歓迎の宴の後、空賊達ににもらい受けたテントでデリタは眠っていた。全裸でだ。この辺りは潮風のせいか湿度が高い。だから何1つ身に着けていなかった。
しかし寝付くのに、なかなか時間がかかった。明日と明後日はこの島でのんびりとするが、その次の日からはいよいよ中つ国だ。湿度と興奮のせいで眠れなかったのだろう。
「ねえ、デリタ。まだ寝てるの?」
オベリアの声だ。外からした。声で目が覚めたが黙っておくことにした。安眠を邪魔するような女に、気軽に応じたくない。
しかし黙っていると彼女は入って来た。羽織っていた服を脱ぐと裸体になり、大の字になって寝ていたデリタに抱き着いた。
「お休みなのね。またあの時の様に眠っているデリタをたくさん楽しませてもらうね?」
オベリアの手が股間に添えられた。しごきだすとデリタはいきなり目を開けた。
「寝込みを襲うなんてあんまりだよ? でも……臭くないか?」
白いオベリアの肌には男の汗臭いにおいと精液のにおいが漂っていた。彼女は臆面も無く言った。
「夜通し仲間たちと乱れてたの。おかげでお腹の奥の火がますます盛んになってしまったわ……」
「わかった。気が済むまで好きにしていいよ」
真昼間に島のどこかでこいつと青姦、などという事は御免だった。だったら皆が寝ている間にすっきりしてくれるといい。
オベリアがデリタの上に乗った。屹立した肉杭の裏とオベリアの潤って感じやすくなった割れ目とが擦りあう。オベリアは嬉しそうなため息をついて、覆いを剥き切った後に己の中に導き入れた。
「あうぅ……デリタ。すっごく剛いわ。アナタのが一番男らしい……」
すべてを彼女に任せた。挿れたままオベリアは上体を倒してデリタにしがみつく。優雅な腰が悩ましそうにくねり、粘質の音を立てだした。
「いいっ。硬くて大きい。デリタとは女の子を舐めなくても凄く気持ちいい……そういえば、舐めたこと、ある?」
(いや、むしろそういうことをさせてくれるのならやってやるが、お前には施したく無いからな。)
ここで舐めたいと言ったら、別の男の精液の味を確かめることになる。吸精魔であれば膣汁を垂らす程興奮するだろうが、彼は至って普通の趣味を持っていた。
デリタは委ねることに努めた。彼女の身体の中の起伏の往来が、喘ぎの数だけ繰り返された。めいいっぱい血を集めて鋳物棒の様に硬くなった彼の男根が、歓喜の声をあげた。
「ん、あっ!!」
オベリアも同時に果てた。汗だくになった彼女の身体は、とても甘いにおいがした。股間を悩ましく高ぶらせる困った臭気だった。
「ふふっ。デリタのここ、まだ硬いままね?」
「好きにしろ。その代わり昼は無い。へなへなになるまで使ってくれればいい」
オベリアはにっこりと笑った。上体を起き上げるとテントの布に足裏をつけて海老反りになり、ゆっくりと腰を動かし始めた。
目をつぶっていたデリタはちら、と目を開けてそれを見た。自分と彼女の腹のあたりだけが明るく照らされていた。魔法による光だ。
オベリアと自分が繋がっているところが、はっきりと見えた。これは悪くないかもしれない。でもそうは思ってもこの女を得意がらせるのは気に食わなかった。
「ねえ、デリタ。お互いの大事なところがはまりあうのを見て、興奮するでしょ?」
「それよりも驚いたんだけど。こんな魔法が使えたのかい?」
「今度、教えようか?」
オベリアは垂れた目つきで意地悪く笑った。子供じみた笑い方だった。けれどもデリタの白濁液まみれの勃起を喰らえては戻すのを繰り返す彼女のそこの崩れ方は、十分に大人の女のそれだった。
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オベリアがテントから出るとデリタは気だるい身体を起こして外に出た。下着を持ち、井戸で身体を洗っていると声をかけられた。バーフレアだ。酒臭い息を吐きながらデリタに呼びかけた。
「よう。姫様とまた仲良くしていたのか? 島にはほかにもいろんな娘がいるぜ?」
「姫様は僕の子を産みたいんですか? どうせ子胤を欲しがるなら貴方のもとに通えばいいのに?」
「そう言うな。お前は姫様の命の恩人だ。このぐらいの礼なら、まだ大したことは無いだろうよ」
井戸のつるべからバケツを落とし、引き揚げながらバーフレアは笑った。お前との子を産むまでは続くだろうよと冗談を言ってデリタを困らせた。
「で、宴の時に開陳した策というのを詳しく聞きたい」
「あの話ですか」
バーフレアは引き上げたバケツを抱えると自分の顔を洗った。それから、素っ裸のデリタに頭からぶっかけてやった。
「これできれいになっただろ。じゃあ話せるよな?」
「ええ。そうですね……」
デリタが考えたのは二方面作戦だった。一方は本軍で。もう一方は機動力を重視した別働部隊だ。
先に別働隊が進撃し、行く先々の砦を襲っては過ぎながら挑発を仕掛ける。ベイオルブ軍はそちらに軍を割くだろう。そうなったら本隊が出発する。
本隊はできるだけ会戦を避け、最短のルートで一気に敵本拠を攻めるのだ。魔光王が王都を動かなければ首をあげられるに違いない。あるいは、都を陥落させただけでもベイオルブは動揺し、今後の作戦に鈍さが出てくるはずだ。
「だが、魔光王の元には三元帥の1人、ダイスダックがいるぞ。あと、ザールモワという魔道士がな?」
ザールモワはデリタも会ったことがある。エムラの心を壊した張本人だ。あんな子を廃人にした仕返しをいつか果たしてやると心の中で息巻いていた。
「その2人、どれだけ強いんです?」
「ザールモワは未知数だ。アルルーマの部下の魔道士と聞いたが、あいつと同等か多分上のはずだ。魔光王の覚え目出度い奴だと聞いたからな。だが、ダイスダックは知っている。何度か直接やりあったからな」
その後低い声で、会えば必ず殺せるやつだ、とバーフレアは言った。その目は怒りに燃えていた。
「だが、俺の旅の仲間を2人
「バーフレア様の旅の仲間とは……」
「デュライの当主の2人の弟だ」
旅の仲間たちの中で一番頼れる2人だったと、バーフレアはため息をついた。術法の使い手で、敵の猛者や武将格を何人も倒した。
「だから、あの男はどうしても倒したいんだよ」
「そうでしたか。ところで、ダイスダックという男はどんな人物ですか?」
「どんなって、顔の特徴か?」
ひげ面で恰幅が良い。しかし怠惰で太ったのではなく鍛錬も積み重ねている。魔法も使える戦士であると南の勇者は答えた。
しかしデリタはもっと違う話を聞きたかった。魔光王に仕える者がそうなのはおかしい話だが、
「そのう、それ以外にも、例えば部下思いだとか、家族思いだとか。戦いの時以外はどんな仕事をしているのか、です」
「ああ。そういう話か」
いくつかは知っている、と
「あいつは軍師というようよりかは執政家向きらしいな。宰相の1人として戦争続きのベイオルブの福祉政策を施行しているそうだ。家族もいる」
妻が4人いて子宝にも恵まれている。ダイスダックの子供らはあわせて13人ほどだ。また1人生まれるらしい。
子供たちは全員目をかけて可愛がっており、特に副官に置いている上の2人の息子と娘には将来、ベイオルブ軍の中核を担う様しっかりと教え育てているそうである。
「そうでしたか。なるほど、わかりましたよ」
「で、お前は今、何を考えているんだ?」
「何も考えちゃいません。そうなんだな、と思っていただけです」
「しらを切るつもりか。まあいい。だが、ダイスダックは俺が首をとる。それだけは覚えておけ」
そう言うとバーフレアは去って行った。デリタは手ぬぐいで身体を拭きながら、今聞いた情報を頭の中で繰り返した。
(ほう。他国の人間を残忍に殺して、自分の家族には目をかける、か。俺の前世の様な奴だな。ふん。)
軍師であり宰相。しかも家族思いで部下思い。
となれば、相手の心を揺らがせる策を巡らせることもできた。一か八かの策動だが、善良な人間ならば心が揺らぐはずだ。
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