『剣王』ニナ・ファリオンに手紙が届いたのは噎せ返るような暑い夏の日だった。
剣の修行を終え、全身にしっとりと汗をかいたニナ。
邪魔にならないよう纏められた濃紺のポニテには艶があり、身に纏う鍛錬用の薄い布は汗を吸収し蒸れていた。
「んぅ~!」
いじめ抜いた体をほぐすように身体を伸ばした彼女は、心地よさげに息を吐く。
そうして露わになる毛の一つもない剥き出しの脇がえっちだ。
鍛錬を終え、一呼吸置き、さて手紙の内容を改めようとした時だった。
「……字、読めないや」
――
手紙の差出人はイゾルテ・クルーエル。
水神流の筆頭剣士であり友人である彼女からの手紙の内容は簡潔であった。
『もうすぐ、アリエル陛下の戴冠式が行われます。
国を上げてのお祭りとなりますので、ぜひとも遊びに来てください』
本当に簡潔であった。
だが、ニナはアスラ王国に行くことをその場で決めた。
即断即決である。
そうと決まれば今すぐにここを立つ。
ニナはそれ以上聞くことなく目的地に向けて準備を始めた。
だから彼女は手紙の最後の一文を聞き逃したのだ。
一見すると平凡で、されどどこか不穏な一文を。
『貴方もきっと気に入って
――
「あっ♡ あぁっ♡ すごいっ♡ イクっ♡ イっちゃいますっ♡ あんっ♡」
薄水色の髪をした見知った顔の女性いた。
彼女は情婦のような服を身に纏い、高そうなソファに座る男の上に跨っていた。
否、跨り、その上で自ら腰を振っていた。
その行為がなんであるか、わからないニナではなかった。
しかし、そう易々とは受け入れられない。目の前の光景を頭が処理してくれない。
ニナは聞こえてくる友人の嬌声をただただ茫然と聞くほかなかった。
行為に及ぶ彼女と男の周りには二人の女性がいた。
よく鍛えられた肉体を持つ長い赤髪女性と付くところに肉の付いたグラマラスな女性だ。というより後者は見たことがある。この国に来てから何度も見聞きしたこの国の次期王女アリエル・アネモイ・アスラその人だろう。
そんな二人が下着姿で、行為に及ぶ男の両隣に侍っていた。
そんな現場を覗いてしまったニナは見てはならないものを見てしまったように思考と体が強直した。剣王としてあるまじき失態であるが、それも仕方がないこと。だって彼女はイゾルテに呼ばれてここに来たのだから。そして、当の彼女は現在進行形で男のイチモツを自分のナカに受け入れている。
ニナの頭は混乱の極致にあった。
――
アスラ王国に訪れたニナはまずイゾルテがいるであろう水神流の道場に訪れた。
だが、イゾルテは所用があったようで生憎席を外していた。
途方に暮れたニナだったが、門下生曰く、夜に集まりがあるらしくそこで会おうというのがイゾルテの伝言らしかった。そして、それまではここで剣でも振っているのが良いだろうと。
剣でも振っていろという言い草に少しむっとしたニナだったが、おそらくそれはイゾルテの伝言ではなく、この水神流の門下生によそ者であるニナが受け入れられていないからだろうと考えた。
故に、『剣王』として剣神流が舐められないためにもここで時間まで力を示しておこうと決めた。
そうして剣を振る事しばらく、気づけば約束の時間が差し迫っていた。
小さな集まりとだけ聞いていたニナは、おそらく剣士の集まりだろうと思い、あまり丁寧に身体を清めることなく道場を出た。
そうして、言われた場所に鍛錬服にコートを羽織っただけの格好できたニナは己の場違いを悟った。周りはドレスコードの貴族風の人たちばかりだ。
そもそも入れるのだろうかと不安に思ったところ、それは杞憂だったらしくスルスルと中に入ることができた。それでも、自身の場違い感は拭えずイゾルテにさっさと会ってここを出ようと心に決めた。
そうして屋敷の中をさまよった果てに、ニナは先ほどの光景を見つけてしまったのだ。
畢竟、ニナは混乱の極致にあった。
あれは本当にニナの知るイゾルテなのか。あの男は誰なのか。それにあの女の人はこの祭りの主役であるこの国の次期王女ではないのか。となれば、そんな人を侍らせているあの男は何者なのか。彼女の尽きない疑問は、イゾルテが行為を終え、彼女のナカから引き抜かれた男のブツを見た瞬間に決壊した。
「あぁ………♡」
どうしようもなく、欲してしまう。
極上の男の極上のマラ。
子宮が疼き、股が濡れ、涎が口から零れる。
突然、足腰に力が入らなくなり、ニナはその場で女の座りで座り込んでしまう。
その姿に剣王にあるまじきと言ってやるのは酷だろう。
自分より強く魅力的なオスに逆らえるメスなどこの世に存在しないのだから。
ニナの座り込む音にアリエル・アネモイ・アスラが反応する。
「どうやらお客様が到着したようですね」
その声にエリスがずかずかと入り口に近づき、バンッと勢いよく扉を開けた。
「なによ、入らないの?」
まるで入るのが当たり前というような声で問う赤髪の女。
だが、何をどうしたらこの状況で平然と入っていけるのだろうか。
いくら常識に欠けた『剣王』とはいえ、一人の人間であり女であるニナにそれほどの胆力はない。
そうして動けずにいたところ、助け船を出してくれたのはイゾルテだった。
「来てくれたんですね、ニナさん♡」
「え、ええ……久しぶりね、イゾルテ」
「すんすん……ふふ♡ やはり稽古の後みたいですね?」
手を差し伸べてニナを立ち上がらせたイゾルテは彼女のうなじに顔をうずめ、犬のようにすんすんと彼女の匂いを嗅いだ。
そうして雑に布で清めたであろう残り香を感じて、したり顔で微笑んだ。
その顔はニナの知る剣士イゾルテではなく、色恋に溺れる村娘のような可憐で色目をふんだんに孕んだ笑みだった。
そんな酒に酔ったようなふわふわした様子の彼女に呆然としていると、件の男の声が耳に入った。
「お前がそう仕向けたんだろ」
「はい♡ 貴方はその方がお気に召すだろうと思いましたから。違いましたか?」
「いいや、違わないな。大好物だ」
「それは良かったです♡」
言いながら、イゾルテは男に近づき、そのご立派なマラに吸い付いた。
お掃除フェラだ。
エロ本の一つもない剣の聖地で生まれ育ったニナには理解の及ばない行為。
だが、それを見ているとなんだかお腹の奥がジュクジュクと熱くなるのを感じた。
そんな状態で、男は名乗る。
「オレの名はルーデウス・グレイラット。ここにいるエリスとアリエル、そしてイゾルテはオレの
「……も、モノ? だって、そこの人はこの国の王女様でしょ? ね、ねぇ、イゾルテ、なにかの冗談よね? ね?」
「冗談なんてとんでもありません♡ 今の私はただの一人の
「ひっ……」
目に♥マークを浮かべてそう言い寄ってくるイゾルテはもはやニナの知る彼女ではなく。
得体の知れない恐怖を感じたニナは剣王の脚力でもってこの場から逃げようとした。
そう体に力を入れた瞬間だった。
「綺麗だな」
「へっ?」
一目見ぬ間に、なんて生易しいものではない。
まるで次元の違う速さでその男は眼前に迫っていた。
そうして、ニナの利き足を踏みつけ、腰に手を回し、顎に手を添えてニナの顔を覗き込む。
一瞬で、剣王であるニナは体の動きを封じられた。
まるで光の太刀で使われたのかと錯覚するような速さだ。
否、実際に男は光の太刀の歩法を流用していた。
剣神に匹敵する技量と身体能力を持つ男の力を持ってすれば、剣王であるニナを無抵抗で取り押さえることは造作もなかった。
腰をぐっと抑えられ、目を見つめられたニナは男の顔の良さと力強さを同時に理解していた。
勝てない、そう本能で理解した。そして何故か、またお腹の奥がジュクリと熱をもった。
そうして遅れて男の発言を理解する。
綺麗と言われて顔が赤面する。
なぜ、どうして、そんな理解はもはやなくなり、恥ずかしいという気持ちが胸中を埋め尽くした。
しかし、そんな彼女の抵抗を赦さないとばかりに男、ルーデウスはニナに口づけをした。
「んぅっ♡ ちゅ、あむ……♡ あっ……♡ あっ……♡ やめっ……♡ やっ……んっ♡ まって、おねがい……♡ ひゃっ♡」
口の中に舌を入れられ、手慣れたように舌を引っ張り出される。
舌が絡まり、唾液を交換する。
同時にいつの間にかコートと胸当てを脱がされ、布ブラ越しに胸を揉まれる。
(き、きもちいいっ♡ なにこれぇっ♡)
気持ちよすぎて何も考えられない。
あまりの快楽に涎が垂れ、乳首が布越しに主張し、脚がガクガクと震えだす。
立つこともままならなくなったニナの大腿筋に手を回し、ルーデウスは部屋の奥に設置された天蓋ベッドへとニナを運ぶ。
お姫様だっこの形で運ばれるニナは恥ずかしさに赤面し、下着の濡れ具合を如実に感じてしまい、さらに顔を赤くさせた。
見たこともない高そうなベッドに優しく寝かされたニナはまずベッドの柔らかさに驚愕し、次に天井の装飾の美しさに自分がお姫様であるかのように錯覚した。
そこまで思考してようやく、目の前に座る男の存在と、その股にいきり立つ男らしいマラの存在を知覚した。
「脱がすぞ」
「ゃ……ぁ……♡」
男に下着に手を伸ばされてゆっくりと脱がされても、赤面し、恥ずかしさから心臓をバクバクとさせているニナには抵抗することできなかった。
剣王ともあろうものが、とはもはや言うまい。
今ここにいるのは剣王ニナ・ファリオンではなく、ただの一人の
「挿れるぞ」
「あ……♡」
抵抗しなければいけないのに。
ニナのメスの部分がソレを心の底から欲していた。
(入れて欲しいっ♡ あ、入るっ、入ッ……あぁッ♡)
ブチッと何かを破るような感触の後、ルーデウスの剛直が奥を掘り進めるように穿っていく。
そうしてどちゅっ♡ と最奥に行き当たる。
その瞬間、ニナの全身の筋肉が収縮し、無意識にルーデウスに抱き着いて、背をエビ反りにさせる。
――絶頂した。
「はっ♡ はぁ……♡ はぁ……♡ なぁにこれぇ♡ はぁあ……♡」
「それがイクってやつだ。オレの形と一緒に覚えろ」
「は、はい……♡」
気の強い女であるはずのニナだったが、彼の命令にはとんと逆らえる気がせず、生まれて初めて出す媚びた声で答えてしまった。
「動かすぞ」
「あっ♡ あっ♡ あ、んっ♡ あんっ♡」
そこから先は一方的だった。
ルーデウスが正常位で腰を叩きつけ、ニナはそれを粛々と受け入れるだけ。
男のマラが自分の穴の中に入って、出て、また入ってを繰り返すだけ。
それだけの行為に、ニナの頭は焼ききれそうなほどの快楽を味わっていた。
それは言うなれば乱暴な多幸感だ。
ただただ幸せで、幸福で、もっともっとそれが欲しいと望んでしまう。
「やっ♡ まって……♡ また……あッ♡」
「いいぞ、何度でもイけ」
「やだっ♡ やだやだっ♡ あ゛っ♡」
「綺麗だな。もっとその綺麗な顔を見せてくれ」
「あっ♡♡ あっ、やだっ♡♡ はずかしいっ♡♡」
恥ずかしくて死にそうだった。
死にそうなほどに、幸せだった。
これまで幾度も苦難を乗り越えてきた剣王ニナ・ファリオンが、剣士としてのニナが殺されようとしていた。
ニナの人生を費やしてきた剣を捨て、ただの
剣神流のモットーは即断即決。
ニナは、ルーデウス・グレイラットのオンナになることを決めた。
「出してっ♡♡ 貴方の子種っ♡♡ ぜんぶ、わたしの中にっ!♡♡」
「ッ、いいんだな」
「わたし、ニナ・ファリオンはっ♡♡ 剣王としての身分も、剣も捨てて、貴方だけの
「ああ、いいだろうッ! なら思う存分孕めッ!」
「ッッッ~~~~~イックぅぅぅぅぅぅううううう♡♡♡♡♡」
剣を捨て、人としての尊厳さえも捨てたニナは及びもつかない大量の射精に胎を目一杯膨らませ、限界を迎えたように気絶した。
「ふふ♡ これでニナさんと