おまけみたいな感じです。
読んでいただき、ありがとうございました!
同級生 未来予想図Ⅲ 下
「はぁあぁぁ〜、疲れた……」
実家を出てしばらく歩いた後、美沙は盛大で長いため息を吐き出した。先負町を包む蝉の鳴き声に負けないくらい、大きいため息だった。
「なんで自分の家に帰るのにこんなに疲れなきゃなんないのよ」
「あの鉄人バンビちゃんが気疲れするなんて、珍しいこともあるもんだな」
バコッ! と、美沙の拳が俺の頭を直撃した。
「あだッ!」
「あんたのせいでしょうが、あんたの」
「なんでだよ?」
「たくろうが変なこと言い出さないか、気が気じゃなかったんだから」
「大人しくしてたじゃないか」
「それが逆に不気味だった」
ふふん、と俺は鼻を鳴らしてみせた。
「俺だっていつまでも学生気分のままってわけじゃないんだぜ。パパンとママンにも気に入ってもらえたみたいだし、上々だっただろ?」
「それなんだよなぁ。まさか私の家族とたくろうが意気投合するなんて……」
「パパンとは下の話まで気があいそうだったぜ」
「その呼び方やめろ」
「また言葉使いが昔に戻ってるぞ、美沙」
「正直、『喋るだけで妊娠する』って言われてた男だってこと、話そうかどうか迷ってた」
「……泣いていい?」
「ダメ」
「まぁでも、俺はうまく言えたと思ってるけどな」
娘さんを俺にください。
三つ指ついて、頭もつけた。土下座のようなことをしたのは、人生で初めてだった。
「ダメだったか?」
「……ううん。うれしかった」
あらら、急にしおらしくなる。この緩急は卑怯だよなぁ。
八月の先負町は抜けるような青空で、俺に高校三年最後の夏を思い出させた。蝉の鳴き声はうるさいが、湿度は低いから汗が噴き出すほどではない。美沙と二人、日陰を散歩するにはちょうどいい暑さだった。
駅へ向かう前に、先負高校を覗いてみようかと提案したのは俺の方だった。
「懐かしいな」
俺と美沙は正門から校庭を覗き見た。夏休みだというのに、陸上部をはじめ、体育会系の部員たちが汗を流している。
「ご苦労なこって」
「運動神経いいんだから、たくろうも部活やればよかったのに」
「向いてないからなぁ、時間とかルール守るの」
「そのわりには、よく学校に出没してたよね?」
「美沙ちゃんのカモシカのように美しいふとももが見たかったんだよ」
ふーん、と美沙はジト目をした。
「グラウンドよりも、プールの方に行ってる回数の方が多かったと思うけど? あっちには舞がいたもんな」
その返しを俺が予想していないと思う美沙が甘い。
「よく知ってるな。そんなに俺のこと見てたわけ?」
ぼんっ! と、美沙の顔が赤くなった。
「やっだぁ〜! もう〜!」
「おふ……!」
バァンッ! と、思いきり背中をはたかれた。
なるほど、そうきたか。
「あの時は、まだ……。なんでたくろうのことが気になるのかわかんなかったんだもん」
だめだ、我慢できん。
拗ねて俯く美沙の唇を、俺は少し屈んで素早く奪った。
「え……?」
思ったよりも照れくさくて、俺はぷいとそっぽを向いた。
「中、寄ってくか? よしこ先生か真子先生ならいるかもしれないぜ?」
「ううん、大丈夫」
たくろうがいてくれるから、それでいい。
そう言って、美沙は俺の腕に両手を絡めた。
確かにな、と思う。
俺自身、ノスタルジックな気持ちにならないのは、美沙がそばにいてくれるからだろう。
地元のスーパーでアイスとペットボトルを買って、二人で食べながらぶらぶらと歩き続ける。美沙は、高校の時に俺がどういう場所を散策していたのか知りたかったらしい。
「えぇ! 矢吹町の方まで行ってたの!?」
河川敷の堤防を歩いている時、美沙は声を張り上げた。
「あきれた……ホントに遊び呆けてたのね」
「夏休みの前半は真面目にバイトしてたんだぜ」
「で、貯めたお金は夏休みの後半に全部使っちゃったんでしょ?」
「俺は宵越しの金は持たない主義だ」
「どうせいろんな女の子に……」
美沙は口を尖らせ、じぃーっと俺の顔を睨めつけたが、それ以上何も言わずにそっぽを向いてしまった。
おや?
こんなんじゃこの先の結婚生活が思いやられる! とかなんとか、罵られるかと思ったのに。
しばらく進んだところで、美沙は足を止めて河川敷を見下ろしていた。空を突き抜けるような入道雲の下に佇む美沙は、青春映画の一場面のようによく映えた。
この場所は、高校三年の頃、美沙が自転車で転んで怪我をしていた場所だった。
「不思議だよなぁ。あの時俺が偶然通りかからなかったら、俺たちつきあってなかったかもしれないんだもんな」
「うん」
「運命だったりして」
「私は、そう思ってる」
急に素直になられて、俺は面食らった。
美沙は目を伏せながら、チラチラと俺の方を見ていた。
「暑いから、どっか涼しいとこ行きたい」
「OTIMTIMでも行くか? さとみならパフェくらいサービスしてくれるかもよ」
「……やだ」
なぜ顔が赤いんだ。
こういう時、誤った答えを選択すると取り返しがつかなくなる。
なんだ、選択肢って?
妙な既視感に、俺は顎に指を当てて思案した。
その時、俯いたままの美沙が俺のシャツの裾を指でつまんだ。
「舞とかさとみに、たくろう会わせたくない。たくろうが他の女の子に目移りしてるとこ、見たくない」
「美沙……」
「たくろうはもう……わ、私のものなんだからなっ!」
あの夏の日——学校の保健室で美沙と愛し合った時のことが脳裏をよぎる。
久しぶりに地元に帰ってきて、美沙も昔のことを思い出したのだろう。
「あぁ、もう……だめだ」
すっかり昔の男言葉に戻った美沙が、泣きそうな顔で俺を見上げてくる。
「ホントに、たくろうは私でいいのか? ガサツだし、嫉妬深いし、お前のこと、縛りつけるかもしれないぞ? 一生他の女の子と遊べないんだぞ?」
俺は美沙の手を引いて、胸の中へ抱き寄せた。
「料理とか、家事だって……できないし」
「なに言ってんだよ。料理はもうこの5年間でうまくなっただろ?」
頭をポンポンとなでてやる。
「美沙こそ、俺でいいのかよ。俺くらいフラフラしてる人間、なかなかいないぜ?」
「たくろうがいい。たくろうじゃなきゃ、やだ」
変わらないな、と思う。俺も、美沙も。
毎日他愛ない会話をして、しょっちゅう喧嘩もして……なのにどうしようもなく、俺は不器用な美沙のことが好きなのだ。
これから先も、俺と美沙はずっとこんな感じだと思う。
「愛してるぞ、美沙」
美沙の体温が明らかに上昇した。
「そ、それ! 卑怯だぞ!」
婚約指輪を贈ってから、美沙はこの言葉にめっぽう弱かった。
「わ、私の方が……たくろうのこと、愛してるから」
「あぁ……知ってる」
美沙はようやく俺の背中におずおずと両手を回した。
「ごめんな、汗くさいだろ」
「そんなことない。そんなことないけど……」
「?」
「……家まで、我慢できないかも」
蝉の声が一際大きくなった。
なるほど、大きく変わったこともひとつあったな——と、俺は思った。
くちゅくちゅと、ラブホテルの一室に淫らな音が響く。
「は……ん……たくろう」
天井と壁の一部が全面鏡張りになっている。
その鏡に向かって、俺は美沙の後ろから両手を回して脚を大きく開かせていた。
「ほら……見て、美沙」
「あ、いやっ」
ベッドの端に腰掛け、生まれたままの姿の二人が映っている。
俺の左手は美沙の乳首をコリコリとつまみ上げ、右手の中指と薬指は美沙の恥部へ根元まで埋没していた。
「よく濡れるよ?」
「やだ、恥ずかしい……あ……」
なでるように指をかき回す度、美沙の内側から愛液がとろとろと溢れていた。
「あ! だ、だめ……たくろう……!」
「いいよ、イッて」
「いいの? ん……い、イク……! だめぇ!」
美沙の顔が上向きに跳ねた。
ふるっ、と震えた後、美沙の内側から大量の愛液が噴出した。
「は……は……」
放心したままの美沙を、そのまま背中から抱きすくめる。
美沙の全身はしっとりと汗ばんでいた。
「たくろう……」
振り返った美沙は、甘えたようにキスを繰り返した。
「ちゅ……ん、ぁ……」
「ふ……ん……」
二人薄く見つめ合いながら、角度をつけて舌と唾液を絡める。
「次は、私が……」
「うん」
ベッドの脇に直立すると、美沙は俺の前に両膝をついた。
先ほどまでの美沙の痴態に、俺自身はすでに欲望を剥き出しにしてそそり立ち、先端からは透明な愛液がぷっくりと顔を見せている。
俺よりもむしろ美沙の方が我慢できないといった表情で、彼女は亀頭を舌先から口内へ迎え入れた。
「ん……」
緩く、浅く、美沙がストロークを繰り返す。
俺の呼吸はすぐに乱れ始めた。
「はぁ……あー……いいよ、美沙」
見上げる美沙と目が合う。
だらしなく口を開く俺に、美沙は満足そうに口の動きを速めた。
「ん……ちゅ……んん……」
壁の鏡面に映る二人の姿に、俺は言いようのない興奮と背徳感を覚えた。初めから射精するつもりでしてもらうフェラチオは、途方もない快楽を下腹部にもたらした。
「く……は、ぁ……そろそろ、美沙……」
「うん……」
美沙は目を伏せると、頭を前後させながら口内の舌の動きを複雑に変化させた。
俺が美沙の全てを熟知しているように、美沙もまた俺の全部を知っていた。
「い……いい?」
「ん……出して……」
「あぁ、イクっ……あー……」
「ん……んんっ……!」
腰を少し前へ突き出しながら、俺は射精した。
ビュ……ビュル……と、俺の白濁した欲望が美沙の口内を満たす。
美沙はそれをじっと受け止めた後、恍惚とした表情でこくりと飲み下した。
「美沙……」
俺はベッドのサイドテーブルに置いてあったペットボトルのミネラルウォーターを口に含むと、それを美沙に口移しした。
「ふ、ぁ……たくろう」
唇の端から溢れた水を互いに舐め取りながら、舌を絡めて深いキスを繰り返す。
吐息すら交換した後、美沙は俺の耳元でおねだりをした。
美沙が上で、俺が下だった。
お互いの秘部を刺激し合う。美沙が俺の袋を揉み、俺自身をしごき、しゃぶりつく間に、俺は美沙のクリトリスを舐め上げ、彼女の中心を指で下品にかき回した。
「あん! たくろう……!」
さっきのフェラチオで後から果てた分だけ、俺の方に分があった。美沙は顔を跳ね上げると、中心からピュッピュッと愛液を溢れさせた。
「あ! あぁッ!」
俺は美沙の恥部全体を包み込むように吸いつき、その愛液の泉を洩らさず飲み尽くした。
「すごい量……美沙」
「やだ、言わないで」
潤んだ瞳で見つめてくる。
「もう……欲しい……」
美沙はそのまま四つん這いになった。
恥ずかしそうに尻を突き出す美沙の中心に亀頭をあてがったところで、俺は動きを止めた。
今週、美沙はダメな日だったはずだ。
「今日は、危険日だから……」
四つん這いのまま、懇願するように美沙は俺を振り返った。
「わかってる。付けるよ」
ふるふると、美沙は首を横に振った。
「危険日だから……いいよ、中に出して」
中に、ほしい——。
「う……あ……」
わずかな理性を残して、俺は欲望のままに美沙を後ろから貫いた。
「あ……! たくろう!」
「美沙……!」
亀頭の包皮を押し広げ、剥き出しになった俺の敏感な部分に、美沙の全部が絡みついてくる。
奥まで挿し込んだだけで、美沙は達した。
止まらない。
美沙の愛液を潤滑油に、俺はリズミカルにピストンを繰り返した。
「あっ! あぁ!」
亀頭が見えるギリギリまで引き抜き、また最奥まで沈み込ませる。パチュパチュと音を荒げながら、美沙の中心は俺を咥え込んで離さなかった。
「美沙」
覆い被さり、背後から垂れ下がった胸を手の平で包み込むと、美沙は顔を横に向けて舌を出した。
「ん! は……あん! む、んん……! たくろ……!」
キスを重ねても、美沙の吐息は止まらなかった。
美沙の左脚を抱え上げ、側位でさらに深く美沙を味わってから、正常位に移行する。
「あ……すごい……たくろうっ」
「俺も、気持ちいいよ、美沙」
ともすれば乱暴になりそうな自分の下腹部を抑え込む。
美沙の両膝に手を添えて、俺は緩やかに腰を律動させた。
「あっ……ん……あ、ぁっ……!」
やさしい時間だった。
角度を変え、美沙の喘ぎ声を楽しみながら、彼女が気持ちよくなる箇所を探っていく。俺の快楽と悦びは、その後からついていく。
「んっ! や……あっ!」
美沙の喘ぎ声のせつなさが増していく。
「あん!」
美沙の表情がピクンと桃色に染まり、赤ん坊のように両手を投げ出して全てを任せてくれる瞬間が、俺はたまらなくうれしかった。
「どうして?」
互いの吐息が激しくなってきた頃、美沙はせつなく見上げながら俺の頬をなでた。
「ん?」
「なんでたくろうは、いつも肝心な時に私にやさしくするの。河原で怪我した時も……保健室の時だって……」
「え、なんでって、そりゃあ……」
不安そうに俺を見つめる美沙を覗き込みながら、俺は笑顔を浮かべた。子供っぽい表情をしていたかもしれない。
「美沙のことが好きだからかな」
瞬間、美沙の瞳が大きく見開いた。
キュッと美沙の中心が締まり、危うく達しそうになるのを懸命に堪える。
「美沙?」
美沙の中で溢れた大量の愛液が、遅れて俺自身を包み込んだ。
「泣いてるのか?」
「うるさい、バカ! たくろうのバカっ!」
言いながら、美沙の中心からは愛液が留まることなく湧き出してくる。彼女の秘部は、なおもピストン運動を繰り返す俺自身に深く絡みついて、離すまいとした。
体を前に倒して、美沙を強く抱きしめる。
腰を打ちつけながら、彼女の耳元で俺は何度もささやいた。
俺がどれほど美沙のことを愛しているか。
勝ち気でいじらしいところ。
真面目で不器用なところ。
二人で軽口を言い合える関係を、俺がどれだけ大切に思っているか。
伝える度、美沙の全身は何度も震え、彼女は泣きながら俺にしがみついた。
「たくろう! だめ……そんなに言われたら、私、死んじゃう!」
「好きだよ、美沙」
「あ! 私も、す、好き! 大好きだから! あぁッ!」
とろとろに溢れていく。
身も心も、ひとつになっていくことがわかる。
「出して! 奥に、いっぱい! たくろうでいっぱいにして!」
「あぁ……!」
淫らで荒いキスと正比例するように、俺たちの中心はパチュパチュといやらしい音を響かせながら、逢瀬を加速させた。
限界が近い。
俺は美沙の腰を両手でつかんで、最後の坂道を駆け上がった。
「はぁ……はぁ……!」
「あ! あっ! たくろう! たくろうッ!」
「美沙!」
「あぁ、だめ! イク! イッちゃう!」
「俺も……! 一緒に、美沙!」
「あッ! あッ! あぁッ!」
深く、美沙の奥深くに俺自身を挿し込んだ瞬間——。
俺は欲望の全てを美沙の中にぶちまけた。
「……ッ!」
出る。
ビュルビュルと卑猥な音を響かせながら、美沙の全部が俺で満たされていく。
「は……あ……ぁ……たくろう」
まだ、出ている。
「美沙」
震える俺に、美沙は懸命にしがみついた。
頬が触れ合うと、二人の涙で視界がぐちゃぐちゃになった。
「すごい……まだ、出てる」
「ごめん……」
美沙は返事をする代わりに、何度もキスをせがんだ。
甘い幸福感が二人を包み込む。
どれくらいそうしていただろう。
ゆっくりと俺自身を引き抜いた時、美沙の中心からは白濁した愛液が「ゴポ……」と音を立てて溢れ出た。
「たくろう……」
「うん……」
物欲しそうに、寝そべったままの美沙が俺を見上げている。
俺は枕の傍まで移動すると、美沙の前に未だ硬く屹立したままのペニスを差し出した。
「ん……」
美沙の舌が先端に絡みつく。
愛おしそうに、しゃぶりついている。
「ふ……ぅ……美沙……」
「ん……んん……」
達したばかりで敏感になっていた俺は、もう一度短い射精を繰り返した。
「あ! あー……」
ピュッ……ビュル……。
「ん……ん……」
最後の一滴まで、残らず絞り取られる。
名残り惜しそうに、美沙はようやく俺自身を口から解放した。
「いっぱい、出たね」
俺は寝そべったままの美沙の頬を手の平でなでた。
くすぐったそうな目で、美沙が俺を見上げてくる。
「出す時のさ、たくろうの情けない顔、好き」
「むむむ」
美沙は微笑みながら両手を伸ばして、俺を自身の隣へといざなった。
「へへー」
ペットボトルの水をくちづけでシェアした後、俺の腕の中で美沙は子猫のように喉を鳴らした。
「泣いてたね、たくろう?」
「うるせー」
うなじに頬をすり寄せてくる。
俺は美沙を抱き寄せながら、彼女の頭をゆっくりとなでた。
「あのさ、美沙」
「ん?」
言いかけて、俺は言い淀んだ。
美沙の実家に顔を出した時、実は少し緊張した。先負町に帰ってきて、本当は俺もおセンチになっているのかもしれない。
「いや……」
「なぁーに?」
「……しあわせになろうな」
だめだ、慣れない台詞を口にするもんじゃない。
あまりの気恥ずかしさに、美沙の頭をなでていたはずの左手は、いつのまにか彼女の胸を後ろから揉み上げていた。
怒られるかと思ったけど、美沙は俺の背中へ両手を回して、満面の笑みで抱きついた。
「大好き、たくろう」
それは高校の頃から変わらない、俺が大好きな美沙の笑顔だった。
◯
……そして、その後の2人がどうなったかというと……
薄いまどろみの向こうから、俺を呼ぶ声がした。
「たくろう」
「う……ん……うみゅ……」
「ねぇ、起きて、たくろう」
「みゅみゅ……ぐ……が……」
「どんな寝言だよ。……もう、しょうがないなぁ」
あぁ、これを待っていた。
ベッドサイドからこちらへ身を乗り出した美沙が、俺のほっぺたにキスをする。
「チュ」という音が鳴った瞬間、俺はガバッと飛び起きて、美沙をベッドの上に組み敷いた。
「きゃ! こ、こら、たくろう!」
朝の光に照らされた、美沙のエプロン姿が眩しい。今朝は美沙が料理の当番だった。今日も変わらず、彼女はポニーテールだ。
俺はエプロン越しに美沙の胸を愛撫しながら、彼女のうなじから鎖骨へ大胆に舌を這わせた。
「だめよ、たくろう。遅刻しちゃう」
「ウソつけ。サバ読んで早めに起こしたろ?」
「あ……」と、美沙は小さく舌を出して見せた。
だいたい、この胸のやわらかさは、シャツの下に下着をつけていない感触だった。
「あ! たくろう! そこ、いい!」
「はぁ……はぁ……美沙。いっぱい、出すからな」
小鳥のさえずりを背景に、朝から裸になって愛し合う。
カーテンの隙間から、大きな夏の入道雲が見えた。
「は……あっ……イクぞ、美沙!」
「あ! ん! いいよ! きて、たくろう!」
深いくちづけを交わしながら、俺は今日も美沙の中に愛情の全てを放出した。
「美沙……」
「今度は、後ろから……たくろう」
という生活を送り……。
いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。