※この作品はR-18です。

ハイスクールD×D×M   作:ぷうち☆りん

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外伝 (ミリキャス×レイナーレ)

「いやっ!! おにいちゃん! こわい!!」

 

 ハッ……と俺、いや私はあの時のリアスの怯えきった顔と声を思い出してガバッ、と目を覚ました。

 まだあの時のトラウマを引きずっているというのか……私は……。

 

『あのさー、俺ちゃんつねづね思うんだけど、地球破壊爆弾が魔族のフリして冥界に馴染もうとするなよなー。

 大王派やら純血派とかがウザいのは解るけどさー。お前、そもそも枠外じゃん。

 俺ちゃん達とは違う存在じゃん。

 そんなヤツが魔王とかギャグで言ってんの? マジ引くんですけどー☆ギャハハ☆ 皆そう思ってるって。 お前の力が怖いから言っていないだけ。 ソースはテメーの妹」

 

(煩い……!! 黙れ!! 喚くな!!)

 

 更に戴冠式の日に現れたあの男の言葉が響き渡る。

 滅びの魔力そのものである私の枠としてこびりついている呪詛が私の心身を苛む。 禍の団とやらの首魁とやらは間違いなくあの男に違いあるまいが……。

 それを言い出せばヤツは間違いなく私の正体を露見させるだろう。

 そうなれば私は皆の中にはいられない。

 いやだ……! いやだ!! 

 一人ぼっちはもう……いやだ!! 

 

「お目覚めの所、失礼致しますサーゼクス様」

 

 グレイフィアの言葉で私はハッと我に返る。私は確か、会談の際にメーガナーダとやらに不覚を取り、大きな傷を負ってしまったのだ。破界の稲妻……とやらはハッタリではなかったらしい。

 

「グレイフィア……か……」

「ええ。お目覚めになられたようで何よりです」

「私はかなりの期間、気を失っていたのだろう?」

 

 私がそう問うと彼女は静かに頷いた。

 それは夫妻としてより主従の立場であらねばならぬ故の動作と自惚れたい。

 

「はい……サーゼクス様がお眠りになられてから、既に3日が経過しております」

「……そうか」

 

 3日か……思ったよりも短いが、それでも3日も眠っていたのか。

 

「グレイフィア、リアス達は?」

「あの子ともども、無事です。オーフィスなる竜が仲裁に入り、メーガナーダなる凶賊もそれを良しとして退きました」

「フッ……」

 

 グレイフィアの言葉に私は自嘲を浮かべる。私は枷を嵌めてなどいない。

 戒めているだけだ。私は彼との激闘を記憶の中から引き戻す。

 

 ー

 

「卿がサーゼクス・ルシファーだな? お目にかかり、光栄だ」

 

 黒いターバンを顔と頭に巻いた武人らしき男がそう尋ねてきた。

 守衛のものでも近づけない雷の闘気を纏っている辺り雷神か破壊神の類だろう。

 

「我が名はメーガナーダ。アスラの一員にしてインドラを打ち破りしもの。 禍の団の食客としてリゼヴィム殿の願いにより駆けつけた次第」

「オイオイ。あのクソジジイの使い走りにしては随分礼儀正しいじゃねえか」

 

 アザゼルがいつもの様に軽口を叩くが無論メーガナーダの実力を知っての上だ。立場というものがあるのは私が一番良く理解しているつもりだ。 下手にすくみ上がってみせたら、アザゼルが引きいる『神の子を見張るもの』は瓦解してしまうだろう。

 

「愚劣な。礼節とは相手次第で変わるものではない」

「破壊神にしては生真面目な野郎だな。

 破壊神はやめてマナー講師にでもなるんだな。今からでも遅くはないぜ?」

「それも良かろう。破壊の後に創造あり。

 破壊の前に破界あり。我が破界の稲妻にて今の世に蔓延る悪弊、不公平、不寛容を漏らさずに打ち砕いてみせようぞ」

「だからクソミソ一緒の暴力革命万歳ってかあ? テメーらはつくづくテロリストの鑑だぜ!!」

 

 アザゼルはそう吐き捨てるや先に仕掛けた。炎、氷、嵐、岩石、雷、光弾、呪力弾をそれぞれ人工神器を同時に発動。

 相殺、暴発させることなく針の穴に糸を通す様な繊細なコントロールでメーガナーダへと打ち出す。

 

「属性10連ガチャってな!! 

 どれか一つくらい最低保証はつくだろ?」

「無駄だ」

 

 メーガナーダは両手を拡げると周囲に雷のオーラを発動し、一瞬でアザゼルの攻撃を消し飛ばしてしまった。

 

「我が破界の稲妻の前にその様な小細工は通じぬ。聖書の神の嫡子を気取る愚か者よ。己が矮小さを知れ」

「ケッ! 随分と自信満々じゃねえか」

 

 アザゼルはそう言うと懐から小さな短剣の様なものを取り出した。見た所、ただの石にしか見えない。

 

「ならこれはどうかな?」

「ほう……?」

 

 アザゼルがそれを掲げるとイッセー君やヴァーリ・ルシファーのお株を奪う様に鎧を纏い始めた。恐らくあれも龍の力だろう。

 ただあの輝きは邪悪なものとは程遠くどちらかといえば聖なるもののようにさえ見える。あれも禁手化による属性融合なのか? 

 

「どうだ? これが『堕天龍の閃光槍』だ。更に木場や匙のおかげで複数の属性に耐性を持つ事にも成功したってワケだ。

 これでもまだ矮小だって言い切れるか?」

 

 閃光槍の名に相応しく、啖呵を切るなりアザゼルは超高速でメーガナーダに飛び込み三叉の槍を振るう。

 これまた聖、魔、堕天、3つの力を融合させた超常の槍。並のものならば触れただけで文字通りに消滅する事だろう。

 だが……。

 

「成程、強い力だ」

 

 バチバチバチッ!! と光と暗雲を伴う雷光による防壁が槍を阻んでしまう。あの雷光が破界の稲妻というもののようだ。

 その威力は凄まじく、あのアザゼルをして容易に突破出来ない防御力であった。

 

「なにィ!?」

「だが……やれ、人工神器やら。

 やれ、禁手化やら。所詮枠内に留まるものの延長にしかない。

 真の変革とは、埒外の中にあるもの。この様に、な」

 

 ズギャアァァン!! と空気が爆ぜ、冥界の大地が揺らぐ程の衝撃と共に雷光波がアザゼルの片腕と翼の数枚を鎧ごと消し飛ばしてしまった。……なんという威力だ!! 

 

「くっそぉ……。こんな事なら再生能力でも研究しとくんだったぜ。これじゃ大好きなおっぱいパブに行ってももみもみできねえじゃねえか」

 

 この状況下にあってアザゼルはなおも軽口を叩く。このたくましさは私にはないものだ。と同時にそれこそが彼の強みなのかもしれない。

 

「案ずる事は無い。色欲にとらわれる事も無きようにその魂魄まで打ち砕いてくれる」

「やってみろよ。俺もお前が初めてだ。ここまでコケにされたのは」

 

 アザゼルはそう言うと再び閃光槍を構える。だが意地だけで勝てる程甘い相手ではないし、私もアザゼルをここで死なせたくはない。

 

「待ちたまえ」

「サーゼクス……」

 

 私が進み出るとアザゼルは渋い顔をする。彼としては私の手助けなど望んでいないのだろうが、彼が死んでしまえば何もかも台無しだ。

 

「ここは私が請け負おう」

「……死ぬ気じゃないだろうな?」

「安心したまえ。私はこの程度で死なない」

 

 私はそう答えると同時にメーガナーダを見据える。この程度、と煽ることで幾らかぐらつかせようとはしたが相手は泰山不動。全く怯む気配がない。

 寧ろこちらの方が落ち着かない心境だったが努めて平静を装い、滅びの魔力を集中する。

 

「はっ!!」

 

 掛け声と共に魔力弾を発する。受ければ心身は勿論魂も消し飛ぶ。当たれば即座に滅びを迎える。メーガナーダはその滅びの魔力を纏った魔力弾を掴み取ったのだ! 

 そして自らの破界の稲妻とやらを纏わせて投げ返してきた!! 

 

(どうする……!? 結界で防ぐか? 

 いや、私の滅びの魔力を防ぐ結界は存在しない。ならば回避か……! それもダメだ! 

 ヤツの破界の稲妻とやらで膨張し、飛散した滅びの魔力が会場を襲ったら他の者達が消し飛ぶ……受けざるを得ない!!)

 

「擬態術式……解除」

 

 私は瞬時にそう判断するとアジュカの構築してくれた術式を一旦解除し、真の姿を解放した。

 

 ー

 

「な、なんだアレは!?」

 

 フェンリルを使役し、私の部下や客人を嬲っていたロキは私の姿を見るなり、青ざめ恐慌まで起こしていた。

 ヤツの周囲にはリアスと、イッセー君、アーシア以外の眷属が大分疲弊しており満足に戦えない状況に陥ってしまっていた様だ。 よくも、よくも私の可愛いリアスを……。生きてここから帰れると思うな……! メーガナーダの雷光弾を文字通りに滅ぼし、消滅させた私は彼に背を向けて、ロキの眼前に迫った。

 

「ひいっ!! 来るな! この化物が!!」

 

 ロキは何百、何千もの魔法弾の雨を俺へと放つが大海にいくら雨が降ろうと揺れ動くのは水面のみ。塩の濃度は変わることはない。ヤツの攻撃はその程度のものだ。

 

「貴様ぁ……! 一体何なのだ!? ただの魔王が私の放つ無限の魔法弾を受け切れるはずがない!!」

 

 ロキは最早恐怖よりも憤怒に表情を歪ませて叫ぶが無理もあるまい。彼は確かに無数の魔法弾を放っているが俺からすれば児戯に等しい。そもそも無限などというものは俺にとっては極一部を切り取っただけの極々些細な限定的な視点からの視野に過ぎない。

 その視野すら持ち合わせていないのが我が力は無限なりなどと宣う愚物共である。

 

「俺が化物……? 違うな。俺は悪魔だ」

 

 より視野を広く、大きく……。冥界、地上、天界……星々。

 更には太陽系、銀河……。枠を越えた埒の外から観測し、干渉するイメージで俺は自身から力を引き出す。

 

「まずはお前から血祭りにあげてやる……」

 

 ドォン!! とロキの腹に拳を打ち込むとくの字に折れ曲がった。

 

「ぐがっ!? ば、バカな……!?」

 

 血反吐を吐き、地面に這いつくばるロキに対して俺はさらに追撃を行う。岩盤に叩きつけ超重圧にて圧壊するとクレーターが出来上がる。バキバキバキバキ!! と会場がひび割れ、決壊し始めたが力をセーブするつもりはない。

 

「や、やめろ……! やめてくれ……! 死ぬ……!? 死んでしまう……!」

「では死ね。貴様が戦う意思を見せなければ俺は貴様の魂を破壊し尽くすだけだ」

 

 俺は力……厄災……破壊と滅び。ならばその在り方を貫こう。

 

「このまま一片たりとも残さずに貴様を砕いてやる……」

 

 ロキの顔面を掴み、みしみしと軋むまでに指をめり込ませると悲鳴が上がった。俺に触れるロキの顔面、ならびに俺の腕を掴む手が焼け焦げ、消えていくというのになおも命乞いを続けた。

 

「ぎゃあああっ!? 止めろ!! やめてくれ! お願いだ……助けて……!」

「そこまでにしてもらおうか」

 

 俺の背中、いや俺に背中など今はないのだがメーガナーダの雷槍が突き刺さり、爆ぜた。破界の稲妻の異名に相応しい威力。

 この姿で痛みを感じたのは先の大戦以来だ。流石はこの世界における破壊の神に数えられる男。その威光は伊達ではないようだ。

 

「ふ……ははは!! ふはははは!!!」

 

 俺は久方ぶりに腹の底から笑った。

 俺達超越者は好敵手がいなくて久しい。

 だからこそこのような邂逅には喜びしか感じられないのだ。それが敵であろうとなかろうと。

 そして俺の喜びに対してメーガナーダもどこか嬉しそうにしていた。恐らく彼も同感なのであろう。

 

 バオォン!! ドゴオォォン!! 

 パシュン!! ピシュン!! 

 

 哄笑を皮切りに始まったクロスコンバット。超高速移動による衝撃波は嵐、拳がぶつかり合った後による余波は雷鳴となり会場を吹き飛ばし、蹂躙していく。

 しかしそんな事は今の俺には関係ない。

 俺にとっては闘いこそが……!! 

 メーガナーダを蹴り飛ばした隙をついて滅びの魔力を圧縮、凝縮し、濃度と威力を高めていく。

 

「本気かサーゼクス!? 

 そんなもんぶっ放したら会場どころか冥界が消し飛ぶぞ!」

 

 オーディンとの連携によりロキを封じ込めたアザゼルが俺を止めようと必死になって制止するが止めるつもりはない。

 

「大丈夫だ。狙いは付けている」

「バカ! 狙いがどうこうって次元の話じゃねえだろうが!! 加減しろ!!」

「手加減……? 手加減とは何だ……?」

 

 凝縮され過ぎて固体になった滅びの魔力弾はもはや小さな隕石のようになり果てていた。俺の全力の一撃を込めた巨神の魔弾(ギガンティック・ミーティア)を放とうとしたその直前。

 

「やめてえっ!! お兄様!!」

 

 リアスの悲鳴が俺……私の臓腑を抉る。

 あの時と同じ……。リアスが反ジオティクス派に攫われた時、

 逆上してしまった私は憤怒と憎悪に身を任せ、滅びの魔力そのものである自身を解放してしまったのだ。

 殺戮、という言葉も生ぬるい。ただそこに居て息をしているという事すら許せないとばかりに凶賊悉くを滅ぼした。

 

「もう大丈夫だよ、リアス」

 

 と、私は血に塗れた手を彼女に差し出したのだが……。

 

「いやっ……!! おにいちゃん! こわい!」

 

 と、リアスは私の手を払い除けて忠臣たちの方へ庇護を求めるかの様に駆け出してしまったのだ。

 

(俺は……私は……何だ?)

 

 擬態術式が再構築され、私は普段の姿に戻る。また、私は過ちを……!? 

 

「どこを見ている!! サーゼクス・ルシファー!!」

 

 ヒュンッ!! と私の真下に瞬間移動してきた直後にメーガナーダは大喝した。ターバンが剥がれ落ち、青い肌と紅い瞳を露出させたメーガナーダは腕を二本から六本に具現化させそれぞれから雷槍を束ね同時に私へと打ち込む。

 

「闇刃・ヴィラージュの剣!!」

 

 バチバチバチッ!! ドグオォォン!! 

 先の雷鳴攻撃とは桁違いの威力は冥界の天蓋に穴を開け、次元そのものに亀裂を作り出す程だった。

 

「ぐ……う……っ!?」

「どうした、再構築しないのか? 我が破界の稲妻を受けたと言えど真の貴様ならば、容易く復元できように」

 

 左上半身を吹き飛ばされた私にメーガナーダは残心の構えを解かずに尋ねてくる。それはできない……! いや、しない! 私はもうリアスを怯えさせたりは……しない! 

 と、私は残った片方の瞳でメーガナーダを睨みつけたその時……。

 

「そこまで。汝ら、姦しい」

「……オーフィス卿」

 

 見慣れぬゴシックロリータ調に身を包むダウナー気味の少女、或いは幼女が私達の間に割って入った。だが見た目にそぐわぬ実力を持っていること位は察しが付く。

 

「破壊、そして滅び。我、静寂を求める。無用な崩壊、望まない」

「「……」」

 

 不問、と彼女は言ったがその眼差しには鋭い威圧が込められている。少しでも反論しようものならその瞬間消し飛ばす、と言いたげに。

 

「……なれど」

「メーガナーダ。今、サーゼクス、迷いがある。だから、真の姿、解放しきれない」

「……」

 

 彼女はあっさりと私の現状を看破すると、メーガナーダに向き直る。

 

「暫く時を待て。『黙示の獣』、目覚め、近い。いや、既に一部は目覚めているか。その時、汝ら、真の力、目覚める」

「なんと……!?」

「何だと……!!」

 

 オーフィスと呼ばれた彼女の言葉に私もメーガナーダもお互いの立場を忘れて驚愕した。冥界……いや、この世界にとって最悪の事態となる可能性が出てきたからだ。

 

「……枷あるものとの闘争は、我も本意でない。サーゼクス・ルシファー。卿との勝負は暫く預ける」

 

 メーガナーダは興が削がれたらしい。そのままオーフィスともども次元の裂け目へと退去した。

 

 ー

 

「そう、だったな……」

 

 ダメージにより朧げだった記憶を思い出せたおかげで多少なりとも気持ちが楽になった。

 

「他のものの様子はどうかな?」

「はい。天使族、堕天使族の間には少なからず動揺が拡がっております。日本神族、アースガルド神族は比較的影響はないようですが予断を許さぬ状況です」

 

 天使族は聖書の神が封じた『黙示の獣』の復活、堕天使族はアザゼルの重傷……とあってはそうなるだろうな……。

 しかし、グレイフィアは私を気遣ってか、魔族の状態は伏せたようだ。しかし、知るべきものは知らねばならない。

 

「議会の方は?」

「それが……」

「隠さなくてもいい。正直にありのままを伝えなさい」

 

 私が諭すとグレイフィアは渋い顔をした後、

 

「……一部のものが魔王交代を唱え、更にはこの際禍の団や混神連合に恭順し、天界に攻め入るべきと愚にもつかないことを提案するものまでおります」

「なんたることだ……」

 

 そんな真似をしたらどうなるか、恐怖に駆られたものたちは想像もつかないらしい。

 そうした卑劣なもの、裏切りものこそ大抵は真っ先に死ぬということを彼らは知らないらしい。

 この世界での戦争の歴史、何を見て来たというのか……。

 

「グレイフィア。議会には私も参加する。すぐに私を出席させてくれ」

「畏まりました。……あなた」

 

 グレイフィアは微笑む。それはいつもの夫への愛に溢れたものではなく、私の不安定な精神状態を察してか安心させようとしてくれているようだ。

 グレイフィア……本当にお前は私の支えだ。その支えがあれば私はどこまでも強くなれる。

 

 ー

 

 ミリキャス視点

 

「おい、小僧!! 貴様の父親はどこだ!」

「そうだそうだ! あんなとてつもない化け物が禍の団や混神連合にいるなどとは聞いていないぞ!!」

「だからあんな若造を魔王に据えるのは反対だったのだ!!」

 

 今まで僕を魔王の御子とか、坊ちゃまと平伏していた大人の人達が僕を囲んで食ってかかる。皆、怯えている。あのメーガナーダという神様が恐ろしかったんだろう。

 僕もそうだ……。もしあの神様がまた現れたら、と思うとベッドに潜り込んで震えてしまいそうだ。

 けど、今はそういう訳にはいかないんだ。

 僕は将来はお父様の跡を継いで、魔王になる男なんだから。こういう時にビシッと言い返すのが大人で……。

 けれど、僕は臆病で弱虫だ。

 竦み上がって声が出ない。言いたい事がたくさんあるのに出てこない。涙さえ滲んで来てしまう。情けないけど泣いてしまわない様にするので精一杯だった。

 

「こら、子供を寄って集って責めるんじゃないわよ!! あんた達大人でしょうが!! 恥ずかしくないわけ?!」

「なにを! 堕天使風情が!!」

 

 レイナーレさんが僕を庇うかの様に前に立ち塞がってくれたけど、僕はそれでも恐くてたまらない。

 僕のせいでレイナーレさんが傷つけられてしまったらどうしよう……? 

 どうしたらいい? 僕はただの子供だし、力もない。どうやったら皆を安心させてあげられる? 

 と、僕は必死になって考えるけど答えなんて全然出てこない。 このままじゃいけないのは判るのに……。

 僕が何も出来ずに立ち竦んでいると……。

 

「こりゃ、お前達。レイナーレの言う通りじゃ」

 

 現れたのは本で読んだビーナスという女神の様な女の人だった。ただ、角がある辺り魔族なのだろうか……? 

 確かイッセー兄さまの側にいた、イッセー兄さまのもう一人の主、イゼベル・シファーさんだと叔母さんからは聞いていたけど。

 

「何だ、貴様は!? さては貴様も禍の団とやらのまわし者か!?」

「フン。疑ってかかれば枯れ尾花も幽霊に見えるものよな。

 おのれらはいつもそうじゃ。力あるものが右と言えば右。左と言えば左と盲目的に従い、確固たる己を持たぬから埒もないことをぎゃあぎゃあと喚きよる。見よ。この小童の呆れ返った顔を」

 

 ぽん、と僕の頭に手を載せシファーさんは続ける。その手はとても優しく温かった。

 

「己よりもはるかに年下の小童が勇気を振り絞ってお前達の前で萎縮しながらも魔王の息子として責務を投げ出さずに立っておるというのにそなたらの情けないことよ。どれもこれもエノキ茸ばりの貧弱さ。バリバリ、と音を立てて頭から噛み砕いてやろうか」

「貴方が言うとシャレにならないわよ……」

 

 レイナーレさんがジト目でイゼベルさんに注意する……。なんだか、安心する。母上やお祖母様が側についてくれている様な気分だ。そのせいもあってか涙がポロポロと零れてくる。

 けど今のままじゃいけない。

 僕は目の周りをゴシゴシ拭うと堂々と胸を張る。そして魔王の御曹司として宣言した。

 

「皆さん、ご安心下さい! 

 お父様は勿論、セラフォルー様、アジュカ様、そして日本神族やアースガルド神族の皆さんのご協力で彼らは退きました。

 確かにお父様の御城も議会も崩壊しました。けれどこれは僕達の敗北を意味するものではありません! 

 彼らは戦略的な目的を果たすことなく立ち去ったのです!! 

 三大勢力の盟約は未だ健在なのです!」

 

 僕の演説に議員の皆さんは目を丸くして言葉を失い、兵士や衛生兵らしき人達は一斉に湧き立つ。

 

「そうだ、俺達はまだ負けていない!」

「建物はまた作ればいい! 喪った生命もあるけれど、その魂は私達が継げばいいんだ!!」

「冥界万歳!! 冥界万歳!!」

「アジュカ様万歳!! セラフォルー様万歳!!」

「サーゼクス様万歳!!」

 

 良かった……。

 

「お手柄ね。流石はサーゼクスさんの息子さん。この子は将来きっと大物になるわ」

「うむ。魔王の御曹司は伊達ではないのう」

 

 二人ともに褒められたけど、今の僕はあまり嬉しくない。この場を収めたとはいえこれは父上の威光。シファーさんとレイナーレさんの一喝。舌先三寸のものにすぎないのだから。

 

「ありがとうございます。けど僕はまだまだです。もっともっと強くならなくちゃ……」

「まあまあ謙虚な事ねえ」

「そうでもないと思うがの。見てみい。

 小童が吠えた途端にはしごを外された阿呆共は狼狽え、兵士どもは掌返しをしおって。なんとまあちょろいものよ」

 

 ……あまり魔族を軽んじられても困るな。

 と、いうかシファーさんも魔族なのに。

 と、ムッとしてしまった所にレイナーレはんが被せてくる。

 

「そうね。イッセー様を前にしたアンタと同レベルね」

「なんじゃとこの節操なしの雌犬めが!」

「誰が雌犬よ! 失礼しちゃうわ! 殉愛よ!」

「な〜にが殉愛じゃ!! アザゼル、ディオドラ、イッセー……レイナーレのレイはプライドが(レイ)のレイ! ナーレはどうにでもな〜れ♪ のナーレであろうが!!」

「はあ〜!? アンタちょっと表に出なさいよ!!」

 

 あ、あわわ……。僕は慌てて喧嘩になりそうなお二人を辛うじて仲裁する。

 

「お二人ともお止め下さい!」

「おおっと。悪かったわね」

「悪いの、小童」

 

 その後は母上を伴い、父上が現れることで騒ぎは収まった。

 

 ー

 

「あ、アザゼル様は凄いなあ……」

 

 片腕をメーガナーダに吹き飛ばされたという話なのに既に義手を開発し、更には僕らのお屋敷まで一晩も建たずに復元してしまったのだ。僕は崩壊前とまるで変わらない自室にてただただ驚くばかりだ……。けど大きい違いがある。流石に家具の古傷や日記帳は再現できなかったこと。あと……。

 

「そうでしょう、そうでしょう♡

 アザゼル様とイッセー様は私を導く星の様な御方なの♡」

 

 何故かレイナーレさんが僕と同じベッドにいて僕を抱きしめている。暖かくて、柔らかくて、凄くいい匂いがする。

 僕は子供だけど、何もわからないわけじゃない。彼女が僕の寝室に一人で来てくれたというのは、そういうことなんだ……。

 

『ミリキャス。女の子のおっぱいはいいぞ。最高だ』

 

 イッセー兄さまがしょっちゅう語りかけてくれている通りだと思う。レイナーレさんがいるだけで心が安らいで幸せな気持ちになる。でも、いいのだろうか……? 僕は悪魔で、レイナーレさんは堕天使で、今の冥界ははちゃめちゃの大混乱の中で……。レイナーレさんはイッセー兄さまという恋人がいるのに。と、悩みを抱いていると。

 

「イッセー様は言ってたわ。おっぱいは全てを救うって」

 

 レイナーレさんも同じ事を考えていたらしい。けど、それとは別の心配があるようで、難しい顔を浮かべる。 

 

「問題はサーゼクス様ね……。

 擬態術式でなんとかしているけど内部のダメージはアザゼル様によると大分大きいみたい。アザゼル様もメーガナーダの稲妻をモロに食らっているし」

 

 堕天使であるレイナーレさんが父上を様付けで呼んでくれるのが何となく嬉しい。

 ただ父上の容体については心配だ。アザゼルさんが言うには普通の回復薬では回復不可とのことだし。

 

「アザゼル様は『聖杯』を探すべきかな? とも仰っていたわ」

「セイハイ……ってあの昔話の聖杯ですか?」

 

 聖杯については僕もよく知っている。 聖書の神の子の血を受けたとされる至高の杯。その杯に満ちる薬液を一口でも飲めばあらゆる損傷を修復することができると言われる代物だ。

 ネクタル、ソーマ酒、あるいはエリクサーやフェニックスの涙、の上位互換の様なもの。

 

「でも……」

「ん……くすぐったいわ♡ミリキャス様」

「ミリキャス……でいいですよ」

 

 つい、おっぱいの谷間から声を出してしまう。レイナーレさんのいい匂いに鼻が蕩けそうになるから仕方ない。

 

「でも『聖杯』なんて本当に実在するんですか? それにあったとしても一体どこにあるのか……」

「そこなのよね。あの人格破綻者のディオドラがこと聖杯に関して何の手も打っていないのが引っかかるわ。

 てっきり聖女を堕としているのは聖杯関連だと思っていたのだけど……きゃっ♡」

 

 僕はレイナーレさんの豊満なのにどこか蜉蝣の様に繊細で脆さを感じさせる身体を抱きしめながら、唇を重ねる。

 魔力……とは違う何かが混じり合い、分け合い、満たしあっていくのを感覚として理解できた。

 

「あ……♡ うふふ♡ ミリキャスったらすっかりオトナね……♡」

「そんな、僕はただのお子様ですよ」

 

 甘えていると思われるのも恥ずかしいので強がってみせたけど内心ではバレバレなんだろうな、と僕は思った。

 そんな僕を笑うことなくレイナーレさんは目を細め、すくすく育つ若木の成長を嬉しそうに見守る様な慈愛の籠った微笑みを浮かべた。

 

「いいのよ、それで。ゆっくりと大きくなって……。貴方は私の可愛い星の王子様なんだから……」

 

 くちゅっ……♡と僕のペニスの先がレイナーレさんの中に飲み込まれていく。まず間違いなく、イッセー兄さまと比べたら貧弱であろうモノではあるが彼女の膣内はまるで僕専用の鞘かの様にしっかりと根元まで受け入れてくれる。温かい。溶けてしまいそう。

 

「はぁ……♡ あん……♡」

 

 レイナーレさんも感じてくれている。彼女の表情がそれを証明している。快感を必死に我慢する女性の表情なんて初めて見る。僕に与えられる悦びが信じられないと言いたげだった。

 腰を動かしてもいいのか? 僕にはよくわからない。とにかく彼女の膣内で脈動する自身の分身に意識を集中させつつ腰をうごかしてみる。

 

「う、うく……き、気持ちいい……! 

 気持ちいいです……!! レイナーレさんとの……セックス……気持ちいいです!!」

 

 全身を突き抜けるような快感と熱。思考が停止してしまうほどの快楽に思わず僕はうわ言の様に喘いでしまう。

 

「あっ♡ああっ♡ああああ♡

 私も……♡私も気持ちいいわミリキャス……!! もっと……もっと腰を動かしてええ♡♡」

 

 レイナーレさんも快感に打ち震えている。

 ぱんっぱんっぱんっ…… その度に結合部からいやらしい水音が響き渡り、室内に響き渡る。

 

「ミリキャス……!! いいわっ♡

 イッセー様以外の男の人にこんなに感じさせられてるっ!! 許してイッセー様♡

 だってミリキャスが可愛すぎるんだもんっ!!」

「い、イッセー兄さまの話はしないで!!」

 

 僕は抗議の意思を込める様にレイナーレさんの手首を掴みながらキスをする。

 彼女は一瞬目を丸くしたがすぐにキスを受け入れてくれた。

彼女の足と濡れる様に黒い髪がそれぞれ僕を捕縛する様に纏わりつき、張り付いていく……。

それを実感すると僕のペニスは益々膨らんでいく。

 

「ん……♡ちゅぷ……♡ ごめんなさい♡

 嫉妬したの……? 可愛いわ……♡ミリキャス♡でも大丈夫よ……。ミリキャスも私の特別な男の子なんだから……♡」

「本当? 僕も特別なんですか?」

 

 念押しするとレイナーレさんは照れながら笑う。

 

「当然よ。イッセー様と並んで愛してるわ。だからいっぱい感じて欲しいの……♡」

「ありがとうございます……」

 

 そう言って感謝の意味も込めて再びキスをした。唾液が糸を引くほど激しく絡め合う。そして再び動き出した腰使いによって更に強い刺激を与えられる。お互いに絶頂に向かって魔列車の様に加速していく。

ぷるん♡ぷるん♡と弾むおっぱいに吸い付き、僕は彼女とその美魔乳を抑え込む様に必死で全身に力を込めて彼女の胎内にてぺにを前後させた。

 

「あああっ……♡いく……♡イク♡イカせて♡ミリキャス♡」

「射精ます! レイナーレさん……!!」

 

 びゅるるるるるる!! どくんっどぴゅ──っ!! 

 

 レイナーレさんの膣内で大量の白濁液が吐き出された。それと同時に彼女の口からも艶やかな嬌声が漏れ聞こえる。

 全て出し終わると二人共脱力感に襲われベッドへと倒れ込んだ。

 しばらくの間荒くなった呼吸を整えることに集中すると、弛緩した彼女の身体が最高級の敷布団ばりに僕を包み込み、慰撫してくれた。

 

「レイナーレさん……」

「なあに? ミリキャス?」

「僕……強くなります。誰にも、父上にも、イッセー兄さまにも負けない位に、誰よりも一番になります。父上やこの国の民、それから……貴女も必ず守ります!」

 

 僕が言うとレイナーレさんは嬉しそうな顔をして微笑んでくれた。その笑顔を見ているだけで心が落ち着く。

 そうだ。誰にも……負けるものか。

 

 ー

 

「はあ……はあ……良かったよ。グレイフィア……」

「ええ……私も……」

 

 久々に私は擬態術式を解除したためか、

 血が昂ってならなかった。

 そのため唯一の妻であるグレイフィアを閨に招き、情熱的な一夜を過ごしていた。

 彼女はミリキャスを産んでなお美しく、聡明で、気高い。

 円熟した色香は他の追随を許さず、男のみならず女すら魅了する。その上に彼女は私の最も信頼できる腹心中の腹心。魔王の第一席を継いだ私の懐刀だ。

 彼女との情交は私に活力を与えてくれる。

 これで擬態術式を使えば明日からの仕事にも励めるというものだ。 

 ……と言うのは建前だ。

 ただ、私は彼女を愛しているだけだ。

 

「お悩みのようですわね……あなた」

「ああ……。君の前だと気が抜ける。

 いやそれだけではないか……。グレイフィア、私は……恐れている」

 

 妻は私の肩に支えるように寄りかかるなか、私は本音を吐露する。

 

「あのメーガナーダという破壊神は恐ろしい。あれだけの猛者達を苦もなく屠り去るとは……。

 もし奴が本気で戦ったなら……私だけでなくこの世界そのものを脅かすかも知れない」

 

 彼女は何も言わない。ただ優しく私の背中を撫でてくれる。

 

「だが逃げるわけにもいかない。

 グレイフィア。君やリアス、ミリキャスのためにも私は戦うと決めているんだ……。だから……」

「わかっています……」

 

 妻は私の手を取り自分の胸に当てる。

 柔らかな乳房の感触と共に鼓動を感じ取ることができた。

 

「貴方の強さは私や娘達が一番知っております。ですからどうかご自分を卑下なさらないで下さい。貴方は貴方なのです。

 地位やら血統やらという下らぬ符丁に縛られる必要はありません。

 貴方の在り方こそが冥界を司る王の証ですから」

 

 慈愛に満ちた穏やかな眼差しで、彼女は私を肯定し、励ましてくれる。

 全く、私には過ぎた名宰相だ。

 彼女がもし男に生まれていたら、四大魔王は五大魔王になっていたかもしれないな。

 ……ん? そう言えば……。

 

「君の家には、ユークリットという嫡男がいた筈だがどうなっている?」

 

 彼女の弟ならばきっと才知溢れる傑物に間違いない。昔は放蕩三昧の昼行灯、と嘆いていたがこの急転直下の事態だ。

 私が心を尽くせばきっと本来の才能を発揮してくれるだろう。

 或いはミリキャスの養育係、後ろ盾として将来の地位を暗に約束しつつ鍛え上げてもらうのもいいかもしれない。

 

「申し訳ありません……あなた。

 あの子は心の均衡を崩してしまい、今は療養中なのです」

「何だって……それは気の毒に……」

 

 天才には天才の悩みがあるのだろうか。

 グレイフィアから聞いてはいたがまさかそこまで重篤とは思わなかった。

 

「ええ……。なので私の留守中の管理業務は別の者が取り仕切っております」

「そうか……。残念だよ」

 

 グレイフィアは僅かに寂しそうな表情をするが、すぐさま平静を取り戻す。

 彼女のこういった泰然自若としたところも好きだ。

 彼女の弟だ。何かきっかけさえあれば立ち直ってくれるだろう。

 

 

「さああなた……。もっと抱いてください……。明日からの活力を蓄える為に……♡」

「ああ……そうだな。朝が来るまで……沢山愛し合おう……」

 

 私はグレイフィアの美しい肉体に覆い被さるとそのまま抱擁し、再び深い接吻を交わした。

 夜はまだ長い……

 

 ー

 

 ???? 視点

 

「くそっ! くそっ!! 死ねっ!! 死ねっ!! 死んでしまえっ!!! このバケモノが!!」

 

 件の嫡男。ユークリット・ルキフグスは狂気に取り憑かれた様に1枚の肖像画にナイフを突き立て、ズタズタに切り裂いている。

 肖像画に描かれているのは誰あろうサーゼクス・ルシファーその人であった。

 彼のサーゼクスに対する憎悪は根深く、魂の中で醸造されていた。今や、彼を殺し、姉を奪還することが彼の生き甲斐、存在理由になっていた。尤も姉からすれば迷惑以外のなにものでもない。

 

「あらあら、随分荒れていますのね。

 疑似聖杯の構築術式は完成なされたのですならもっと悠然となさったら?」

 

 と、マグダラは彼を宥める様に優しく声をかけるがそれは逆効果であり怒りの炎に油を注ぐ結果となる。

 

「破壊神を以てしてもアレは滅ぼせなかった!! なぜだ!! 何故なのだ! 

 あんな……あんな醜悪で……汚らわしいバケモノ如きが!! 何故! 何故!! 

 僕こそが!! 姉さんの番になるべきなんだ!! 姉さんは選ばれた存在なんだ!! 

 ああ、なんて可哀想な姉さんなんだ……。あんなバケモノに惑わされるなんて……」

 

 おいおい、と両目から涙を流して彼は心の底からグレイフィアの惨状を嘆き出す。

 もはや彼は観念の世界の住人である。

 自身の主観が客観的に事実であるかどうかは論ずるに値しない。

 自分は何も違わない。

 自分が正しいと思ったことだけが正しい。

 それを否定するものは万死に値する。

 と、彼の認知はそうなっていた。

 世間一般ではそれを狂人と呼ぶのだが。

 

「まあ、そんな事よりこちらをご覧下さいな」

 

 そういう狂人との付き合い方を異常者であるマグダラはフリードや黒瓜との経験から学びぬいている。

 彼に差し出したのは1枚の写真。それは戦乙女の甲冑に身を包む1人の淑女。

 

「姉さん……!? ああ、姉さん!!」

 

 歓喜に湧き立つが写真に映る女性は無論、姉ではない。

 そもそも悪魔の翼がないのだがそんな事は彼には関係なかった。

 

「うふふ、そうでしょ? 

 彼女の名はロスヴァイセ。という事になっていますけど。恐らくグレイフィア様の願望が形になったのでしょうね。サーゼクスから解放されたい。

 戦乙女として貴方を迎えに行きたいという思いが……ロマンチックで羨ましいですわ♡」

 

 噴飯もののデタラメをよくもまあここまで熱を帯びて伝えられるものである。

 人とは目的のためならばどこまでも悪辣に、残酷になれる生き物なのだ。

 

 

「姉さん……。待っていて下さい。

 今……。迎えに行きますからね……。

 大丈夫。僕()愛しているから」

 

「それでこそ貴方はグレイフィア様の弟。

 この私達の同志ですわ。まずは力を付けましょう。力を付けてから……グレイフィア様を娶るのはそれからですわ」

「そうだね。君の言う通りだ。僕は今少し焦っていたみたいだ」

「ええ、私も微力ながら手をお貸し致しますわ」

 

(揺れる杯は支点を支えれば振れは収まるもの。メケ・メケ・テケル・パルシ……。人も、魔も、そして天使も皆同じ……。

 皆等しく操れる。 私の道具よ)

 

 凡人はそこまで世界も他人も矮小化できない。そういう意味ではマグダラは超人、或いは怪物といえる存在だ。




ブロリーやないか!!
すいません、ゼノバース2プレイしていたもので。

ビルスやないか!
どっちかというと物わかりが若干良くなったザマス

レイナーレNTRやないか〜い!!
いやっ、違うんだ。イッセーも愛しているし、ミリキャスも愛しているんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。
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