TS警報! です!
熱い精液を膣内に幾度も浴びて水輝は満足の笑みを浮かべた。卵から孵った虫の影響で優一郎は獣のように水輝を犯し続けている。精管に産み付けられた卵は即座に孵り、生まれた幼虫が優一郎の精巣を直に刺激しているのだ。荒い息を吐きながら水輝に突き入れている優一郎には意識はないのだ。優一郎の意識は今は夢の中だ。
夢を食い続けていれば虫はじきに消滅する。水輝は熱を帯びた身体を自分の腕で抱きしめて息を吐いた。夢の中と外とで同時に交わりあっているために満たされる感が強すぎるのだ。ベッドに横たわった水輝に圧し掛かっていた優一郎が掠れた声を上げて腰をひくつかせる。それと同時に優一郎の中に残っていた虫が跡形もなく消える。水輝は膣内に飛び込んできた熱に身体を震わせて欲求のままに絶頂に達した。
音を立ててペニスが抜ける。がっくりと脱力した優一郎を水輝は静かに自分の横に下ろした。糸が切れたように眠りについた優一郎の身体にそっと毛布をかける。大きく伸びをした水輝は力ない声を漏らして思わず笑った。どうやら女性の姿をとっているのは無理らしい。やれやれとため息を吐いた水輝の身体が男性のものへと静かに変質していく。それと同時に背中に生えていた透明な羽根も消えてしまった。
「隣で寝ても大丈夫かな」
優一郎が聞いていないことを判っていながら水輝は何となくそう呟いた。どっちにしろ眠ったところですぐに目は覚めてしまうだろう。優一郎も恐らくそれほど長い間は眠っていない筈だ。虫を仕込んで初めて判ったが、優一郎はかなりの力を持った存在だ。しかも人間ではないと自分のことを言っていた。だからこそ、虫を二匹も受け入れることが可能だったのだ。
まあ、おれは満足したからいいけど。心の中で呟いて水輝は優一郎の隣に横になった。ベッドはかなり広く、二人が並んで寝転がっていても互いが邪魔になることはない。横たわって瞼を下ろして間もなく水輝は寝息を立て始めた。
水輝が気付いたのは眠ってからほんの一時間が過ぎた時だった。裸で転がっていた筈の水輝の身体にはいつの間にか毛布がかけられている。水輝は欠伸をしながら瞼を擦った。ふと、隣に目をやる。だが横たわっていた筈の優一郎はいなくなっていた。水輝はぼんやりと優一郎が眠っていた筈の場所を見つめてからまた目を閉じた。毛布を口許まで引き上げる。そうしてから水輝は慌てて振り返った。いつの間にか優一郎が白衣に身を包んでベッドの傍に立っていたのだ。
気配を感じて振り返った水輝に優一郎がにっこりと笑みかける。何となくばつの悪いものを感じて水輝は毛布に潜った。何故、まだ自分はここにいるのだろう。怪我はないのだし、身体も動くのだから出て行けばいいのに。そう自分に問い掛けてから水輝は恐る恐る毛布から顔を出した。
人は玩具なのだと誰かが言っていた。さあ、好きに遊べと言われた。楽しそうな夢を見つけては食うのが面白かった。中には水輝の紡いだ夢に取り憑かれて狂った者もあったが、そんなことは水輝にとって大したことではなかった。
だがどんな夢を紡いだ後も水輝は夢を見せた相手と二度と会わなかった。会うのは夢を見せる時だけ。ぼんやりとそんなことを思い出しながら水輝は頭を振った。何で急にそんなことを思い出したのだろう。
「水輝さん、これからちょっとご一緒してもらえませんか?」
白衣のポケットに手を突っ込んで優一郎がそう告げる。水輝はその声に我に返って優一郎を見上げた。優一郎は穏やかな笑みを浮かべている。特に気分を害している様子もない。そのことに内心ほっとしながら水輝はのろのろと身を起こした。
「……怪我も治ったみたいだし、別にもう」
頭をかきながら言って水輝は視線を彷徨わせた。出て行くという一言が何故か口に出来ない。言葉に詰まってしまった水輝に優一郎が笑みかける。
「どこに出て行くんですか?」
水輝の迷いを見抜いたように優一郎がくすりと笑う。水輝はぎくりと首を竦めて優一郎を見た。優一郎は相変わらず穏やかな笑みを浮かべたままだ。水輝はため息を吐いて降参の意をこめて片手を上げた。どっちにしろ世話になったのだ。優一郎の頼みを聞くくらいすべきだろう。
差し出された服を手早く着込んで水輝はベッドを降りた。そこで眉を寄せて自分の格好を見下ろす。どうも借りたのが優一郎の服だからなのか、サイズが少し小さい。手足が多少、余り気味になっている。水輝は仕方なくシャツの袖を捲り上げた。ジーンズの方はどうしようもない。
「で? どこに行くんだ?」
水輝は顔を上げたところで優一郎が腕組みをして難しい表情をしていることに気がついた。眉を寄せて考えるような顔をしながら優一郎が水輝の頭からつま先までを眺める。
「別の服を借りてきますね」
そう言うなり、優一郎が手を宙に差し伸べる。その手にどこからともなく服が一式現れる。水輝は優一郎が改めて差し出したその服を受け取って大人しく着替えた。今度は丈がぴったりと合う。が、先ほどのものより少しデザインが派手だ。明るい赤を基調にしたシャツと黒のジーンズを身につけたところで水輝は優一郎にどうだ、と訊ねた。すると今度は満足したのか優一郎が頷く。
「水輝さん。記憶に残っている人物は、いらっしゃらないのですね?」
水輝は答えの代わりに肯定の意をこめて片手を上げてみせた。すると優一郎がこくんと頷く。水輝はため息を吐いて先ほど着ていた服をベッドに放り投げた。
「思い出した方がいいんだろうが……」
そこまで言って水輝はぴたりと口を噤んだ。本当にそうだろうか。そんな考えが浮かんでくる。何故、自分の記憶はなくなってしまったのだろう。もしかしてなくならなければならなかったのではないだろうか。
どこでTSしたか忘れて必死で探しました……。