※この作品はR-18です。

狩りの終焉 一部   作:伊駒辰葉

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ある意味、エロシーンです。
あ! 百合警報です!(一応)


シリアスのはずなのに緊縛な気がする。 2

「何で君にそんなことを言われなきゃならないの」

 

 横を向いた紫が疲れたように言う。声には張りはなく、言葉に力が乗ることもない。

 

「奈月さんにまで嫉妬したんですか? いや、奈月さんへの嫉妬が一番激しいのか」

 

 引き寄せられた力を一時的に器に取り込みながら優一郎は呟くように言った。すると途端に紫が顔を戻してぎらりと優一郎を睨みつける。

 

「水輝はわたしと結婚したんでしょ!? 何でわたしじゃない人が一番傍にいるの! どうして水輝はあんな風に……わたしは彼じゃない!」

 

 かたく目を閉じて叫んだ紫を優一郎は目を上げて見た。静かな眼差しで紫を見つめる。

 

「権利を主張したいなら、まず、義務を果たしてくださいね」

 

 立城は紫の記憶から自分のものだけを少しずつ、だが確実に消している。その中には恐らく奈月のことも含まれていたのだろう。奈月を水輝に与えたのは立城なのだ。だが紫はどうやらそのことについても知らない状態になっているらしい。きっと立城は急に記憶を消して紫を混乱させないよう、ゆっくりと作動するように仕掛けを残していったのだ。

 

 悔しそうに泣きながら紫が横を向く。優一郎は水輝の力をほぼ吸い出したことを確認してから膣から一旦手を抜いた。血だらけの手で改めて膣口を開く。

 

 紫の膣内に違和感があるのだ。正確に言えば膣の奥、子宮に続く部分が人やヒューマノイドと少し違う。優一郎は改めて紫の膣内に手を突っ込んだ。今度は水輝の力を吸うのではなく、指先から探索のための力の糸を伸ばす。膣内を思念の糸で探っていた優一郎はぴくりと眉を上げた。糸の先端が子宮口のあるべき場所に触れている。その部分にまるで石のような何かが被せられているのだ。

 

 びくんと身体をひくつかせた紫が悲鳴を上げて身を捩ろうとする。

 

「触らないで!」

 

 泣きながら言う紫を優一郎は冷ややかに見た。

 

「どうしてですか?」

 

 訊ねた優一郎を紫が睨む。優一郎は感情のない目で紫を見つめていた。意識の糸は子宮口に被っている石状のものに触れたままだ。

 

「水輝の力はもう取ったんでしょ!? じゃあ、もういいじゃない!」

 

 早口でまくし立てて紫が無理に身体を動かそうとする。だがどれだけ動いたところで無駄だ。優一郎は口許に薄い嗤いを浮かべて意識の糸で石状のものを撫でた。その瞬間、紫が嫌がって悲鳴を上げる。

 

「水輝さんの力の回収は、ついでですよ。神崎紫、さん」

 

 そう言って優一郎は意識の糸を太くした。更に糸の数を増やして石状のものに這わせる。この程度のサイズなら問題なく破壊出来る。

 

「あなたには必要の無い、あなたのような相手に預けて置くわけにはいかないものを回収しなければなりません」

 

 そう宣言して優一郎は意識を懲らした。その瞬間に紫の子宮口に被せられていた石状のものが粉砕される。硝子の砕けるような音が紫の下腹部内でしたかと思うと、続いて優一郎の手にどっと生温かいものがかかった。

 

「いや! やだ、お願い、行かないで!」

 

 真っ青になった紫が涙声で叫ぶ。優一郎は静かに紫の膣から手を抜いた。わざわざ中を探る必要もなかったようだ。大量の血液と共に目的のものは自然と紫の膣口から零れ落ちた。優一郎は床に転がり出た指先ほどの大きさの美しい紫色の珠をつまみあげた。

 

「これは、僕が預かります」

「返して!」

 

 静かに告げた優一郎に紫が必死の面持ちで叫ぶ。だがそれを無視して優一郎は血に汚れた珠の表面を指先でそっと撫でた。紫の胎に仕込まれたこの珠は、紫の中では成長できないことに気付いていたのかも知れない。故意にかそれとも無意識にかは判らないが、紫が子宮口に蓋などしていなければもっと早くに出てきていたかも知れないのだ。

 

「わざわざ隠して、どうするつもりだったんですか?」

 

 静かに言いながら優一郎は立ち上がった。そっと片手の中に珠を大事に握って自分のスカートの中に手を突っ込む。ショーツを手早く脱いでから優一郎は血に濡れた手をそっと開いた。

 

「隠してた訳じゃない! それがないと水輝がいなくなってしまうから!」

 

 だからお願い。返して。叫ぶ紫を優一郎は冷ややかな眼差しで見た。

 

「本当に、何も、わかってらっしゃらないし、自分のことしか見えてらっしゃらないのですね」

 

 そう言った優一郎の目は自然と憐れみを帯びた。立城の記憶が徐々に紫の中で消えているのは理解出来る。だが本来の紫はとてもこれを胎で育てることは出来ないだろう。一縷の望みをかけて水輝は紫に託そうとした。が、結局のところ、紫はその資格を自分から放棄してしまったのだ。

 

「いいから返して! それはわたしのなんだから!」

 

 泣き叫ぶ紫が憐れに思え、優一郎はそっと目を逸らした。手の中の珠に目を落としてため息を吐く。どうしてこれが紫の胎にあるのだろう。そう考えながら優一郎は自分の下腹部に手をあてがった。

 

 初めて抱かれたあの日、水輝は優一郎の胎に珠を仕込んだ。男性体の時には感じることは出来ないが、今ならはっきりと自分の胎の中にそれがあることが判る。そして水輝に抱かれるたびにその珠は少しずつではあるが成長しているのだ。




優一郎って地の文に書いてあるので、百合感がイマイチですね。
この辺りは地の文をものすごく迷った気がします。
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