新米冒険者が、悲惨な人生を送ってきたダークエルフの奴隷少女を買った話。 作:仮面紳士
モチベーションが死んでた + 大賞や別のことに注力してました……。
ライラが帝国に拉致されてからしばらくが経ち。
ついにダークエルフの呪いを解くための施術の日がやってきた。
「では、服を全て脱いで、その台の上で横になってください」
「………………」
前回と全く同じ言葉。
だが、それを言った人物が同性というだけで、感じ方が随分と違う。
(……何をするにしても、力は必要)
そんな思惑もあり、ライラも今回は素直に言われたことに従うつもりだった。
ただし、
「できれば、あなたは出ていってください」
「む。だが、手を握っていなくていいのか?」
「必要ありません」
「……そうか」
男である皇帝だけは追い出した。
彼は本当にライラの意思を尊重しているようで素直に出ていく。
結構無礼なもの言いをしたからノーチェは怒るかなと思ったら、何故か彼女は思春期の娘を見るような温かい目をして「私が代わりに手を握っててあげるからね!」と言った。
敵がフレンドリーで辛い。
「それでは、担当医ユリーカによる、体内魔力最適化手術を始めます」
大の字で台の上に寝かされ、裸で両手足を拘束されたライラを見下ろしながら、数人の助手を引き連れた担当医が宣言した。
その手がまずは愛撫のように、ライラの全身をゆっくりと撫でる。
事前の説明によると、魔力が根腐れを起こしている最たる場所を探っているらしい。
「ん、んんっ……!」
手は体の上から下へと動き、余すところなくライラを調べる。
頭、額、耳、頬、首筋、鎖骨、胸、脇。
くすぐったい。
特に敏感な場所を撫でられた時は、体にゾクゾクとした震えが走った。
しかし、担当医の顔は真面目そのもの。
文句の一つも言えない。
「見つけました。ライラ様の魔力は、ここを中心に固まっています」
担当医の手が、ライラの下腹部で止まった。
そこは、子宮の上。
子を成すのに必要不可欠な場所。
「なんてピンポイントなところに……。治せる?」
「問題ございません。心臓を患っておられた陛下の治療に比べれば余裕です」
担当医は自信満々に言い切った後、助手に言いつけて必要なものを取ってこさせ、台を操作して形を変更。
ライラは手足を拘束されたまま、大の字からまんぐり返しの体勢に変えさせられた。
「!?」
丸見えの秘所を真上から観察され、かつては縁遠かった羞恥に襲われる。
「子宮の治療であれば、こちらから進めるのがよろしいでしょう。まずは解させていただきます」
「ッ!?」
薄手袋の上からローションのような薬品をかけ、滑りを良くした担当医の指が膣口に入ってくる。
そのままクチュクチュと音を立てて、指はライラの中を這い回った。
「んっ、くっ……!?」
治療目的の手つき。
担当医は徹頭徹尾それに徹しているが、やはりダン以外にそこを好きにされるのは嫌だ。
それでも頑張って必死で耐え、天井の染みを数えている間に第一段階は終わり──
「では、次に行きます」
「ひっ!?」
担当医は指を束ね、貫手のような形にした手を膣口に押し込んできた。
フィストファック。
かつて、ダンの前の飼い主であるロリコンクソ貴族にもされたプレイ。
事後の治癒魔法が必須だった、ライラのトラウマの一つ。
「ちょ、ちょっと!? 大丈夫なの!?」
「問題ございません。弛緩剤入りのローションを使って解しましたので」
ノーチェの危惧に冷静に答えた担当医の言葉に偽りはなく、覚悟していたような痛みは感じなかった。
お腹の中に手を入れられ、子宮口をマッサージされ、ひたすらの異物感を感じただけだ。
やがて、充分に解れたところで手は引き抜かれ──
「次はこちらを解していきます」
「あっ……!?」
担当医の手は、ライラのお尻の穴に伸びた。
「そっちも必要なの?」
「施術時はこちら側からも子宮に干渉しますので必要です」
「……ライラ、頑張って」
「ひ、ぅ……!?」
お尻の穴を穿られる。
ライラを尊重し、あまりアブノーマルなプレイに手を出さないダンは触ってこない場所。
「う、ぐ……!」
入口付近をゆっくりとかき回され、慣れてきたら二本の指で「くぱぁ」と菊門を拡げられた。
お尻の中が丸見えになる。
ダンにも見せたことのない場所を見られる。
「う、うぅ……」
「拡げます」
「嫌ぁ……!?」
お尻の穴が拡張されていく。
奴隷時代以来の悍ましい感触。
歯を食いしばって、耐えて、耐えて、耐えて。
「はい。これにて下準備は完了となります。
ここからは前後の穴より魔力を流し込み、ゆっくりとお腹の中の巨大な魔力を全身に行き渡らせる作業に移ります。
長丁場となりますので、気をしっかりと持ってください」
「……………………ぁ、ぁぁ」
無慈悲な死の宣告に、ライラは絶望した。
◆◆◆
「ぜぇ……ぜぇ……! ひゅー……ひゅー……!」
それから、たっぷりと10時間以上。
半日を越える大手術の末に、ライラの肉体は生まれて初めての健全な状態へと整えられた。
……代償として疲労困憊、顔は涙と汗で酷いことになってしまっていたが。
「頑張った! よく頑張ったわね、ライラ!」
「あつい……」
抱きついてくるノーチェへの反論にも力がない。
正直、今すぐに気絶してしまいたい。
「お疲れ様でした。今の状態に身体が馴染むまでは時間がかかるので、しばらくは魔法の行使を控えめにすることをオススメします」
「では、私はこれにて」と言って、担当医ユリーカは去っていった。
最後まで余計なことを言わない、職人肌の女性であった。
「じゃあ、しばらく休んだら、念願の初夜に向けた準備をしましょう!」
「や、だ……」
「大丈夫! 私も一緒だから怖くないわ! すぐに奴隷の感覚なんて上書きしてあげるから!」
ノーチェは、善意100%の笑顔だった。
この選択がライラにとって最良であると、彼女の幸せに繫がっていると、心の底から確信しているがゆえの笑顔。
ライラは咄嗟に、すがるように首元に手を伸ばして──
「──ほら、隷属魔法の跡にすがった」
「!?」
急に、ノーチェの声のトーンが変わった。
「家畜の幸福と、尊厳ある人間の幸福の違いは、選択肢の有無よ。
自分は奴隷だから、今までの主の中で一番マシだったから。
あなたが感じている『ご主人様』への想いは、そういうものじゃないって言い切れる?」
ノーチェはライラの耳元で、容赦のない言葉を彼女に染み込ませていく。
奴隷と、その主人。
そこから始まった二人の関係を、根本から揺さぶる言葉を。
「や、やめ……!?」
「想像してみて。全然違う出会い方をして……そうね。例えばあなたがこの国の魔法使いで、町に下りた時にご主人様と出会ったとして。それでも強く惹かれるだけの魅力がある男だった?」
ノーチェの口は止まらない。
まるで耳から毒を流し込むように、あるいは強烈な薬による荒治療をするように、言葉の毒を流し続ける。
「私は即答できる。どんな出会い方をしても、陛下に惚れ込む自信がある。
それに陛下は選択肢をくれるわ。
本当に、どうしても夜伽が嫌なら、能力と才覚を示せば相応の譲歩をしてくださる。
ダークエルフ本来の力を得たあなたには、選ぶ権利がある。
──ねぇ、聞かせて。
奴隷じゃなくて、同族のライラ。あなたは本当はどうしたい?」
「…………」
言葉が、出てこなかった。
頭がゴチャゴチャする。
今でも、
でも、それは『ご主人様』への想いであって、『ダン』への想いじゃないんじゃないか。
そう問いかけたノーチェの言葉を、否定し切れない自分もいた。
ライラにとって、その2つは同じもので、今まで分けて考えるなんて考えもしなかったことで。
混ざりに混ざった感情の、何割が奴隷としてのもので、何割がライラとしてのものかだなんて、急に言われても答えられるわけがない。
「……まあ、いきなりは無理よね。体力を戻しながら、ゆっくり考えると良いわ」
自分もこうして深く思い悩んだ時期があったと、ノーチェはどこまでも親身な気持ちで、時間を与えた。
「じゃあ、とりあえずは部屋に戻って寝ましょうか。おんぶしてあげるから一緒に…………あら?」
その時、ノーチェの長耳がピクリと動く。
階下から聞こえてくる騒音をキャッチして。
「……騒がしいわね。何かあったのかしら?」
怪訝な表情になり、警戒と共にこの後の行動を考え直し始めた──瞬間。
──ガシャァァァァン!!
そんな音がして、城の窓が割られ、何かが中に入ってきた。
美しい大帝国の帝城に相応しくない、ボロボロの服を纏った、小汚い侵入者の男が。
「ライラッッ!!」
「!? ご主人様ッ!」
「え……?」
ノーチェの手をすり抜けて、ライラは侵入者の方へと駆け寄っていく。
悩みを吹き飛ばす、反射の行動。咄嗟の行動。
あまりに迷いのないそれを、ダークエルフの大魔法使いは、引き止めることができなかった。