特区日本の政庁は、その日もブリタニア側と日本側の人間が、せわしなく働いていた。ライもその一人で、今はラウンジでソファーに座り、束の間の休息を取っている。
「忙しいな、だが明日は休日だからもう少し踏ん張ろう」
そう呟くと、ライは左手を前に伸ばして眺めた。その薬指には、カレンとお揃いの指輪が光っている。二人は先日、結婚式を挙げたばかりの新婚夫婦で、指輪はその証だ。
「僕が本当に、こんな幸せを手に入れるなんて…」
幸せを掴んだ嬉しさが込み上げ、ライの頬が無意識に緩む。すると後ろから不意に声が掛かった。
「幸せボケか、凄い顔だぞ」
「うっ、うわっ!はぁ、何だC.C.か」
ソファーの背に寄り掛かったC.C.を見て、ライは大きく息を吐いた。
「そんなに凄い顔だったか?」
「緩み切っていたな、普段からは想像もつかんくらいに」
「…恥ずかしいな」
「新婚だからな、そういうものじゃないのか?まあ衆人の目が集まる場所でその顔は、格好のネタにされるから気を付けろよ」
「忠告に感謝する、気持ちの緩みは危険だからな」
ライが気を引き締めると、C.C.は笑った。
「しかし、気合いの入れ過ぎも気を付けろよ。あいつはお前が一人で抱え込むのを、何より嫌う。あいつが心配しない程度には、力を加減しておけ」
「ありがとう、随分と気に掛けてくれるんだな」
「お前達の未来に、少なからず期待しているのさ。時を越えて結ばれ、人並みかそれ以上の幸せを育めるのか、見させてもらう」
C.C.はライに手を振ると、またどこかへ行ってしまった。
「幸せを育めるのかどうか、か。幸せの形は人それぞれだろうけど、絶対にカレンや家族の笑顔は必要だよな。そのためにも、仕事はしっかりしないとな」
ライは気持ちを新たにして、ラウンジを後にした。
その日の夜、カレンは自宅でライと食事を共にした後、リビングのソファーに座り、風呂の用意をしに行った彼を待っていた。
「一緒に仕事を頑張って、一緒にご飯を食べて、毎日が充実してるなあ。結婚して、お互いにより気持ちが入ったみたい」
カレンは左手を伸ばし、指輪を眺める。すると結婚したという事実をより自覚して、胸が温かくなってきた。
「ふふっ、この私があんな素敵な人と結婚なんてねぇ。仮に過去の私に教えたとしても、絶対に信じたり…」
「お待たせ」
「ひゃいっ!?」
にへらと笑っていた背後から、不意にライの声がして、カレンは情けない叫び声を上げた。すると彼も面食らい、おずおずと声を掛ける。
「あの…カレン、大丈夫か?」
「へっ?あっ、ああ…ごめんねライ。ありがとう、お風呂の準備してもらって」
「あ、ああ。そのうち沸くとは思うが、どうしたんだ?」
カレンの隣にライが腰掛けると、彼女は恥ずかしそうに言った。
「その、恥ずかしい話なんだけどね。結婚指輪を眺めてたら、ライと結婚した事実が改めて凄く嬉しくなって、夢見心地になっちゃったの。何だか私、腑抜けたなあ」
「それは、僕もだな。今日、政庁のラウンジで休憩中に今の君と似た感情に浸っていたら、C.C.に『幸せボケか、凄い顔だぞ』と言われた」
「何も仕事せずに政庁内をフラフラしてるあいつには、言われたくないわね…」
「その意見には多少賛同できるが、今は言わないでやってくれ。実際、嬉しくて浮つく場面が増えたから、気を引き締めるきっかけにはなったんだ」
「ライもその、私と結婚したのがそんなに嬉しい?浮つくなんて言葉、貴方からは想像もできないから」
カレンの質問に、ライは頷く。
「もちろんだ、胸が温かくなって、幸せで満たされる。君と夫婦でいられるのは光栄だし、ずっとこの幸せを守りたい」
「私も貴方が自分の旦那様だなんて、今でも信じられないし、凄く幸せよ。ずっと貴方と一緒に歩いて、幸せを一緒に感じて、この幸せな世界を一緒に守りたい」
「ああ、君と一緒に守ろう。C.C.にも、僕が一人で抱え込むのはカレンが嫌うから、気を付けろって言われたばかりだしな」
「あら、あいつもたまには、いい事言うのね」
カレンはそう言って笑うと、ライの指に自分の指を絡ませる。
「私との結婚で、浮つくくらい嬉しく思ってくれてありがとう。もっと貴方の事が、好きになったわ」
「僕も、君が僕との結婚でこんな幸せそうな表情を見せてくれて、凄く嬉しい。余計に君に惹かれる、心の底から愛している、カレン…」
「私も愛しているわ、ライ…んっ」
二人は指を絡ませ合い、熱いキスを始めた。口の中で舌を絡ませ、息もすぐに弾んで、あっという間に体が火照り始める。
「はふぅ…ライ…」
キスを止めたカレンが、蕩けた瞳でライを見上げる。外行きの服から部屋着に着替えていた彼女は、薄いキャミソールとホットパンツを身に着けており、前屈みになった上半身では豊かな二つの膨らみと深い谷間が、下半身では健康的な脚線美が彼を惹き付けていた。
「カレン、今から君を抱きたい。いいか?」
欲望を隠す事なくライが言うと、カレンも同じ欲望を口にした。
「うん、私もライに抱かれたい。私を感じて…」
ライはカレンを抱き寄せると、一緒にソファーへと倒れ込んでいった。
「んんっ、ライ…ふあっ」
キャミソールを捲られ、乳房を揉まれながら乳首を盛んに吸われるカレンが、何度もライを呼びながら甘い声を上げている。乳房を愛撫するだけで彼の股間は熱く燃え、彼は息を乱しながら彼女を求め続ける。
「はぁ、カレン…はぁ、もっと君が欲しい…」
ライは起き上がり、ズボンとパンツを脱いで滾るペニスをあらわにすると、カレンのホットパンツと下着を脱がせて、彼女の脚を押し広げた。すると彼女は微笑み、願いを口にする。
「いいよ、もっと求めて。そして中にいっぱい出してちょうだい、ライの赤ちゃん…凄く欲しいの」
「ああ、君を孕ませたい。僕の子をたくさん、産んで欲しいっ」
「ふぁぁっ、来てぇ!いっぱいライの赤ちゃんっ、産ませてぇ!」
ライはカレンの膣内にペニスを挿入して、彼女を孕ませたい一心で腰を振り始める。
「ああっ、いっぱい突いてぇ!ライの事っ、もっと…かっ、感じたいのぉ!」
乱れるカレンがライを求め、彼も彼女を求めて一番奥を激しく突いていく。ヌルヌルした膣がペニスを締め上げるように包み込み、子種を求める。
「カレン…今夜は一段と、締め付けが凄いなっ!体の底から吸い取られそうで、すぐに出そうだっ…くぅっ!」
「いいよぉ、いつでも出してぇ!あっ、何度でも出していいしっ、ふあっ、何度でも受け止めるからぁ!」
最近忙しく、欲求が溜まっていたライにとって、カレンの訴えは大きな一押しになった。急激に精液がペニスの中をせり上がるのを感じて、彼は告げた。
「もう出るっ…くっ、ううっ!」
「はぁんっ、中でビクビク動いてるぅ!熱いのがいっぱい流し込まれてるぅ!」
我慢できずに放たれたライの精液を、カレンはしっかり受け止めたのだった。
「すまない、我慢できずに出してしまった。もっと君を満足させてから、出したかったんだが」
「いいのよ、ちょっと忙しくてセックスできてなかったから、溜まってたんでしょ?」
謝るライの頭を優しく撫でながら、カレンが続ける。
「今夜と明日は、その分を全部ちょうだい。いっぱい出してくれれば、私も満足だし、何より妊娠に近付けそうだから」
「わかった、最初からそのつもりだったが、全部をカレンに注ぎ込もう。その間に君を存分に満足させるから」
「うん。とりあえず、お風呂に入ろっか」
ライがペニスを引き抜くと、カレンは起き上がり、床に落ちていたパンツを履いた。
「濡れている所は、拭かなくて良かったのか?」
「服は後で洗濯するから、いいの。浴室に行く間に中から溢れるだろうから、なるべく床を濡らさないようにと思ってね」
「ああ、裸だと色々な所に落としそうだからか。じゃあ、行こうか」
二人は脱ぎ散らかしていた服を拾うと、浴室へ向かった。収まらない熱い想いを、もっと確かめ合うために。