とある汚っさんと野球少女たちの爛れた日々 作:雑食で節操なし
彼女、早川あおいさんは自分と話をしている間中ずっとニコニコしていた。
時折彼女の視線が股間の方に向いていた気がしたけれど多分気のせいだろう。
最近抜いてなくって貯まっているからそんな事を考えてるしまうんだ。
帰ったら抜こうと心に決めて、彼女との話を続けていく。
話し終わり、彼女との別れ間際に名前で呼んで下さいっとお願いされた。
両手で抱え込む様にギュッっと握りしめ上目遣いで瞳をウルウルさせながらそうお願いされては聞き入れるしかない。
オッサンからちゃん付けで呼ばれるのはイヤだろうと思った僕はちゃん付けなら断られると考えてちゃん付けなら呼ぶよっと条件を出した。
すると彼女は嬉しそうに笑って、「ぜひ、お願いします!」と言われてしまった。
ここまで来てやっぱり無し、とは言えずに了承してしまった。
あおいちゃんと別れて管理人室に向かっていると神良理事長と出会った、何でも僕を探していたようで、この寮に入ってくる生徒のリストを持って来たとの事だ。
呼ばれれば取りに行ったのに、と思いお手を煩わせてしまった事と、理事長に雑務をさせてしまった事をお詫びしたら笑いながら「上に立つ者が率先して動かぬと下の者が着いて来ぬからな」と言っていた、その姿からはカリスマ性を感じさせる。
「ああそれと、今度から野球部の監督をしてくれ」
「えっ、いや、自分は学生時代に野球部でしたが……」
「なら問題無いな。いやなに、女子高故に外部から男性を雇うのも憚られるし、何より生徒たちが警戒しそうでな」
そう苦笑いしながら言われていた。
確かに懸念する事だが、本気でやっているのなら寧ろ我慢するべき事の様に思えるが、そこで問題があったら責任云々の話に成るのは分かる。
それにスポ根や熱血といった時代でもないからというのも理解出来る。
それに年下とはいえ上司に頭を下げられてお願いされては了承するしかないだろう。
「分かりました。自分で良ければぜひ」
「よろしく頼む。ああそれと、私も野球部に所属しているからな。まあ、その時は1野球選手として扱ってくれ」
カラカラっと笑って去っていく神良理事長。
何故か特大の爆弾を落とされた気分だ。
それから数日後、今自分の前には野球部員たちが整列している。
彼女たちがこの学園の野球部のメンバーであり、これから3年間共に切磋琢磨する仲間である。
「今日からこの野球部の監督として就任した、只野御三です。これからよろしくお願いします。
えーと、先ずは皆さんの自己紹介と希望のポジションをお願いします」
元気に返事をしてハキハキと自己紹介と野球経験の有無、そして小中と野球をしていた経験者たちは元々どのポジションをしていたか、マネージャー志望などを答えていく。
それらを聞きながら別の事に意識が向いてしまう。
それは野球場の外、そこから見える複数の生徒たち。
とりあえず全員聞き終わり、今日は親睦会という事でお金を渡して色々と飲み物や食べ物を買ってきてもらう。
「ごめんねあおいちゃん、ちょっと教えて欲しいんだけど」
「どうかしましたか?」
「いや、うーん。あそこにいる生徒たちは野球部に入部したいのかなって思ってね」
「えっと彼女たちはチアガールです。私たちの応援もしてくれるって張り切ってました」
私たち"も"という部分が気になったけど、この学園はスポーツに力を入れていると理事長が仰っていた事を思いだし納得がいった。
「そっか、それは有り難いね。練習を頑張って、試合で活躍しないと」
「ふふっ、本当にそうですね。」
ニチャリとどこか粘ついた笑みを浮かべるあおいちゃんに違和感を覚えるのだった。