空賊の乗り物。小さいものは『
『円盤』は1人か2人が乗るのを想定している。あるいは4~6人が乗れる大型のものもある。
平たい円形の物体で、材質は木でできており、底面に浮遊装置があった。4枚の羽根がついたプロペラがあり、それを囲む様な骨組みだ。
しかしプロペラは風を起こして進むために設けられたのでは無かった。風をつくり空の魔法を発動させる為だという。まわりだすと『
その最高速度だが、馬が全速力で走るよりも少し速いぐらいだ。
『
その空を飛ぶ乗り物は空賊、いや、カシャ家とそれに従う集団だけが扱えた。その技術を彼等は一切、ほかの国々や勢力には渡さなかった。
更に、これは戦いに赴く空賊が乗るものだけに限定されるが、機体が自爆する仕掛けを設けていた。乗り手が念じるか何等かの攻撃を受けて死ぬか、あるいは修復不可能な損傷が生じた時に起こる。これを用いた『特攻』も、空賊は幾度か行っていた。
ゆえにこの技術は殆ど、他の勢力に渡る事は無かった。ベイオルブにも。
そして空賊達は、長きに渡って劣勢ながらも戦いを繰り広げることができたのである。
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デリタはバーフレアを含む、ほんの少数の空賊達と共に『
彼は初めて乗る、空を飛ぶそれに感激もしたていたし不満にも思っていた。傍にいていちいちうるさく聞く同乗者がいるということだ。
「デリタ、空を飛ぶというのはとっても気持ちがいいとわかるでしょう?」
デリタの右隣にはオベリアがいた。こんなにも風を受けてしかも揺れるのに、どうして綱や手すりをつかむだけで立っていられるのか、いろいろと考えていたところにこうである。
「それよりも僕は、この『
「まあつまらない! アナタは本当に男なの? 男だったらこの風を楽しまなくては! ぶっこわれるまでこれを使いこなすぐらいの好奇心を持つものなのに!」
「僕は『
「ばかばかしいわ! 50近くても男というものは少年の心を持つものよ! 大体、アナタはルデアの街で散々楽しみ尽くしたじゃないの! 若者の様に!」
言い返されたデリタは黙ってしまった。痛い図星だったからだ。
この娘は寝ているうちにだが、4日間でねだる街娘と散々お楽しみを尽くしてしまった。馬鹿か、と思えるぐらいに女の腹の中に精を放ってしまった。
しかもシビラとは3度寝た。何より彼女と肌を重ね合わせると安心したし、呼吸も通じ合っていた。正直、モーニから奪いたいと思うぐらいに熱を入れてしまった。もしかしたら彼女は自分の子を宿すかもしれない。
こんなザマだと優しいリアザも流石に怒るに違いない。自分がいない間、彼女が情欲に身を焦がして浮気してくれていることを祈った。
(リアザがイーガ人の人妻なら、夫が1か月空けたぐらいなら3人や4人は余裕で咥え込むだろうが、くそっ!)
貞節な相手がいるのに浮気をするというのはどうにも気分が重い。だが、女の誘いと己の肉体の若さに負けてしまった。この肉体はどうにも頑強が過ぎる。特に生殖器だ。『産み女』だった母の遺伝のせいなのか?
「あんまり浮かない顔をしているわね? もしかして酔った?」
「いや、空を飛ぶのが慣れないだけだ。それより、ミロンドまではあとどれぐらいだ?」
ミロンド島。南の大陸と中つ国との海域のちょうど中間に位置する島だ。古代に繁栄した教団の遺跡があちらこちらにあるという。
ベイオルブ軍はそこを拠点としていたが、ルデアの決戦を前に空賊たちが奪い取った。魔光王はこの島にもいずれ総攻撃を仕掛けて来るだろうから、今は空賊達の仮の版図でもあった。安住するにはちょうど良い島だと聞くが。
「ルデアからは大体10タルッドだから……おおよそ夕方までには辿り着くわ」
「1タルッドでも歩いて二晩かかる距離なのに、この乗り物は凄いな」
「南の大陸は光や暑さが邪魔するからそうかもしれないけれど、中つ国の基準でだと、徒歩の旅は昼に歩くとして……だいたい丸一日で1タルッドよ?」
しかも大抵は馬や馬車に乗るから1日に2タルッドや3タルッドぐらいだ。足元が心もとない夜間での旅が、どれだけ人の往来を阻むかデリタは思いを巡らせた。
「できれば馬を大量に飼育する術があればな。だけど、気候のせいか、たくさん繁殖したがる馬がなかなかいないんだ」
「だったらワタシ達から学んで、楽に地上を走る道具を作ればいいわ。『
そう言われてみればそうだとデリタは思った。彼は前世で学んだ魔道術式をこの世界で再現してみせた。鍛錬も続いている。前世の頃よりも速く発動できるぐらいになっていた。
では道具ならば。魔法術式を組み込んだ浮く板や灯る石。いろいろなものがあった。魔法を使わぬ全く別の方法で、となると、前世から持ち込んでいる知識ではきわめて険しい山、だが、魔法を用いてであればそうではなかった。
「そう言われてみれば、そうか……」
だが、先にやるべきことがある。エムラを救い出し、バーフレアと共に魔光王を討つのがそれだ。
バーフレアは、エムラは中つ国のどこかにいるようだと教えてくれた。彼女の特徴から噂や情報が割り出せて、大体どこにいるのかを把握しているという。だが、まだ詳しい場所は教えてくれなかった。
それと並行して魔光王を討つ作戦が密かに練られているという。北の勇者、『聖者大公』ことヴァーリンデンにも共同作戦を打診しているという。魔光王に押し込められている形だが、とても強力な味方になるそうだ。
戦いを早く終わらせたい。そう考えながら前を見ていると、オベリアが彼の背中を叩いた。
「デリタ、あの島で一休みするわ。砂浜に着地するわよ。それからワタシにしばらく付き合いなさい」
「……」
島に降りると、オベリアはいきなり服を脱ぎだした。デリタが腰をおろして彼女がいない方角を見ていると、
「どうしたの、アナタも脱ぎなさいよ?」
「いや、僕は休んでいる」
「楽しむときはちゃんと楽しみなさいよ」
無理やり鎧と服を脱がされた。全裸にされるとオベリアが砂浜に向かって走り出した。
「こっちに来て!」
しぶしぶ歩きだし、波打ち際に足を入れるとオベリアに水をかけられた。無邪気に笑う彼女にデリタは水をかけ返した。
海は川とはまた違った。甘ったるい潮水の中に潜ると目と鼻が痛くなったが、河の水の泥臭さを感じなかった。
海水浴を終えると、オベリアは砂の上にへたりこんだデリタに抱き着いた。
「面白いでしょ? これまでこういう遊びをアナタはしたことがあるの?」
「川遊びなら。一番の暑い時期に、デュライのお嬢様たちと家来の子供たちと、陽が落ちかかってからしていたよ……」
皆、全裸だった。デリタはリアザの裸もエムラの裸も見ていた。自分の肌も見られていた。けれどもそれを恥ずかしいと思ったりはしなかった。ましてや、欲情が頭をもたげてくることもだ。
「ふうん。夕方ね。光が強すぎるからかしら。南の大陸は何かと難儀ね?」
オベリアの手がデリタの股間に伸びた。さっきから硬く張り詰めて、激しく脈を打っているのを確かめた。
「男というものはね、こうなったら求めるものなのよ?」
勃起をしてしまっていたデリタは断れなかった。それほど目立つ体型では無いが、肉付きがちょうど良く、どこか色気があった。
吸い寄せられる様に彼女の上に乗った。その先で会陰に触れる。押し込めると快感が起こった。彼女の中は特徴的な構造をしていた。吸精魔にありがちなものだ。たちまち吸い取られてしまった。
「……デリタ、よくできました。アナタはちゃんとした男よ?」
「そんな褒められ方はうれしくない。あっという間に果ててしまったんだからね」
デリタは腰をくねらせて引き、強く打った。オベリアの叫びと共に叢にデリタが放ったものが飛び散った。
「もう! もっとしたいのなら甘い言葉をささやきなさいよ!」
「君にはかけない。僕はつれないやつだからな」
でもこの中にもっとかけてやる。オベリアには甘い言葉など無用だった。彼女は快楽に弱い魔人の血を引いている。言葉よりも身体で語るのが好きなのだ。
「……だったら、いつまで続けるつもり?」
「じゃあ君が本気で悦ぶ顔を見るまでだ。30分もあれば拝めるだろう?」
「デリタ、腰のうねらせかたが激し過ぎる! 5分で終わってしまうじゃない!」
オベリアは身体の底から喜ぶ姿を見せてくれた。8分で解放されたデリタは海水で身体を洗い、砂の上で股を開きながらうなだれたままのオベリアに呼びかけた。
「今日の内に目的地のミロンド島に入るんだろう? ここでぼんやりしていると日が暮れてしまうよ?」
「ワタシは……夜明けまでアナタとこの島で過ごしたいわ?」
ぼんやりとした目つきで誘うオベリアに、デリタは付き合いきれなかった。
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