが一瞬のうちに木場と小猫ちゃんがバイサーを挟み込む様な位置取りをし、そして木場が目にも止まらぬ速さで抜刀、バイサーの腕を切り落としたのだ。
更に軽々と小猫ちゃんはバイサーの胴体部を地面へ投げ飛ばす。なんて怪力だ!
「ぐがあああ!? キサマらあぁぁ!?」
バイサーが怒りと憎しみで顔を歪ませつつ天井を見上げるや、そこに両方の掌に雷を纏わせた姫島先輩が待ち構えていた。
「あらあら、上ばかり見ていてよろしいのですか?」
晴れやかな笑顔と相反する様な轟音が廃屋に響き、バイサーの肉体が焼け焦げ、さらには融解したかの様に液体となって床や天井にぶちまけられる。
「ぎゃああああああ! おのれえええええ!」
「あらあら、まだ元気そうですわねえ」
姫島先輩は聖母の様な微笑みで廃屋の隅っこでドロドロに溶かされたバイサーに言い放つ。あれを喰らってまだ動けるのか!? やっぱり悪魔って凄いな……。
「最後に言い残す言葉はある?」
「……殺せ」
止めを刺すべくリアス部長がバイサーの前にゆっくりと歩み、その手に魔力の塊を出現させた。
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
って! 何を言っているんだ俺はぁ!?
「何? どうしたのイッセー」
リアス部長が不思議そうにこちらに視線を向けた。ああ、何が言いたいのか自分でも解らん! でも何か嫌だ。殺すのは嫌だ! 殺されるのも嫌だけど……! 甘ったれていると言われればそれまでだけど!
「ひ、人殺しはいけないと思います! 厳密には俺達悪魔は人じゃないかもしれないけど……。それでも人間っぽい部分だって悪魔にも良心はあるはずッス! リアス部長だってそうでしょう!」
「ダメよイッセー。これは大公から直々の依頼なの。好きとか嫌いとか、嫌だとか嫌じゃないとかの話ではないの」
リアス部長は掌を俺に向かって毅然と、そして堂々と言い放った。
「でも……それでも……! 部長! お願いします!」
俺は頭を思いっきり下げながら懇願した。
何で俺が初めて会うはぐれ悪魔にここまでするのか自分でもよくわからない。でも! 人間っぽい部分があるなら殺すのはおかしいと思うし、なによりも殺されていいのか? と思ってしまうんだ。
「……イッセー。貴方の気持ちはよくわかったわ。じゃあバイサーを消滅させるのはやめておくわね」
「ぶ、部長!」
俺はリアス部長の優しさに感激した。
だがその時バイサーは高笑いと共に俺に唾を吐きかけた。
「このっ……! よくも私の可愛いイッセーに……!」
リアス部長が怒気をあらわにして拳を握る中、バイサーの肉片は蜘蛛の巣状に展開され、俺以外が全員囚われの身となってしまった!
「こ、これは……!? 力が吸われる……!?」
「僕の魔剣創造が発動しない……!?」
「私の雷も!? こ、これは迂闊でしたわ……うぐっ!」
リアス部長達の魔力を吸収したバイサーは人間の様な姿に戻っていく。
「うふふふふ、油断したわね? はぐれ悪魔だと思って油断したわね? 甘い! 甘い! 甘い! 甘いわ!!」
蜘蛛の巣に絡め取られたリアス部長達が肉の繭に包まれていく。これはもしかしなくても大ピンチではないか!?
どうしよう……! 俺のせいで……!
『そうだクソガキ。お前の甘っちょろい理想さえ振りかざさなければあのリアスとかいう小娘が危機にあう事はなかった』
昼間の時の声が聞こえる。そうだ……俺のせいで皆が……。
『で、どうする? 聖書の神にでも祈るか? それともあの女にでも泣きつくのか? お前はそうやっていつまでも誰かの庇護下で生き続けるつもりか?』
冗談じゃあない! 誰かに保護されっぱなしのハーレム王なんて良いはずが無い! そんなモンは只の寄生虫だ! 裸の王様より最悪だ!
『ならばどうする?』
どうするもなにも……戦うしかねえだろ!
「逃げるんだイッセー君! 今の君では……!」
木場はこの期に及んで自分が死にかけているのにお前をひがんでいたバカ野郎の心配をしてくれるんだな……。
お前の勇気、確かに受け取ったぜ!
決意と共に俺の左手から勾玉付きの籠手が再び現れる。右手に変化はない。
恐らくさっきの声は右手……もとい『龍の手』の主が発したものだろう。
俺の力が足りないから出てこられなかったか、あるいは俺とイゼベル様の加護でけじめを己でつけるまで出る気はないのか……。だがそんな事は知った事か!
「うおおおおおお!!!!」
俺は籠手に包まれた左手を突き出し、バイサーの肉片に掌打を叩き込む。同時に3つの勾玉が同時に円刃の様に高速回転。
肉の繭のみでなく蜘蛛の巣という檻さえもズタズタに切り裂いていく!
「馬鹿な!? 私の力が! 私の力がぁぁ!!」
バイサーが叫ぶ中、肉片から解放された皆が姿を現した。ほぼ全裸で。おお……目の保養! ってそうじゃなくてだな!
「あらあら、これはイッセー君に責任をとっていただかなくてはなりませんわね?」
姫島先輩はそんな事をのたまいつつ艶めかしく俺を見つめてくるし!
「まったく……。あなたには参ったわ」
リアス部長が嘆息しつつも柔らかい笑顔を見せると、俺はドキッとした心地で心臓が爆発しそうになった。そんな笑顔を見せられたら俺……!
「……変態」
ぐおっ!? 寸鉄人を刺す的な小猫ちゃんの台詞に俺はダメージを受けるものの冷静さを取り戻せた。
改めてボロボロのバイサーの側に何やら黒い蛇の靄みたいなものがシュルシュル蠢いている……。うわ、気持ち悪っ! 思わず踏んでしまうくらい!
「……もう終わりだ、殺せ」
「やだね。リアス部長達を傷つけた罪がお前の生命ひとつで許してもらえるなんて思ってるのか?」
俺はバイサーに向かってべーっと舌を出す。
「リアス部長。眷属は無理でも下級悪魔は使い魔や下僕として自分の好きな様に使役できるんでしたっけ?」
「ええ。一応は」
「なら、こいつを俺の使い魔にしますよ」
「……仕方ないわね。今日はイッセーに助けられた形になってしまったから」
リアス部長は渋々ながら納得してくれた。
すいません。部長や部長のお兄さんに迷惑をおかけして。今度は菓子折りを持っていきますので……。
そして俺は勾玉を三角の形に並べて魔法陣を形成した。どうやらこの状態なら転送は出来るみたいだ。イゼベル様の加護さまさまだな!!
ー
「出来ぬぞ? さっきの力は余の側にイッセーを転送させるためのものじゃし、更に言えばそなたのその神器を発動していなければ使えぬ」
「な、なるほど」
転送先である俺の部屋で漫画を読んでいたイゼベル様が簡単に説明してくれた。
これからは始業時間ギリギリまで眠れると思っていたのに……人生甘くないなあ。
「それはそれとして……」
ジロジロとボロボロのバイサーを見ながら大凡の事情を察してくれたのかイゼベル様ははあ〜、と溜め息を漏らした。
「イッセー、そなたの性分は理解したが蹴躓いた石ころ一つ一つに情けをかけるつもりか?」
「はい!」
「即答か……。全く、元気で色好みなのは良いがお人好しなのは困りものよの」
イゼベル様は再度溜め息を漏らすと、ゆっくりと部屋を去っていく。
これはお咎めなし、と言う事かな?
ー
そしてまず、俺は気を失っているバイサーをベッドに寝かせる。はぐれ悪魔だった時とは大分雰囲気が違うな。禍々しさや邪悪さは綺麗サッパリ消え去り、真ん中分けのロングヘアに気が強そうな切れ長の目。
どことなく漂う気品、更に豊かでありながら整った形をした双丘がかなり目立つ。
で、使い魔にするにはどうしたらいいのかな……?
どかり、と床に座り腕組して考えてみるが下手の考え休むに似たり、とは言うけどなにも浮かばない。
うーん、とりあえず魔力のパスを繋げればいいのか? 俺はバイサーの豊満なバストへ手を伸ばし……ってコラコラ! 流石にセクハラ通り越して犯罪だぞ!
『まあ、やり方としては強ち間違いではない。使い魔にするならばまずは抱く事だ。情を込めながら丹念かつ、丁寧にじっくりと、だ』
ってええ〜!? さっきの声が俺に語りかけてきた!? 悪魔の誘惑ってヤツか? だけど今回は素直に従ってみた。
「んっ……はぁん……」
うおっ! な、なんか色っぽいぞ! 俺は必死に自制心を保ちつつ眠るバイサーのおっぱいをモミモミしながら唇を重ねてみた。
カラワーナやイゼベル様とは違ったぷるっとした感触が伝わってくる。
そして俺の唾液がバイサーの口へ流れ込むと、バイサーはコクンと飲み干した。
おお……なんか嬉しいぞ! って喜んでる場合じゃないって! 使い魔にするにはもっともっと触れ合わないとダメなんだろうか?
と、思っているとバイサーの記憶らしき物が脳裏に流れ込んでくる。
『ハハハハハ! 僕はねえ! キミみたいに世間知らずなシスターを犯して堕とすのがたまらなく興奮するのさ!!』
『キミを犯すのも飽きてきたなあ。やっぱり女の子は無抵抗に堕とさなきゃダメか』
『他のシスターよりも胸が大きいねえ。しっかり開発したらもっと大きくなるかもね? ま、僕はそんな無駄な成長はいらないけど』
『ハハハハハ! ゴブリン相手にチンポねだるなんてとんだ好きモノ博愛シスターもあったものだよねえ!! ヒヒッ! ヒヒヒヒヒ! 笑いすぎて腹が痛いぃぃぃ!!!』
『そんなにキメラが好きならお前もキメラになってみるか? 腹からナニが産まれてくるやら考えるだけで笑えてくるよ? 豚か? 蛇か? オークか? それとも鰐か?』
『蛇の実験は成功の様だな。代わりに腹の子は食われたみたいだけど。なんだよその面は? お前みたいな雌豚から僕の高潔なる血を薄める豚を産ませるなんて不名誉を許すなんて本気で思っていたのか?
バカじゃねえの? アハハハハハ!!』
「ひ、酷い……なんで……」
バイサーの記憶に俺は吐き気を催す。楽しいからという理由だけでここまでの仕打ちをするこの『少年』に対して。いや、悪魔全般に嫌悪感を抱きかけた瞬間でもあった。リアス部長や木場がいなければ俺は悪魔全てを滅ぼそうと決意してしまったかも知れない。
「あ……? ここは……?」
バイサーが意識を取り戻し、ゆっくりと上体を起こす。そして己の服がはだけている事に気付いたのか慌てて胸元を隠した。俺は気まずそうな表情を浮かべつつ口を開いた。
「え、えーとその……キミの記憶、見たよ」
瞬間、バイサーの顔が強張った。当たり前だよな。あんな辛くて、惨めで悲しい記憶を赤の他人に見られるなんて。
けど言わずにはおれなかった。
そして我ながら安い土下座をしてみせる。
というかこれくらいしか出来る事はないし。
「すまねえ! 俺がキミを使い魔にしたい、なんて思わなきゃこんな風にキミを傷つける事にならなかったかもしれないのに。ホントに謝る!」
「……私にどうしろと言うのだ」
「へ?」
「体を差し出せとでも言うのか? 今の私は碌に動く事も出来ん」
「言い訳はしないよ。君を俺の使い魔にするために俺は君を抱く。けど、嫌なら拒否してもいいんだぜ?」
俺は土下座をしたままバイサーに告白した。
「……体を差し出せと言われたら女としてはかなり屈辱的なのだがな」
「だ、だよな。ごめん……」
ああ! またやっちまった! 俺が彼女の立場だったらブチ切れるのも頷けるよ……ってバイサーがベッドから降りた? そして俺に歩みより……!?
「床で交わるのは私の趣味ではない」
と言ってバイサーは俺をベッドへと招き入れた。
「こ、これは……?」
「男になすがままにされるのは私のプライドが許さないのだ。それにお前……イッセーと言ったか? お前は女の趣味がかなり悪い様だし」
クスクスと笑うバイサーだが、俺は何も言えずにいた。全くもってその通りだし。俺ってなんでこうスケベなんだろう……。
ー○●○ー
「はあっ♥ああっ♥い、イッセー♥お前は私にどんな魔法をかけたのだ♥」
「ま、魔法って……?」
俺のモノを受け入れながらバイサーは俺の背中に手を回して抱きついてくる。
むにゅり、と双丘が押し付けられ、俺はそれだけで出てしまいそうになるのを堪えつつ腰を動かす。
「お前と交わった途端あの男との忌まわしい記憶も、凌辱も、まるで無かったかの様に消えていって……代わりにお前が愛おしくて堪らない……♥」
がっちりと抱きつき濡れた瞳と上気した頬で俺に告白してくる。互いに唇を奪い合うと、下半身の結合部分から淫らな音が響き渡り更に俺を高ぶらせていく。
自然と腰のスパートが早くなっていき、雁首がゴリゴリッと膣壁を刺激するとバイサーが軽く痙攣しながら何度も果てていく。
「ひぅっ! ♥う、うぅん♥♥♥イク♥イクぅ♥イッセーとの主従イチャラブキスハメ交尾でイクぅぅ♥♥」
「っ!!」
バイサーのアクメ顔もエロいがそれより、彼女が過去の呪縛から解放されて本当に良かった! 俺は安堵しながらも興奮は治まらず、バイサーの中に子種を容赦なく放つべく彼女を抱きしめ後頭部をロックした。
「う、ぐぅぅ……♥♥♥」
子宮口に押し付けられた亀頭から濃厚なザーメンを直にぶちまけられ、バイサーは嬉しそうに顔をとろけさせる。その表情を見て俺はますます興奮してしまう。
「まだ……硬いのだな……」
「キミが可愛すぎるからだよ」
あれだけ出したというのに俺のモノはまだ硬さを保っていた。きっとそれだけバイサーとのセックスに夢中になってるって事なんだろうな。
「……お前の女になるよ。契約なんてどうでもいいからもう……一回抱いてくれ」
「ああ! 一回なんて言わず何度だって!」
俺は一度バイサーから離れ、ベッドに仰向けになると彼女に目配せする。所謂騎乗位ってヤツだ。
バイサーは俺の腹に手を乗せ、ゆっくりと腰を落としていく。俺のモノが彼女の穴を掻き分け潜り込む様に入っていくと、ある意味息子を甘やかす母親の様に彼女の柔らかなオマンコが優しく包み込んでくる。
「んふぅ♥う、深いぃ……♥♥」
やがて根元まで入ったのを確認すると、俺はバイサーの腰を掴み、上下に揺らす。目ではぶるん、ぶるんと上下に揺れる巨乳の絶景と肌から感じるバイサーのムチムチなお尻と太ももがたまらなかった。
「ゴメン! バイサー……動くのを我慢できない……!」
「へ……? あ、あああっ♥♥♥」
俺は下から激しくバイサーを攻め立てていく。彼女は俺の上に倒れ込み、喘ぎ声が耳元で響くとさらに興奮していき俺のモノが彼女の中でその体積を増していった。
「はぁあ……♥♥♥ふといぃぃ♥♥お前のチンポでイクっ! またイッてしまうぅぅ♥♥気持いいだけじゃない♥幸せ感じるっ♥♥♥」
トロトロに蕩けたバイサーの顔には嘘はない。俺とのセックスで過去を断ち切るどころか、もっと気持ちよくなりたいと切に願う牝の本能がそこにあった。
「いいよ! イッて! 俺のチンポでイくんだバイサー!」
「う、うん♥♥イッてもいい? ♥イッてもお前を好きなままでいいのか!? ♥」
「当たり前だよ! 俺もキミを心から愛してるんだ!」
瞬間、バイサーが今まで以上の嬌声をあげ激しく痙攣する。同時に膣壁が強く締め付けてきて俺は我慢出来ず彼女の子宮に大量の子種を流し込んだ。更に彼女の子宮は一滴残らず飲み干すかのように俺のモノに吸い付き、更に子種を搾り取ろうとしてくる。
「あ……ああ♥♥♥凄い……凄いぃぃ♥♥」
虚ろな眼差しで余韻に浸るバイサーのおっぱいから母乳がぷしゅっ♥と霧吹きの様に吹き出してくる。口の中に入った途端、最初に会った時の酸や破壊力は一切なくクセになりそうな濃厚な甘みとコクが際立つ。
「もう私など愛してくれる者はいないと思っていたのに」
嬉し涙なのか、それとも別の何かなのか彼女の目尻からはとめどなく涙が溢れてくる。俺は彼女の涙を拭い、優しく微笑んだ。
「そんな事ないよ! バイサーのおっぱいなら毎日でも飲みたいくらいさ!」
ってコレはあれかな? 君の味噌汁を云々って感じの古き良き時代のプロポーズってやつかな?
「ありがとう……イッセー。お前と出会えて良かった」
バイサーは慈愛に満ちた微笑みを俺に向け、唇を近づけてくる。そして俺達は再び口づけを交わした。それは互いに互いを求めあう様な情熱的なキスだった……。
そして子宮口と俺のチンポの鈴口もまた、情熱的なキスを何度も交わした。
そして俺とバイサーの契約の儀式は朝まで続き、結果として月曜は休んだ。
?「あんなヤツ捨てたっていいけど……他人に盗られるのはムカつくなあ〜」