勇者パーティから追放された美人ギャルタンクは嫌そうな顔を浮かべながら、ぼっち獣使いの俺に使役されたがっている 作:猫星人/Mao-lien
勇者パーティの魔法使いであるウタセと臨時パーティを組むことになった次の日の昼休み
合宿に行くためには今日までに14・15階層を突破し、学校へ申し込まなければならない
「レイラ、ウタセってどんな奴なんだ?」
ショウマは臨時とはいえ同じパーティメンバーとなるウタセのことについてよく知らないため、昼休みの時間でレイラに質問をすることにした
「そうねー、基本良い子よ。ちょっと自信家で生意気な所があるけど、まあそこが妹みたいな感じでさ〜」
ショウマがウタセについて聞くと、レイラは饒舌に話し出す
「そうか?昨日話した感じじゃ『自信家』って感じも『生意気』なのも感じなかったけどなぁ」
ウタセとは○ックで丁寧に『レイラの事情』を教えてもらったイメージしかないので、ショウマは首を傾げる
「あー、そんな性格だから中学まで他人とかなり揉めたりしてたんだよね。だから高校に入ってからは初めて話す人には結構隠してるのよ。ウタセがお嬢様だってのは知ってるでしょ?」
「ああ、噂でなんとなくだけど」
湯ノ花の家は昔から代々魔法使いの家系で有名らしい
「格好がアレで目立たないけど、根はボンボンだからね〜」
レイラ曰く、自信家な所や生意気なのは実家が太いからとのことだった
「まあ、自信家とは言っても、しっかり『実力』に見合った自信だけどね?
決して油断してるわけじゃないけど、今日の攻略は期待していいわ。1日で14・15階層を突破も夢じゃないわっ!」
通常なら4〜6日かかる攻略1日でしなければならないのだから、普通の人間なら諦めたりするものだがレイラの表情は明るい
相当ウタセの実力に自信を持ってる証拠である
そして放課後、レイラの称賛するウタセの実力をショウマさ目の当たりにするのだった
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「ま、まじかよ……」
14階層、レイラとショウマが4日もの間散々苦戦し進むことができなかった階層だが、パーティにウタセが入っただけでまるでその苦労が嘘のように『止まることなく』進行していた
魔物が現れると、数秒後にウタセの周りに『分身』が複数現れる
分身の姿は本人と全く同じで、『水色のショートヘア』にジト目、『Hカップ』の胸と『マイクロビキニ』の姿で、本人が装備している長杖までも分身は同様に装備している
「「「
分身たちが一斉に魔物たちに向かって杖を構えると、杖の先端から光の攻撃魔法が鈍い音を立てながら放たれて魔物たちを蹂躙する
光の破裂が収まると、そこには体が蜂の巣と化してる魔物たちの死体が煙をあげて転がっている
レイラと白雪が苦戦していたゴーストもすでに霧散しており、巻き添えになって倒されたのだろう
「あんなに俺らが苦労した敵が一瞬で……ウタセ、マジですごいんだなっ!」
「ま、まあ?僕にかかればこんなもんだよね〜」
ショウマの称賛に『満更でもない』様子のウタセは、照れながら杖を振って自分の分身を消す
ウタセの魔法は『光』を扱う
『自身の体』を敵に見せることで、その視覚情報で敵の『網膜』に『魔法陣』を刻みこむのだ
この魔法陣は敵の視界をジャックしたり、『分身』を生み出すことができる
そのため『目を持たない敵』には『効果がない』スキルだが、発動さえすれば分身と一緒に攻撃することで弾幕を張ることができるため、高い火力を出せるのだ
「ウタセの格好にまさか意味があるとはな……」
「あたしも最初聞いた時はびっくりしたけど、実はそうなのよねー」
分身を生み出すためのファーストステップである魔法陣を刻む工程では、ウタセは自分の体を『敵の視界』に入れる必要がある
『肌面積』を多くすることで見た時間当たりの視覚情報量が上がり、魔法陣を『短時間』で刻みやすくなる、ということをショウマはウタセから移動の合間に教えてもらっていた
「あー、これ全員『目がない敵』じゃないか?」
「そうだね、だから今回は僕の分身の火力は期待しちゃダメだよ?」
三人と白雪が通路を歩いていると、目の前にスケルトンナイトとゴーストが現れる
どちらの敵も目がないため、ウタセは魔法陣を刻めず分身をすることができない
一応、ショウマとレイラの目には魔法陣がすでに刻まれているため分身を生み出すこと自体は出来るのだが、分身を生み出すのにショウマとレイラの『魔力』を使ってしまうためウタセはその手段を使わなかった
「ゴーストは僕が倒すからスケルトンの方任せるよ!白光っ!」
ゴーストは幽体化しているが、魔法攻撃ならそのまま攻撃することが可能である
ウタセの光魔法でゴーストがダメージを受けている間に、レイラと白雪がスケルトンを倒しにかかる
「こっちならあたしだって倒せるのよ!」
レイラは盾を構えながらスケルトンナイトに攻撃をする
今レイラが使ったのは、聖騎士のジョブスキル『シールドバッシュ』である
ここ最近のエッチで使役ポイントがかなり貯まったので、一気に使用してジョブスキルを解除したのだ
現在のレイラのステータスが以下である
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如月 麗羅 聖騎士:lv.35
・status
ATK:40 (-60%)
DEF:56 (-70%)
INT:12 (-70%)
RES:8 (-70%)
AGI:24 (-70%)
・active skill
???
シールドバッシュ
挑発
ヒール(下級回復魔法)
浄化(状態異常回復魔法)
剣技lv5→lv3
…etc
・passive skill
ガード率up
ジャストパリィ成功率up
クリティカル発生率up
被回復効果up
…etc
・condition
『上下装備無効』『小盾のみ装備可』
『ステータス減少(-60%)』『聖騎士スキル一部使用不可』『パッシブスキル無効』
『状態異常耐性down(-80%)』『剣技lv5→lv3』
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『聖騎士スキル使用不可』 → 『聖騎士スキル一部使用不可』(シールドバッシュ解放)
『ステータス減少(-70%→-60%)』
『状態異常耐性down(-90%→-80%)』
弱体化の解除項目こそ少ないが、剣技以外のスキルを使用することが出来るようになり、レイラはよりタンクとしての役割をこなせるようになった
特に攻防一体のスキルであるシールドバッシュは戦略の幅が広がる
レイラの放ったシールドバッシュがスケルトンナイトに当たると、敵が振りかぶっていた剣の動きが止まってよろめく
シールドバッシュには行動をしようとしている敵にタイミングを合わせて当てることで、『怯み』の状態異常を付けることができるのだ
「よしっ、今だ白雪っ!」
動きの止まったスケルトンナイトに対して、白雪は勢いよく影から飛び出して爪による斬撃を与える
白雪の攻撃によってスケルトンナイトはバラバラに砕けると、周囲に敵はいなくなっていた
「うん、どんなケースでもバッチリ対応できてるっ!これなら14階層すぐに攻略できるわ!」
よほど手応えを感じたのか、レイラは気合の入った声を上げるとその1時間後、ショウマたちは危なげなく14階層を『突破』することができ、セーフエリアで15階層の『ボス』に挑む準備をしていた
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セーフエリアでうーん、と悩み声を上げているのはレイラだ
「残り時間的に2回戦うのは厳しそうね。もうしばらくしたら学校が閉まって合宿の応募すら出来なくなっちゃうし……」
「つまり『一発勝負』ってわけか」
14階層をとてつもないスピードで攻略したショウマたちだったが、それでも15階層のボスを倒す時間は余り残されてはいなかった
15階層をクリアし、ショウマの冒険者ランクがアイアン2に上がったとしても学校が閉まって合宿に応募出来なければ意味がない
「時間は少しかかるけど、確実に倒すならウタセの『氷魔法』を使うのもありかな〜」
レイラは作戦を考えており、ぶつぶつと独り言を呟く
ショウマはその独り言に気になることがあったのか、レイラに質問する
「氷魔法?ウタセは光の魔法使いじゃないのか?」
「あれ言ってなかったっけ?ウタセは『光と氷の二属性魔法使い』よ」
ショウマの問いにレイラは平然と答えると、二属性魔法使いについても一緒に話す
その名の通り、二つの魔法が使える魔法使いでとても優れたジョブで知られている
単純に魔法が二つ使えることで『相性不利』が起こりにくいという点や、二つの魔法を組み合わせて『強力なスキル』を使うことも可能だからだ
何より二属性魔法使いは世界でも数十人しかいなく、歴史を辿ってもかなり稀有な存在である
「せ、世界で数十人!?ウタセ、本当に凄いやつなんだな……」
「そりゃまあ、僕だしぃ?」
ウタセはそう言うと、大きな胸を揺らして胸を張って流し目でショウマの方を見る
そのウタセの不敵な態度に、レイラから聞いた自信家である一面をショウマは垣間見る
「氷魔法は今も苦手のまま?」
「うーん、相変わらず苦手だねぇ」
ウタセは氷魔法も使えはするが、どうやら光魔法ほどは使いこなせないようだ
全く使えないというわけではないが氷魔法は光魔法と比べて発動させるのに時間がかかる、とウタセは話す
「うーん、ウタセに『氷魔法』を使ってもらうと時間はかかる。でもこの方が『確実』なのよね……よし!」
レイラは作戦を頭の中で纏めると、ショウマとウタセにその内容を告げる
「俺は大丈夫だ」
「僕も準備万端だよ」
三人と白雪はセーフエリアから出ると、ボスの扉を開き、足を踏み入れる
全員が部屋に入ると扉が閉まり、ズゥゥゥンと部屋の中央に降り立つのはミノタウロスだ
Boooooooo!
5mほどの巨体とその体にふさわしい両刃の斧を携えたミノタウロスは激しく叫ぶと、ショウマたちの方へとズシンズシンと向かってくる
「来たっ!あたしが受けるからショウマと白雪は作戦通りウタセの援護、ウタセは攻撃の準備をお願い」
「わかった!」
「了解っ」
レイラは近づいてくるミノタウロスに自ら接敵すると、横凪に振るわれた斧をギャリギャリという音をさせながら盾で受け流す
「白雪っ、ウタセが魔法の準備が整ったら抱えて逃げるんだ!」
白雪はショウマの指示に喉を鳴らして応える
ウタセは自分の体をミノタウロスの視界に入れて、その網膜に『魔法陣』を刻む必要がある
しかし、わざわざミノタウロスの視界に入るのは『攻撃の標的』になりかねない行為だ
そこでレイラが指示した『作戦』が、機動力のある白雪が攻撃の標的になったウタセを抱えて遠ざかるというものだった
「くっっっっ!さっきから攻撃重すぎっ!!!ウタセっ、魔法陣の準備できた?!」
レイラはミノタウロスの攻撃を全て受け流している
しかしミノタウロスもただで受け流される気は無いのか、レイラを押し潰すかのようにして圧をかけながら斧をブンブンと振り回している
「ちょっと待って!もう少しでっ……よしっ、『魔法陣』刻めた!」
「っ!まずい!ボスがウタセの方に向かう気だ!白雪っ、ウタセを連れて逃げろ!」
ウタセがボスに魔法陣を刻み込むのと同時に、ボスはレイラへの攻撃を止めると脚を限界まで折り曲げてウタセの方に飛びかかる準備をしていた
そしてミノタウロスが高く飛び上がるとウタセが先ほどまでいた所にズドンっと一瞬にして着地する
間一髪、白雪はウタセを背に乗せて逃れることができたが、ボスの鋼鉄の蹄によって付けられた跡が地面に深々と残っており、少しでも遅ければウタセはその蹄でペチャンコになっていただろう
「図体デカいくせに、移動がいくらなんでも早すぎるだろ……」
5mもある巨躯の割に機動力があることにショウマは驚いていた
ただでさえリーチのある斧に加えて、隆起した足の筋肉によって為される瞬発的な機動力
これの意味する所は、例えボス部屋が広いとはいえ逃げ回るだけではいずれ追い付かれて両刃の斧の餌食になってしまうということだ
「そのためにあたしがいるんでしょ!スパインブレイクっ!!!」
ウタセの元へ飛び去っていったミノタウロスに追いついたレイラは、その背に向かって剣技を放つ
Booooo!
初の攻撃を入れられたミノタウロスは怒りの声を上げてレイラの方へ向き直る
レイラの言う通り、タンクが注意を引きつけて攻撃を受け続ければ機動力のある無しは封殺でき、それがレイラのタンクとしての役目であった
「氷塊生成!」
ウタセの方はというとすでに分身が二体現れており、本人含めた三人でミノタウロスの頭上に氷の塊を魔法で生み出している
氷は徐々に大きくなっていくが、それまでレイラと白雪が時間を稼がなければならない
「レイラっ!ウタセの分身の方にミノタウロスが!」
ミノタウロスは無防備なウタセの分身へと跳躍しようと再び膝を折り曲げて飛びかかろうとしていた
「大丈夫っ!シールドバッシュっ!!!」
レイラはミノタウロスがジャンプする寸前に顔面に盾を叩き込むと、タイミングの合ったシールドバッシュによって『怯み』の状態異常にさせて跳躍をキャンセルし転ばせた
「白雪っ!!!」
その隙を逃さない白雪は影を出入りしながらミノタウロスの足を攻撃して、すぐに立ち上がらせないように講じる
「よしっ、氷の大きさが……」
レイラと白雪がミノタウロスを足止めしているうちに、ボスの頭上に浮く『氷塊』はボスの頭部くらいの大きさになっていた
「ボスへの攻撃の準備できたよっ!」
「レイラ!白雪!ウタセが準備できたからボスから離れてくれ!」
「わかった!」
レイラと白雪がミノタウロスから離れると、ウタセと分身二体は氷に向かってレーザーのような光魔法を放ち始める
ミノタウロスの頭の上にある氷の中で三つの光線は乱反射し続けて、しばらくすると『一筋の光』へ昇華する
「氷乱反射光っ!」
ウタセの掛け声と共に氷塊から太い光線がズドンっと音を立てて、まるで落雷のようにミノタウロスの頭上へと一瞬にして落ちる
太い光に飲まれたミノタウロスの姿はショウマたちからは見えなくなってしまうほどで、その見ただけでもわかる威力の強さにショウマは唖然としただ眺めているだけだ
Boo……
光が徐々に細くなると、真っ黒焦げになったミノタウロスの姿が現れる
そして動き出すこともなく、そのまま地面に伏した
「や、やった……!」
誰が発したかわからない声の後、ミノタウロスの姿は消えて部屋の中央に台座が現れる
この台座に学生証をタッチして認証すれば晴れてショウマの冒険者ランクはアイアン2である
「これであんたと一緒に合宿行けるわね!」
「レイラ、ウタセ、白雪、本当にありがとう!」
今まで通りにショウマと白雪だけで過ごしていたら決して辿り着けなかった景色にショウマは喜びと感謝で心が満たされる
「ほら、早くランクアップして合宿応募しに行くわよ!」
「そういえば時間そんな余裕ないんだったな!」
ショウマはレイラに急かされて台座に学生証を置く
ショウマにとってこの行為もすでに三回目でもう手慣れたものだが、なぜか台座からの反応がない
「ん?あれおかしいな」
「どうしたのよ」
「いや、なんか反応しなくてさ」
ショウマの様子に気づいたレイラとウタセが側に寄ってくる
二人もこのような事象は初めてなようで、怪訝な顔をしながら何回も台座の上に学生証を置くのを繰り返すが、やはり反応はない
すると、ビーーーーーーーーーーーーッとけたたましい音が台座から発せられた
『まだ魔物が部屋の中に残っています』
台座はそう言うと床に沈んでしまった
「…………え、何で台座が?そもそもまだ残ってるって、15階層はミノタウロス一体だけなんだよな?」
「そ、そうだけど、あたしとウタセが勇者パーティで攻略したときだって一体だけだった」
「そ、その通りだ……」
すでにここをクリアしているレイラたちも何が何だかわからないようだ
ショウマは試しに学生証を見るが、以前アイアン3のままだ
これでは合宿に行けない
「でも、まだ魔物が残っているって……」
ショウマは周囲を見渡しながら何もないだろ、と言おうとしたとき部屋の端の方に『何か』が倒れているのを見つける
「っ!あれって……」
「ひ、人?」
部屋の遠くの方で何やら人らしきものが倒れているのをショウマは見つけてしまう
三人と白雪は恐る恐る倒れている人の方へと足を運ぶ
「うっ、うううううっ……」
近づくと段々女性の呻き声が聞こえてくる
「だ、大丈夫ですかっ?」
ショウマが声をかけると女の人が目を開けてショウマたちの方を見る
倒れている女の人は防具を着ていて分かりにくかったが、二年生でショウマたちの『先輩』であることがわかった
「こ、ここは……」
「ここは、15階層のボス部屋です」
「じっ、15階層っ?!ってことは、あ、あなた達、一年生っ!あ、ああっ、最悪だっっ……」
ショウマは場所を答えると女の上級生は顔を青ざめさせてガタガタと震え出す
そしてその女の上級生はショウマたちに向かって何度も謝り出した
「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ、つ、辛くてつい転移してっ、でもまさかこんなとこに飛ぶとは思わなくてっ、
巻き込んでっ、ほんとうにごめんなああああああああ……」
上級生はその瞬間グルンと白眼を剥くと、ガクガクと悪魔に憑かれたように痙攣し始める
そして震えが止まった途端、勢いよく立ち上がり大きく口を開けて天井を向いた
Oooooooooooooooooo……
上級生の大きく開いた口の中からは黒いモヤが大量に立ち上がり、その異常な状況に危機感を覚えたショウマたちはその場から遠ざかる
そして黒いモヤが形作ると、巨大な山羊の頭をした人型の魔物が現れる
「ば、バフォメットっ……」
現れたバフォメットはショウマたちを見下ろすとニヤニヤと笑みを作り出す
レイラはその姿に目を見開き、ウタセは眉を顰めて額から汗を滲ませている
「な、なんで、『35階層』のボスが15階層に……」
「……あの上級生が転移して連れてきたんだと思う、けどタイミングが最悪すぎるっ!」
上級生が何らかの理由でショウマたちのいる部屋に転移し、その体に取り憑いていたバフォメットが顕現したというこの状況にレイラは悪態を吐く
「な、なあ、35階層って、レイラ達はたしか『27階層』までクリアしてたんだよな?」
「……そうよ、だからあたし達も戦ったことはない。そもそも万全の状態のあたしでもこいつに勝つのはっ」
勝つのは不可能、レイラが口に出さなくてもショウマはそのことを理解する
「よ、よりにもよって何で今この場所に転移してくるんだよ……」
バフォメットを呼び寄せた張本人である上級生の姿は無くなっている
瀕死になってセーフエリアに飛ばされたのだろう
「き、来たっ」
強張らせた声でウタセは心ここに在らずのショウマたちに目の前の存在が動き出したことを伝える
禍々しいオーラを纏ったバフォメットはショウマたちを標的に定め、襲いかかってきた