しかしこの世界、原作よりダーク要素が強い。
今更だが改めて解った事がある。
俺はまだまだ弱いって事だ。
神器を使っているのではなく振り回されているだけ。この間の火事場のバカ力だってたまたま窮鼠猫を噛んだだけだ。
だからって、だからって不貞腐れていられるか!
「本当によろしいのですね?」
カラワーナは堕天使スタイルに、バイサーも悪魔モードにその身を変化させていく。
流石に露出度は減らしてもらったが。
改めて説明するとここは旧校舎側の裏山。人よけの結界も張っているから、人の目を気にする必要はない。
「いいに決まっているだろ?俺はこれ以上足手まといのままなのは嫌なんだ!」
「それでこそ我々のイッセー!」
…………。
カラワーナもバイサーもイゼベル様の加護によりパワーアップしていた。光の矢だけではなくフリードの光刃じみた技を織り混ぜたり、バイサーの軟体ボディによる搦手も使いこなせるようになっていたのだ。これならトレーニングの甲斐もあるって感じだぜ! 大体二時間位、模擬戦だけでなく基礎トレーニングもしっかりと行い、午前中は終了。買い出しに行った二人を見送り俺は大地にごろん、と身を投げ出した。
「か、身体が……重い……」
『それはそうだ。お前は悪魔になってまだ間もないのだからな、そう一足飛びには強くなれんさ。まあ、俺は産まれた時から圧倒的に強かったがな』
頭に神器の声がまたしても聞こえてくる。
へえ、さいですか。気遣ってくれているのはいいけどなんだろう、マウンティングしてくるのやめてもらっていいだろうか?
「まあ、お前はドラゴンらしいからそうなんだろうけどさあ」
俺は太陽に籠手をかざしながら話しかける。はたから見たら危ないヒトっぽいが、俺の脳に直接話しかけてくるんだからしょうがない。
「所で神器さんや」
『どうした?』
俺はふと思った事を訊いてみた。
「お前の名前、なんていうんだ?」
『今はまだその時じゃあない。おしめが取れたら教えてやるよ、クソガキ』
「ちぇっ、ケチンボドラゴンめ」
リアス部長やイゼベル様が教えてくれたけどドラゴンは財宝に目がない貪欲な連中ばかりらしい。
「じゃあもう一つ、左手の籠手はどうして実戦にならないと発動しないんだ?」
そう、今日の実戦では左手の籠手は反応どころか顕現すらもしない有様で、まったく使い物にならなかった。
『知らんな。そんな事は俺の管轄外だ。
……と言いたい所だが、近頃のお前は大分俺を楽しませてくれたからな。褒美として教えてやる』
ツンデレ気質なのかは解らんが、ケチンボドラゴンは前置きを挟んで語り始める。
男のツンデレはあまりありがたくないなあ。
『その力はあの女の加護によるものでお前が完全に取り込んでいないのさ。故に、あの女がよし、と認めねば力を発揮出来ないのさ。話ついでに教えてやろう。その神器の名は【
なんとも凄い名前だが、じゃあイゼベル様は何の女神様なんだ? いや、詮索するのはやめよう。イゼベル様は俺のパートナー、それでいいじゃないか。
丁度その辺りでカラワーナ達が買い出しから戻る。美女に囲まれればなんだって御馳走になるから俺は現金な男だ。
『それとな。あの女の加護を得た事、そして俺の力を使うことでこれからお前は数多く、世界の闇、業、悪意を数多く見るだろう。だがお前は選択を誤るなよ』
だからこの時ケチンボドラゴン、いやドライグの言葉なんて浮かれたクソガキだった俺はロクに聞いていなかったんだ。
ー
で、昼食を食べ終えた俺達なのだが、今絶賛休憩中。それもラブホの中というね。
「あ、あの〜お二人共? なぜ訓練が終わったばかりでこのような……?」
なんて言ってはみるもののカラワーナ、バイサーという美女が自ら裸体を晒して俺とベッドに身体を預けているのだ。文字通りに愚息はギンギンのガッチガチである。
「うふふ、使い魔とはいえイッセーの訓練に付き合ったのだからご褒美を頂かなければ♥」
そう告げるバイサーの美貌は朱がさし、うっすらと汗ばんでいる。それがまた涎が出そうな位に色っぽい。
「ふふふ……あなたとなら交わる事も厭いませんよ? むしろ、歓迎します♥」
朱乃さんのようにいたずらっぽく微笑むカラワーナに俺の理性は崩壊寸前だった。そんな俺の反応を楽しむかのように二人はくすくすと笑うとますます身体を密着させてきた。た、たまらん!!
「私達は貴方を我々好みの一人前の悪魔に鍛え上げ、そして貴方は私達を貴方好みに磨き上げる……これでイッセーの言う通り五分五分ね?」
「ああ、そうだな。これでこそお前は私達の主だ、イッセー」
「……お二人共……!!」
ああ、なんていい女なんだ! そんな二人を俺は抱き寄せると爽やかな香りが鼻いっぱいに広がる。何で美人ってこんなにいい匂いがするのだろうか……。
『くくく……おいコラクソガキ、盛る気持ちは解るがとりあえず一発抜かせてからの方がいいんじゃないのか?』
トリップしかけていた所にケチンボドラゴンからそんな念話が入ってきた。
煩いなあ! 他人の情事に首を突っ込まないでほしい……が一理ある。
「あの……まずは二人で俺のチンポを気持ちよくしてくれるか? カラワーナはおっぱいで挟んで、バイサーは口で先っぽを舐めて欲しいかな」
左右の美女は青竹ばりに直立した俺のチンポに潤んだ視線をちらりと向けると、頷く。ぷるん! と音が聞こえてきそうな程に瑞々しいおっぱいで俺のチンポを挟みこむと、カラワーナはゆっくり上下にしごき始める。柔らかく温かい感触はそれだけで射精の欲求を高めてくるが、焦らされるように優しくシゴく。
バイサーも小さな口ではむはむと先の方を咥えると舌全体を使って裏筋からカリ首にかけてをくすぐるように舐め回す。
「うおぉ……」
思わず腰が浮き上がる。二人がかりで攻められるのがこんなにも気持ちのいいものだったなんて……!更にバイサーは俺の玉に吸い付くと口の中で転がすように舐め回す。
「ふあぁ!?」
身体が跳ねたのでバイサーの歯で少し噛まれると痛痒い感覚に思わず身震いしてしまう。そんな俺の反応を楽しむようにバイサーは玉を舌で弄んだり、時折甘噛みしたりしてくる。外からのせっつきを受けてか精液が睾丸から上がってくる感覚がこみあげた。
「んぶっ♥んむううっ♥♥♥」
更にカラワーナのパイズリが勢いを増し、だぱんっ♥だぱん♥とおれの股間に彼女の腹を押し付ける。
天国の様なご奉仕タイムではあるが、ただただ奉仕されるだけではハーレム王を目指す男としては立つ瀬がない。俺は二人の桃尻を撫で回すと、二人は甘いくぐもった声を上げた。
「んっ♥んぅううっ♥♥」
二人の股に手を伸ばせば、バイサーのそこは既に濡れており、指を浅く挿入するとくちゅくちゅと水音が響く。カラワーナのアソコも同様で、濡れぼそって俺の指をぴちゃぴちゃと音を立てた。
「ふわっ?!」
もう完全に出来上がったカラワーナは情けない声を上げるが、お構いなしに彼女の陰唇周りからこそげ取る様に指の平で愛撫を続ける。その度にカラワーナは声を上げ、腰が抜けかけるのかふるふると震えて悶える。
「く……あぁ! そ、そんなにされたらっ♥」
腰を震わせて快楽に悶えるカラワーナがとても可愛くて、俺は腰を前後させ先走り汁に塗れたチンポを彼女に対して擦り付けた。
「あぁぁああ♥♥気持いい♥オマンコとおっぱい全部擦られてっ♥♥」
「おいカラワーナ、あまりはしたない声を上げるな……♥んっ♥♥私も♥気持ちいいぞ♥♥」
悶えるカラワーナの胸に舌を這わせると、バイサーもまた切なげに声を上げ腰を震わせる。そのエロエロな美女の乱れっぷりに我慢なんて出来る筈もなく……。
「「あはああああっ♥♥♥」」
二人は同時に甘い声で絶頂に達し、俺は煮えたぎる様な精を二人に向けて放出した。バイサーの顔とカラワーナのおっぱいに精液が飛び散り、それを舌で舐め取る美女達の姿は見惚れてしまう程色っぽい。
「ふ……んぅ……♥イッセーのオチンポミルク……凄く濃いぃ♥♥♥」
「はああ……♥匂いも粘りも凄い……♥♥♥」
くちゅくちゅと互いのおっぱいと顔についた精液を舐め取る様は妖しい魅力に満ちて
いた。
「頼む! 二人共、最後までしてもいいか?」
俺は限界とばかりに鼻息荒く二人に問いかける。それこそ嫌だと言われたらどうなってしまうか解らないほど、俺は熱くなっていた。
「……もちろんだ♥」
「お願いしますわ♥♥」
そんな俺の姿に二人はそれぞれそう返事を返してくれて……それから後はもうお決まりの展開だった。
二人は進んでベッドに四つん這いになりながらオマンコを自らの指で広げて見せた。
サーモンピンクな彼女達のそこは俺のモノを受け入れるには申し分無いほど潤っているのは明らかだ。
ではあるが、このまま二人を単純にセックスに到るのでは一応とはいえ主としても恋人としても工夫がない。
「二人共凄くエッチなオマンコだよ♥」
まず俺はカラワーナのオマンコと、勃起したクリトリスに舌と指を這わすと切なげに呻き、ふりふりお尻を揺らす。
「はうっ♥♥い、いきなりそこは♥」
「じゃあ前もって言えばいいんだね。キミのオマンコを舐め回して、クリトリスを撫で回してあげる。ここには俺達しかいないから思い切り乱れてくれよな」
普段の凛とした年上の女性とは思えない甘える様な声を出すカラワーナが可愛くて、俺は舌を這わす舌と指の動きを更に激しくした。
「ひっ♥い、いいっ♥予め言えばいいというものでもぉ♥♥♥」
「じゃあこうして舐め回されるのはどうだ? まだ舌で撫でたり擦ったりしていない所、つまりクリトリスに舌の根元から先端までを使ってたっぷり奉仕してあげるよ♥」
俺はある意味懇切丁寧に前置きした後で舌先でぷっくりと包皮から顔を出し彼女のクリトリスをねっとりと絡め取る様に一舐めし、くりくりと指の平でこね回す。
刺激を待っていたであろう彼女の充血したクリトリスはトルクスイッチの様だ。
刺激を与えた途端にカラワーナの腰ががくがくと揺れ、彼女は可愛いらしい鳴き声を上げた。
「ああぁあ♥♥ひゃううっ♥♥クリ気持ちいいっ♥♥くうっ♥♥」
普段はあまり声を出す事の無い彼女が、こうして快楽に溺れている様は本当に堪らなく愛おしい。俺は尚もクリトリスを指の腹でこねながらぺろぺろと舌を這わせて、溢れる愛液を舐め取る。限度なく彼女自身の匂いが俺の鼻の奥をくすぐり脳髄まで蕩かすような錯覚を覚える。
「うぁあっ♥はあんっ♥ひぅっ……んくぅああっ♥♥」
どぷっ! と音を立てて流れ出る白濁した本気汁に負けじとクンニを続けるが、彼女の方から観念するかのような声が上がる。
「おおおっ♥イッセーの指と舌いいっ♥子宮がゾクゾクするっ♥♥♥ イッセーのチンポ欲しいっ♥指も舌も好きだけど♥私の一番感じる所をずぶぶ〜っ♥って激しく突いて欲しいのぉ♥♥♥」
ここまでエッチなおねだりをされては紳士的対応など出来る訳がない。
俺は自分のチンポにも愛液を塗りたくると、ぐちょぐちょのオマンコに挿入した。
「あ、あ♥あぁ〜♥♥」
感嘆とも悲鳴とも付かない声を上げると彼女は早速達してしまったらしく、きゅうぅっと膣肉が引き締まる。なんて欲しがりやな……。
「じゃあ動かすぞっ!」
ずんっ♥と突き上げる様な動きで俺はカラワーナの膣を突く。その瞬間に彼女の中で何かが決壊したのか、彼女は声を張り上げて快感を表現する。
「おほぉおっ♥♥凄いぃぃぃいっ♥♥
あたまはじけとぶぅ♥♥♥もうイッセーのオチンポないと生きていけないぃ♥♥♥ああぁイクぅ! ♥♥♥イッセーのオチンポでまたイキますうぅぅううう♥♥♥」
舌を出し、だらしなく涎を垂らしながら絶頂に達するカラワーナ。俺もついつい気をやってしまいそうになるが、奥歯を噛み締めて堪えた。ここであっさりと終わらせてはカラワーナの主たるものとして格好が付かない。俺は彼女の膣を蹂躙しながら絶頂の余韻でヒクヒクと蠢くクリトリスに親指を押しあて、グリグリと押し潰す様に愛撫する。更に充血した彼女の敏感な箇所はタッチするだけでもイってしまう程の様だ。
「おひいぃぃぃ♥♥♥クリトリス♥♥そんなにいじらないでぇ♥♥ああん♥イッセーのオチンポいいぃい♥♥た、種付けしてっ! 子宮が疼いて堪らないの♥♥♥あっイクぅうぅううううう♥♥」
もう彼女にも恥じらいというものは無いようだ。
俺を慕ってくれているからこその乱れっぷりを目の当たりにして火のついた情欲は収まる所を知らない。その証拠にまるで蒸気機関車の様なピストン運動を汗や涎を振り乱しながらカラワーナは受け止め、その彼女の揺れるおっぱいを揉みながら乳首を弄りつつキスを行う。
「んふ……♥ちゅぷ……♥ちゅうう♥♥」
涎が口の端から垂れるのも気にせずにお互いの唇を貪りながら俺は快楽の絶頂を迎えた。
どびゅるるるるっ! ぶぴゅーっ!! ばぶっ! どくんどくん!
と鼓動しながら解き放たれる精液はカラワーナの子宮の中を満たしていく。ダメ押しとばかりに俺は背中からカラワーナに覆いかぶさりチンポを子宮口に押し付け、精液を更に吐き出そうとカラワーナの膣壁に擦り付ける。
「ああっ……♥♥はぁん♥♥♥」
そんな乱暴な扱いを受けながらも彼女の表情はもう淫らに蕩けきっており、自らの腹をさすりながらも意識は完全に俺のチンポにメロメロなのは火を見るより明らかだ。
堕天使と悪魔の間でも子供は出来るのだろうか……?
「イッセー……♥私にはしてくれないのか?」
なんて考えていた矢先にバイサーが俺の横で俯せになりながら自らの指でオマンコを開き、期待に満ちた目でこちらを見ていた。そんな顔で懇願されては拒否出来ない! というか喜んで受け入れるし!!
「あひぃい♥♥♥おぅん……あぁ……ふぁあ♥♥」
背後から抱きすくめる様にしてバイサーの巨乳を揉みしだきながら、俺は彼女のオマンコにチンポを突き入れる。すっかり快楽堕ちした彼女はもう突かれる度にイク始末だ。
ずちゅっ! ぬぷっ! じゅぷっ! ぶちゃっ! ばちゅんっ!! 俺の肉棒が抜き差しされる度に卑猥な音が木霊する。
ラブホテルだからこそ父さん、母さんに気遣いせずに思う存分快楽を貪れるというのは堪らない。
「ひぎぃ! ♥♥いいっ! ♥♥イイのぉ♥♥♥あふっ! ♥あぁあん♥♥んおぉおっ!! イクぅううっ! ♥♥」
カラワーナと同じように絶頂を迎え、バイサーは身体を弓なりに反らせて絶頂に達する。瞬間、まるで放尿するかの様に膣から潮を吹き、俺の股間や下腹部はびしょ濡れになった。
「ご、ごめんなさいぃぃ♥♥♥私のアクメでイッセーを汚してしまってぇ♥♥」
「いいさ。一緒に気持ちよくなれた証拠だから」
なんて我ながら少しキザな台詞を吐いて、俺はバイサーにキスをした。
「あむ……♥♥♥ちゅっちゅ……んっ♥♥♥ イッセーはキスするの、好きなの?」
「ああ、バイサーは嫌だったか?」
「そんなっ!? そんなことないっ♥
イッセーのしてくれる事ならわたしぃ♥何をされても嬉しくなっちゃうの♥♥♥」
お互いにねっとりと舌を絡め合うキスを交わす。その間にもバイサーのオマンコはしっかりと俺のチンポをくわえ込み、尚も精を搾り取ろうと貪欲に蠢いていた。
カラワーナは再びキスをせがみながら舌を絡ませると、乳首への愛撫をねだる様に胸を突き出す。俺はそれに応えて彼女の乳首を指先で摘まみ上げるとぐりぐりとこね回し、引っ張る様にして快感を与える。
「ちゅっ♥♥はぁん……♥気持ちいいっ♥♥乳首弄られるのもイクぅん♥♥」
乳首をこねられ、唇を貪りあう度にバイサーはひくひくと締め付け、まるで呼吸を合わせたかのように絶頂に達した。もう出ないと思う程に俺の精液を搾り取っておきながら彼女たちの貪欲さには脱帽する思いだ。まあ……萎えない俺もどっこいどっこいなんだけどさ。
「い……ひぃぃ♥♥♥イッセーのチンポ汁が私の子宮に馴染んでいくぅ♥♥♥」
「おほぉぉ……♥♥♥堕天使の私のオマンコと子宮もぉ……イッセー好みに塗り替えられていってるぅ♥♥♥はぁあんっ♥♥」
堕天使と悪魔の肉体に俺の精液は馴染んだらしく、バイサーはカエルの様に股を開き、カラワーナは尻を天に向け徐々に快楽を求める事しか考えられなくなっている様に見えた。
(俺の精液ってドラッグか何かなのか?)
そんな事をボンヤリと思いながら休憩を堪能させてもらった。
ー
「しかし、グロッキー状態のカラワーナとバイサーを引き取りに来てくれと呼びつけるとはなかなかの増長よなあ?」
「す、すいません。なにせ転送の魔術すら俺には使えないもので……」
場所は変わってラブホから公園。
イゼベル様に二人を自宅まで転送してもらった後、彼女の要求で公園にやってきた。
「ここはジェラートとやらが美味いと聞いたがはたして本当がどうか」
「へえ〜、女神様なのに俗世のデザートにも詳しいンすねえ」
皮肉でもなんでもなく素直に俺はイゼベル様の情報収集ぶりに感心しながらジェラートを買うことにした。当然だが二人分。
「むう……、そなた、セックスはともかくまだまだ女心というものを解っておらぬな」
だが、ここでまさかのダメ出し!?
『持田模帝王のモテモテクニック』では
『経済力のない男、細かい所で渋る男は嫌われる』と書いてあったのに!?
たじろぐ俺にイゼベル様はやれやれ、と言わんばかりに首を左右に振る。
「そうではなくての。こういう時は大きいサイズのものを一つ買って分け合えばよかろう。一つのコーンを互いに手を取り合いつつイチャイチャするのもまた醍醐味よ」
「あっ、なるほど! 勉強になります!」
俺は早速託宣に従いイゼベル様とシェアすることにした。
(なんという役得)
ジェラートも美味いがゼロ距離でイゼベル様の麗しき横顔、金髪ヘアーのさらさらぶりと芳香も感じ取れるのが中々どうして……。
神様万歳!!心の中で崇め奉っているとイゼベル様の機嫌も良くなってきた様で鼻歌まで歌い出す。
「ジェラートがそんなにお気に召しましたか?」
「うむっ! そなたと共に食すのはまた格別よな」
なんて無邪気な笑顔を見せられたら俺の気持ちも抑えられなくなる訳で……。カラワーナやバイサーとあんなに交わったというのになあ……。
が、次に視線をジェラートの移動屋台に映した瞬間、俺は目を見開く位に驚いた。
「アーシア!? アーシアじゃないか!」 「イッセー……さん!?」
ー
「……」
そんなワケでアーシアの手にはバニラのジェラートがコーン付きで握られている。
しかし、ジーッとアーシアはジェラートを見つめていて、食べようとしない。
「どうかしたのか? 食べないと溶けちまうぞ? アーシアはジェラート嫌いなのか?」
俺が尋ねてもアーシアは黙ったままだ。なんだこの空気……気まずいっつーか、物凄くもどかしいというか……。
「む? アーシアよ。もしかしてジェラートの食べ方が解らぬのか?」
「じ、実は……」
アーシアは恥ずかしそうに顔を赤らめながら頷く。するとイゼベル様の目がイタズラっ子の様にキラキラと輝き出したじゃあないか!
「ジェラートというものはな、左右から男女が舌を絡める様にしながら食べるものなのじゃ!」
かっかっと笑いながらイゼベル様を嘘八百を堂々と言ってのけた!?
なに言ってンですかイゼベル様ってば!?
「そうなんですか!?」
「うむっ! そうだとも! 全ての道はローマに通ずという言葉もある。アーシアもこれからはニホン式のやり方に慣れねばならぬぞ!」
ちょっと日本への誤解が甚だしいですけど!? しかしアーシアはイゼベル様の言葉を鵜呑みにする!
「わかりました! 私、頑張ってみます!」
そしてアーシアは僅かに舌を出すと自分のジェラートを俺と一緒に舐め始めた。彼女の舌がチロチロと動きながらジェラートをゆっくりと舐め回すその様は俺の妄想をこれでもかと言う位掻き立てる。更にはバニラの甘い匂いが俺の鼻をくすぐり……。俺はもう辛抱たまらん!! ジェラートと一緒にアーシアの舌を捕食する様にして唇を奪うとアーシアも負けじと舌を絡めてくる。
「うむ、二人の為のジェラートをこうして食べさせ合うというのは確かに乙なものよ」
イゼベル様はすっかり俺たちを応援する応援団状態で、かつアーシアは恥ずかしそうにしながらも抵抗せずに俺とのキスを受け入れてくれている。俺とアーシアの手も重なり合い、危うくコーンを握りつぶしてしまう所であった。
(うあー……なんだろうこの幸せ感は)
俺も彼女の口内に舌をねじ込み歯列を舐め回すが、彼女も俺の口内に舌を伸ばし絡め合わせ、俺のジェラートと彼女の唾液が混じって一つになっていく。
そして俺の脳裏にアーシアの記憶が浮かび上がってくる。
アーシアは孤児であった。
身寄りもなく教会で育てられたアーシアはそこで数々の孤児や身寄りのない子供達の面倒を見ていた。その経験から彼女は優しく、他人を思いやれる人物へと成長したのだろう。それはきっと良い事だったんだと思うし、彼女の在り方そのものは間違ってないとも思う。
だけど、ひょんなことから彼女の運命は大きく変化していく事になった。
きっかけは犬が怪我をしているのを見つけたことだ。雑種で見てくれも良くないその老犬は皆がストレスや鬱憤を晴らすのに都合のよい存在だったようでもう死ぬのを待つだけの状態だった。
そして犬を見つけたのがアーシアで、彼女はその犬を手当しようとしたのだけど、その犬はこの世の全てを憎悪していたかの様に、アーシアの手を噛んだのだ。
その時は周りにいた連中もアーシアを嘲笑った。バカな女だ。飼い犬に手を噛まれるとはまさにこの事だ。これで教会もますます権威が落ちるだろうと。
だがアーシアはそんな連中の言葉や嘲笑を気に留めず、今度は噛まれていない方の手を差し伸べたのだ。
そして優しく犬に語りかけながら……。
『大丈夫、もう大丈夫よ。私がここにいるから』と……。
そして、奇跡が起こった。まあ、厳密には彼女の中に眠る『聖女の微笑み』が覚醒したのだけれど、とにかくその老犬は彼女の献身的な態度と慈愛の心により助かったワケだ。
すると忽ち彼女を貶していた人間達は忽ち手のひらを返した。『聖女』だと。
そして教会の本部に連れて行かれた。
いや、金で売られたんだ……アーシアは気がついていないけど見送る時の笑顔を見た俺にはピンときた。
バイサーを貶めたあの悪魔とそっくりな醜悪な笑顔を皆が浮かべている。
それからアーシアは信徒や教会の見習い神父達を治癒していた。
教会の造りや司祭の身なりや羽振りが良くなってもボロボロのローブを纏って。
司教の体格が太り、脂ぎってもパンとスープだけという粗食を与えられて。
そんなアーシアにさらなる悲劇が襲いかかる。
彼女は死にかけ、街の門に吊るされている死にかけの悪魔を助けてしまった。
その事が神父や修道士達の逆鱗に触れた。
「悪魔を癒やす力だと!? そんな事がある筈がない!」
「神の加護なき者が治癒の効果が及ぶことなどない!」
「魔女だ! アーシア・アルジェントは魔女だ!」
「そうだ! アーシア・アルジェントに関わった奴らも悪魔の使いだ!」
お腹を空かせていた彼女にハムやベーコンを与えていた肉屋のおばさんも。
彼女のボロボロのローブを繕い、更に新しいローブを準備していた仕立て屋の兄さんも。
アーシアが落ち込んでいた時、芸を見せて笑わせたピエロの芸人も。
全て、悪魔に関わったという理由で焼き討ちにあい、無惨にも死んでいったのだ……。
さらに、
「魔女だ! 魔女を殺せ!」
「つーるーせ! つーるーせ!」
「ま、魔女ならそうじゃないか確かめないとね? き、キミ、処女なんだろ?」
教会の人間やアーシアに助けてもらった見習い神父達……いやケダモノどもは我先にアーシアを殺すのみでなく尊厳を穢そうとまでしたが助けたのがあの老犬だった。
老犬からは翼と蠍の様な尻尾が生えた辺り元は誰かの使い魔だったのだろう。
老犬がケダモノどもと刺し違えるまでの間にアーシアはひたすら逃げた、逃げた。
そしてそんな彼女を見つけたのが……よりにもよってフリードとマグダラの二人だったというワケだ。
「どうしたんですか? イッセーさん!」
気がつけば俺は涙を流しながら彼女を抱きしめていた。こんな酷い、つらい目に合いながらも彼女は誰かを恨むことすらなく敬虔に神を信じ誰かのために生きた。
そして今、俺はアーシアを抱きしめている。神様もイゼベル様もいるけど今のアーシアは一人じゃない! 俺が一緒にいるからな!そんな俺をアーシアは戸惑いながらも抱きしめ返してくれた……。
「アーシア、これからは俺達が友達だからな!」
「はい! イッセーさん!」
俺が涙を拭って宣言すると、アーシアもニッコリと笑って頷いてくれた。こんな彼女が報われないなんて間違っている!
「覗くのならば、もそっと堂々と覗いてはどうじゃな、カラスのくせにさもしく力を求めて地を這い回る降天使めが」
イゼベル様の口調も声も朗らかなものから蔑む様なものに変わっていた。
はらり、とカラスの羽の様にドス黒い羽が俺とアーシアの間に舞い散る。
カラワーナと同じ黒い羽……まさか!?
上を見上げるとあのレイナーレとかいう降天使……いや、どっちでもいいか。
とにかくアイツがニヤニヤしながら腰に手を当て、こちらを見下す様に浮遊していた。
「カラス? 下品な事言わないでくれる? これは堕天使の翼よ。貴方こそそんなみすぼらしい姿でよくも現界しているものね?
私なら恥ずかしくて外に出られたものじゃないわ」
レイナーレはフン、と鼻で笑う。
な、何言ってんだ? イゼベル様のどこが見窄らしいってんだよ!
ヴィーナスやアフロディーテがそのまま現れましたって言っても納得な美貌やスタイルの持ち主だぞ!
目ン玉濁ってるんじゃねえのかアイツは!
「俺の目の前で、イゼベル様をバカにするんじゃねえよ」
「フフ、カラワーナを抱いたからか随分自信たっぷりの様だけど女の趣味は悪いようね。相変わらずキモいわ〜イッセーくん♥幾ら私にフられたからってその程度のブスで満足しちゃうなんて〜? あ、でも下級悪魔にはそんな底辺女がお似合いね。
アハハハハ!」
夕麻ちゃんじみた声色でレイナーレは挑発してきた。なんて女だ……!
「まあ、そんな底辺でもその子は私の所有物なの? 返してもらえるかしら?」
益々気に入らない。
一時でもこんなヤツに心を許していたと思うと自分が情けなくなる。
「ノーだ! いやだ! 味噌汁で顔洗って出直して来い! か? どれでも好きなので答えてやるぜ! アーシアは誰の所有物でもない! たった1人の女の子だ!」
「海賊じみたことを言っていないでさっさとよこしなさい! 貴方みたいな人間以下の低俗な転生悪魔に堕天使の私、そして聖女をどうこうなんて身の程知らずも良いところよ!」
「カァカァ、と烏が喧しくほざきよるわ。
イッセー、余が許す。そこな降天使に冥界の道理というものをその身にとくと教え込んでやるがよい」
イゼベル様のお許しが出ると俺の左手から【
これなら勝てる!
老犬「外道め!貴様らこそ悪魔だ!」
まあ、原作準拠の流れになるんですけどね。