「私は貴方の世界で言うところの神です。」
「・・・・はぁ。」
「貴方は25年という人生に幕を閉じました。」
「・・・・へぇ。」
たしか、家でデスクワークをしていて、一段落ついたから寝室のベッドで寝ていた筈
そして目覚めたら、周囲に何もない真っ白な空間にこの神を名乗る女性がいたのだ。
「・・・・・・リアクション薄いですね。」
「何て言うか実感が無くて・・・・俺は死んだんですか?」
「はい。貴方が眠りについて約5分後に。」
「・・・・そうですか。」
「・・・・申し訳ありません。」
「何で貴方が謝るんですか?」
「実は・・貴方が死んだ理由は・・私のせいなんです。」
「・・・・は?」
「貴方のいた場所に・・・・うっかり神雷を落としてしまい、それにより死んでしまったのです。」
「・・・・・・そうですか。」
「・・・・あの・・怒らないんですか?」
「えぇ・・どうぞお気になさらず。」
俺には家族がいない。小さい頃に父も母も事故で死に、親族をたらい回しにしながら学生時代を過ごして来た。
恋人も友人もおらず、ただただ仕事に明け暮れて過ごす毎日であった。そんな人生には何の未練も無い。
「(あ、そういえばあれの続き読みたかったなぁ。)」
「あれとは何でしょうか?」
「え?」
「あ、すみません。私は神なので人の心を読むことが出来ます。」
「えぇ・・マジすか。」
「勝手に心を読んで申し訳ありません。ですが、貴方は私の不手際によって25年という人生に幕を降ろしてしまいました。心残りがあるのであればどうぞおっしゃって下さい。」
「・・・・今読んでる小説の続きが気になって。」
「小説?」
「はい、『ようこそ実力至上主義の教室へ』ってタイトルなんですけど、仕事の合間に読んでいたんです。」
俺には趣味があった。
読書・料理・ゲームと仕事の合間や休日に気晴らしとしてやっていた。
読書として読んでた本は漫画だったりラノベだったり伝記だったりと全ジャンル読んでいた。
その中で今読んでる途中だったラノベ小説が『ようこそ実力至上主義の教室へ』、略して『よう実』だった。
就職率100%という破格の待遇を約束してくれる高校を舞台に激しい頭脳戦を繰り広げられる学園生活ストーリーだ。
登場するキャラがとても個性的であり、面白いのだ。
あんな高校に通えたら良いなぁと読んでる内に思ってしまっていた。
「その小説の最後はどうなるのかが気になってたんです。」
「・・・・ちょうど良かった。」
「はい?」
「貴方のその心残り、叶えられるかもしれないですよ。」
「え?それはどういう……」
「貴方は現世で私のミスとはいえ、死んでしまいました。もう甦ることは出来ないです。しかし、本来は無かった筈の死のため、あの世へ送る訳にはいかないのです。」
「それじゃあ・・・・!もしかして!!」
「はい、貴方を転生させることにしました。」
「マジすか!」
「マジです。」
「転生先ももしかして!」
「はい、『ようこそ実力至上主義の教室へ』の世界です!」
「よっしゃぁーー!」
「そして、それだけではありません。お詫びとして貴方の望む転生特典を5つまで付けてあげましょう。」
「テンプレ展開きた~!」
5つも付けてくれるのかマジか!
「何でも良いんですか?」
「但し、世界観が崩壊するような特典は付けられませんよ。例えば、その宇宙を崩壊させるような力や武器等は特典に出来ません。」
「分かりました、少し考える時間をください。」
「良いですよ。あぁそれと、出生については特典のうちに入りませんから、自分の好みをおっしゃって下さい。」
「ありがとうございます。」
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15分後
「特典は決まりましたか?」
「はい、決まりました。1つ目は成長速度・限界を突破する身体と頭脳をお願いしたいんですけど、良いですか?」
「はい、それぐらいなら大丈夫です。」
「2つ目は全ての分野における才能の保持をお願いします。」
「分かりました。」
「3つ目は……超能力をください。」
「・・・・超能力というと具体的にはどのような?」
「瞬間移動と透視能力と………催眠能力と物体創造能力が欲しいです。」
「・・・・物体創造は現存のものしか創造出来ませんがそれでも良いですか?」
「大丈夫です。」
「・・・・分かりました。それならば付けられます。」
「ありがとうございます。4つ目はよう実の女性キャラとの遭遇率を上げてくれませんか?」
「分かりました。最後の5つ目は?」
「最後は………よう実の世界の日本を一夫多妻制にすることって出来ますか?」
「・・・・・・・え?」
「駄目なら良いんです。でも、あんな魅力的な女の子達と結婚出来たら人生凄く楽しくなれそうなんです!」
「・・・・(この人は誰かを好きになったという感情も結婚したいという相手も前世では見つけられなかった。もしも、生きてたらきっとこの人は今のような暗い人生よりも明るくなれた筈、それを私は……。)」
「神様?」
「いえ、何でもありません。5つ目の特典ですが、可能です。」
「!!やった!!」
「但し!!」
「??」
「必ず2人以上と結婚すること、良いですね?」
「はい!ありがとうございます!」
「それでは、貴方の出生についての要望を聞きましょう。」
「はい!」
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「取り敢えず、こんな感じですね。」
「分かりました。それでは、そろそろ転生する時です。」
「はい。………あ!そういえば、俺の記憶はどうなるんですか?」
「特に何も変わりありません。前世までの記憶やよう実の原作知識も全て頭に入ってる状態です。」
「分かりました。……神様、色々とありがとうございます。」
「いいえ。そもそも、私のせいで貴方を死なせてしまったんです。これくらい当然ですから。」
「もう気にしてません。……それより新しい人生の道を選ばせてくれて感謝してるんです。ありがとうございます。」
「そう言ってくれるだけで私も心が和らぎます。………それでは、貴方の人生に幸あらんことを!!」
「さようなら!!!ありがとう!!!!」
俺は光に包まれたまま、意識を失った。