英雄戦姫GOLD ボクが考えたブリタニア漂着ルート 修正版 作:シベリア!
「私は、テンプル騎士団の指導者を務めております……ユーグ・ド・パイヤンと申します。
高名なGOLD商会の皆様にお会いできて、光栄です」
漆黒の騎士甲冑と、白黒のマントを纏った女性が……ユーグ・ド・パイヤンニコリと笑う。
「ええ、こちらこそ。 お会いできて嬉しい」
チハヤもできる限りの笑顔を作り、パイやんと握手を交わす。
しかし、チハヤは内心穏やかではなかった。
「(何故だろう……俺はこの人を知っている……のか?
駄目だ、思い出せない。 思い出せないけれど……何か、何かこう……)」
テンプル騎士団とは、聖地エルサレムの支配権を巡って大きな戦争が起きていた頃に、聖地への巡礼者を保護する目的で結成された団体らしい(ボールス談)。
天ぷらとは何の関係も無いらしい(ランスロット談)。
聖地と聞いて期待していたのにウ=ス異本が売ってなかった、詐欺だ(ナポレオン談)。
欧州各地に拠点を持ち、主要な街道等の治安維持、孤児や貧者に対する施し等の活動をしているらしい(クック談)。
天ぷらとは魚や野菜、きのこ等を水と小麦粉で作った衣で包み、油で揚げて調理するというジパング料理のことで、大変美味な物らしい(ランスロット談)
入団時に、この世の栄華を捨てるため、全ての私有財産を騎士団に捧げるしきたりがあり、
団員からの捧げ物や、貴族や商人、巡礼者からの寄付、ブドウ農園の経営などで得る収入で活動しているらしい(パラメデス談)。
今回の暴動騒ぎにも早くから対応しており、被害の拡大防止のために色々と尽力している。
また、市民からの人気があり、入団希望者も多いらしい(ジャンヌ談)。
ウ=ス異本といえばフランス・プロヴァンス生まれのミシェル・ド・ノストラダムス執筆のものが有名であるが、少し前から消息を絶ち、新刊の発売も途絶えているらしい(ナポレオン談)。
武者修行時代に世界各国を渡り歩き、様々な料理を味見したランスロットであるが、天ぷら等のジパング料理は食べた事が無く、いつか絶対に味わってみたいと密かに願っているらしい(ランスロット談)
約2名、何の役にも立たない情報をよこしているが、おおよそこのような団体らしい。
皆の話を聞く限り、歴史があり信用もできる団体なのだとチハヤは思った。
そう、その時は思ったのだが……チハヤは今、奇妙な寒気を感じている。
「(どうしてだろう……? どうして俺は、この人に……パイヤンに……)」
チハヤの記憶が警鐘を鳴らしている。
心臓の高鳴りを必死に抑えながら、パイヤンの顔を慎重に確認する。
ホクロの一つ、皺の一つ、毛穴の一つとして見落とさないように……
「こら総帥……ジロジロ見過ぎですぅ……」
そしてクックの不機嫌そうな一言で我に返った。
「ああ、いや、その……どこかで、お会いした事はありませんでしたっけ?」
「カミサマは言いました、その口説き文句は古すぎると」
なんとか取り繕おうとして言った言葉も、さらに不機嫌そうなジャンヌ一言で遮られる。
「いいえ、ご期待に添えず申し訳ありませんが、貴方とお会いしたのはこれが初めてかと」
パイヤンはそう返答する。
本当だろうか? 自分が忘れているだけで、本当は初対面ではないのでないか?
チハヤはそんな事を考えながら、今度はパイヤンの表情を……
「だからっ! ジロジロ見んなですぅっ!!」
……そしてクックに後頭部を叩かれた。
「……すいませんでした」
「いえいえ、悪い気はいたしませんでしたよ。
貴方のような美青年に見つめられるというのも」
「はいはい、真面目な用事で来たのだから、遊ぶのも口説くのもその位にしておきなさい」
ナポレオンさんが心底呆れた様子でため息をついた。
「さてパイヤン殿。 私達がここまでやって来た理由はご存知よね?」
「もちろんですとも、フランス軍総司令のナポレオン殿」
パイヤンが指をパチンと鳴らすと、後ろで控えていた団員が何枚かの書類をパイヤンに差し出す。
「……むむ、これは……うんん……?」
パラメデスが僅かに目を細める。
何かに気づいたようだが、この場でそれを語る気はなさそうだ。
その書類にはビザンティンの地図と国内で起きている暴動について記されていた。
「結構多いわね、商会の戦力だけでは厳しいか……ボールスはどう思うかしら?」
「この数字って、暴動が起きた日付だよね?
フランスで暴動が収まった頃から頻度が急激に上がっているのが気になるかな。
これって、やっぱしさ……」
「ま、そう考えるのが自然でしょうね……」
ボールスとナポレオンさんが小声で何かを話し合っている。
元貿易商、元ブリタニア海軍士官として、商会の財政の全てを担っているクックだが、陸戦はあまり詳しくないため、こういう時に横から口出しをしない。
ジャンヌは理詰めではなく直感で……と言うか、割と行き当たりばったりで作戦を決めるタイプらしいので、他人と作戦に関して話し合うのは苦手なのだとか。
「ししょ~、今日のお夕飯は何でしょうね~」
そしてランスロットは能天気に笑いながら食事の事を考えていた。
軍事に関しては素人同然のチハヤは、おおまかな方針を指示する事はあっても、具体的にどう戦うかを決める事はない。
結果として海戦はクックが、陸戦ではボールスが具体的な軍事行動を決める事が多い。
なお、ナポレオンは軍事の天才と呼ばれる程の戦上手であるが、部外者である。
時折……いや、かなり頻繁にしれっと商会の方針を決める事があるが、一応、部外者である。
「総帥、当面の行動案出たよ~」
「総帥、おめ~の仕事ですぅ。 ちゃんと確認して決裁するですぅ」
「フランス正規軍抜きでこれ全部を相手にするのは無謀極まりないけど。
勝手に国境を越えると国際問題になるわ。
なからビザンティンの文化の中心地『ウィーン』か、
状況次第で首都『コンスタンティノープル』まで行って、
国内での活動許可を受ける必要があるわね」
ナポレオン達が地図を示しながら、説明を始める。
「ただねー、コンスタンティノープルまで行くには海路を使うか、
ワラキア公国の都市『トランシルヴァニア』を通過するかしないといけないんだ。
ワラキアって何故か君主が不在で、入国許可を取るのが色々めんどいんだよね~」
「だから、当初の予定通りウィーンへ向かって、
軍事顧問のダ・ヴィンチか、可能ならカール大帝に面会。
フランス正規軍を活動させる許可を受けるわ。
パイヤン、カール大帝の居所はわかるかしら?」
「いえそれが……ここ数ヶ月の間、連絡がとれないのですよ」
「ならダ・ヴィンチに話をつけましょう。 彼女はウィーンね」
「いや、それなのですが……」
……
…………
………………
「フランス軍ブッ潰ーーーすっ!!」
「あのようになっておりまして……」
ウィーンに到着したチハヤ達の前に現れたのは、信じられない光景……いや、信じられないような恰好をした少女であった。
半裸……本当に半裸としか言いようがない少女が叫んでいたのだ。
出るところは出て、引っ込むところは引っ込んだ、男性ならば誰でも魅了されるプロポーションをした女性がそこにいた。
エプロンめいた前掛け以外、その女性は何も身に着けていない。
「ま……まけた……」
「いや露出度で張り合ってる場合じゃないって、パラっち」
女性の周辺には、やはりと言うべきか、視線が定まらない群集がいる。
不幸中の幸いか、ジャンヌの時と違って、正規軍は混ざっていない。
「よくも……よくもウチの騎馬像を……
アレ作んのにどんだけ苦労したかわかっとるんか……
10年やで、10年……馬の解剖にスケッチ、青銅の調達、数々の苦労を乗り越えて、
さあ鋳造やー……って所で原型ぶっ壊すとか何考えとんのや……」
半裸の少女は虚ろな目で、何かをブツブツと呟く……
「あのようになっておりまして、私どもの話を一向に聞く気配もなく。
いやはやまったく、困り果てておりまして……」
「ありえない妄想に、憎悪の感情が増加……と、あの時のジャンヌと、少し似ているわね」
「あの時のことは言わないでください……」
嫌な事を思い出したからか、ジャンヌの顔が暗く沈む。
「よくもウチの騎馬像をメチャメチャにしてくれたな……
あの世でウチに詫び続けいやっ! ナアァァポレオオオオォォォォンッ!!」
全員がナポレオンさんの方を振り向く。
ナポレオンさんは全力で首を横に振っていた。
「ナポちゃ~ん、駄目っしょー、騎馬像壊しちゃ~」
「ナポレオンさん、初対面の人を怒らせる癖、
やめた方がいいって言ったじゃないですか~」
「カミサマは言いました、ツンデレも現実世界ではスゴイ・シツレイだと」
「やってない! なんにもやってないわよ私は!
ちょっと、誰か弁護士呼んで、私は無実よ。 この際チハヤでもいいわ」
「いや、俺は弁護士じゃないから……」
「だいぶ前にエジプトのスフィンクスに~大砲ぶっ放してましたよね~」
「それはそれ! これはこれよ! とにかく事情は全く理解できないけど、
見つかる前にこの場を離れるわよ。 事情は全く理解できないけどっ!!」
「なぜ……二回いった……」
「うるさいわね、私は何もやってないわよ。 冤罪よ、え・ん・ざ・い!!」
「カミサマは言いました、ムキになって否定するところが怪しいと」
「ジャンヌまで!? 本当に何もやってないわよ!」
「ナポレオンさん……自首しましょ~、今なら罪も軽いはずです~」
「ランスロットまでっ!?」
「ナポレオンとはここでサヨナラですね、残念でならねーですぅ」
「もう少し残念そうな顔しなさいよアンタは」
「おやおや、これは私も何か言うべきでしょうかねぇ」
「パイヤン、貴女はこの商会のノリに染まらないで。 もう貴女が最後の希望よ」
「希望……最後の希望ですか? 私が? ふふふ、それも良いかもしれませんねぇ」
皆でギャーギャーと騒いでいると、半裸の少女とは別の方向から、
バイオリン、トランペット、ティンパニ等の様々な楽器を持つ集団が歩いてくる。
「あれは……オーケストラってヤツかな?」
「なんだか無性に嫌な予感がするわ……先に言っておくけど、私は無罪よ。
何もやっていないわ」
楽団らしき集団から、キャスター付きのピアノを押す黒髪の少女が現れる。
「あれは……ベートーヴェンじゃない。 地獄に仏とはこのことね。
いきなりで悪いのだけど、ダ・ヴィンチに何か言って……」
ナポレオンが最後まで言い切るよりも早く、黒髪の少女……ベートーヴェンさんは両腕をピアノの鍵盤に叩きつける。
音量はさほどではないが、明確な拒絶の意思を伴ったその音が、チハヤ達の腹に響くかのように聞こえてくる。
「……ナポレオン……どうして……ボクに黙って皇帝なんかに……
友達だと思っていたのに……」
「やっぱり地獄には鬼しかいなかったわ」
ナポレオンさんが自嘲気味にため息をついた。
「あ~あ、今度は何をやったですぅ? さっさとゲロっちまえですぅ」
「カミサマは言いました、だからやめとけと言ったのにと」
「いやだからやってないわよっ!!
だいたい貴女に黙ってこっそり皇帝になるなんて出来る訳がないでしょ。
皇帝をなんだと思っているの」
「でもさぁナポちゃん、なろうとはしてたんでしょ、皇帝にさ」
「まぁ……ほんのちょとは……」
ダダァーン!! という悲痛な感情を表現する音が、黒髪の少女のピアノから鳴り響く。
「聞こえないように小声で喋ったのに……最近の補聴器は性能が良いわね……」
「はいはい、現実逃避してねーで、逃げるか戦うか決めるですぅ」
周囲を見渡すと。既に虚ろな瞳をした音楽家達や民衆によって完全に取り囲まれている事がわかった。
乾いた笑いを繰り返す半裸の少女を先頭に、その包囲は着実に狭められている。
おそらく今から逃げ切る事は非常に困難だろう。
「はぁ、しょうがないか……チハヤ、闇の玉を回収する箱、持ってきてるわね?」
「ああ、あるぞ」
「全員気絶させて、切り抜けるわ」
商会のメンバーや、テンプル騎士団が臨戦態勢をとる。
それと同時に、暴徒と化した民衆がこちらに押し寄せてきた。
……戦闘開始……
「物語上は崑崙に居るはずの伝説の道士チャージ!! か~ら~の~……」
「カミサマは言いました……滅せよっ!! と」
「あ、人気帳票10位入賞おめでとうございます」
「ありがとう、皆の応援のおかげだよ」
……戦闘終了……
「すいまえんでした;;」
ランスロットがその辺から拾ってきたアル・ウードでブン殴られ、正気に戻った半裸の少女がプリケツ土下座をした。
青少年の下半身的な意味で非常に危険な光景故か、クックが即座に俺の視線を塞いでくる。
「怒ってないわ、怒ってないから土下座はよしなさいダ・ヴィンチ」
「ごめんなさい……」
ピアノで怒りを表現していた娘も、酷く落ち込んだ様子で謝罪してくる。
その辺で拾ってきたキルキルピアノを投げつけられたため、頭に大きなタンコブができていた。
「……しょぼん(´・ω・`)」
「ベートーヴェン、貴女も落ち込まないの。
さっき回収した黒い玉が、貴女達をおかしくしただけなのだから。
あと、ランスロットがピアノを思い切りブン投げてたけど、大丈夫なの?」
「大丈夫……キルキルピアノは……頑丈に作ってあるから……」
「いや貴女の怪我の心配をしてるのよ」
「大丈夫……ありがと……」
「ランちゃんって、見た目よりパワーあるよね」
「毎朝コーンフレークを山盛りで2杯食べてるおかげです~」
「カミサマが言いました、コーンフレークで超人的な体力が身についたら苦労はないと」
そんな微笑ましい(?)光景の中……
「みぎゃああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!」
女性の悲鳴らしき声が辺りに響き渡った。
全員がその声の主を探すと、少し離れた場所で頭を抱え、両膝をついた半裸の少女……ダ・ヴィンチが声の主だとわかった。
「ウチの……ウチの騎馬像が……10年もかけて作ってきた騎馬像が……」
そこには大理石の台座に刺さる、2本の馬の足めいた短い棒、そして馬の首や、騎士甲冑の腕のような残骸があった。
周囲を見ると、残骸とよく似た素材でできた馬の足めいた棒や、騎士の首らしき石も転がっており、かつてあの台座の上に、立派な騎馬像があったのではないかと推測できる。
「ナポちゃん、自首しよ」
「しつこいわね、やってないわよ!!」
「だったら誰が……」
「ああ、あそこにあった騎馬像ならウィーンで暴動が始まった頃に破壊されましたよ。
たしか2週間ほど前に……」
「なっ2週間!? 2週間やてっ!? も、もしかしてアレも……」
パイヤンがそう話していると、
ダ・ヴィンチがガバッと起き上がり、どこかへと駆け出した。
「あ、ちょっとダ・ヴィンチ、どこに行くのよ!?」
なんとなく嫌な予感がしたので、チハヤ達も後を追うことにした。
ダ・ヴィンチはウィーンの町並みを右に曲がり、左に曲がり、どこかを目指して走り続ける。
後ろから見ると、彼女は全裸に近い格好に見える。
青少年的な意味で非常に危険だが、非常時なのでやむをえず凝視しつつ、見失わないように追いかける。
「うぎゃああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!」
そうこうしている内に、再び悲痛な叫び声が辺りに響いた。
大きな会議場らしき建物に入ったダ・ヴィンチが壁画らしき物を見て悲鳴をあげたのだ。
「ウ……ウチの壁画が……アンギアリの戦いの壁画が……」
ゆっくりとその場にへたりこむ。
壁を見れば、壁画はどろどろに溶けた絵の具によりぐちゃぐちゃになっており、無残としか表現できない酷い状態になっていた。
「ナポレオンさん……どうしてこんな事を……」
「なんでもかんでも私のせいにしないでちょうだい。 それにしても、これは……」
「そりゃそ~なるわ~……描きかけのまま2週間も放置したらこうなるわ~……
あはは……あはははは……あかん、再起不能や……」
ダ・ヴィンチさんが顔を真っ青にしながら笑い始めた。
「まあ、その……壊れたのはしょうがないとして、また作り直せばいいんじゃないか」
「無理……無理や……予算、使い切ってもーたもん……壁画の方も、騎馬像の方もや。
こないな失敗して、一から作り直す予算なんて絶対出ぇへん……
それどころかクビ……間違いなくクビになるで……」
チハヤはブリタニアだけが極端に貧乏なのかと思っていたが、どうやら他国も他国で、余裕がある訳でもないらしい。
ナポレオンがジェスチャーで、何とかしろとチハヤに訴える。
同時に、フランス政府にも金はないぞとも。
「(いやだけど、何とかと言われても……要は予算があればいいんだろうけど、
今のGOLD商会もそんなに余裕がある訳じゃない。 だから……いや、しかし……)」
チハヤが何秒か考え込む。
ボロボロの壁画の前で泣きじゃくる彼女をどうにかしてあげたいと純粋に思う。
だからチハヤは……
「商会に……来ないか?」
「ほへ? しょーかいって……?」
「自己紹介が遅れたけど、俺はチハヤ。
GOLD商会っていう……まあ、この前できたばかりの商会の総帥をやっている者だ。
今はまだ小さなものだけど、
いつかは世界中を冒険できるくらい大きくしたいと思っている。
そうなったら、君の作りたいものを作れるようにするから。 一緒に来ないか?」
「ウチの……作りたいものを? いやでも、そんなん悪いやん」
「いや、商会の収入が安定するまで、仕事を手伝って欲しいんだ。
さっきみたいに、闇の玉でおかしくなってしまった人たちを助けて、
交易網を広げていくつもりだから、少しでも人手が多い方がいい」
「けど……けどウチ、商売の事とかわからへんよ、軍事顧問とかもやっとるゆうても、
地図書いたり、橋とか兵器とか、舞台装置の設計図書いたりしかしてへんし……」
「あら、いいじゃない。 地図を描いたり、設計図を書く人も商会に必要な人材なのよ。
それに、GOLD商会は世界中を冒険する予定だから、今まで見たことのない景色とか、
建築物とかが見られるかもしれないわよ」
ナポレオンさんが的確に助け舟を出してくれる。
チハヤにだけ聞こえるような小声で『たぶん』と付け足さなければ、心の底から感謝したかもしれない。
「ウチ、ホンマに役に立つん?」
「役に立つよ、きっと。 だから、商会の仲間になってくれないか?」
「ほ、ほんなら……ウチ……」
……
…………
………………
「そんな訳で、今日からウチも商会の世話んなる、レオナルド・ダ・ヴィンチや。
よろしゅうなー」
クックやジャンヌがこちらをジトーと見つめてくる。
「人が事後処理に追われてた中で、こいつまた女口説いてたですぅ……」
「カミサマが言いました、総帥は節操がなさすぎると」
「まーまー。えーやないか。 ウチは総帥を取ったりせえへんよ」
「だったらマトモな服を着ろですぅ……」
「……ウチの服、変かな?」
「変ね」
「頭おかしいですぅ」
「男としては、その……少し目のやりどころに困る」
「カミサマは言いました、それを服だと言い張るつもりかと」
「ろしゅつどでまけたのは……はじめて……」
「ぶっちゃけ、裸族と間違えられかねないよね」
「流石にあの格好はちょっと……」
「……今まで黙っていたけど……変だと思う……」
「こ、個性的な服かと……」
ダ・ヴィンチは全員からの総スカンを食らう。
「ししょー、わたしもああいう格好の方が……」
「ランちゃん、気持ちはわからなくもないけど、やめて。
円卓の……じゃなくて、元円卓の騎士が公然わいせつ罪で捕まったら恥だよ」
「だいじょうぶ……いちどもつかまらなかった……」
「パラっちは黙ってて!!」
円卓組がなにやら揉めている。
「う~ん、あんまし考えたことなかったけど、
もー少しは格好について考えなあかんかなぁ?」
「まあ、せめてパンツくらいは履いた方が良いと思うわよ」
「そうだな、是非そうして欲しい。
こちらから商会に誘っておいてなんだが、正直なところ目のやり場に困る」
「それじゃあ、ダ・ヴィンチ……ダビンチ、ダビやん、ダビたん……
うーん、ダーヴィーかな? よし、ダーヴィーも一緒に服、買いに行こうか」
「ウチそのへんようわからんし、お願いしよかなぁ」
「ところでダ・ヴィンチ、
フランス軍がビザンティン国内で行動する許可が欲しいのだけれど、
カール大帝と面会できないかしら」
「あ、大帝ならおらんで」
「……え?」
ナポレオンさんがベートーヴェンさんの方を向く。
「最近……見ない……」
「え、何? まさかとは思ったけど、本当に行方不明なの?
一国の国家元首が行方不明? 何か起きたらどうするのよ?」
「いや~、おかげで最近の暴動騒ぎにも全然組織立った対応ができへんかったな……」
「じゃあ誰に許可貰えばいいのよ?」
「あー、そのへんはウチがなんとかしたるさかい、3~4日あれば許可下りるで。
正直、自力で暴動収めんの絶望的やったから、フランス軍の援護は助かるわー」
「大帝不在なのに勝手に他国の正規軍入れられるの?」
「ビザンティンはその辺も想定して法律作ってあるから、大丈夫やって」
「そう、なら私は国境近くで待機させてるフランス軍と合流して準備しとくから、
なるべく早く許可をだしてちょうだい」
「あいよ、ちゃんとやっとくでー。
そんじゃ総帥、そんな訳でウチは3~4日したら商会に合流できると思うから、
合流したらバリバリ働くから、よろしゅー頼むで」
「もちろん、我々テンプル騎士団も力をお貸ししますよ。
共に力を合わせ、世界の平和を取り戻しましょうではありませんか」
GOLD商会構成員
チハヤ(総帥)
ランロット
ボールス
パラメデス
クック
ジャンヌ
ダ・ヴィンチ(New!!)
協力者
ナポレオン
パイヤン(New!!)