あ、機械なのでエロじゃないという方もいらっしゃるかもですね!
このエピソードで七章は終わりです。
「おれ、機械は駄目なんだ」
そう言って水輝が深々とため息を吐く。祐は眉を寄せて水輝とベッドとを見比べた。ベッドはコピー機並みの手軽な操作が行えるようになっている。特に難しいことはないのだ。
「点検開始ってボタンを押してくれれば、後は全自動だから。それにこれがあるなら、今後、あたしの意識が無くなってる時とかでも優一郎とかに頼る必要はないわ」
「い、いや、あの」
いかに簡単かを説明した祐に水輝がしどろもどろの声を返す。さすがに訝って祐はしかめっ面になった。疑いの眼差しを向けていることに気付いたのだろう。水輝がうう、と低く呻いてから言う。
「昔、立城にさんざっぱら言われたんだ。どうもおれは壊れる筈のないものを壊すのが得意らしい。しかも機械に限り」
淡々とそう説明して水輝がうなだれる。それに続いた説明を聞いた祐はさすがに言葉をなくした。どうやら水輝はこれまでに奈月をちょくちょく壊していたらしい。抱き壊すのなら話は判る。だがどうもそうではないらしいのだ。
「じゃあ、渚さん起こしてきて。あの人はこのシステムのことは詳しいはずだから」
クリトリスをなくす、小陰唇を破く、カートリッジを壊す、エネルギー注入口を破損する。奈月をこれまでいかに壊してきたかという水輝の説明にため息をつき、祐はそう言った。どうやら水輝は最近になって漸く携帯電話を壊さずに使う方法を覚えたばかりらしい。祐に逆らう気はなかったのだろう。水輝が判った、と部屋を出て行く。
「あたしって結構意地悪かも」
水輝が部屋を出て行ってから祐は何となくそう呟いた。このベッドを渚が見たらきっと嫌な思いをするだろう。そのことが判っていて祐はわざと水輝を促したのだ。
ほどなく水輝が寝ぼけ眼の渚を連れて戻ってくる。その時にはもう、祐は服を脱いでベッドに横たわっていた。部屋に入ってきた渚がそんな祐とベッドを見て明らかに引きつる。
「なっ」
「どうした?」
声を上げた渚に水輝が不思議そうに声をかける。渚は口を意味もなく開け閉めしながら水輝と祐を交互に見た。
「水輝さんにお願いしようと思ったんだけど、壊すから駄目だって言うから」
しおらしく言ってから祐は渚をじっと見つめた。慌ただしく視線を動かした渚を見ていた水輝が漸く事に気付いたのか、間延びした声を上げる。
「あー……」
「あー、じゃないわよ!」
渚はどこに怒りをぶつけていいのか判らなかったのだろう。手近な水輝の背中をいきなり叩く。
「いてえな! 何しやがる!」
「水輝が覚えればいいじゃない! 彼女だってその方がいいでしょ!?」
裏返った声で叫び返して渚がそっぽを向く。すると水輝が目を吊り上げて渚に怒鳴り返した。
「おれは機械は止めとけって言われてるんだよ! ちょっと動かすくらいしてくれてもいいだろが!」
「それが甘えてるって言うんでしょ!? そもそも何よ、その格好は! 下着くらい穿きなさいよ、みっともないわね!」
祐はしばし二人が喚き合うのを黙って聞いた。言い合いをしているうちにどんどん二人の話題がずれていく。やがて二人は子供の頃のことを罵りあい始めた。
「凄く仲良いんですね」
微笑ましく見守りながら祐はそう言った。すると二人がぴたりと口を閉じて互いにそっぽを向く。
「ええと!? なに、要するにベッドを動かせばいいのね!?」
苛々とした声で言って渚がベッドに寄る。そうかと思えば水輝がその背後で恨めしそうな口調で言った。
「引き受けるなら最初から文句言うなよな。この強情女」
ベッドの間近で足を止めた渚が頬を引きつらせる。素早く振り返った渚が手近にあったものをつかんで投げる。渚が投げたのはダンボールに入っていた機械仕掛けの女性器の一部だった。金属の枠に人工筋肉の巻かれたそれがものの見事に水輝の頭にヒットする。
「何すんだ、この暴力女!」
「ああら、私が暴力女ならあなたは何なの? そうね、強いて言えば性欲大魔人ってところかしらね!?」
早口でそう言って渚が口許に手をあてがって高らかに笑う。なにい、と低い声で言った水輝が渚の傍に大股で近付く。
「お前にそんなこと言われる筋合いねえだろうが! やらせてくれねえのに!」
「誰があなたなんかに!」
水輝と激しい言い合いをしながら渚が片手でコンソールの蓋をあける。それまで二人の様子を静観していた祐はぎょっとなって慌てて渚を止めようとした。だが渚は余所を向いたまま、スイッチを入れてしまう。
「大体ね! ノーマルだって主張していた癖に、その有様はなんなの!?」
「おっ、お前に言われたかねえ!」
「失礼ね! 私は断然ノーマルよ!」
どっちもどっちの言い合いをしつつ渚がコンソールをぶっ叩く。ベッドに乗った祐の身体をスキャンしていたシステムが、唐突にストレス最低レベル維持のための動きに切り替わる。
「渚さん、さっきのスイッチ違っ、ああんっ!」
ベッドの下から伸びてきたアームが祐の両腿の間に滑り込む。かと思うと別のアームが祐の腿を開いて固定してしまう。股間に伸びたアームの先端に取り付けられたスティックを膣内に挿入された祐は悲鳴を上げた。そこで初めて二人が顔を見合わせる。
「あ。大丈夫か? 祐」
「え、ええと、ちょっと待ってね……確かこれが……あれ?」
水輝の気遣いの言葉に続いて渚が頼りない声で言う。だが祐はそんな二人の様子に構っていられなかった。
「んふっ! あっ! 水輝さんっ! 痛いっ! でもいいっ! いいのぉ!」
「あああ、どうしよう! 止め方が判らないわ!」
喘ぐ祐の傍ではらはらとした素振りをしながら渚が言う。祐は激しい快楽に喘ぎながら一気に絶頂に達した。
似たもの姉弟。