『
『空賊』もとい、旧カシャ王家の領域は案外広かった。大陸の東側四分の一を保持し、大陸の南側の海域の島嶼にも手を伸ばし、ベイオルブ軍を何度か海戦で破っていた。
その大陸の東側……カシャ家の本来の領地は、山岳と盆地ばかりであった。だが、ベイオルブ軍がなかなか滅ぼせぬほど守りは堅かった。
そしてゲオルグの街。三方が山に囲まれた小さな都市だ。まだ一度も侵攻された事が無いそうだ。陸路だと街の北と西にある細い山道を通らなければならない。
港に着水した『
「あれは飛竜や怪鳥を停めておく場所よ」
「円盤があるのにいまだに乗っているのかい?」
「飛竜や怪鳥は近距離飛行に使うのよ。一般の人々はああした空飛ぶ生き物を飼っているの」
妹が答えると姉はこう教えた。『円盤』や『浮遊船』は軍事が多分に関わるものだから、一般市民は貿易商でもない限り、なかなか手に入れられない。
船旅で身体がなまっていると思ったデリタは、すぐにでも空を飛ぶ生き物を見ようと考えた。街をまわって飛竜たちを見てみたい。姉妹は眉間に皴を寄せた。
「嫌です。早くお風呂に入ってさっぱりしたい」
「姉さんと同じです。街の沐浴場ですっきりして来ます。デリタ様だけ、どうぞご自由に」
二人はデリタの汗とよだれのにおいがすっかり染みついていたからだ。脇はじめっとしていて股の付け根がべたべたとしていた。全身がとても痒かった。
陰毛に至っては彼の精液がこびりつき、縮れた毛同士がくっついて絡まっていた。それほど昨夜は休む間もなく、ひっきりなしだった。
デリタも股間に痒みを覚えていた。陰茎の先から根元の間で顕著だった。後先考えぬ交わり方をしたものだから、姉妹の股の肉でいくらか擦り切れもしたのだろう。けれども甘い痒みだった。
(俺はこの痒さがたまらないのだがな。むずむずとするたびに、お前達二人を出し尽くすまで夢中になったことを思い出すからだ。)
けれども姉妹の意思を尊重することにした。市内の沐浴場の前で姉妹と別れると、デリタは街中をうろうろと歩き出した。
『中つ国』になると建物の形や色が違った。とにかく建材は、がらりと変わっていた。
南の大陸では砂を固めたり石を積んだりするものだけだったが、中央大陸は殆どが木材だ。デリタは『前世』の世界に戻って来たのかと錯覚するぐらいに似ていた。
(しかし『コンクリート』の家屋は無いのだな。オベリアが言っていたが、古代ミロンドの文化は、せいぜい貴族の屋敷か軍事要塞にしか使われぬそうだが。)
街の中心部で開いている市に行き、そこの露店で簡単な肉と野菜を挟んだパンと水で薄めた葡萄酒を買った。一口食べ、デリタはため息をついた。
安く売られていたからかもしれないが、味がどうにも乏しかった。
(舌が濃い塩味に慣れてしまったらしいが、それにしても味気ない。せめて香草で風味をつけた方がいいな。)
素焼きの壺に入っていた葡萄酒は悪くはなかった。だいぶ水を加えられているが、はちみつで甘く味付けされていた。それで舌の物足りなさをごまかして北へ向かった。
建物の数が少なくなり、木々や叢しか見えなくなると坂が急になった。ここ数週間、あまり出歩かず、性交で腰しか動かさなかったせいか足取りは重かった。荒い呼吸をして額と背中が汗で濡れてようやく、空を飛ぶ生き物達の置く広場に出た。
(……におうな。)
デリタが最初に思ったことはそれだった。体長4メートル以上ありそうな、巨大な鳥。大きな翼を生やしたドラゴンに目を輝かせていたが、それ以上にかれらが身体から放つにおいが気になった。屋根や壁は無いのに空気は家畜小屋だった。
とは言え好奇心が勝った。鷲の様な姿かたちの大きな黒い鳥や同じくトカゲの様な身体に緑や青色の羽毛に覆われた翼があるドラゴンに餌や水を与える者がいたので聞いてみた。
「この生き物たちはそもそもどこで生息していたのですか? 誰がどうやって飼いならしたのでしょう?」
「こいつらは中央大陸には殆どいないよ。大体は西の大陸のうまれさ。あるいは北かもな」
西の大陸と北の大陸は、こうした飛ぶ生き物を乗り物にしているという。特に西にはドラゴンに乗る騎兵がいるそうだ。飛空騎士という名らしい。
「でも、カシャの殿様がいる地方には住み着いているらしいね。殿様がこの『中つ国』の王様と呼ばれた頃、繁殖させていたんだろうよ。こいつらもそうさ」
カシャ家の本領は大陸の西の端だ。大陸の王となっていた時代、怪鳥やドラゴン達を違う大陸から輸入していたのだろう。
これらの生き物はどこで買えるか、とデリタは訊いた。世話をしていた男は貧乏人には手が出せない額だと答えた。
「何しろそう簡単に子を産まないからな。戦いになると怯えちまう様な生き物だし。だから『空賊』は空飛ぶ機械に切り替えたんだよ」
「そうですか。ありがとうございます」
それからは1時間程大人しく繋がれている生き物たちを観察すると、デリタは坂道を下って行った。その途中でバマとフラの姉妹に出くわした。
「君たちも見に来たのか?」
姉妹は違うと答えた。今日泊まる宿を見つけたから伝えに来たのだ。
「そうか。ありがとう。じゃあ行こう」
デリタが歩き始めると姉妹は彼に抱き着いてきた。その身体からは、湯上りの清らかなにおいが漂っていた。デリタは不意に勃起をしてしまった。欲情した。
「君たち、いいにおいがするね」
「でもデリタ様はくさいわ。わたし達の汚いにおいがぷんぷんする」
「宿のお風呂で清めましょうよ?」
姉妹が彼の首筋ににおいを嗅いでおどけ出すと、デリタは彼女たちを懲らしめようと思った。
「あっちに寄るよ?」
道を横にすれて叢まで行くと、下に履いているものをおろした。
「舐めてくれ」
むわっとして臭い陰茎は硬直していた。バマとフラは嫌な顔をして、
「臭いのは嫌よ」
「デリタ様。きれいにしてからの方がいいわ。宿に行きましょう?」
しかしデリタは腕組みして、下半身を露出したまま動かなかったし返事もしなかった。
「案外と強引な性格なのね……」
バマが膝を屈した。彼女は自分達の愛液と彼の精液が混ざってできた、臭い垢のにおいを嗅いでため息をついた。
「とっても生臭い……」
「だったら、味はどうだい?」
バマは唇をデリタの亀頭の右側に添えた。それから舌先で舐める。何とも言えない味だ。臭くてまずいことだけは確かだ。
「フラ。君も姉さんを手伝わないのか?」
デリタの声は若干、気安くて高圧的な響きがあった。
「……わかった」
フラも姉と同じように膝をつき、デリタの反りあがったものを舐めだした。
姉妹はこれまで見せたことが無い、険悪な表情を浮かべていた。むせかえる様な雄臭と、自分達の膣の中のにおいで吐き気を覚えていた。
「くさい、くさいわ……」
「鼻がひんまがりそう。デリタ様、少しだけ舐めるだけで許して?」
「ダメだ。僕を果てさせるまでは続けてくれ」
2人の舌と唇が亀頭を、肉の幹を這い続ける。その表面に浮かぶ太い血管もくすぐられてデリタは興奮を覚えた。1つの口でしゃぶられ、愛でられるよりも趣が良かった。
姉妹もまた興奮し始めていた。汚いものをしゃぶらされていることが、色の欲を掻き立てたのだ。
大きく口を開いて太い舌を出し、デリタの陰茎の表面に浮くぬめった垢をこそいでいった。舌の腹を使い、陰茎の細かな起伏や段差を撫で、互いで口づけし合う形でデリタの先端を愛でた。
「もう……そろそろだ……舌を出してつけろ」
デリタは姉妹の頭を掴んだ。言われるがままバマとフラは互いの舌をつけ合わせると、彼はその隙間に大きく膨れ上がった矢の先を挟ませ、腰を振った。
デリタが低く呻いた。姉妹の口でしごかれた陰茎から勢いよく胤の汁が吹き出た。あまりにも長く、それでいて勢い良く飛んだのを見届けたバマとフラは、精を放ち終えた後の彼の亀頭にむしゃぶりついて味わいだした。
「どうだい? 君たちが昨晩、股の中にいっぱい収めたものの味は?」
デリタがささやくとバマとフラは陶然とした笑みを彼に向けた。
「すごく、くさくてまずいわ……」
「でもたまらないにおいがする。宿に戻ったらわたしたちの下の口にたっぷりと飲ませて?」
清めが終わった後、デリタは姉妹と宿に入った。備え付けの風呂で彼女たちと身体を清めながら、盛んに蠢いて激しくねだる股の口に、己の子種を尽き果てるまで注ぎ続けた。
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