※この作品はR-18です。

狩りの終焉 一部   作:伊駒辰葉

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話がどんどん変な方へと進みます。
エロシーンはありません。


天空の城、○ぴゅた? 4

「その言葉に二言はないわね?」

「おう。じゃじゃ馬ってとこまで入れてくれていいぞ」

 

 仏頂面のままで言って多輝は残っていた半分のみかんの皮を剥いた。それまで黙っていた天輝がくすくすと笑いながら言う。

 

「面白いわねえ、あんたたち。なんか姉弟みたいよ?」

 

 そう言ってから水輝がフロアの片隅にいた女に茶のおかわりを持ってくるように命令する。多輝はのんびりとみかんを食べながら天輝に顎をしゃくった。

 

「何ならストレス値、さげてやろうか?」

 

 一発やるのが一番早いだろ。そう続けて多輝は残っていたみかんを食べ終えた。カップに残っていた茶を飲み干して目を上げる。

 

「あーあ。知ーらないっと」

 

 祐がそう言ってそっぽを向く。多輝は訝りに眉を寄せて天輝を見た。その瞬間、顔に温いものが飛んでくる。多輝は慌てた声を上げて顔を拭った。見ると天輝は紅茶の入っていたカップを右手に握っていた。どうやら中身を多輝にぶちかけたらしい。

 

「ご心配どうも。でもあたしは他の人とそんなことになる気は」

「じゃじゃ馬その二かよ。別におれはお前のことなんざ好きじゃねえし、てめえもおれのことなんざどーでもいいだろ? だったらいいじゃねえか」

 

 天輝のせりふを遮って多輝はそう言った。するとそれまで冷ややかな笑みを浮かべていた天輝が思案顔になる。あーあ、と呟いて多輝は紅茶に濡れた顔をハンカチで拭った。

 

「元祖じゃじゃ馬が何言ってるんだか」

「元祖かよ!?」

 

 祐の呆れたような言葉に即座に切り返してから多輝は苦笑した。

 

「ヒューマノイドのストレス値を下げるための自慰だのってのは、どうしたって限界あんだよ。だったら互いになんとも思ってないって判ってる相手とした方がはええだろ」

 

 それにおれなら慣れてるし。そう言いながら多輝はフロアの一角に現れた女を目で追った。新しいティポットと空になったそれを取り替えて女が一礼してその場を去る。多輝はもらうぞ、と断ってティポットから自分のカップに紅茶を注いだ。ついでに空になっていた二人のカップにも紅茶を注ぐ。

 

「体験者は語るって感じ? 優一郎じゃなくてもいいんだ。へえー」

「おれの場合は優一郎が他の男と寝るなって言ってるからな」

 

 祐のにやにやとした笑いを横目に多輝は平然と言った。だからしないだけだ、と付け足してカップを取る。茶を啜りながら多輝は目だけを上げた。それまで思案顔をしていた天輝がぽん、と手を叩く。

 

「そうねえ。あたしも別にあんたのことなんか好きになりそうにないし」

 

 それに欲しいって言えば欲しいのよねー。気軽に言って天輝があはは、と笑う。どうも天輝の性的思考は祐より自分に近いらしい。ふうん、と呟いて多輝は横目に祐を見た。

 

「天輝ちゃんがいいなら、あたしは別にかまわないけど」

 

 何故か機嫌が悪そうに祐が告げる。それを見て多輝はああ、と呟いた。

 

「何だ。お前が寝たかったのか? そりゃあ、別におれは構わないぞ? 何なら優一郎と変わってやったらどうだ?」

 

 そう言った多輝の後頭部を何かがもの凄い勢いで殴る。こたつに額を強くぶつけて多輝は痛みに声を上げた。いてえな、と喚いて頭を上げる。

 

「律儀なあいつがそんなことするわけないでしょっ!」

 

 憤然と言ってから祐がそっぽを向く。多輝は奇跡的に無事だった紅茶の入ったカップをこたつに置いた。くそ、とぼやいて後頭部をさする。

 

「じゃあどうすんだよ。言っとくが、おれは別にセクハラのつもりで言ってるんじゃねえぞ?」

 

 そもそも何で優一郎が多輝に他の男と交わってはいけないというのかがよく判らない。その点については未だに謎なのだ。多輝はしかめ面で祐を睨みつけた。

 

「だから、あたしが口出しする問題じゃないし……」

 

 弱気に言って祐がちらりと天輝を見る。それまで黙っていた天輝がそこでふと遠い目になる。しみじみとため息を吐いた天輝は淡い笑みを浮かべて言った。

 

「それでなくてもあたし、割とけっこー色んな男とやってる過去があってねー……」

 

 ふっと笑って天輝が遠くを見つめる。多輝はほらみろ、と祐に向かって言った。すると祐が困ったような顔で多輝と天輝とを見比べる。

 

「天輝ちゃんの身体のことがあるから、するなら立ち会うけど」

「別にいいぞ。おれは」

 

 気軽に答えて多輝は頷いた。すると天輝もそうねえ、と笑う。

 

「実際に見て貰った方が早いわよねえ。あ、そうだ。その前に気になってたんだけど」

 

 そう言って天輝が多輝を指差す。多輝は怪訝に思いながら正面から突きつけられた指と天輝とを見比べた。

 

「あんた、水輝と誰の化合物なの?」

「かごうぶつ……って」

 

 多輝は天輝の言い草に辟易して顔をしかめた。そんな多輝を真っ直ぐに見つめて天輝が指を僅かに下に向ける。

 

「あんたの器に仕込まれたやつ、それってばさっさと出しなさい。ちょっとやばいわよ、それ」

 

 そこまで一気に言って天輝が指を引っ込める。多輝は眉を寄せたまま自分の腹に手をあてがった。




そもそも名前がなあ……。
水輝、多輝、天輝……。同じ文字が入りすぎ!w
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