※この作品はR-18です。

輪廻   作:洗濯屋チャコちゃん

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 半年後、エムラは輿に乗ってデュライの家を出て行った。代わりにデリタがデュライの家に入った。義理の息子となった。しかし当主にとって義理の息子が2人に増えたとも言えた。その1年前に長女のパドナがデュライの有力な庶流の嫡男に嫁入りしたのだ。デリタも一目置く、アラズルムという名の若者だった。

 

 デリタの12歳年上の義理の兄は、腹を大きくしたパドナと共に婚礼の席に参加した。デリタは彼と何度か顔を合わせたことがあった。その都度、デリタは前世のことを尋ねられた。デリタが廻命者であるのと、あちらの世界の優れた魔法文明が、アラズルムの知的好奇心をかき立たせたからだ。

 

 この青年は術法にも長けていただけでなかった。新たな術法を研究をよくしていた。本質的に学究の色が強かったのだ。

 

 興味はあちらの『魔法』とそれを用いた魔道具だけでなく、世界の成り立ちについても問われた・

 

「なるほど! つまり精霊族とよばれる人種が、その世界のもともとの住人だったというわけだね!」

「どうもそうらしいです。私の前世の家も、そもそもが耳長の人種……風の精霊の子孫たちだったようですし。純粋なヒト、と呼ばれる人種は、サルから進化したと言い伝えられておりますが、本当かどうかはっきりしていません。違う世界から渡って来たとも言われております」

「『世界渡りの術』を用いたのかもな! でも我々のこの世界ではそうではないな。サルから進化したのがはっきりとわかっているよ。何故なら霊長属はほんの少しだが、術法の因子を秘めている。お猿さんの術法使いの伝説の類なら、各大陸でそこかしこにあるよ」

 

 アラズルムもまた、その博識でデリタを夢中にさせた。この男の話は、この生での世界がどのように成り立っているのかを色々と教えてくれるからだ。アラズルムはたくさんの書物をデリタに譲ってくれた。

 

 術法と武芸の鍛錬だけでなく、それまで知らなかった文字を妻のリアザや家中の学識豊かな者から教わりながら、それらの本を読むのを日課に加えた。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

「デリタ。そろそろこっちに来て?」

 

 薄闇のほうからリアザの声を聞いた。デリタは机に広げた本を読んでいた。彼のところだけは灯火に照らされて明るかった。ただ、このあたりで使われる種油の灯りではなく、彼が会得した術法による光だった。

 

「もう少しだけ、このページだけ読んでからでよろしいでしょうか?」

「灯りをつけてからもう3時間よ。そろそろ寝たほうがいいわ」

「いえ、読みたいところまで終わらせます」

 

 デリタが文字に目を向けると、リアザがまじないを唱えた。机の光が消えた。仕方なく彼は寝床に入った。

 

「来て」

 

 リアザが掛け布を広げた。彼女は何一つ身につけていない。ぼんやりとだが乳房の輪郭が見えた。リアザのそれは大きかった。

 

 性交の誘いだ。結婚してから毎晩ある。夜の行為はかれこれ、4ヶ月も続いていた。

 

 彼女のにおいがあたりに広がっていた。甘いがすっきりとした体臭だが、少しだけ腋臭持ちだった。デリタも服を脱いで裸になり、リアザと肌を密着させた。

 

「お父様は早く、私の赤ちゃんの顔を見たがっているわ」

 

 リアザの歳なら当たり前。良家の娘は必ず15か16ぐらいで夫を持ち、母となる。

 

「赤ちゃんなんて……でもまだ僕は、10歳ですよ?」

「けれどデリタは、初夜の相手をしっかり努めたじゃない?」

「……旦那様に話されたのですか?」

 

 リアザは下唇を少しかみながらうなずいた。10歳になり、彼は女の股に入れられるまで高めることができた。婚礼の夜、リアザの処女を破いた。射精にこそ至らなかったが、彼女の上で動き、女の悦びを覚えさせた。

 

 彼はリアザに頼み、暫くの間抱きしめてもらった。彼女の体のにおいで欲情をかきたたせた。段々と高ぶってくると、彼女の肌に触れた。

 

 リアザの指先がそれを包んだ。貼り付きかかっているものがはがれる感覚をその先で覚えた後、ほんの少しだが開放感を覚え、彼は生暖かい茂みに手を伸ばした。湿っていてねっとりとしていた。

 

 指でしっかりとなぞり、探りこむ。リアザは腿と尻をくねらせ、全身が汗ばみだした。

 

「リアザお嬢様」

「お嬢様は余計。あなたは私の旦那さまだもの」

「じゃあ、リアザ……」

 

 デリタは彼女に脚を開かせた。しかしすぐには挿れない。灯りをつけていいか、と聞いて笑われた。

 

 術法による小さな光で照らされた茂みの奥は、うごめきながら露を垂らし、最も濃いにおいを放ちながら待ち望んでいた。デリタは生え放題の雑草を指でかきわけ、最も柔らかい奥地を広げると顔を付け、舌を這わせた。

 

 彼の舌づかいにリアザは我を失った。この廻生者は前世での経験をもとに、彼女に蕩かせた。舌での愛撫は20分近く続いた。リアザは3度も果て、汗だくになっていた。まとわりつく様な余韻が巡っていた。

 

「デリタ……少し、お水を飲んでもいい?」

 

 彼女が水差しに口をつければ自分も飲んだ。汗だくになった彼は汗まみれの妻の上に乗った。高ぶったままの硬いそれはすんなりと入り込んだ。

 

 あとは動くだけだ。体格はまだ、リアザのほうが大きかった。デリタは気兼ねせず自由に動くことができた。新婚初夜では彼女は痛がったが、今は違う。

 

「もっと、もっと強くしてちょうだい……」

 

 激しくしてくれと彼女から言い出すようになっていた。ほぼ毎日求めるぐらいにのめりこんでいた。デリタの腰遣いは普通の少年のそれとは全く違う。

 

 貪りつつも相手を喜ばせるようにリズムを保ち、なおかつ相手の高ぶりにあわせて緩急をつけている。多くの女と愉しんで来た前世の経験により、身につけたものだった。閨房での楽しみ方も重視していた前世の彼は、多くの女達を失望させたりしなかった。

 

 デリタは動き続けた。少年の身体はあまりにも敏感で、乾いた絶頂が何度も訪れたがリアザが果てくたびれるまでやめなかった。彼女はその様な終わり方をいつも望んだからだ。

 

 射精の無い性交を終え、デリタはリアザの上に倒れ込んだ。2時間にも及んだその行為で身体が重かった。汗だくになったまま、彼女の胸に顔を埋めて眠った。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 その夜、前世の思い出を夢に見た。拉致したあの娘の夢だ。

 

 蒼にも見える艷やかな黒髪の美少女で丸顔の愛くるしい顔立ちだったが、背丈はあり、少女の華奢な骨格ではあったがむっちりとした肉がついているように見えた。それと、見栄えするほどの大きな乳房があった。嫌でも目立つぐらいの大きさだった。

 

 その娘だが、元は彼の一族の主君に連なる末裔であった。しかし数百年零落して農民の養い子となっていた。とはいえ異才の持ち主で、それでもって世にのし上がり、名を広めつつあった。

 

 それに一抹の危惧を覚えた前世の彼は、この娘が世に出ないようにと考えてさらった。だが、あまりにも魅力的だった。殺さず手元に置くのを選んだ。

 

「ふふ。たまりませんなあ。これでまだ11歳だというではありませんか?」

 

 隣に並ぶ医者がほくそ笑んだ。魔道に通じた闇医者だ。2人で寝台の上で深い眠りにつく娘を眺めていた。

 

 娘の両腕と両脚にの関節の上あたりに、赤い点線が描かれていた。幽閉を確実なものとする手術のためだ。切り落として逃げなくさせるのだ。

 

「脚を広げて見てみませんとな……ほう。すでに処女ではない『ずべた』と言われている割には、形が保たれておりますな。まだ男の凶暴なものを知らぬ、子どものそれと同じではございませんか?」

「ふふふ、そうだな。まったくだ。嗅いでみろ」

「すんすん……ほほう、嫌な匂いが一つもいたしません。むしろ桃のような甘いにおいがしますな! しかし……若干ですがカルキのにおいが漂っておりまする。少し奥まで調べてみましょう」

 

 医者は太い指で娘の奥に指を入れ、まさぐって何かをこそぎとった。黄色がかった粘液で、それに鼻を近づけると「精液だ!」と叫んだ。

 

「やっぱり『ずべた』でしたな! いやはや、男を知らなさそうな顔をしてとんでもない尻軽だったとは! ええい、この乳が悪さをしたんだな!」

 

 闇医者は娘の乳房を勢い良く引っ叩いた。白い肌に赤い跡が残った。

 

 彼は医者のおどけに含み笑いをし、周りを見た。この部屋にいた、体つきは屈強そうだが人相がよろしくない部下たちが、神妙な顔つきでこちらを見ていた。

 

 娘の中に入っていた精液は、医者以外の彼を含むこの場にいる全員のうち誰か1人のものだろう。彼も男たちも、この娘の中の具合を知っていた。『吸精魔』のあだ名にふさわしい、その中から一生居たくなるような名器だった。

 

「さて、座興もここまでだ。手術を始める。お前らが線に沿って切れ。右足からだ。きれいにやれよ。後は俺が治癒術式で傷を治す。そっちは心配するな。俺直々にやるのだからな」

「……その前に、この娘の腹の中の子をどうにかしませんとな?」

「ふふ。そうだったな」

 

 彼は娘の下腹に目を向けた。大きく膨らんでいる。妊娠していたからだ。不要な赤ん坊だった。

 

「手足を切る前に、まずは腹の子を殺して取り出す。闇医者、うまくやれ。輸血はちゃんとしろ」

「はい。ふひひひ……」

 

 娘の腹が切り裂かれた。これから世に出ようと夢を見ているままの胎児が現れると、医者は注射器を手に取った。針が中の胎児に刺さった。毒薬が押し出された。

 

 殺害された赤ん坊が取り出された。闇医者が赤ん坊の死体をゴミ箱に捨てると、腹が開きになったままでいる、娘の顔を覗き込んだ。

 

「ふはは。残念だったな。愛しい男の赤ん坊は……」

 

 その先が言えなかった。娘の顔がいつの間にか変わっていたからだ。

 

「エムラお嬢様……?」

 

 デリタは目覚めた。目を開けると自分を抱きしめながら眠りにつく、リアザの姿があった。窓を見るとうっすらと光が差し込み、明け方になりつつあった。

 

(何を見てしまったんだ、俺は……。)

 

 なぜエムラの顔に。自分自身があの娘のことが心配でならないと思っているのは確かだが、よりにもよってあの夢の中の女の顔と変わったのか。

 

 気色が悪い。そう思っていた彼は股間の異変に気がついた。リアザの乾いた体液のにおいが染み付いたそれが、猛々しくなり、その奥から先まで甘い痺れを感じていたからだ。この感覚の記憶があった。

 

 彼女の開きかかっていた脚をのけ、そのまま押し込んだ。リアザの中で放たれた。この身体では初めての行いだが、前世のことを思い出せば久しぶりの激しい快感だった。しかも幼い身体の感激は数倍も強かった。

 

(たまらない……これは中毒になる……控えなければ……。)

 

 でも止まらなかった。彼は眠りにつくリアザを相手に何度も放った。前世の人生で幽閉したあの娘のように、眠りにつく相手に欲情を吐き出した。その日の晩からリアザはさらに、子を早く産みたいとデリタに急かしだした。

 

 とは言え大人の雄になるには時間がかかった。リアザがデリタの子を身ごもったのは、婚礼の日からちょうど1年後だった。

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