雰囲気的にはBL、でもってTS警報です!
すぐに優一郎は部屋に戻ってきた。今度は手に何かを持っている。再びベッドに腰掛けた優一郎を水輝はぼんやりとした目で見つめた。優一郎が薄い端末を操作してから画面を水輝に向ける。
「この人物が誰かわかりますか?」
顔に近づけられた画面を水輝はじっと見つめた。映し出されているのは一人の少女の写真だ。愛らしいその少女をしばし見つめてから水輝は判らない、と首を横に振った。可愛いとは思うが覚えがない。
「この方が奈月さんです」
冷静な表情で言われて水輝は目を見張った。
「……女だったのか」
ストレートに思ったままを言って水輝は優一郎に目を移した。優一郎が失礼、と呟いて再び端末を膝に乗せる。次に別の写真を見せられた水輝は首を傾げた。今度は見覚えのない男の写真だ。
「誰だ?」
皮肉そうな笑みを浮かべた男の写真を見つめて水輝は呟くように訊ねた。
「なるほど、わからないんですね」
そう言って優一郎がにっこりと笑う。水輝は眉を寄せてまじまじと写真を見た。造作は整っているとは思うが特に覚えはない。感じたままを言って水輝はため息を吐いた。懸命に記憶を手繰ろうとし続けているからなのか、再び頭痛がし始める。額に手を当てて水輝は軽く呻いた。
「だいじょうぶですか?」
腰を上げて端末をベッドの端に乗せた優一郎が気遣うように水輝の顔を覗き込む。ああ、と答えようとして水輝は目を見張った。唐突に激しい衝撃に襲われて呼吸がままならなくなる。水輝は息を詰めて痛みに顔を歪めた。かたく閉じた瞼の裏に眩い火花が幾つも閃く。
優一郎は水輝の胸に手を突き入れていた。だがそのことを水輝自身は知覚出来なかった。身体の奥底で何かが暴れている感覚しかない。
不意に全ての感覚が遠くなる。痛みから解放された水輝は深く息を吐いた。途端に衝動に襲われて激しく咳き込む。身を丸めて咳き込んだ水輝の背を何かがゆっくりと撫でる。それが優一郎の手だということに気付いた水輝はのろのろと目をあけた。
「これでちょっとは楽になったかい? 水輝」
穏やかな笑みを浮かべて優一郎が水輝の顔を覗き込む。ぼんやりとした目で優一郎を見つめてから水輝は胸に手をあてがった。さっきまで平らだった胸に膨らみがある。そのことに気付いた水輝は目を見張って慌てて布団を跳ね除けた。
「な、何で」
仰天した顔で水輝は慌てて飛び起きようとした。だが身体に力が入らない。呻いてベッドに逆戻りした水輝の頭を優一郎が優しく撫でる。水輝の髪は長く、背中まで伸びていた。それに声も高くなっている。水輝は自分に起こった変化の意味が理解出来なかった。何故、さっきまで男だった筈なのに急に女になってしまったのだろう。
「どうしたの?」
首を傾げて優一郎が微笑みを浮かべて問い掛ける。水輝は無残に破れたシャツに包まれた自分の胸元を見下ろした。破れた服の隙間から胸の膨らみが覗いている。
「何で、急に……おれ、一体……」
自分のことが理解出来ず、水輝は掠れた声でそう優一郎に訊ねた。普通、こんな風には性別が変わったりしないのではないだろうか。
「君は、もともと女性だった、だろう? 水輝」
微笑みを浮かべたまま、優一郎が優しい声音で言う。水輝はぼんやりとした眼差しで優一郎を見上げた。何故だろう。優一郎の言葉を聞いていると不思議と落ち着いてくる。
「おれ、女だったのか? もしかしてお前がおれを助けてくれたのか?」
服だけ見ても何事かが自分の身にあったのは明らかだ。水輝はぼろぼろの自分の格好をちらりと見てから再び優一郎に視線を戻した。
「本当に何も覚えていないんだ。僕と君は何度も交わった仲でしょ?」
そう言って優一郎が首を傾げる。それを聞いた水輝は目を見張った。交わる、と呟いてみる。
「もしかしておれはお前の女だったのか?」
それ以外のことを思いつけずに水輝はそう問い掛けた。すると曖昧な笑みを優一郎が浮かべる。肯定の意味だろうか。水輝は口許に手を当ててじっと考え込んだ。だがもしそうなら覚えがないというのは優一郎には酷いショックなのではないだろうか。つらつらと考える水輝の頭を優一郎が撫でる。
「身体は、覚えているんじゃない?」
ふと優一郎が身体を寄せて水輝の耳元に囁く。呼気の感触に水輝は思わず身震いした。優一郎が唇を寄せている耳がやけに熱い。不思議な感覚に囚われて水輝は微かな声を漏らして身じろぎした。
「ほら、確認してみて」
耳元に囁きながら優一郎が水輝の手を取って股間に導く。水輝はされるがままに自分の股間に手をあてがった途端、びくんと身体を震わせた。優一郎が片手で器用に水輝のジーンズを緩めていく。水輝はぼんやりと優一郎の手元を見つめていた。剥き出しにされた股間にそっと触れてみる。薄い翳りの奥、腿の間はやけに湿っている。閉じた秘裂の間に指を這わせて水輝は呟いた。
「……濡れてる」
手を目の高さに上げて指先についた透明なものを水輝は見つめた。
「僕にどうしてほしいか。言ってみて」
くすりと耳元に笑ってから優一郎が真っ直ぐに水輝を見つめる。水輝は何度か瞬きをした。間近に感じているからなのだろうか。身体が妙に熱っぽい。潤んだ目で優一郎を見つめて水輝は呟くように言った。
「犯して欲しい」
淫裂に優一郎のペニスを咥えこむことを想像すると、股間が熱くなる。水輝は真っ直ぐに優一郎を見つめて正直に答えた。
「了解。いくよ、水輝」
そう言って優一郎がベッドに乗る。身を屈めた優一郎の口づけを水輝は目を閉じて受けた。口の中を探られると頭の芯がとろけそうな感覚がこみ上げてくる。しばらく口づけを交わしてから優一郎は顔を上げた。
見知らぬ相手とアレな感じの水輝ですw