※この作品はR-18です。

勇者パーティから追放された美人ギャルタンクは嫌そうな顔を浮かべながら、ぼっち獣使いの俺に使役されたがっている   作:猫星人/Mao-lien

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7話 初めてのボス

 冒険者が魔物と戦う場所は大きく2つある

 『ダンジョン』と『賢者の塔』である

 

 『ダンジョン』は洞窟や森、海の中など自然の至る所にある

 魔物は際限なく湧き、例え4人組のパーティだからといって『目の前から魔物が空気を読んで4匹で現れる』、なんてことは当然ない

 現れるのも横や後ろから、はたまた頭上からなど、魔物から奇襲されるのは当たり前である

 また、ダンジョン内は魔物によって様々な場所にトラップなどが仕掛けられているため、冒険者は『ダンジョンで』魔物を倒すのに命の危険が伴うのだ

 

 そんな命の危険が伴うダンジョンは国で厳重に管理されており、挑むことが出来るのはプロの冒険者のみである

 

 対して『賢者の塔』は人工的に人が建てたものだ

 賢者の塔で湧く魔物たちは、塔の近くのダンジョンから塔が吸い出して排出している

 魔物の排出は塔の方で管理できるため、ダンジョンとは違い、『大量の魔物』と一度に戦うことはなく、『奇襲』してくることもないので、冒険者たちは目の前から襲いかかってくる魔物に集中して戦うことができるのだ

 そして何より一番違う点は、冒険者が命の危機に陥った際に自動で外に転移させる機能があることだろう

 

 死ぬことのない『賢者の塔』は冒険者になる前の学生やアマチュア冒険者が挑む場である

 

 冒険者育成学校の側にも『賢者の塔』が何棟か建っており、階層が上がるにつれて魔物の強さが上がるのも、塔の方で『この強さの魔物はこの階層に出す』といった風に管理されているためである

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 この前のショウマによるレイラへの手マンによって、弱体化の解消ペースが早まると、ダンジョンの攻略のペースも上がっていった

 

 現在ショウマとレイラの二人は塔の4階層をクリアし、次の5階層に挑もうとしていた

 

「5階層はいわゆるボス部屋、ゴブリンリーダーが出てくる所ね。あんたはボスと戦うのは初めてだっけ?」

「うん、何ならさっきまでいた4階層も入るの初めてだったし」

「呆れた、あんたって本当に冒険者になる気がなかったのね」

 

 レイラはため息をつくと、ショウマに向けてボス戦のレクチャーを始める

 

「いい?ボス部屋は5の倍数の階層ごとにあるの。ボス部屋がある階層は前の1〜4階層の時みたいに通路や小部屋はない、大きな部屋が何個かあるの。どれか一つに入ってボスを倒せればそれで終了、次の階層に行けるわ」

「大きな部屋が何個か、ってボスを選べるの?」

「選ぶも何も出てくるボスはどの部屋に入っても一緒よ。複数部屋があるのは違うパーティが同時にボスにチャレンジする際に待ったりしなくても良いためよ」

「なるほどね。ちなみにボスって言うくらいだから、そこら辺で湧いた魔物より強いってこと?」

「当然。今回挑むゴブリンリーダーはゴブリンを複数従えて、しかも連携をとって襲いかかってくる。普段の魔物と同じだと思わない方がいいわ」

 

 そしてレイラはボスであるゴブリンリーダーさえ倒してしまえば、簡単な敵だと語る

 

「そういえばレイラは勇者パーティで、すでにゴブリンリーダーは倒した経験があるのか」

「ゴブリンリーダーどころか27階層まで進んでいたからボスなんて5体倒したわよ」

「27階層、す、すごいな……」

 

 勇者パーティが優れているというのは本当だったようだ

 ちなみに目安として、2年次に上がる前に25階層に挑めるとそこそこ優秀くらいだ

 勇者パーティは1年次の6月時点で27階層に進んでおり、普通ではありえないほどの快挙であった

 

「経験者のレイラがいるなら安心だな!」

「安心ってあのねぇ、あたしはあの頃と浮かべて弱体化しているのよ?それに、あんたは戦力にならないから、実質的な戦力は弱ったあたしと白雪しかいないわ」

「それは今に始まった話じゃないだろ」

「だから悩み続けてるんじゃない……」

 

 レイラはこんな調子でボスに勝てるのかと頭を抱えている

 

「まあいいわ、悩んでてもしょうがないしボスに挑みに行きましょう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 レイラの指示で二人と一匹は5階層に繋がる階段を登る

 そして目の前の扉を開けると、空っぽの大きな空間が広がっている

 

「この敷居を跨げばボス戦は始まるわ、準備はいい?」

「俺と白雪は大丈夫だ」

 

 ショウマの声に白雪もグルグルと喉を鳴らして答える

 一向は部屋に入った

 すると真ん中に人にして二人分位の大きさのゴブリンが現れる、ゴブリンリーダーだ

 

 Woooooooo!!!

 

 叫び声が上がると、ゴブリンが三匹虚空から現れる

 

「ちっ、やっぱ三人パーティ扱いになるのね。つくづく獣使いって……」

 

 レイラは自身の当てが外れたのか、苦々しい顔をする

 ゴブリンリーダーは現れるとまず最初に『手下のゴブリン達』を呼び出す

 その呼び出すゴブリンの数は挑んできたパーティの人数と同じ数なのだ

 ショウマたちのパーティは白雪も頭数に入れられたことにより、三人パーティ扱いになったのだろう

 

「ゴブリンリーダーは最初は襲ってこないで後ろで立ってるだけだわ!こっちでゴブリン二匹引きつけるから、もう一匹はそっちで何とかしてちょうだい!」

「わかった!いくぞ、白雪!」

 

 ステータスが大幅に弱体化してても頼りになるレイラ、盾職が構えるには大きさが心許ない小盾でも二匹のゴブリンによる攻撃を捌き続けている

 

「レイラすげぇな、って見惚れてる場合じゃない。早く倒してレイラの方に援護に行かなきゃ!」

 

 武器も扱えないショウマは攻撃面で全く役に立たないため、ゴブリンの前で『チラチラ動き回る囮』になることしかできない

 

 ゴブリンにも目の前にいるショウマは、持っている剣で一撫ですればすぐに倒れる相手であることを認識していた

 ゴブリンがか弱いショウマに目を奪われた、その一瞬をついた白雪はゴブリンの影に入り込み、下から鋭い切り裂きを喰らわせる

 

 白雪の攻撃によってゴブリンの体が左右に真っ二つになる

 

「白雪良くやった!早くレイラの方援護に行かないと……」

「こっちは大丈夫っ、貴方達はゴブリンリーダー方に行って!」

「っ!?わ、わかった!」

 

 ショウマたちはレイラに言われた通り、ゴブリンリーダーの方へ向かう

 

「うっ……」

 

 体格の凄さもそうだが、圧倒的な強者のオーラにショウマはビビってしまう

 そして先ほどのゴブリンと違って、白雪が奇襲する隙も感じさせずどう攻撃するかショウマは迷っていた

 そしてレイラから挑む前に言われたことを思い出す

 

『ゴブリンリーダーはゴブリンが倒されるごとに『攻撃力』を増していくの。だから、ゴブリンは倒しすぎてもいけない。限度は二体ね、理由は弱体化した私じゃゴブリンを三体以上倒した後のボスの攻撃は受けきれそうにないから。あんた達、特に白雪がゴブリンリーダーに挑む場合は防御面はあまり優れていないから一体が限界になると思うわ』

 

(つまり、俺たちでゴブリンリーダーを倒すケース!レイラが2体のゴブリンを倒さずに抑えて、その間に俺らがゴブリンリーダーを倒さなければいけないってことか…!)

 

 それも白雪が得意とする奇襲攻撃を封じられた状況で、だ

 目の前のゴブリンリーダーは、間違っても白雪に奇襲などさせてくれないだろう

 

「白雪っ、攻撃を仕掛ける、っ?!」

 

 ショウマが隣を見るとつい今し方までいた白雪がいなかった

 いつもの様に影に潜っているのか、いや違う

 ゴブリンリーダーの『棍棒の一撃』によって、白雪は遥か後方まで吹き飛ばされていた

 

「し、白雪っ!!!」

 

 ショウマが後ろを振り返った先には白雪が辛そうに倒れており、体を苦しそうに震わせながらなんとか起きあがろうとしている

 

「ぼさっとするな、ショウマっ!今すぐ逃げろ!」

 

 初めてレイラから名前で呼ばれたショウマは、ハッとしてショウマは正面を向き直すが時すでに遅し

 ゴブリンリーダーはショウマに向かって棍棒を振りかぶっていた

 

 恐ろしいほどの風圧と共にショウマの体にめり込んだ棍棒はメキメキという骨の折れる音を奏でさせて、ショウマの体を部屋の端まで殴り飛ばした

 

「っうぅぅ!!!!」

 

(い、痛いっ!攻撃されたのか俺は、前が見えない、あぁ、痛い、痛い、痛い、お、俺のことを呼ぶ声が、痛い、痛い……)

 

 痛みに苦しむショウマが意識を離すと、『賢者の塔』の機能によってレイラや白雪も含めて魔物の来ない『セーフエリア』に転移させられる

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 次にショウマが目を覚ましたのは、レイラの膝の上だった

 

「起きたわね」

「ここは……俺たち今どうなってるんだ?」

「ここはセーフエリアで魔物が来る心配がないから大丈夫よ。あんたが瀕死になってパーティごと『転移』させられたの」

「つまり、ボスには勝てなかったってことか……」

 

 レイラはショウマの言葉に悔しげな顔を浮かべる

 

「ごめん、あたしの作戦ミスだった。白雪の攻撃力ならもしかしたら、って思ったのよ。防御面が心許ないことはわかっていたのに……」

 

 場には暗い雰囲気が漂うがそれとは裏腹に、ショウマの内心はなぜか『ドキドキ』していた

 なぜならショウマが状況を理解し始めるにつれて、今自分がレイラから人生初の『膝枕』をされているということに気づいてしまったからだ

 そして暗い表情で俯くレイラのその顔を下からマジマジと見たショウマは自然と股間部を元気にさせてしまう

 レイラもその元気な股間部にすぐに気づいてしまう

 

「……あんた、なんでこんなとこでそこを大きくしてるのよ?」

「いや、ムチムチしたレイラの太ももで膝枕されていると思うとつい……」

「キモっ!!!キモチわるっ!!!今回はあたしの作戦ミスであんたに痛い思いさせたから、せめて硬い地面で寝かせない様にしてあげようとか思ってしてあげたのにっ!あー、こんなキショいこと言われるなら最初からしなきゃよかったわ」

「痛ぇ!!!急に太ももをどかすなよ!こっちは怪我人なんだぞ!」

「そんなのあたしの知ったことか!」

 

 暗い雰囲気は意図してないショウマによって晴れた、そして二人は次に挑むときの作戦会議をし始める

 

「やっぱりゴブリンリーダーはあたしが対面しないとダメね。でもそれにはステータスが今のままじゃキツすぎるわ。ゴブリンを三体倒した後のゴブリンリーダーの攻撃を受けきれそうにない……」

 

 ゴブリンリーダーは従えたゴブリンが倒されるごとに攻撃力が増す特性を持つ、その特性が討伐の厄介さに繋がっていた

 

「どのくらいステータスがあればゴブリンリーダーの攻撃を耐えられる様になるんだ?」

「大体防御が今このくらいだから……ってあんた何を考えているんの?まさか……」

「ああ、今からここで『エロいこと』してレイラがゴブリンリーダーの攻撃を受け切れるようになるまで弱体化を解除すればいい」

「はぁ……あんたっていつもいつも本っ当に気持ち悪いわね、まじ死ねよぉ……」

 

 レイラは性行為をしようと提案するショウマをゴミを見るかの様な目で見つめた

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