新米冒険者が、悲惨な人生を送ってきたダークエルフの奴隷少女を買った話。 作:仮面紳士
「ご主人様……」
「……大丈夫だよ、ライラ。ちょっと心配なだけさ」
ディオンが上機嫌で帰った後。
ライラは顔色の優れないダンを心配し、彼はそんな彼女に心配をかけるまいと無理に微笑む。
だが、すぐにダンは考え直し、微笑みを引っ込めて、真剣な顔でライラに向き合った。
「さっきはああ言ったけど……ライラ、本当にいいのかい? 冒険者になんてなって」
「はい。それがご主人様のお役に立つのであれば構いません」
いつも通りの無表情による肯定。
けど、心なしか今回は気合いが入っているように見えた。
もしかしたら、やっと自分にできることを見つけたからかもしれない。
就職活動が全滅した時、地味にショックを受けていたし。
「でも、冒険者は危ないよ? 魔物とかと戦う命懸けの仕事なんだ。覚悟はちゃんとできてる?」
「魔物……」
ライラの脳裏に、故郷から追放された後にさまよった森林地帯に生息していた魔物達の姿が蘇る。
どれもこれも凶悪な姿をしていて、見つかれば当時十歳で魔法も使えなかったライラなど、ペロリと平らげられるオヤツにしかならなかっただろう。
冒険者は、そんな魔物と戦うと聞いて……。
「私は、そんな仕事にご主人様お一人を行かせることの方が怖いです」
「ッ!?」
ライラを心配するダンとそっくりな顔で、そう言った。
心配してくれているのだ。
自分ではなく、ダンのことを。
彼が彼女を心配するのと同じように。
「そっか……」
それを見て、こんな状況だけど、ダンは胸が温かくなるのを感じた。
その温かさに不安が包み込まれて解されていく。
心配なのは変わらない。
不安があるのは変わらない。
けれど、心の平穏を取り戻すことはできた。
「ご主人様」
ライラがダンを抱きしめてくる。
胸の温かさに、物理的な温度が加わった。
心地良い。
この温もりを守るためなら、いくらだって頑張れる。
そう心から思えた。
思えた……のだが。
「うひゃ!?」
次の瞬間、ライラの手がズボンの中に伸びてきて、ほんわかとした気持ちが吹き飛んだ。
このタイミングで!? と、ダンは内心で絶叫する。
しかし、そんな心の声を口にする前に、ライラの唇によって口を塞がれ、彼女の舌に口内を蹂躙されるキスの感覚に溶かされ、手淫による下半身への刺激にうめくことしかできなかった。
「んっ、ちゅっ」
「んんっ……!? んッッ……!?」
ダンが反撃のために必死に伸ばした舌を絡め取られ、ほっそりとした手が竿を、亀頭を、ダン自身が垂れ流した我慢汁を丁寧に塗り込むようにシゴカれ、あっという間に限界が近づいてくる。
しかし、今日はそのまま果てる前に、ライラは手を止めた。
「え……?」
いつもとは違うその行動に、直前で止められてしまった切なさに、ダンは物欲しそうな声を上げてしまった。
だが、直後に彼は驚いた。
ライラが自分の服を脱ぎ、我慢汁でぬめったダンの肉棒を、自分の入口にあてがう。
その入口が……濡れていた。
これまでは唾液や精液を潤滑油代わりにしてきたが、今回は彼女自身の流したもので濡れていた。
「んっ……」
「あ……!」
そのことに驚いている間に、ライラの手によって肉棒が入口へ挿入される。
(いつもより、熱っ……!?)
いつもより熱くて、いつもより激しい。
なんだ、ライラに何が起こったんだと混乱するダン。
しかし、そんな疑問などどうでもよくなることに気づいてしまった。
「んっ……あっ……!」
ライラが、声を出していた。
僅かではあるが、気持ち良さそうに喘いでいた。
感じているのだ。
今まではあくまでダンを気持ち良くするためにやってる感じで、ライラ自身は苦痛ではないけど気持ち良くもないという感じだったセックスで。
そのことに気づいた瞬間、彼の理性は焼き切れた。
「ふんッ!」
「あっ……!」
ライラが自分で擦りつけていた、多分気持ち良いんだろう場所を、今度はダンの動きをもって肉棒でえぐる。
それで正解だったのか、彼女は明確に艶のある声を出した。
調子に乗ったダンは、そのまま連続で腰を動かし、彼女の弱点を攻め続ける。
「ハァ……ハァ……!」
「んっ……んっ……!」
パンッパンッと、肉を打ちつけ合う卑猥な水音が部屋に響いた。
ライラはいつしかダンのことを強く抱きしめており、ダンもまたそんな彼女のことを強く抱きしめ返す。
絶対に離さない。
お前は俺のものだと、そう言うかのように。
「ご主人、様……!」
ライラは熱に浮かされたような声でダンのことを呼ぶ。
消えていく。上書きされていく。
ロリコンクソ貴族に滅茶苦茶にされた時の記憶が、感触が、ダンの肉棒が強く中を擦る度に削ぎ落とされて、ダンのものを塗り込まれて、塗り替えられていくような気がした。
強く抱きしめられると、なんだか胸がポカポカして、凄く安心した。
そして……。
「出る……! 出すよ、ライラ……!」
「ッ〜〜〜〜!」
限界を迎え、ダンは果てた。
いつものように、豪快にライラの中に精液をぶちまける。
子宮の奥までダンで塗り替えられていく。
そして、今回はそれを最後のひと押しとしたかのように、ライラもまた秘所からプシュッと潮を噴いた。
イッたのだ。
初めて、ライラをイかせたのだ。
興奮が収まらない。
むしろ、過去最高に興奮する。
入ったままの肉棒が、ムクムクと更にひと回り膨れ上がった。
「ライラ……!」
「お願い、します。ご主人様」
「ッ!?」
その後、ダンは無我夢中で腰を突き出した。
ライラは注ぎ込まれた全てを受け入れた。
体力が尽きて、結合部がお互いの体液が混ざったドロドロの何かで満たされるまで。
「ハァ……ハァ……」
そして、事後。
ダンは幸せそうに息を切らしながら、ベッドで隣に寝転がるライラに話しかけた。
「そ、それにしても、今回はどうしたの? いつもより、その、凄かったし、積極的だったし、いったい何が……」
「…………わかりません」
ライラはいつもの無表情ではなく、僅かに目を伏せて考えた。
「ご主人様が魔物と戦ってるって聞いた時、急に胸が苦しくなりました。
お怪我をされた時や、いなくなるかもしれないと言われた時のことを思い出して、離れるのが怖くて、繋がっていたいと思って、気づいたらあんな真似を……」
離れるのが怖い。
今回の行動も、やはりそれに端を発していたらしい。
捨てられるんじゃないかと思った時に体で繋ぎ止めようとしてくるのと同じ……なのだろうか?
「けど、途中から変な感じになりました。この行為で、何故か私まで気持ち良くなって、止まれなくて……。申し訳ありませんでした」
「あ、いや、怒ってはいないからね! むしろ、それに関してはバッチコイって感じだったし!」
ダンはグッと親指を立てた。
ライラが感じていた。
この嬉しい点だけは、いつもと明らかに違う。
(居場所を失う恐怖じゃなくて、俺に対する愛情で死に別れるのが怖いと思ってくれたから……っていうのは、さすがに思い上がりかな)
けれど、もしそうなのだとすれば、なおさら死ぬわけにはいかない。
過酷な人生を決定づけられたこの愛しい女の子を、いつか必ず安住の地へと連れて行く。
それまでは絶対に死んで堪るかと、ダンは性欲によってブーストされた固い決意を抱いた。